○櫻井
委員 大臣から今るる
答弁いただきましたけれども、お話を聞いていますと、寒風吹きすさぶ外に放り出しておいて、それで頑張れと言って、いや、でも、それはさすがに、そんなことを言われても酷じゃないですかというのが私の印象でございます。
これは
金融庁がつくっている報告書なんですが、
金融庁が
金融仲介の改善に向けた検討
会議というのをやっていて、この中で「
地域金融の
課題と競争のあり方」という報告書を出しております。
この中では、
地域銀行は、貸出利ざやの縮小を貸出残高の増加で補おうとしているものの、資金
利益は継続的に
減少している、こうした
状況下で、本業、貸出しと手数料ビジネスの
利益は悪化を続けており、これは二〇一六
年度決算というちょっと前の数字でございますが、このときでも、
地域銀行、百六行あるうちの過
半数の五十四行が本業赤字となっている、今後においても、比較的金利の高い既存貸出しや保有有価証券の返済、償還が続くことに加え、
企業数や
人口の
減少など構造的な要因による貸出需要の
減少も進むものと考えられ、これらは
地域金融機関の収益を本業と本業以外の両面で更に悪化させる要因となる、このような報告書が出ているわけです。これは
金融庁の報告書ですからね。
金融庁、実は、ことしは二千万円の年金問題とかいうような報告書も出て非常に話題になりましたけれども、よくよく見ますと、現実を率直に
指摘した報告書も出しているわけです。ぜひ、こういう厳しい
状況というのも、
大臣、把握をしていただいて
対応いただきたいなというふうに思うところです。
一方で大手の方を見ますと、ではどういう
状況にあるのかというふうに見ていきますと、大手の
金融機関は海外の方に打っていけるということですけれども、資金運用に困って、海外でのハイリスクの債券に手を出しているのではないのか、こんなふうにも見られるわけでございます。
世界の
状況を見ますと、国際通貨基金、IMFは、十月十六日のグローバル・ファイナンシャル・スタビリティー・レポート、世界
金融安定報告書では、低金利が続く中でリターンを求める動きにより、世界的にリスク資産の水準が増しており、
金融状況が突如、急速に調整される可能性が高まった、こういうふうにも
指摘をしています。
日本の大手の、資産規模の大きい
金融機関、農林中金であるとかゆうちょ、メガバンクが、欧米の
金融機関を大幅に上回る伸びでCLO、ローン担保証券の
投資を拡大している、総額はもう十二兆円に達しているのではないのか、このようにも言われております。
CLOは、仕組み、構造としてはサブプライムローンと似たようなところがございます。
景気が悪化するとリスクが顕在化するのではないのか、このようにも懸念されておりますし、流動性が高いようで実は低いという
指摘もあったりします。
十年前、十年ちょっと前になります、リーマン・ショックがあったとき、このとき
麻生大臣は総理
大臣でいらっしゃいました。日本も大変ダメージを受けた。それこそ、日比谷公園には、仕事とそれから住む場所を同時に失ってしまった方々が年越し派遣村というような形で大勢集まった、こんな大変ひどい
状況がございました。
ただ、それでも、欧米諸国に比べて、日本の
経済的ダメージは比較をすれば浅かったのではないのかというふうにも言われておりますが、それは、そのとき、日本の
金融機関がある種、周回おくれで、サブプライムローンに余り手を出していなかった。
ところが、今回は、このCLOについてはそうとも言えないような
状況になってしまっているんじゃないのか、次にリーマン・ショックのような大きな危機が来たときに、日本はもろにダメージを受けてしまうんじゃないのか、こんなふうに懸念をするところでございます。
そこで、
大臣にお伺いをしたいんですが、この異次元の
金融緩和の副作用として、大手の
金融機関がCLOなどの高リスクの債券を増加させているのではないのか、こういう問題に対してどのように対処を考えておられるのか。既に
日本銀行と
金融庁で共同していろんな
調査をやっているというふうにも、検査をやっているというふうにも聞いておりますが、
大臣の御所見をお聞かせください。