○藤野
委員 日本共産党の藤野
保史です。
きょうは、
参考人の
皆さん、本当にありがとうございます。
アドバイザリーの
皆さん方からまさに一様に、今までも指摘はありましたけれども、
七つの
提言の
実施計画とその
進捗状況の
国民への公表という御指摘がありました。私自身も本当に改めてやらなければならないなというふうに思いましたし、私からも
委員長に改めて御尽力のほどを心からお願いをしたいと思います。
その上でちょっとお聞きしたいんですが、
国会法の附則第十一項には、先ほど来御指摘あるように、
政府が
国会事故調の
報告書を受けて講じた措置について、当分の間、
国会に
報告書を提出しなければならないと規定をされております。
私もこれは二〇一二年度から七年分のその
報告をちょっと読ませていただきました。いろいろ感じるところはあったんですが、一
部分はやっていることもあるし、先ほど、この
報告書以外にも
国会による
継続監視が必要な
事項というものもありますが、ところどころ取り上げている問題もございます。
ただ、やはり
皆さんがおっしゃっているような
計画に基づいた、期限を切った、そうした
進捗の
継続監視というものとは全くやはり違うなと、この
報告書を読んで。各省庁がやったものをそれぞれ当てはめていったというか、そういうものが毎年
報告されている、そういうものを我々が
チェックをして正していかなければならないというふうに感じております。
その上でなんですが、ちょっと幾つか具体的にお聞きしたいんですけれども、
国会事故調の
提言の四番目には、「
電気事業者の
監視」というものがございまして、こう書かれております。「東電は、
電気事業者として経産省との密接な
関係を基に、電事連を介して、保安院等の
規制当局の意思決定過程に干渉してきた。
国会は、
提言一に示した
規制機関の
監視・監督に加えて、事業者が
規制当局に不当な圧力をかけることのないように厳しく
監視する必要がある。」と。
だから、
国会がいわゆる
規制機関に対して
監視、監督するのは、これは当
委員会としても当然なんですが、それに加えて、
提言の四では、「事業者が
規制当局に不当な圧力をかけることのないように厳しく
監視する必要がある。」というふうに指摘をされております。
これとの
関係で、二〇一八年度のこの
政府の
報告書を読みますと、こういう
部分があるんですね。「
平成三十年七月一日に、
原子力産業界の連携を強化しながら、」ちょっと飛ばしますけれども、「
原子力事業者に加え、メーカー及び
関係団体も含めた
原子力産業界の
組織として、」
原子力エネルギー協
議会(ATENA)を設立したというのが二〇一八年の
報告書に出てまいります。
このATENAという
組織は電事連の枠を超えて、原発を持つ電力会社だけじゃなくて、もともとの電事連、そしてメーカー、
日本電機工業会、そして
原子力産業協会、電力中央
研究所から構成されておりまして、まさにこの
組織が電事連のやっていた
規制当局との対話を行うというふうに位置づけられているんですね。
二〇一九年四月十七日に
原子力規制委員会と主要な
原子力設置者との
意見交換会というのがありまして、これは
規制委員会の
ホームページで見れるんですが、そこに配付されている
資料にはこうあるんです。「今後、全ての共通的な
規制課題に的確に
対応していくため、これまで電事連が担ってきた
規制課題の検討
機能をATENAに移管する。」そして、「事業者としては、ATENAの独自のガバナンスの下、ATENAが持つ
専門性を活かしながら、
規制当局との対話を進めたい。」と。
専門性とか対話とか、聞こえはいいんですけれども、本音は違うんですね。
エネルギー
政策研究会の旬刊EPレポートというものがあるんですが、これを見ますと、要するに、つくられた背景として、原発などの審査が長期化し、その煩雑さに事業者の不満が高まっていた、電力会社には
規制行政に不満がたまっていた、そのため、業界横断的な
組織が必要であるとの認識が出ていたということが紹介されております。まさに不満に応える
組織なわけであります。
もう一点紹介したいのは、このATENAというのは、
アメリカの
原子力エネルギー協会、これはニュークリア・エナジー・インスティテュートでNEIという
組織ですが、これをモデルにつくられております。
配付
資料の一を見ていただければと思うんですが、これは総合資源エネルギー
調査会に配付された
資料でありますが、実は、ことしの夏、当
委員会が視察を行いまして、
アメリカに、私も参加させていただいて、このNEIからも
お話を聞き、NRCからも
お話を聞いてまいりました。
いろいろおもしろいといいますか興味深い
お話を聞いたんですけれども、例えば、NEIの年間予算が五十億円あって、それには六人のロビイストの
活動費を含むとか、あるいは、さまざまな宣伝費が四〇%を占めるとか、なるほどなという
お話でありましたが、印象に残っていますのは、
規制当局にコモンボイスを伝えるんですというんですね。配付
資料にはワンボイスと書いているんですけれども、コモンボイスを伝えると。このNEIを
参考にしてATENAがつくられたということなんです。
先ほど、
石橋参考人は、
規制のとりこが再び生じないようにすることが大事だということで、
透明性と対話の
重要性も、まあ、
透明性ということをおっしゃったんですけれども、これは電事連時代のデータなんですけれども、先ほど言いました二〇一九年四月十七日の
意見交換会で主要
原子力施設設置者が配付した
資料によりますと、二〇一七年度は、これは電事連時代ですけれども、電事連と
規制庁の
公開会合というのは三十七件で、非
公開の面談というのが二百七十四件行われております。二〇一八年度は、
公開会合は二十二件で、面談が二百三十二件ということなんですね。いずれの年も非
公開の面談の方が圧倒的に多いわけであります。
しかも、二〇一七年と二〇一八年を比べますと、全体の非
公開の面談数は、二〇一七年は二百七十四件から、二〇一八年は二百三十二件に減っているんです。減っているんですけれども、その面談で何を話したんですかというテーマ、これも公表しておりまして、テーマを見ますと、
検査制度見直し対応の面談というのが、二〇一七年度の六十三件から、二〇一八年度は九十四件に大幅に増加をしております。つまり、電事連自身が
検査制度見直し対応に非常に力を入れていたということがわかるんですね。
これは三人の
参考人にお伺いしたいんですが、いわゆる
提言四では、ここの
委員会が
規制機関をもちろん監督するんだけれども、事業者が不当な圧力を
規制委員会に加えないようにすべきだとも提案されておりまして、それとの
関係で、このATENAというのは電事連よりもはるかにスケールが大きくなっており、そして、電事連が、この間、
検査制度の
見直しに力を入れてきたことを、更に
専門性というものを生かして強化しようとしている。これは、私は、
事故調の
提言四で述べられているいわゆる
委員会の意思決定過程に対する干渉、これの度合いが強まる懸念があると思うんですが、この点について、三人それぞれ、どのようにお考えでしょうか。