○柿沢
委員 柿沢未途でございます。
台風十五号では、十日間とか二週間とか、およそこれまでは
考えられなかったような長期の停電が、何万世帯にわたって広範囲に発生をいたしました。明かりがつかない、テレビもつかない、スマホの充電は切れる、冷蔵庫もだめだからコンビニ弁当も買えない、エアコンが動かなくなって熱中症で救急搬送される方が続出する、日常の
生活にまつわる全てのことがダウンしてしまったと言ってもいい
状況だったというふうに思います。
その中で、
生活に必要な最低限の電力を
確保できた人もいる。それはどんな人かといえば、簡単に言えば、ソーラーパネルを持っていた人です。
資料をお配りしていますが、
写真は木村優美子さんという料理研究家の女性です。鴨川の里山の森の中に家族で
生活をしています。
台風十五号のときは、ここは九日間停電しました。しかし、この木村優美子さんのお宅は、三・一一の、八年前の震災と原発事故を目の当たりにしまして、
首都圏で計画停電なんかもありましたので、簡易なソーラーパネルをそのときに買っていたんだそうです。ずっと物置に眠っていたのを今回引っ張り出して、
台風が通過した後の日当たりのいいところに置いておいた。
見てのとおり、これは出力はすごく小さいですけれども、しかし、スマホの充電もできて、また、パソコンも使えて、そして、スマホの明かりを壁に当てると、白い壁に反射して、夜も結構明るいんだそうですね。このぐらいで
生活の最低限なことは何とかなったということなんですね。しかも、ごらんのとおり、カーバッテリーをつないで蓄電もやりました。
私も、自然エネルギーの推進ということは別の観点からやってきたんですけれども、
災害時、みずからの
生活を守る自衛の措置としてこのソーラーパネルが役に立つということをまざまざと感じました。このソーラーパネルと、そしてカーバッテリーと、またスマホの充電器、全部合わせても締めて三万円ですよ。三万円でこの九日間の停電をしのぐことができたということであります。
裏面の
資料、これも
写真ですが、これは、千葉県匝瑳市というところでソーラーシェアリングというのをやっている太陽光発電所です。ソーラーシェアリングというのは、農地で農業をしながら上でソーラーパネルで発電をするというものでありますが、農業プラスエネルギー、こういうことでありますけれども、ここも、ソーラーシェアリングのパネルで発電した電気を、スマホの充電ステーションを設けて
地域に開放した、こういうことをやった。この
地域も七日間停電したそうですけれども、みんなが集まってきてスマホの充電をして、大変助かったということであります。
これは何も今回わかったことではなくて、昨年の北海道胆振
東部地震、三日間、ブラックアウトで道内全域が停電をしてしまったわけでありますけれども、そのときにも、屋根載せ太陽光を持っているお宅は、自家消費のモードに切りかえると、自分のうちで発電した電力を使うことができる、スマホの充電もできるということで、うちのスマホも充電させてくれということで近所の人が集まってきて、その屋根載せ太陽光を持っているお宅は
地域のヒーローになったというような話があるんですね。
これは大変重要な示唆を含んだことだというふうに思います。太陽光発電をやっているところをマップ化して、いざというときに電力供給ステーションになるところをあらかじめ示しておけば、万が一の長期停電時に大きな力を発揮をするのではないかと思います。後で見解を伺いたいと思います。
あわせて、実は、そうなんですけれども、太陽光発電所の中には、パワコンを通じて系統接続するようにしかつくられていなくて、いざというときに直流電流を通じて太陽光発電の電気をそこで使える、そういう仕組みになっていない発電所も結構多いんです。つまり、目の前で発電しているのに、そこでは使えないという大変残念なことになっている、そうした太陽光発電所もあるんですね。
災害時の長期停電のときに、電力会社からの送電に依存しなくとも、いわばオフグリッドで
生活が成り立つような住まい方を平時から推進していくこと、そして、万が一の
災害時に、ソーラーパネルにより発電された電力を周辺
地域の
生活者の電力
確保用に開放できる、そのソーラー電気を
被災地のみんなが利用できる、こういう仕組みづくりをこの際目指していくべきではないか、こういうふうに思います。
エネルギーという意味で所管をしているのは経産省だと思いますので、私の後輩の牧原副
大臣にお見えをいただいていますので、御答弁お願いします。