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新藤委員 御
質問ありがとうございます。
先ほど
馬場委員から御
発言がありました。この
憲法審査会の
海外視察についてそういう
国民の声がある、これは我々は重く受けとめなければいけないと
思います。その上で、やはりきちんと
憲法審査会、仕事をしているな、このように、そういう御評価をいただけるような努力をしていかなければいけないし、その意味において今回の
海外視察は極めて有意義だった、このように思っております。
やはり、それぞれ文献的な
調査をした上で出かけましたけれども、現場に行って直接話を聞き、また、その国の
歴史をつくってきた人たちと直接話を聞くというのが極めて重要であるということを改めて感じた次第です。
その上で、今、山下
委員から御
質問がございました。まさに
憲法は国家の
基本法であるということを言われておりますし、それは国の成り立ちと密接につながっている、密接不可分であるということであります。
先ほどから御
発言が出ていますけれども、
ドイツの
基本法はナチスの
反省の上に成り立っている。それから
ウクライナは、旧ソ連からの独立と、そしてそれに続くロシアからの自立、民主国家建設に本当に必死の努力をしながら、新たな国家建設のために、
憲法を安定させつつ動かしていこう、こういうことが極めてわかりました。
それから、
リトアニアと
エストニアは、これも中世には繁栄していた国だったんですね。だけれども、やはり、モロトフ・リッペントロップ秘密議定書に象徴されるように、ロシアと
ドイツの二大国の間で翻弄されたあげくにソ
連邦の中に組み込まれた
歴史、そしてそこからソ連崩壊時に独立を果たす、そして民主国家をつくりたい、こういう非常に強い
思いがございました。ですから、結果的に、そういう国に、自分たちの国を守る、こういう規定があって、そしてそういう緊急事態が起きたときにどうしようかということを、これを
憲法に定めるのは当然の帰結だったわけであります。
私どもは今回四カ国を見ましたけれども、例えば防衛に関する規定は、
ドイツ、
ウクライナ、
リトアニア、
エストニア、明記されています。
我が国にはどうなんでしょうか。
緊急事態条項につきましても、
ドイツ、
ウクライナ、
リトアニア、
エストニア、これは明確に規定されています。
我が国においてはどうなんでしょうか。
そして、例えば教育においても、
ドイツでは、教育のデジタル化ということをコンセプトにして、
連邦政府と
州政府とのとり合いについての技術的な
改正をやろう。でも、そのもとにあるのは、子供たちにどういう教育を施していこうかという理念をきちんと積み上げていくということです。
我が国の
憲法においては、これは、教育を受ける
権利、無償の義務教育というのは規定されていますけれども、では、その教育は何のために行うのかという理念はどこかに書かれているのか。
やはり、そういうことを
考えると、国が成り立ちの中で密接に
関連しているものについては
憲法に規定されている。私たちの国の
憲法に必要なものは何なのか、そういったことをきちんとこの
審査会で
議論しなきゃいけない、改めてそのことを強く感じ入った
視察でありましたし、これはその国に出かけていかないと伝わらないものがあります。命をかけて国を守ろうとした、そういう
国民の
皆さんの活動を目の前に見れたことがとても重要だった、このように思っています。