運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2019-11-12 第200回国会 衆議院 環境委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年十一月十二日(火曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 鷲尾英一郎君    理事 伊藤信太郎君 理事 勝俣 孝明君    理事 高橋ひなこ君 理事 とかしきなおみ君    理事 福山  守君 理事 金子 恵美君    理事 関 健一郎君 理事 江田 康幸君       秋本 真利君    畦元 将吾君       上野 宏史君    加藤 鮎子君       金子万寿夫君    繁本  護君       田畑 裕明君    武村 展英君       百武 公親君    古田 圭一君       細野 豪志君    堀内 詔子君       務台 俊介君    八木 哲也君       池田 真紀君    柿沢 未途君       近藤 昭一君    篠原  孝君       堀越 啓仁君    横光 克彦君       古屋 範子君    田村 貴昭君     …………………………………    環境大臣    国務大臣    (原子力防災担当)    小泉進次郎君    環境大臣        佐藤ゆかり君    環境大臣        石原 宏高君    環境大臣政務官      八木 哲也君    環境大臣政務官      加藤 鮎子君    政府参考人    (林野庁長官)      本郷 浩二君    政府参考人    (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            松山 泰浩君    政府参考人    (資源エネルギー庁電力ガス事業部長)      村瀬 佳史君    政府参考人    (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        住田 浩典君    政府参考人    (国土交通省水管理国土保全局下水道部長)    植松 龍二君    政府参考人    (気象庁地球環境海洋部長)           大林 正典君    政府参考人    (環境省大臣官房環境保健部長)          田原 克志君    政府参考人    (環境省地球環境局長)  近藤 智洋君    政府参考人    (環境省水大気環境局長)            小野  洋君    政府参考人    (環境省環境再生資源循環局長)         山本 昌宏君    政府参考人    (環境省環境再生資源循環局次長)        森山 誠二君    政府参考人    (環境省総合環境政策統括官)           中井徳太郎君    政府参考人    (防衛省統合幕僚監部総括官)           菅原 隆拓君    環境委員会専門員     小池 章子君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月十二日  辞任         補欠選任   金子万寿夫君     田畑 裕明君 同日  辞任         補欠選任   田畑 裕明君     金子万寿夫君     ――――――――――――― 十一月十二日  気候変動による温暖化を阻止するための対策に関する請願(櫻井周君紹介)(第五七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  環境基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 鷲尾英一郎

  3. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。務台俊介君。
  5. 務台俊介

    務台委員 おはようございます。長野県選出の衆議院議員務台俊介でございます。  被災地長野県を代表して質問させていただく機会を与えていただいたこと、ありがとうございます。  一連の台風災害被害は甚大で、まず、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りしたいとともに、被災された方々には心からお見舞い申し上げたいと思います。  今回の台風十九号に伴う浸水域は非常に広大で、昨年一年分の台風被害浸水域を一回の台風で上回ったと指摘されております。時間が経過する中で、災害対応のフェーズがどんどんと変わってきておりまして、きょうは、その中で、災害廃棄物処理の問題を取り上げさせていただきたいと思います。  私も長野市のごみ勝手集積場あるいは正式の仮置場を訪問しましたが、気が遠くなるような膨大なごみが集積しております。小泉環境大臣は十一月三日に長野市の災害ごみ処理現場河野防衛大臣と御一緒視察され、私も御同行させていただきましたが、災害ごみ年内目標生活圏から撤去を進めると言明され、被災地希望の日程を設定するコミットメントをしていただきました。  大臣現場視察を受けた率直な気持ちを伺いたいと思います。
  6. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 務台議員におかれましては、現場で、まさに今回の台風被害を受けている地域で、日々の御尽力、心から敬意を表したいと思いますし、このたびの台風におきましてお亡くなりになられた方々、そして被災をされた方々に対しては、お悔やみとそしてお見舞いを申し上げたいと思います。  今回、今、務台議員がおっしゃったように、河野防衛大臣と、環境大臣防衛大臣一緒になって、合同の視察は恐らく初めてのことだと思います。これは、今回の災害の前から、特に熊本地震から連携が深まり、毎回の災害を重ねて、象徴的な一つ連携の事案だと思います。  今回、長野に私もお伺いをして大変印象的だったのは、今先生おっしゃったように、廃棄物の総量と、それに伴って市民皆さんの親しまれた公園などの景色が変わっていること、これは大変印象的でしたし、改めて、生活圏内からの年内廃棄物撤去を終える、この目標を実現することが本当に大切なことだと痛感をしました。  特に、赤沼公園、あの公園も大きな規模で、しかし、その公園が今廃棄物で覆われている。そして、足元、歩けばよくわかりましたが、相当、ガラスの破片、こういったものも多い。  それを考えると、年内廃棄物撤去だけではなくて、その後、原状を回復する上で、子供たちが安心してこの公園を再び利用することができる、その環境を整えることが非常に大切だなと痛感をしました。  いずれにしましても、お正月をすっきりとした気持ちで、取り戻された景色を一刻も早く実現できる形で迎えることができるように、全力で環境省、他省庁とも連携をして取り組んでいきたいと思います。
  7. 務台俊介

    務台委員 ありがとうございます。  実際に訪れた者でなければわからない、そういう率直な実感を御披瀝いただきまして、被災地皆さんも喜んでいるというふうに思います。  災害のたびに災害廃棄物処理の問題が大きな課題になってきました。過去の災害ごみ処理に対処した知見とか経験を生かして、最新災害廃棄物対応ノウハウということについてどんな蓄積があるのか、そのさわりをお伺いさせていただきたいと思います。そして、その知見が今回災害廃棄物処理にどのように生かされたのか、その点も確認させていただきたいと思います。
  8. 山本昌宏

    山本政府参考人 お答えいたします。  過去の災害知見を生かしまして、自治体レベル地域ブロックレベル全国レベルで強靱な廃棄物処理システムの構築を進めてございます。  今回の災害におきましても、自治体があらかじめ災害廃棄物処理計画を策定して、それによって迅速に仮置場を設置、管理をする。あるいは、地域ブロック単位広域連携計画を策定いたしまして、それに基づいて、支援自治体からの職員派遣あるいは広域処理調整するといったこと、それから、Dウエーストネットと称するネットワークをつくっておりまして、そこからの専門家派遣あるいは車両派遣といったようなことを災害廃棄物処理を迅速に進めるために進めております。  今回の長野におきましては、特に、この広域連携計画に基づく人の派遣あるいは広域処理調整といったところに、そういったところが役立っていると認識しております。
  9. 務台俊介

    務台委員 ありがとうございます。  災害の当初、私の地元自治体から住民皆様に、災害ごみ九分類してくれと、不燃物金属くず危険物石こうボード・スレート、タイヤ、木くず、家電、畳、可燃混合物、土砂まじり瓦れき、こういう九分類をするようにという連絡が防災無線や文書で伝達されました。避難所にその旨の通知も掲げられた、そんな経緯もあります。  これに対して、被災者現場九分類を強いるのは無理だという反発がございまして、私もその旨自治体にお願いし、そして結果的には、仮置場職員指示により、できるだけ分類してもらえばいい、そういう取扱いになったというふうに後で伺いました。災害時には被災者の立場に立った細かい配慮も必要であり、そういったことはあらかじめ十分に想定できるので、シナリオをあらかじめつくっておくということがやはり必要かというふうに思います。  こういうことを含め、災害ごみ処理計画を策定している団体とそうでない団体があるとも承知しております。知見蓄積を踏まえて早期策定を促すべきと考えますが、お考えを伺いたいと思います。
  10. 石原宏高

    石原大臣 お答え申し上げます。  災害廃棄物処理計画策定率は、二〇一七年度末時点で、都道府県で八五%、市区町村で二八%と、さらなる向上が求められております。  環境省では、処理計画策定率を二〇二五年度末までに都道府県で一〇〇%、市区町村で六〇%にする目標を掲げ、策定率向上に向けた取組を推進しているところであります。  具体的には、防災減災国土強靱化のための三カ年緊急対策の一環として、これまでの災害対応における知見も踏まえ、計画策定自治体を対象としたモデル事業等を重点的に実施することにより、自治体による計画早期策定に向けた支援を強化しているところであります。
  11. 務台俊介

    務台委員 災害対応ノウハウは逐次進化していると思いますので、今回のやり方も踏まえていい計画になるように御指導をお願いしたいというふうに思います。  長野市では、大臣にもごらんいただいたオペレーション・ワン・ナガノという災害廃棄物撤去に係るプロジェクトが実施されております。昨日もNHKでその詳細が放映されておりましたが、住民ボランティア自衛隊行政民間事業者連携体制を構築して、昼にボランティア皆様町じゅう災害廃棄物各地に点在する臨時集積場から集積拠点に集め、それを夜、自衛隊地区外に排出するというオペレーションでございます。地区内に点在する災害廃棄物が見る見るなくなっていくことに、被災地の復興の希望が生まれていると好評でございます。  ぜひ、こうした取組全国的にも推奨し、できれば災害ごみ処理標準化を図ってほしいと考えるが、いかがでしょうか。  米国には、FEMAという組織があって、危機管理の上でICS、インシデントコマンドシステム、そういう標準化概念がございます。  災害廃棄物処理についても、そろそろ標準化概念、こういうものを構築していただきたい、そのように考えますが、いかがでしょうか。
  12. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 この務台議員地元長野ワン・ナガノと言われる取組、私も、今回の災害対応の中では非常に印象的だし、ほかの地域にどうやって広げていけるか、環境省内にも検討指示したところであります。  ラグビーでもワンチームという言葉が今回大変脚光を浴びましたが、ワン・ナガノにとどまらず、今回の災害被災地、例えば宮城とか福島とかほかの地域においてもワン何とかというものが今後災害のときに機能するようなあり方を我々も考えなければいけないのではないかと思います。  私も、ワン・ナガノというのはなぜ生まれたのか、そしてほかの地域取組と何が違うのか、そういったことも環境省の中でも議論をすることがありますが、やはり、市民ボランティア、そして自治体環境省自衛隊民間事業者、このように官民を超えた幅広い多くの関係者がまさに一つチームとなって取り組まれているというのは、ほかにはまだ余り見られない規模官民連携だと思います。  ぜひ、今回の教訓を次に生かしてまいりたいと思います。
  13. 務台俊介

    務台委員 今回のワン・ナガノという言葉が、各地でワン・シズオカ、ワン・イバラキ、そういう言葉として定着していく、こういうことを期待したいというふうに思います。  今回、被災地環境省のスタッフがすぐに駆けつけ常駐していただいたことはすばらしかったというふうに思います。  私も現地入りした際に、地元被災者ごみの問題を話し合うときに、環境省課長さんに、その場に来ていた課長さんに来ていただいて、話が早く進んで非常にありがたかった、そんな体験があります。その後も環境省はローテーションを組んで現地に入っていただいて、長野県庁長野市の皆様も感謝しております。  長野県のみならず全国災害ごみ対応環境省支援体制、これを簡潔に伺いたいと思います。
  14. 山本昌宏

    山本政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、発災直後の十三日から環境省職員延べにすると六百九十名、十一都県九十八市区町村派遣しております。特に被害の大きかった長野県を含めまして五県につきましては課長級職員を常駐させて対応したというところです。  それから、加えまして、先ほど申し上げた広域連携計画に基づきまして自治体からも多くの職員をいただいておりまして、延べ九百三十九名、四県十三市町に派遣しまして、仮置場管理運営収集車両派遣調整広域処理調整といったような支援を行っているところでございます。
  15. 務台俊介

    務台委員 ありがとうございます。  住民皆さんは、災害ごみ、これをどのように分別するか、全体像を理解していくことが今回非常に大事だということを改めて認識しました。住民皆さんは、なぜ分類しなければならないかということを、全体像を把握すれば、今自分が行うべき行動についての理解が進むというふうに思います。  今回、九分類の話も、現場でもめたというのは、何でそこまでしなければならないか住民皆様がしっかりと全体像を理解していなかったからそういう悶着が生じたというふうに思います。  そういう意味で、分類が結果的に、最後最後どのような形で決着するのか、そういうことについて、環境省の方で、わかりやすい全体の、災害廃棄物の流れの鳥瞰図というものをつくっていただきたいというふうに思いますが、これは長野市長もそのように感じておられますが、この点についてのお考えをお伺いしたいというふうに思います。
  16. 山本昌宏

    山本政府参考人 御指摘いただきましたように、住民皆様方あるいはボランティアの方も含めて分別をしていただくというところについては、火災などが起きないよう安全の観点もありますし、その後の処理を円滑にするという観点もありますので、御指摘のような仮置場安全管理対策、それから災害廃棄物処理フローの全体をわかりやすく説明したそういったような資料を作成し、周知するという取組を進めてまいりたいと思います。
  17. 務台俊介

    務台委員 長野市内には、日量四百五トンを処理できる最新の設備のごみ焼却場があります。そのごみ焼却場が、今回、持ち込まれるごみが大量過ぎてパンクしてしまいました。そして、結果的に災害ごみ搬入抑制をかけたということになっております。  一方で、県では他の自治体広域処理のお願いをしておりますが、要請ベースで行うことで、相手方の返事を待つのに大分時間がかかった、そんなこともあります。あらかじめ割り当てておいて、何万トンおたくでお願いするということがわかっていると計画的に処理ができる、そんな気もしております。  被災後、時間が経過してからの広域要請ではなくて、事前調整しておく、こういうことも検討課題ではないかと思いますが、御認識を伺いたいと思います。
  18. 山本昌宏

    山本政府参考人 御指摘のとおり、事前調整を進めることで円滑な処理ができると考えております。  今回、長野県におきましても、あらかじめの広域連携計画の中で、富山県が支援するということを決めておりましたので、これが円滑にできたということもあります。  御指摘にありましたように、どれだけ施設で受け入れられるのかといったような調査も進めておりますので、そういったことも含めて、今後の備えに生かしてまいりたいと考えております。
  19. 務台俊介

    務台委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。  災害廃棄物処理財政措置についての御質問です。  激甚災害時には、国の補助と地方財政措置を合わせて九五・七%の財政支援を受けられるということになっています。我々の長野県もその支援を今回受けられるというふうに理解しておりますが、この九五・七%についてですが、東日本大震災の際には一〇〇%の財政支援のスキームが、これは異例だと思いますが、講じられております。そして、平成二十八年の熊本地震平成三十年の七月豪雨の際には、被災市町村には原則九七・五%ということで激甚を上回る財政支援が行われた例もございます。  今回の十九号の被害についても財政支援の上乗せが行えないものか、そういった強い要望が地元からございますので、お考えを伺いたいと思います。
  20. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、務台先生からお話がありました財政措置かさ上げについてでありますが、台風第十五号及び台風第十九号につきましては、激甚災害時、最大九五・七%であったこの財政支援を、地方財政措置を更に拡充をして九七・五%まで引き上げたところであります。  被災市町村皆さんにおかれましては、今回のこのさらなる財政措置の引上げ、これを受けまして、財源を不安視することなく災害廃棄物処理に取り組んでいただきたいと考えております。
  21. 務台俊介

    務台委員 熊本西日本豪雨並みに引き上げていただけたということで感謝申し上げますが、最大九九・七%まで熊本の場合は引き上がっている、そういう、いろんな条件がありますが、そこもお考えいただいて御検討いただきたいというふうに思います。  今回の災害被災地に入っていただいた自衛隊皆様の活躍は目覚ましいものがあります。一昔前までは、自衛隊はその本来持つ機能からして、被災地に入るのはほかよりも遅く、そして被災地から撤退するのはほかよりも早くという意味で、ラストインファーストアウトという原則があると聞いたことがあります。しかし、現在、自衛隊役割を見る限り、ファーストインラストアウト、そういうことになっているのではないかと思いますが、自衛隊被災地支援基本的考え方を伺いたいと思います。
  22. 菅原隆拓

    菅原政府参考人 お答え申し上げます。  軍事組織災害時において消防や警察に比べて最後現場に来て最初に持ち場を離れることをラストインファーストアウトとの言葉で紹介される場合があることは承知しておりますけれども、自衛隊災害派遣につきましては、自衛隊法第八十三条の規定に基づいて実施しておるところでございます。  具体的には、都道府県知事等が、天災地変その他の災害に際して、人命又は財産の保護のために必要があると認め、防衛大臣又はその指定する部隊等の長に要請する場合等において、防衛大臣等が事態やむを得ないと認める場合に、部隊等派遣することができるということとされておりまして、このような意味で、自衛隊災害派遣における基本的な役割に変更はないと考えております。  一方で、一刻も早く、国民の生命身体及び財産を守るためのより迅速な初動対応重要性が増しているということから、初動対処部隊体制整備等により、都道府県知事等から要請があった場合等に迅速に対応し得るよう措置を行っているところでございます。  いずれにせよ、災害対応におきましては、地方自治体や国の関係機関民間事業者との間で適切に役割を分担し、連携を深めることが重要であると考えております。  自衛隊による災害派遣を効果的、効率的なものとするために、今後とも関係者間で緊密に連携して対応してまいりたいと考えております。
  23. 務台俊介

    務台委員 災害時の自衛隊役割がますますふえているということで、その人員、装備について政府を挙げてしっかり支援していく、このことも必要ではないかというふうに思います。  なお、最後になりますが、環境委員会資料提供ペーパーレス化について一言申し上げたいと思います。  国会に出される資料最後はやはり無駄になってしまうということが多々あるというふうに思います。ごみ減量国会としても貢献するために、早急に電子化タブレットの使用、ペーパーレス化が必要ではないか、特に環境委員会は率先してこれをやる必要があるというふうに思います。  国会改革に取り組んでこられた小泉大臣政府としてお答えになるのは難しいと思うんですが、一政治家としてお答えいただきたいと思います。
  24. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 ありがとうございます。  前向きな表情で答えさせていただきたいと思いますが、この件につきましては、委員会国会において御判断をいただくものだなと思いますが、私自身環境省自身の働き方改革も、このペーパーレスなども含めて、省内でもいろいろ進めていきたいと思っています。  ちなみに、今、私が大臣就任してから気づいた一点は、私が覚えられないぐらい月間物が多い、何とか月間とか何とかウイーク、デー、正直覚えられません。ですので、環境省予算人員も限られていますから、そういったことの整理も含めて、八木政務官をヘッドに、加藤政務官を副という形で、今月いっぱいで月間物整理を取りまとめるようにというものも指示を出しました。  そして、先日、自民党の環境部会出席をさせていただいて、皆さんの、とかしき部会長などの御理解もありまして、今、環境省職員議員会館を回って紙の資料を各議員先生方の事務所に配付をしているということも、基本的に、今後、紙ではなくデータでやらせていただきたい、電子ファイルを送信することとしたいということで御了解をいただけました。  こういったことも一つ一つ進めて、環境省らしい働き方も含めて取り組んでいきたいと思います。  ありがとうございます。
  25. 務台俊介

    務台委員 ありがとうございました。
  26. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 次に、横光克彦君。
  27. 横光克彦

    横光委員 おはようございます。立国社共同会派横光克彦でございます。  大臣環境大臣に御就任、まずはおめでとうございます。  大臣就任されてから三カ月ほどたつわけですが、この間、大臣は非常に精力的に活動されております。ニューヨークでの気候行動サミット、そしてまた予算委員会、あるいはさまざまな記者会見等でいろいろと発言をされております。そのたびにニュースになって、環境行政が一気に注目されておりますが、環境問題に携わる者の一人として大変うれしく思っております。  発信力のある大臣でございますから、常にその言動や言葉注目されておるわけで、これは期待を含めてでの私は注目であってほしいなと思っておりますし、ただただ注目されるだけでなく、その注目を力に変えて、環境行政が抱えている課題のみならず、我が国の、あるいは世界の環境問題が解決するために、一歩でも前進するために、大臣、御奮闘をよろしくお願い申し上げます。  大臣は、就任記者会見で、環境省SDGs担当省だとお話しされております。大臣所信でも柱の一つとして掲げられました、SDGsの目標一つでもあります気候変動について、環境省の具体的な取組についてお尋ねをさせていただきます。  まず最初は、脱炭素社会に向けての具体的な政府取組についてお尋ねをしたいと思います。  大臣は、先日、ニューヨークで気候行動サミット出席されました。そのときには炭素中立性連合の参加も表明されましたね。これは大変すばらしいことだと私も思っております。  しかし、その一方で、カナダやイギリスが主導で組織しております脱石炭連合という組織があります。報道によれば、産業革命以来の石油大国である英国を始めカナダの呼びかけで発足したこの脱石炭連合、参加国、組織数は、一昨年の発足時に二十七、現在は九十一に急増いたしております。この脱石炭連合にはドイツなども参加しております。  大臣は、炭素中立性連合には参加を決めた一方で、この脱石炭連合へは未加入のままになっております。なぜ脱石炭連合に加入しないのでしょうか、お尋ねをいたします。
  28. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、横光議員から温かいエールも含めていただきまして、ありがとうございます。  私、映画の「シン・ゴジラ」も見ましたから、横光先生が環境大臣として御出演をされている景色が今質問を受けながら思い浮かんできて、どちらが大臣かなというような思いもしました。  今、横光先生からは、石炭火力について、なぜ連合に参加しないのかというお話がありました。  今、政府としても、できる限り石炭の依存度を下げていくという中で取組を進めていますが、現時点において、その連合に参加をできるという状況ではないのは横光先生も御理解の上だと思います。  ただ、環境省としては、今までも厳しいスタンスもとっておりますし、二〇三〇年に二六%削減をする、その目標に向けて環境省としてできることはやっていかなきゃいけない、特に、毎年、電力事業者、電力分野に対するレビュー、これについては厳格に行ってまいりたいと考えております。
  29. 横光克彦

    横光委員 今、日本の国内の状況を御説明されましたが、世界は今、石炭火力発電を温室効果ガス排出の最大の原因である、このように考えているんですよ。イギリスでは二〇二五年、フランスでは二〇二一年、もうすぐですよ、石炭火力発電を全廃すると表明しております。さらに、ドイツでは、二〇二二年までに原発を全廃すると同時に、二〇三八年までに石炭火力発電も全廃する方針を示しております。これが世界の現状なんですよね。  これに対して我が国はどうでしょうか。二〇三〇年度のエネルギーミックスでは、石炭火力発電の割合が何と二六%にもなっているんです。そして、ベースロード電源と位置づけられています。世界が石炭火力をゼロにしようと動いている中で、我が国は、国の電力の四分の一を石炭火力発電に頼る、しかもベースロード電源として動かそうとしている。これでは世界の認識との差が余りにも大き過ぎやしませんか。  確かに、日本の状況の説明がございました。しかし、温暖化対策の責任者になったわけですから、我が国のエネルギー計画、発表されていますが、三〇年目標のエネルギー計画、これをどう思われますか、大臣の率直なお考えをお聞かせください。
  30. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 私も、ニューヨークの訪問、そしてさまざまな国内外の有識者との意見交換を通じまして、日本が特に国際社会から批判が強いのはこの石炭だと認識をしています。特に、石炭の中でも海外の輸出における公的信用の付与、こういったことについて批判があるというのも承知をしています。そして、国内におきましても、G7の中で日本が唯一、石炭火力が右肩上がりになっていることについても批判があるということは承知しています。  私は、率直に申し上げて、こういったことがあることで、日本が世界の中でリーダーとして先導的な、主導的な役割が果たせるところが陰に隠れてしまうことは大変もったいないと思っています。  この前も、イングランド銀行の総裁、カーニーさんが日本に来られました。私も、ニューヨークでもお会いをし、日本でもお会いをしましたが、カーニー総裁はいろんなところで、TCFD含めて、気候変動に対する金融の取組、これは日本はリードできる、そういう分野だというふうにおっしゃっています。そして、きのうはジェフリー・サックス教授とお会いをしましたが、特に、日本の技術、テクノロジーにおける評価は非常に高いものがあります。  そういった、日本が胸を張って、世界の中で脱炭素化に向けて貢献できる部分が覆われることがないような取組、発信を今後強めていかなければいけないと感じております。
  31. 横光克彦

    横光委員 日本の努力は今説明がございましたが、CO2を大量排出することがわかっていながら、我が国の政策としてその稼働を黙認するだけでなく、さらに、新設や増設の動きまであるんですね。ほかの国から見ると、もう信じられないような動きに私は見えるんじゃないかと思うんです。  とりわけ、大臣の御地元での横須賀・久里浜での石炭火力発電。これはどうですか。この一号機、二号機の計画で、各六十五万キロワット、合計百三十万キロワットの発電容量を誇る巨大な新規の石炭火力発電を今建てようとしているんですよ。横須賀火力発電所は、環境アセスメントの手続が完了している、あるいは、ことし八月に本格着工したと聞いておりますが、経産省が認可したとはいえ、この事業が進められると、何よりも、気候変動対策を進めている環境省が一番被害を受けるんですよ。もう重々おわかりのことと思います。  新環境大臣として、このままこの事業の続行を黙認していていいんでしょうか、お聞かせください。
  32. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、横須賀火力発電所に対する環境アセスメントは既に完了しているというのは、横光議員も御存じのことだと思います。環境大臣が述べた意見に沿って、事業者が進める取組について注意深くフォローしていきたいと考えています。  この横須賀火力発電所に対して述べた環境大臣意見においては、世界の潮流に逆行するような地球温暖化対策が不十分な石炭火力発電は是認できなくなるおそれについて指摘を既にしているところであります。  御指摘の横須賀の案件に限らず、新増設の石炭火力については、二〇三〇年の目標と整合した道筋が描けているべきであります。これまでも、環境アセスメントにおいて、経産大臣に対して、事業実施の再検討などを含む厳しい意見を提出してきました。引き続き、しっかりと対処していきたいと考えています。
  33. 横光克彦

    横光委員 地元では、反対運動が起きておりますし、訴訟も起きています。排出される大気汚染物質による健康被害なども危惧されているんです。  建設地から三キロメートル以内に十二の小中学校があるんです。五キロ圏内になりますと二十の小中学校があるんです、高校もあります、防衛大学もあります、国立病院もあります。文教地区なんですよ、住宅街なんですよ、商業地区なんですよ、大臣は御存じだと思いますが。  大臣は、所信の冒頭、水俣についてお話をされました。環境省発足の原点であるこの水俣病は、公害をもたらした、悲劇でございます。今、健康被害が懸念されておりますこの石炭火力発電の新設の認可を黙認することが、果たして環境省としての正しい姿勢なのでしょうか、お聞かせください。
  34. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 改めて申し述べますが、この新設、横須賀の火力という話がありますが、世界の潮流に逆行するような地球温暖化対策が不十分な石炭火力発電は是認できなくなるおそれ、黙認ではなく、こういう意見も申し述べております。  そして、新増設の石炭火力、これは横須賀の案件に限らずということでありますが、二〇三〇年の目標と整合した道筋が描けているか、そして、これまでも、環境アセスにおいて、経産大臣に対しても、事業実施の再検討などを含む厳しい意見を提出してきましたので、黙認をしているというわけではないと私は考えております。
  35. 横光克彦

    横光委員 世界の潮流に逆行するような地球温暖化対策が不十分な石炭火力発電、これは是認できなくなるおそれがあるという、前の環境大臣のアセスの発表がございました。今の流れは、世界の潮流に逆行するような地球温暖化対策が不十分な石炭火力発電じゃないんですか、あそこは。十分、世界の潮流にかなっている石炭火力発電なんですか。  私は、もう一回考えなきゃいけないと。このまま突き進んだらとまらないというのが事業でございますが、今まではお地元のそういった事業ということで発言はなさらなかったかもしれませんけれども、これからは、環境行政全体を扱う、しかも、温暖対策という一番大事なところを扱うところに逆行する事業なんですね。それを環境大臣が今のような意見じゃなくてはっきりと、やはり、前大臣が発表した環境アセスに加えて更に厳しい意見を発表すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  36. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今後も、事業者が、今横光先生がおっしゃった環境大臣意見に沿って、二〇三〇年度及びそれ以降に向けて、この事業における二酸化炭素排出削減の取組を着実に実施しているかどうか確認をしていきたいと思います。  そして、取組がもしも不十分だと判断される場合には、電気事業者に指導助言等を行うよう、エネルギー政策を所管する経産大臣に対して要請するなど、必要な措置を講じていきたいと思います。
  37. 横光克彦

    横光委員 遅過ぎます、それでは遅過ぎます、全てが進んでしまいます。  認可した経済産業省は、当然のように経済や産業を中心としたエネルギーのことしか考えていません。温暖化対策とか脱炭素社会の実現とか健康被害のことなんか考えていませんよ。経済ももちろん大事ですよ。しかし、そのために、これらの問題、温暖化や脱炭素社会や健康の問題を犠牲にしていいのでしょうか。結果的に私は、みずからの首を絞めることになるんじゃないかと危惧しているんです。結果的に経済が、こういう行動をとっていれば打撃を受けるんじゃないかと心配をしております。  どうか、新しい大臣になり、国民も非常に期待しているわけでございますので、ここはこれまで以上の声をしっかりと上げ続けていただきたい、これを切望いたします。  それでは次に、原発の問題を質問させていただきます。  大臣は、就任記者会見で、原発をどうやったら残せるのではなく、どうやったらなくせるのかと考え続けていきたいと述べられました。私は、この言葉を受けて、私個人、直観的に、大臣が、原発は残すよりなくすことの方が大切なんだ、だから私は頑張るんだ、そう考えているというふうに受けとめたんです。それでよろしいでしょうか。
  38. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まさに私が言ったとおりです。どうやって残せるかではなく、どうやったらなくしていけるか、私の考え方はそこにあることは、大臣になる前も今も変わりません。  今、大臣としては、政府が取り組んでいます原発の依存度、これを可能な限り低減をさせる、これについて、環境省としても、徹底した省エネ、そして再生可能エネルギーを主力電源化させていく、なおかつ、さまざまなイノベーション、これを達成しなければそういった将来の道筋は描けないと思いますので、環境省独自でできること、権限、限りはあります、そういった中でも、まずは環境省として率先できることはないか、そういったことも含めて取り組んでいきたいと思います。  いずれにしましても、あの福島の三・一一原発事故、ああいったことを二度と起こしてはならない、その思いは共有していると思います。
  39. 横光克彦

    横光委員 お考えが変わっていないということをお聞きしてほっとしました。  しかし、原発は可能な限り依存度を下げて低減していくというお言葉ですが、可能な限りという言葉ほど曖昧なものはありません。可能でなければ続けるということにもなるわけです。  そこで、私たち野党は、原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案、いわゆる原発ゼロ基本法案を昨年三月に国会に提出させていただいております。この法案は、大臣がおっしゃられた、どうやったらなくせるのかについて記されておるんです。  大臣、この我々の法案をお読みになりましたか。
  40. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 立憲民主党さんの原発廃止・エネルギー転換を実現するための改革基本法案、この内容は承知をしております。  その上で、環境省は、独立性の高い三条委員会である原子力規制委員会を外局として所管をしていることから、法案について環境大臣としてコメントすることは差し控えたいと思います。
  41. 横光克彦

    横光委員 原発ゼロと聞くと、即時に原発を廃止するために大混乱が生じるという印象を持たれるかと思いますが、そうではありません。  我々が出した法案は、原発の廃止に伴う各般の課題、例えば、原発なしでも安定的に電力を供給する体制、また、原子力発電所の立地地域への経済的な影響、雇用状態の悪化など、原発廃止によって生じるさまざまな懸念に対して、段階を踏みながら、国が責任を持って対応することを記しておるんです。つまり、大臣のおっしゃる、どうやったらなくせるかを明確に提案したものでございます。そういった法案でございます。  大臣のお父様でいらっしゃいます小泉純一郎元内閣総理大臣も、原発ゼロと再生可能エネルギーの導入促進に向けて、今も全国各地で講演活動をされておりますよね。私も、かつて一度、会津若松での講演会に参加してお話を聞きました。非常に大雪の天候の悪いときだったんですけれども、大きな会場が満杯で、それこそ熱気がむんむんしておりましたことを今思い出します。なぜ、小泉元内閣総理大臣があのような発言をして、あのような行動をとっているのか。  私は、今考えますと、これほど真っ当な方はいないな、真っ当な政治家はいないなと。と申しますのも、あれほど過酷なことを経験した以上、ああいうふうに考えを変えるのはごく普通の人間なんですよ、真っ当な人間なんですよ。その典型的な方が、私は小泉元内閣総理大臣だと思っております。  安全ではなかった。必ずおっしゃるのは、私は原発の安全神話にだまされていました、決して安全ではなかった、安心、安全ではなかった、コストも安いわけではなかった、CO2を排出しないからいいわけではなかったとおっしゃっております。その言葉言葉が本当にぐさっとくるんですね。恐らく、多くの観客の皆さんもそう思ったでしょう。  今、関西電力による原発マネーの還流の問題が世間を騒がせておりますよね。しかし、原発の根本的な問題はこんなことではありませんよ。何より問題なのは安心と安全なんです。国民の生活にとって最も大事なことは安心と安全なんですよ。小泉さんもそうおっしゃっています。  大臣、今回の環境大臣就任に際して、お父様と原発の問題について何かお話をされましたか。
  42. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 父とは、日ごろいろいろな会話をします。  横光先生が、変人と言われる父のことを真っ当な人だと評していた、会津の演説会場にもお越しいただいていたようだということは、また次回会ったときに父に伝えたいと思います。
  43. 横光克彦

    横光委員 原発の問題にはお触れになりませんでしたけれども、ぜひ、一番近くにおられる方で、一番いいお考えを持っている方なので、お話を聞いていただきたいと思います。  個人的な考えは恐らく近いんじゃないかと思いますけれども、今与えられているお立場、このことを考えると、なかなか簡単には原発のことには触れられないという気持ちもよくわかるんです。  でも、エネルギー計画でも、これも二〇%から二二%ですよ、原発を三〇年に。どんどんどんどん再稼働しなきゃこれはたどり着きませんよね。そういった今状況にあるんです。  私が申し上げたいのは、やはりあの過酷な事故を受けて、ふるさとを追われてしまった、生活を壊されてしまった、安心、安全が奪われてしまった多くの方がいらっしゃるんですよね。そのことを考えたときに、このままの原発政策でいいのだろうかとつくづく思うんです。  エネルギーがなければまだ原発に依存しなきゃならないのはわかるんですよ。しかし、その後の日本のエネルギーの、みんなの努力によって再生可能エネルギーがどれだけ今広がりましたか。こういった安心、安全なエネルギーを使うという方向転換をなぜしないのかというのが小泉元内閣総理大臣のお考えなんです。  ですから、何とかして、国が政策を変えない限りこれは難しいわけですが、今、原子力規制委員会でも、次から次へと新しい、厳しい、より厳しい安全基準を打ち立て、それに向かって各電力会社は努力しております。しかし、どんなに安心、安全な基準をつくっても、安心、安全ではないんです。それが実証されたんです。  原子力規制委員会の中の言葉に、原子力の安全には終わりはないという言葉があるんです。意外と皆さん知りませんけれども、また発表もしませんけれども、実際ちゃんと書かれているんです、原子力安全委員会の中に。元委員長の発言、意見として、原子力の安全に終わりはないとみずから説明しているほど難しい問題なんです。  人間知では対応できないことが実証された以上、ここは方向転換すべきであろうと思います。何よりも一番安全なのは、そして一番安全なのは、そこに原子力発電所がないことです。このことをどうか肝に銘じて、大臣もいろいろ難しいお立場であろうかとは思いますが、言えば、もう内閣不一致でもいいじゃないですか、正論を吐けば。正論を吐けば国民はついてきますよ。それで更迭でもされたら、誉れある更迭になりますよ、今の不祥事で更迭されるより。それぐらいの気概を持ってエネルギー問題に立ち向かわなければ、世界から完全に置いていかれます。このことをお伝えいたしたいと思います。  もう一つ、非常に喜ばしいことが日本でも起きたわけで、リチウムイオン電池についてちょっとお尋ねしたいんです。  環境省のエネルギー分野での目標は、エネルギー転換と脱炭素、つまり再生可能エネルギー一〇〇%ですよね。これでいいですか。環境省目標は、エネルギー転換と脱炭素なんですよ。つまり、言いかえれば、再生可能エネルギー一〇〇%が環境省のエネルギーの目標なんですよ。これで大臣、よろしいですね。
  44. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 横光議員がおっしゃった脱炭素社会を実現する、そういった方向に向けて努力を続けるのはそのとおりであります。  現時点で再エネ一〇〇%と言える状況にはありませんが、再エネを一〇〇%導入するという取組、RE一〇〇というのもありますが、環境省自身、このRE一〇〇のアンバサダーにもなっております。  そして今、私の方でも、環境省の省内で、環境省の持っている、さまざまな所管をしている施設等あります。そういった中で、いち早くRE一〇〇、そういったことを実現できるように対策を講じるように、そんな話もしているところでもあります。
  45. 横光克彦

    横光委員 RE一〇〇、すばらしいですね。ぜひ取り組んでいただきたい。環境省皆さんも現実との違いは認識されていると思っておりますけれども、目標は、やはり環境省としては、再生可能エネルギー中心のエネルギー政策をやりたいというのが本音であろうと思っております。  そのときに、この再生可能エネルギーの促進に大きな役割を果たしているものがリチウムイオン電池でございます。先日、リチウムイオン電池の研究開発を担った吉野先生がノーベル化学賞を受賞した、すごいことだと思います。  これまで環境省は、大臣も説明されておりますように、リチウムイオン電池も含めていろいろと取り組んできましたよね。そして、日産リーフのところまでたどり着いた、これもまた環境省の貢献でございます。  更にこの流れを、リチウムイオンのノーベル賞受賞を契機に、このリチウムイオンの電池の開発を始め、民間企業への積極的な国としての環境技術の開発支援、これはあらゆる省庁にまたがると思います。  しかし、この再生可能エネルギーにつながるという意味では、環境省が先頭に立って、環境技術の開発支援を国策とするぐらいの気持ちで取り組んでいただきたいと思っております。吉野先生も、日本で再生可能エネルギーが普及するには蓄電システムが絶対に必要です、このように述べられております。  環境大臣のお気持ちをお聞かせください。
  46. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 横光先生は環境省の政務も御経験ですから、応援ありがとうございます。  以前、衆議院の予算委員会におきましても、公明党の石田先生からこの点は御指摘をいただきましたが、環境省が、リチウムイオンの搭載できる、まさに日産のリーフを含めて、そういった後押しを二〇〇七年から技術開発を支援をしてきました。このことも、今回、吉野先生の受賞の一つにつながったと考えれば、私たちとしても本当にうれしいことであります。  そして、このリチウムイオンについては、私は、国内だけではなくて国際的にも展開できる、さまざまなことがあると思います。  実は、この前、コスタリカの大統領夫人が即位の礼の出席のために来られました。今、コスタリカの大統領は私の一つ上の三十九歳ということもあって、そして、たまたま御夫人とお話をしたら、物すごく、コスタリカの政策、環境政策、盛り上がりまして、環境省に御夫人に来ていただきまして、面会、御意見交換をさせていただきました。  その中で大変驚いたのは、今、コスタリカは、何と国内の電力を、九八%再生可能エネルギー、残り二%だと、RE一〇〇の国として。そして、そのRE一〇〇になるために、日本のバッテリー、そして電気自動車、こういったことがあと二%を埋めていくために非常に大きい、そういったお話をいただきました。  我々、今すぐに日本全体をRE一〇〇とはまだいきませんが、我々の技術やさまざまな支援をもって世界の中でRE一〇〇の国を実現できる余地があると考えると、私は大きな希望を感じました。こういったこともあわせて取り組んでいきたいと思います。
  47. 横光克彦

    横光委員 コスタリカは九八%という話は私も聞いたことがあります。すごい国だなと。こういうふうに世界各国で努力している国もあるわけです。そういった中で、日本の立ち位置はどうなのかというのをいつも疑問を感じざるを得ないんです。  そこで、環境問題に著名なお二方の直近の意見を抜粋してお伝えしたいと思います。大臣、そしてまた環境省皆様、そして当委員会皆様、とりわけ与党の委員皆様方にしっかりと聞いていただきたいと思います。  最初に、原子力規制委員会委員長田中俊一さんの意見です。  「日本の原子力政策は嘘だらけでここまでやってきた。結果論も含め本当に嘘が多い。最大の問題はいまだに核燃料サイクルに拘泥していること。」「日本の原発はそうした嘘で世論を誤魔化しながらやるという風土があった。そこにつけ込まれて、今回のように、原発マネーを狙う汚い人間が集まってくる原因にもなった。」「実用化できない核燃料サイクル政策を転換し、無駄なコストを削減し、原発を継続して利用するために欠かせない人材の育成や安全性向上のための技術基盤の開発に投資すべきである。」これまでのうそを認めたくないため、問題をうやむやにしたままでは何も変わらないかもしれない。そうしたもろもろのことを考えると、残念ながら日本の原発はこのまま消滅へ向かうであろう。  前規制委員会委員長の今の現在の思いなんですね。そういったお言葉がございます。  いま一つは、大臣出席されて、また、お会いになったと思いますが、グテーレス現国連事務総長のお言葉です。  九月に開かれた国連気候行動サミットの直前、世界じゅうの数百万の若者たちが街頭に出て、リーダーたちに訴えた。あなたたちは私たちを見捨てていると。彼らは正しい。  こう言っています。  大排出国はまだだが、七十カ国以上が五〇年までの実質排出ゼロを約束した。百以上の都市も同調した。  安くて環境にいい選択肢があるのに、多くの国が石炭に依存している。二〇年までに新規の石炭火力を確実になくす。  科学は、今のままでいけば、今世紀末に三度気温が上がると言う。私はそのときいないが、私の孫がいる。私は彼らの住む唯一無二の地球を壊す共犯者になることを拒否する。  グテーレス国連事務総長はこう述べられております。  私は、このお二方の発言が一言一言胸に突き刺さるんですよ。それほどの危機感を持っているということなんですよ。気候変動対策でなくて、今や気候危機対策なんです。どうかその認識を深めていただきたい。今や、私たちの敵、人類の敵は温暖化対策で、気候変動対策なんですよ。  ですから、この全人類の闘いは、そういったことにしっかりと向き合わなければ後手を踏む、そして人類が本当に大きな影響を受ける時代がやってくる、その危機感をみんな持っているんです。  どうか、この委員会も、小さなところからの出発点ですが、このことで心を一つにして、環境委員会も各省庁の皆さんと心を一つにして、日本という国がやはり気候変動対策にしっかりと対応していくときであろう、このように思います。このことをお伝え申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  48. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 次に、金子恵美君。
  49. 金子恵美

    金子(恵)委員 立国社共同会派金子恵美でございます。  よろしくお願いいたします。  冒頭、台風十九号等の被害によってお亡くなりになられた皆様方に哀悼の誠をささげたいと思います。そしてまた、被害に遭われた全ての皆様方に心からお見舞いを申し上げます。  私も福島県伊達市の人間でございまして、伊達市の梁川町というところでは大変甚大な被害を受けたところでもございます。  まだまだ避難をしている方々が生活再建のめどがついていないということで、お苦しみの方々もいらっしゃいます。できるだけ早く、生活再建をしていかなくてはいけない。そのためには、やはり身の回りにあるところ、目の前にある災害廃棄物、その処理をしっかりとやっていかなくてはいけないということだと思います。  国は、激甚災害指定をいたしました。予算は出すということであります。これはありがたいことではあるけれども、できるだけ、とにかく負担はなくしていくということを考えたときに、お金だけじゃない、やはり人的な対応というものも更にお進めいただきたいというふうに思います。  先ほど来お話がありまして、災害対応ということで、環境省皆様方被災地にお入りいただいているということは理解をしております。本当に心から御礼を申し上げたいと思いますし、そのような対応をもっともっと、更に私は多くの方々にしていただきたいし、またさらに、環境省だけではなくて、しっかり各省庁と連携をとって対応していただきたいということもお願いをさせていただきたいと思います。  まず、台風十九号等の発生等、気候変動による影響について、どのような御認識をお持ちかということを大臣にお伺いしたいと思います。  我が国のみならず、これはもう世界的な危機的な状況にあるのではないかというふうに思います。地球の危機的状況だというふうに思っておりますけれども、御所見を伺いたいと思います。
  50. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 金子先生におかれましては、地元福島県伊達市の被災の写真も見せていただきましたが、日々の御尽力、そしてまた、御地元皆さんにお悔やみ、お見舞いを申し上げたいと思います。  今、気候変動災害、こういったことでの認識をということがありました。  気候変動に関する科学的知見を集積、公表している政府組織であるIPCCによれば、将来、気温上昇とともに、降水現象の強度、そして極端な海面水位の上昇の頻度が世界規模で増大すると予測されています。  こうした気候変動の進行により、水害や土砂災害などのリスクが増大することが懸念されますので、環境省としては、国立環境研究所を中心としまして、気象庁など関係省庁と連携をして、より詳細な気候変動のメカニズムの解明や影響評価を進めてまいりたいと考えております。
  51. 金子恵美

    金子(恵)委員 ありがとうございます。  大臣は、所信的御挨拶の中で、「昨年施行された気候変動適応法に基づき、環境省としても関係省庁と連携し、気候変動掛ける防災という発想を持ちながら、自然の持つ防災減災面の機能も活用しつつ、気候変動に対して強靱な地域づくりを目指します。」とおっしゃっています。  この気候変動掛ける防災、恐らく、初めて使われている言葉ではないかというふうに思うんですけれども、ここで大臣がおっしゃっている、この気候変動に対して強靱な地域づくりというものはどのようなものなんでしょうか、お伺いしたいと思います。
  52. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 気候変動掛ける防災というこのキーワードに触れていただいて、ありがとうございます。  この言葉に込めた思いというのは、今後、毎年、いついかなるときでも、天災のリスク、これに備えなければならない、気候変動対応型の防災、こういったものをこれから考えていくことも必要ではないかと。  原発事故の前は、原発は事故は起きないという安全神話があり、それから、あの事故の教訓を踏まえて、事故は起き得るという体制に変わったわけです。  私は、ことしの台風十五号、十九号を踏まえて我々が認識すべきは、堤防は壊れない、越水しないではなくて、堤防は壊れ得る、そして越水し得る、そういった考え方をもとにして今後の防災対策なども講じていく。さまざまな対応が必要ではないかということで、気候変動掛ける防災という言葉も使いました。  具体的には、台風十五号による停電の大規模な発生が千葉県でありましたが、迅速な電力復旧と周辺住民への温水シャワー等の提供を実現をした地域新電力、CHIBAむつざわエナジーが構築した街区のように、脱炭素化と地域特有の課題を同時解決する先進的な町づくりモデルの構築を支援をしたいと考えています。  そして、湿地による洪水の緩和など、生態系の持つ防災減災面の機能の活用について事例の収集や研究への支援、そして、災害廃棄物の円滑、迅速な処理のための災害廃棄物処理計画策定による備えの充実、こういったことも兼ね備えた取組を進めることが必要だと考えています。  以上です。
  53. 金子恵美

    金子(恵)委員 具体的に、エネルギーの問題も含め、そしてまた先ほど来おっしゃっていただいている自然の持つ力というものを、機能も大切にしていくというようなことだというふうには思うんですけれども、さらに、どんな状況であろうと、災害が発生したときに、とにかくいち早くそこに住んでいらっしゃる人々を救っていく、そういう仕組みも含めてお考えということでよろしいですか。
  54. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 いざ被災をしたときの人命救助等、そこは環境省ではない、まさに自衛隊やさまざまな機関との連携、こういったことが重要だとは思いますが、もちろん、今後の災害のリスクに備えて、事前に、先ほど石原大臣も申し上げましたが、この処理計画をつくる、そのための支援等、備えを通じていかに被害を最小化できるか、これも環境省としてできることを全力で進めていきたいと考えております。
  55. 金子恵美

    金子(恵)委員 ありがとうございます。  災害廃棄物処理体制というのをしっかりとふだんから推進していくということだというふうに思います。実際に、被災地で苦しんでいる被災者皆さんの生活再建をするために、今まさにその災害廃棄物対策をしているということであります。  先ほども質問があって、もうお答えをしている部分もあるので重複してしまいますけれども、今、現在進行形の、この災害対応するということで、身近な仮置場からは搬出本格化するのが十一月の中旬ごろということでした、今まさにやっているということで、そして身近な仮置場からの搬出完了をするのは十二月末ということですので、先ほどもおっしゃいました、お正月はできるだけいい環境の中で迎えていただきたい、そういうお言葉だったというふうに思いますけれども、実際にこれが本当にできるのかどうかというところが大変心配なところでございます。  昨年の西日本豪雨で出たごみは約二百万トンだったんですけれども、今回の総量はそれを上回る、そういう見込みだと言われています。環境省の予測という言い方をすると数百万トンに上るということなので、全ての処理というのは、例えば十二月めどで身近な仮置場から搬出ができたとしても、その後、大変時間がかかる作業があるというふうに思います。全ての処理を完了するまでには数年かかるだろうということなんですけれども。  想定するごみの量とか仮置場の候補地というのをきちんと事前につくっておかなくては、決めておかなくてはいけないということで、それをまとめているのが災害廃棄物処理計画だということで、それは策定をしっかりと進めていかなくてはいけないということでありますけれども、現状は自治体の三〇%に満たない策定率ということでありますので、できるだけ策定率を上げていくという御努力をしていくということなんですね。  まず最初に、今、現状の、被災地で苦しんでいる被災者皆様の生活再建を進める上で、御決意を伺っておきたいと思います。大臣、お願いします。
  56. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、決意という御指摘でありましたが、先ほど務台議員から御質問ありました長野県、私が行ったときに大変印象的だったのは、最後防衛大臣一緒にぶら下がりの記者会見をやりました。あれが午後の恐らく三時、四時ぐらいだったかなと思いますが、かなり冷え込みました。そして、現場長野の方にここは雪が降りますかと言ったところ、今月降るんじゃないかというお話でした。  それを考えると、今後更に、生活圏内からの廃棄物撤去にスピード感を持って取り組まなければ雪の影響等もあるかもしれない。ですので、一日も早くその加速化ができるように、今、広域処理も大分進んできました、長野県からは、富山県、また三重県、愛知県、さまざま進んできましたので、これを緩めず、更に広げていけるように全力を尽くしてまいりたいと思います。
  57. 金子恵美

    金子(恵)委員 そうです。もう各地、福島県でも雪が降りますけれども、雪が降る前に対応しなくてはいけないというふうに思います。  そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、この災害廃棄物処理計画の策定、更に進めていきたいということでもありますし、今おっしゃっていただいたように、現状、本当に苦しんでいる被災地皆さんのためにはとにかくしっかりと今の廃棄物処理を進めていく、そういう御決意もいただいたところでもあります。  ただ、まずは準備をいかにしていくかということでありますので、その部分について少しお伺いしたいと思うんです。  災害廃棄物処理対策に関する行政評価・監視。これは実は、東日本大震災の過去の災害では、大量の災害廃棄物が発生しました。その災害廃棄物処理のおくれは、被災地の早期復旧の妨げになるとともに、自然発火による火災やハエ、蚊などの衛生害虫が仮置場で発生するなど、市民生活にも悪影響を及ぼしました。総務省東北管区行政評価局は、東北ブロック内の全二百二十七市町村、東北六県及び環境省東北地方環境事務所における災害廃棄物処理対策取組状況を調査した結果に基づき、昨年の十二月の四日、環境省東北地方環境事務所に必要な改善事項を通知しましたとあります。  先ほど来、この計画策定率も上げていかなくてはいけないねというお話もされていた。でも、一方で、昨年末の段階では、環境省東北地方環境事務所に必要な改善事項を通知したということで、総務省の東北管区行政評価局からのお話があった、調査結果が出ているということであります。  実際に、これは「かきくけこ」で調査結果のポイントをまとめているんですけれども、ちょっと申し上げさせていただくと、仮置場の候補地選定済みというのは二百二十五市町村のうち四十七市町村にとどまっている。ですから、二〇・九%ということで、だからこそ、このような改善事項を通知されたということであります。これが「仮置場候補地の選定」の「か」の部分でした。  「き」は、「関係団体との協定」ということで、協定の部分の「き」なんですけれども、例えば、し尿等収集について関係団体と協定締結を結んでいるかということで、それは二百二十五市町村中百十八市町村ということで、五二・四%であるわけですね。  「く」、これは「国・県・他市町村との連携」。連携がある、協定があるというところが百二十四市町村、五五・一%。  「災害廃棄物処理計画の策定」。まさに策定の部分なんですけれども、これは東北六県中五県。一県は実は福島県で、これは東日本大震災対応、原発事故の対応があってつくられていないということですが。そして、十八市町村のみが策定済みということなので、これは七・九%。ですから、先ほど申し上げました全国で三〇%に対してたったの七・九%にとどまっているということでありますので、本来、この中に、先ほどの仮置場候補地の選定、候補というものも入れていくということですから、かなり低い数値になっています。  「かきくけこ」の「こ」、これは広報方策、そういうものをちゃんと持っているかということですけれども、これは、処理計画の策定済みの市町村の十八市町村中十二市町村のみ、六六・七%ですけれども、もともと策定しているのが十八市町村しかありませんので、そのうち十二市町村しか仮置場の場所とか受入れの可能品目等の広報、それをしていないという状況なんです。  この状況、こういう調査結果をもって、このような形で改善事項、改善の通知というものが寄せられたわけなんですが、環境省として、その後、今に至るまでどのような対応をしてきたのか。もちろん、改善するために御努力をしてこられたというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。  そのことによって、やはり今現在、東北の被災地の中では、福島、丸森、もう本当に厳しい状況でありますけれども、仮置場の選定がもしかするとおくれたのではないかとか、その後の対応というのがまた更におくれていく。今、身近なところから、次の仮置場に持っていかなくてはいけないとか、処理施設に持っていかなくてはいけないという選択がありますけれども、このことも含めて、もしかすると、きちんとした対応がなされていないことから、今回の災害によって起こった、このような処理をしなくてはいけない災害廃棄物処理についておくれてしまったのではないかという懸念があるんですが、いかがでしょうか。
  58. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 総務省から指摘を受けた後の具体的な取組、詳細については事務方からもお答えをさせますけれども。  災害廃棄物については、災害規模が大きい場合、発災直後に速やかに仮置場を開設し、災害廃棄物の搬入を開始することが、初動期の混乱を防止し、災害廃棄物の迅速かつ円滑な処理を進める上で極めて重要だと認識をしております。  実際に、私、福島県の郡山にもお伺いをしました。そして、郡山の品川市長とも懇談をさせていただきましたが、そのときに品川市長からも、自治体の中で、例えば消防など、そういったことでの事務組合とか、さまざま事前連携などはあるけれども、これからは、より廃棄物処理ということにおいてもそういった平時からの連携等が必要なのではないかというような御指摘も、アイデアもいただきました。  ですので、先ほど副大臣から御答弁をさせていただきましたが、全国でまだ市町村のレベルでいえばこの処理計画づくりは二八%にとどまるということを受けて、来年も含めていつ何があるかわからないわけですから、何がこれだけ進まない原因なのか、そういったことも特定をしながら、処理計画づくりが進んでいくように環境省がサポートをしていきたいと思います。
  59. 金子恵美

    金子(恵)委員 人的なサポートというのはしていただけるということでいいですか。
  60. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 人的なサポートも含めて、丁寧に対応してまいりたいと思います。
  61. 金子恵美

    金子(恵)委員 やっと福島県では、先ほどちょっと申し上げたんですけれども、この処理計画というのが策定できていなかったということで、実際にこれから県が本当に専門の職員をきちんと配置して、そしてその上で策定をしていくというようなことを言っています。その上で、また市町村レベルに至っても、県からの支援というのがあると思います。  でも、ここは、やはり東日本大震災、原発事故からの復旧復興で頑張ってきたけれども、また今回の被害を受けた状況もあるということですから、私は環境省としては福島県に対してもしっかりとサポートしていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか、大臣
  62. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 人的なサポートの中でも、さまざまな連携のあり方、支援の仕方があると思います。  先ほど局長の方からも御答弁がありましたが、この発災以降、環境省職員が、本当に多くの職員が、本省から、そしてまた地方事務所から支援をしています。今も継続的にさまざまな助言、指導、アドバイス、いろいろなことに含めてもサポートをしていますので、これからも環境省ができることを積極的にやってまいりたいと考えております。
  63. 金子恵美

    金子(恵)委員 ありがとうございます。  先ほど、局長、手を挙げておられたんですけれども、改善は進めるということでよろしいですか。その一点だけ答えてください。
  64. 山本昌宏

    山本政府参考人 御指摘を踏まえて、しっかり改善を図ってまいりたいと思います。
  65. 金子恵美

    金子(恵)委員 では、ぜひよろしくお願いいたします。  そして、その上で、今回の災害では水田、畑地、果樹園等にも被害があったわけなんですけれども、ちょうどJA福島五連の皆様方が要望活動で国会に来られたんですけれども、そのときにおっしゃっていただいた要望書の中の一つとして、河川の氾濫により水田、畑地、果樹園等に堆積した土砂や稲わら、瓦れき、流木さらには被災した農業用ハウス等の災害廃棄物について、被災者の負担なく円滑かつ速やかに処理されるよう、市町村の災害廃棄物処理事業の実施を徹底することとあるんですが、実際には、市町村レベルで進めていかれる処理事業等も環境省なりあるいは農水省の予算でしっかりと支えていくということだと思いますし、できるだけ負担をなくしていくということだと思います。  実際に、稲わらについては、農水省と環境省の事業の連携によって圃場等に堆積した稲わら等の処理支援するということはわかっているんですが、ちょっとごらんいただきたいんですが、先ほど私が申し上げました伊達市梁川町、私は伊達市の人間ですけれども、その伊達市梁川町の五十沢地区の写真を皆様のところにお配りしてあります。  これは、大臣も御存じのとおり、あんぽ柿の里、五十沢なんですね、だから柿の木なんです。実は、国道三百四十九号線のそばにある柿の木の畑なんですけれども、樹園地なんですけれども、そこに阿武隈川が氾濫いたしまして、全部水をかぶりました。濁流にのまれた木々は、このような形で、稲わらやごみというものをまだつけた状態になっている。これは十一月の十日撮影ですから最近のものなんですけれども、本当に、農業者の方々、これをしっかりと取り除くというところまで、もう心も折れてしまってなかなか難しい状況でもあります。  このような状況でありますけれども、これは稲わら等の等に入っていくんですか。それともまた別な形で支援をしていくんですか。どのような支援があるのか。農水省と環境省がしっかりと連携をとりながら支援をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  66. 山本昌宏

    山本政府参考人 本件は、稲わらのみならず果樹等さまざまな農作物、被害が起きておりますので、そういったものも含めて、農水省としっかり連携して対応するという整理をしてございます。
  67. 金子恵美

    金子(恵)委員 今申し上げました、土砂、稲わら、それと瓦れき、流木という話もしたんですね。それは全部環境省が担うのでいいんですか。
  68. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 水田、畑地、果樹園などに堆積した瓦れき、流木等の処理については、作付可能な状態への復旧に向け、農林水産省の災害復旧事業が活用できます。これは農林水産省です。市町村が生活環境保全上の支障があると判断をして処理を実施した場合には、環境省災害廃棄物処理事業費補助金の対象となり、我々が支援が可能です。
  69. 金子恵美

    金子(恵)委員 一言で言えば、恐らく、物によって変わってくるんだと思うんですよ。土砂と稲わらは、スキームがもう示されているんですよね。集積所まで持っていくのは農水省の予算、そしてその後は、そこからは災害廃棄物になるので環境省予算という理解でよろしいですよね。  ただし、そこで、瓦れき、流木というものもきちんと対象になるのかどうかというお話だったんですが、そこの部分は農水省の予算災害復旧事業でやるということでよろしいですか。
  70. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 稲わらにつきましては、金子委員がおっしゃったとおり、まず稲わらを集積所まで集めていただく、そこまでは農水省。そして、それから集積所からの処理は市町村が実施をして、その処理の費用について環境省支援をする。こういうスキームが一括スキームと言われるものです。  そして、御指摘のあった水田、畑地、果樹園等に堆積した瓦れき、流木等の処理については、先ほど申し上げたとおりでありますが、作付可能な状態への復旧に向けて、農水省の災害復旧事業が活用できます。そして、環境省災害廃棄物処理事業費補助金の対象となるのは、市町村が生活環境保全上の支障があると判断して処理を実施した場合、そういった形で御理解いただければと思います。
  71. 金子恵美

    金子(恵)委員 私はあえて農水関係のことを、いろいろ御関心が大臣はおありだと思っているので、この質問をさせていただいていますが、実は、例えば、このあんぽ柿の里、五十沢の皆さんだったらば、これは樹園地、畑、そういうものと一体となって生活をしているわけなんですよ。  ですから、どこからどこまでが生活の部分で、どこからどこまでが何の廃棄物なんだとか、そういうことを言っている場合ではなくて、今、そこに住んでいらっしゃる、この畑の隣に住んでいらっしゃる方もいるわけなんですね。その中で、この木についているものは、稲わらだけでもないし、でも、ごみもあるし、いろんなものがとにかくついてしまっている状況なんですよ。  だから、私は、ここで申し上げさせていただきたいのは、今言ったスキームについてはわかります、どこからどこまでが農水省で、どこからどこまでが環境省だと今説明はいただいたんだけれども、でも、やはりここはしっかりともうちょっと連携をとってわかりやすく進めていただきたいということと、言ったように、市町村任せということでもなく、しっかりとサポートしていただきたいというふうにも思うんですね。  そこを一つお願いしたいということと、それからもう一点、私、どうしてもここは確認をさせていただきたいんですけれども。  水田に、除染されていない山からの土砂もまざって流入した、そういう懸念があるのではないかということで、来年の作付に向けてなんですが、冠水した水田土壌の放射性物質濃度調査と、状況に応じた生産技術対策を講じてほしい等、やはりこれもJA福島五連の要望の一つでもあるんですけれども、放射性物質といえば、やはり環境省なんですよ。でも、農地の問題なので、ここは農水省と言っていくのかどうかということもありますので、ぜひ大臣から、ここはしっかりとやるんだと。  今までも、風評被害対策というのはずっと福島ではやってきましたけれども、できた米も全袋検査してきた、そういう状況でした。ここに来て、何か汚染されたものが水田に入ってくるということによって、また新たな風評被害というか、そういうものが発生してもいけないというふうに思いますので、ぜひ大臣、一言お願いしたいと思います。
  72. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、農水省において、放射性物質の土壌検査の実施や吸収抑制対策については、福島県営農再開支援事業で支援することが可能であると承知をしています。  環境省としては、土砂の流入などによって除染を実施した場所の再汚染が確認をされた場合には、個別に状況を確認の上、フォローアップ除染の実施を含め、必要な対応検討してまいりたいと考えています。  農水省や自治体連携をして必要な情報収集を進めていきたいと考えています。
  73. 金子恵美

    金子(恵)委員 時間が来ましたので終わりますけれども、ぜひ連携を強めていただいて対応をしていただきたいと思います。お願いいたします。  ありがとうございます。
  74. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 次に、柿沢未途君。
  75. 柿沢未途

    ○柿沢委員 柿沢未途でございます。  小泉大臣就任おめでとうございます。  きょう、私、真面目に質問しますから、答えに窮するような攻撃的な質問はしませんので、大臣も自分の言葉で答えていただきたいと思います。また、それをできる政治家であろうと思いますので、あなたも、また私も、これから迎える日本の未来に大きくかかわる、そういう話をしたいと思っています。  安倍総理の今国会の所信表明演説に気候変動の四文字がなかったのは、私はとても奇異に感じました。ましてや、気候変動アクションサミットが行われた直後だったはずです。先進国の首脳が今自国の議会でみずからの考えを施政方針として弁ずるに当たって、今やその話から始めるぐらいが世界のスタンダードであって、結局、安倍総理の頭の中には、このことはメーンイシューとしてはないのかな、こういうことを感じた次第であります。  先日、日本を代表するメガバンクのトップとお話しする機会があったんですけれども、今やビジネスの世界ではRE一〇〇、つまりは、自然エネルギー一〇〇%の電力調達に取り組まなければ、アップルのアイフォンのようなグローバルな部品のサプライチェーンから外されてしまう。そして、石炭火力に融資しているような金融機関は世界の投資家から投資資金を引き揚げられてしまう。だからRE一〇〇に取り組まざるを得ない。それについての切迫した意識は政治家や官僚にあるのかというふうに疑問に感じるということをお話をされていました。  大臣気候変動掛ける防災ということを所信でお話しされていましたけれども、今や海水温の上昇で海面から大量の水蒸気を吸い上げた台風が巨大化をして、しかも海から一直線に首都圏に向かって直撃をしてくる、こういう時代になりました。  また、オリンピックのマラソンも、暑いから東京では開催できないということで北海道へ行っちゃいましたけれども、その北海道だって、ことしの五月には、何と帯広市などでは三十八度、三十九度の異常な猛暑ですよ。北海道だってこういう状況です。  にもかかわらず、石炭火力の建設を国内外で進めて、NGOから化石賞なる不名誉な賞を受賞しているのが日本の状況なわけです。  私の立場からいえば、原発ゼロもそうですけれども、脱化石燃料そして自然エネルギー一〇〇%、RE一〇〇日本を早期に実現をする、このことについて、先ほども質問が出ましたが、大臣はコミットしているのかどうか、まず最初にお伺いしたいと思います。
  76. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 コミットしています。  このRE一〇〇も含めまして、環境省は去年、このRE一〇〇のアンバサダーに就任をしました。そして、私自身も今、環境省が所管をする施設などのRE一〇〇を一日も早く実現をしたいと考えています。  恐らく、この環境委員に所属をされて、私以上に長年、環境そして気候変動対策等に取り組まれている先生方におかれましては、みんな、それぞれのジレンマだったり、何とかしたいけれども環境省独自でできることの限界とか、いろんなことを感じていると思います。私自身も、大臣就任してから、そのジレンマの中でいかに環境省独自でできる、そういったところを研ぎ澄ませていけるかということを苦心をしています。  どんなに小さくとも一歩でも前に進めるべく対策を進めたいと思いますし、その果実を環境省一丸となって、また、本委員会委員先生方の後押しもいただきながら進めていきたいと思っています。
  77. 柿沢未途

    ○柿沢委員 環境省としてできること、できないことみたいなお話がありましたけれども、そういうことを言っている場合でもないと思うんですね。今や十代の女の子が学校を休んでこの話について世界に向けて訴えかけている、こういう時代ですから、ぜひ期待をしたいというふうに思いますが、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  この問題になると、日本がリードする、日本がリードすると口ではお経のように唱えるんですけれども、全然私は実態とかけ離れているというふうに思います。お寒い現状にある。お寒い中の一つが住宅、建築物の断熱性能の問題、中でも窓の問題だと思っています。お寒い状況にあるというのと同時に断熱性能が低いので、窓から冷気が入ってきて本当にお寒いというのが日本の住宅の状況なんですね。  我が国は、住宅、建築物の省エネのおくれが著しい。省エネ先進国と過去の栄光を振りかざすのはお恥ずかしくなるような状況が今現在あります。もっと言えば、日本は主要先進国の中で、住宅、建築物の省エネでは最もおくれた国であると言ってもいいのではないかと思います。  改正省エネ基準というのがありますが、一九九九年、二十年近く前の省エネ基準、毛が生えた程度のものにとどまっていて、この間、二度にわたって見直されていますけれども、住宅を含めた建築物の省エネ基準についてはほとんど変わっていない。しかも、二千平米以上の大規模なビルとか非住宅については基準適合が義務化されていますけれども、しかし、それ以外は、基準を満たさない住宅や建築物でも建てられてしまっている状況にあります。  この二十年近く前からほとんど変わっていない改正省エネ基準というのはどのぐらいの基準かといえば、ドイツのパッシブハウス基準に比べると、建物の断熱性能を示す熱損失係数、Q値で二・七倍も違う。建物の機密性を示すC値について言えば、日本は基準値すら定められていない、こういう状況です。  一枚目の資料の裏面をちょっと見てもらいたいんですけれども、建築家の松尾和也さんという方が試算したところなんですけれども、改正省エネ基準の東京に相当するのが、六地域、一番左側ですね、これを見ると、ドイツのパッシブハウス基準と比べると一次エネルギー消費量で六倍違う、こういう状況なわけですね。暖房負荷で見ると、一次エネルギーの比較以上に差が大きくて、トップランナー基準の性能をもってしても四倍、そして改正省エネ基準で六倍、こういう違いになっているわけです。これはすなわち、同じ温度を維持するのに四倍若しくは六倍のエネルギーを必要としているということにほかならないわけですよ。  このお寒い状態の改正省エネ基準をせめて新築住宅については基準をクリアした住宅しか建てられないように義務化するというのを、何と、今の政府は、やるはずだった基準を先送りというか事実上断念してしまったんですよ。欧州の先進国のみならず中国とかでもクリアしている、こういう基準を日本ができないんですから、本当にお寒い限りだというふうに思います。結果、世界からおくれた断熱基準に新築ですら適合している住宅は半数以下でしかない、こういう状況になっているんです。  この基準の義務化すら断念してしまった、こういう事実を大臣は知っていますか。
  78. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今、柿沢先生が御指摘になった住宅、建築物の断熱性能等については、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律、これは建築物省エネ法と言われますが、これに基づいて、環境省ではなく国土交通省と経産省において基準を策定しているものだと承知をしています。  環境省としても、住宅、建築物の脱炭素化を図る上で断熱性能は重要な要素であると認識をしていますが、その基準等については、各国の気候の状況等によるものでありますから、国と国の一概な比較は難しいと考えています。  ただ、その前提で申し上げれば、住宅の外皮全体の断熱性能を評価する指標である熱貫流率、これはUA値でありますが、で比較した場合、先生がドイツを今例示されましたが、ドイツの基準は、我が国の建築物省エネ法に基づく基準のうち、同じ寒冷地である北海道に適用される基準と比べ、二割程度断熱性能が高いものだと承知をしています。  いずれにしましても、環境省としては、住宅、建築物の脱炭素化に向けて、関係省庁と連携をしながら、現行基準を上回るネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、これはZEHと言われますが、これらの断熱性能の高い住宅の普及を始めとする住宅の省エネ化の促進に取り組んでいきたいと思います。
  79. 柿沢未途

    ○柿沢委員 いきなり環境省ではできないことがあるみたいな御答弁だったようにも聞こえますけれども、ちょっと質問は続けたいというふうに思います。  これは、中でも窓の問題だということを先ほど申し上げました。  配付資料を見ていただきたいと思います。二ページ目です。左の図です。窓の断熱性能をはかる数値としてU値又はUw値というのがありますけれども、日本は義務化された基準はないんですね、窓に関して。改正省エネ基準での数値も、東京周辺の地域で目安となる値は四・六五という数字になっています。最低基準なしと書いてありますけれども、目安の基準も四・六五です。見てのとおり、ドイツの一・三はおろか、中国の同程度の地域で義務づけられている最低基準の二・五にも遠く及んでいない。  この四・六五、日本で基準がない中で目安とされている数値がどのぐらいのレベルかというと、アメリカやヨーロッパに持っていくと、性能が悪過ぎて犬小屋でも使わない、そう言っている人がいるぐらいのレベルです。お隣の韓国や中国に行っても、法律の断熱の最低基準を満たしていないので住宅では使用できない。そのレベルの窓を新築住宅で堂々と使えて、省エネ等級で一つ星を出している、これが日本の状況なんですね。  それどころか、既存の住宅ストック、今ある住宅の六千万戸を見た場合、そのうち八割は、U値でいえば四・六五どころか六・五、世界最低レベルの窓ですよ。六・五というのは、要するに単板ガラスのアルミサッシです。夜になると結露して寒くて寒くてしようがない、こういうのが単板ガラスのアルミサッシの窓ですね。  アメリカでは、断熱性能が低いということで、五十州のうち二十四州でアルミサッシの使用そのものが禁止をされています。そもそも、アルミサッシが九割なんというのが世界の非常識なんです。  二枚目のペーパーの右側のグラフを、図表を見ていただければわかるとおりなんですよ。アルミサッシが八割、九割なんという、そんな国は日本だけ。世界の窓は樹脂サッシか木製サッシなんです。その事実を、大臣、御存じでしたか。そして、知ってどう思うか。お伺いしたいと思います。
  80. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、これだけ窓に思いを持っているのは、柿沢先生にはかなわないと思います、率直に申し上げまして。そして、この先生の御質問のおかげで、私も環境省内で、柿沢先生の御指摘を踏まえて、事前に準備もさせていただきました。  日本では、先生御指摘のとおり、窓の断熱性能は十分じゃない、そういう状況だと認識をしています。  先生がおっしゃったとおりでありますが、成形加工が容易で、反り、ねじれが極めて少ないこと、そして湿気に強く耐久性が高いことから、今資料で御指摘いただいたように、日本はアルミサッシがこれだけ多く使われていると、そして窓ガラスについては、住宅ストック全体で見ると、二〇一八年度時点で、約六割の住宅に先生がおっしゃった単板ガラスが使われている、そういったことだと承知をしています。  ですので、このアルミサッシから木製や樹脂のサッシに変更したり、単板ガラスから二重サッシ又は複層ガラスに変更することで、どうやって窓の断熱性能を向上できるか。  環境省としても、このために、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、そういったことの支援、また既存住宅の断熱リフォーム支援、こういったことを通じて、より断熱性能の高い窓の普及に取り組んでいきたいと思います。
  81. 柿沢未途

    ○柿沢委員 大変いい御答弁でした。ありがとうございました。  二枚目の資料の小さい方の図表を見ていただくと、書いてのとおりなんですけれども、断熱性能の低いアルミサッシと樹脂サッシや木製サッシでは、断熱性能が千倍、千二百倍も違います。千倍、千二百倍ですよ。それだけ、室内を二十度に保つための冷暖房エネルギーにかかる電力も少なくて済むわけです。さっき比較したとおり、ドイツの四倍、六倍、こんなことにならなくて済むようになるということであります。  電気代に直すと、これは樹脂サッシのメーカーの試算ですけれども、大体、単板ガラスのアルミサッシから同じスペックの樹脂サッシにサッシだけかえるだけでも、年間で電気代が二割違うということが言われています。何しろ、冷暖房の熱が逃げるのは六割、七割が窓、開口部からですから、何か窓に思い入れがあり過ぎて変わった議員だみたいな、私が変人扱いされてしまいましたけれども、そうじゃなくて、これは本当に大事な話だと思って私は申し上げているわけです。  住宅部門の消費エネルギーの三割は冷暖房です。冷暖房におけるエネルギー効率の向上は、断熱性能の向上、とりわけ窓の断熱性能の向上にかかっていると言ってもいいと思います。にもかかわらず、日本はアルミサッシ九割、樹脂サッシは一〇%ほど、木製サッシに至っては一%のシェアしかない。この状態について、改めてお伺いしますけれども、先ほどの答弁とかぶる部分もあると思いますけれども、この状態、お寒い状態についてどう思われますか。
  82. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 きょう、柿沢先生はお寒いという言葉を連発されておりますが、私、気候変動取組とかを通じて思うのは、確かに、お寒いと言われるようなところもあるのはそのとおりだと思います。  ただ一方で、日本がもっとやっていかなければいけないことは、日本が進んでいるところをどうやって世界に対しても正しく効果的に届けていくか、このことを考えていかなければいけないと思いますので、いいところはこれから発信を強めていきたいと思いますし、今おっしゃったような、まだまだ改善が必要だと思われるところについても、しっかりと後押しをできる施策を通じて、このサッシ、窓の部分につきましても、先生がおっしゃったように、この部分をリフォームなど、またZEH、こういったことも通じて進めていくことで、脱炭素社会、また快適な暮らし、ここにも両立ができるんだということは、我々も、環境省として取り組んでいきたいと思います。
  83. 柿沢未途

    ○柿沢委員 改めて申し上げますけれども、アルミサッシ九割という日本の窓の常識は、これを見てわかるとおり、いわば世界の非常識なんですね。千倍以上も断熱性能の高い樹脂サッシや木製サッシへの転換は、冷暖房でエアコンをがんがん回さないと快適に暮らせない日本の住宅を改めて、そして、消費電力量を減らして、省エネを進めて、パリ協定のコミットメントをクリアする、そのためには、私は急務かつ必須の取組だというふうに思っています。  それで、樹脂サッシも、木製サッシも断熱性能が千倍も違う、千二百倍も違うという話をしましたが、あえてちょっとお伺いをしますけれども、樹脂サッシと木製サッシ、どっちがいいと思いますか。
  84. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 先生に教えてほしいと思います。
  85. 柿沢未途

    ○柿沢委員 私は、断然、木製サッシを政策的に伸ばしていくべきだと思います。断熱性能はアルミサッシの千倍から千二百倍高いのは同じなんですけれども。  だって、樹脂サッシって、結局は石油製品じゃないですか。製造段階でのエネルギー消費量が全然違うわけですよね。また化石燃料をふやすのかということに結局なってしまうではないですか。それに、アルミサッシから置きかわっていくとすれば、恐らくこれは工場での大量生産に向いている樹脂サッシにどんどんどんどん置きかわっていってしまうんですよ、放っておけば。  木製サッシは、使われているヨーロッパでも、山元に小さな工場が点々と点在をしていて、その地域材を使って、いわば細々と一日何十窓単位で生産をしている、こういう工場がほとんどなんですね。現に国産材を使った木製サッシというのは、日本でも実は、シェアの中でいえば、外材を持ってきてつくっているのと比べると、〇・二%ほどしかシェアはないと言われています。  森林環境税なんて税金まで取って、国内の木を使って、それを使っていこうということをしているわけですから、私はここを政策的に伸ばさない手はないというふうに思うんです。とりわけ先導的に公共建築物、役所や学校は法律までつくって木材利用を推進しているんですから、窓における木製サッシの使用を可能な限り公共建築物では進めていくべきだと思います。  きょうは所管をしている国交省の方に来ていただいていますけれども、これまでの公共建築物における木製サッシの採用はどのぐらいの件数があって、法律施行後、公共建築物における木製サッシの採用割合はどのぐらいあるのかということを答えていただきたいと思います。
  86. 住田浩典

    住田政府参考人 お答えします。  国土交通省官庁営繕部では、施設の用途や地域性などを総合的に考慮の上、木製サッシの活用を図っているところです。  官庁営繕部が整備を担当した国の公共建築物では、地方整備局の整備分を含め、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が施行されて以降、平成二十三年度から三十年度までの八年間で、木造化した新築の六十棟のうち三棟において木製サッシを活用しているところです。割合としては五%となります。
  87. 柿沢未途

    ○柿沢委員 事前にお伺いをしたときに、木製サッシを採用した公共建築物は三軒だ、この八年間でということをお伺いをしましたが、これは国交省が把握している範囲でおっしゃられているだけであって、他省庁、学校の話をしましたから、文科省の所管の建物で見事な木造の校舎とか、いろいろできていますね。こういうことについては、今、住田部長がおっしゃっていましたけれども、実は、他省庁のことは把握すらしていないというのが現状なんですよ。木材利用を公共建築物で推進しようと言っているにもかかわらず、結局、聞いてみたら、把握していないみたいな答えが返ってくるということは、私は、これも大変お寒い話だというふうに思います。  ここの部分は、利用できるかどうか検討しながら、できるものはやっているみたいな答え方をしていましたけれども、私は、もっともっと広げる余地があるというふうに思いますし、伺ったところによると、例えば、飛行機の騒音の防止のそのためのサッシの改善、防衛省の予算とかで行われていたり、国交省の運輸関係の予算で使われていたりしますけれども、これにも樹脂サッシは採用されていても木製サッシは採用されていないんですね。気密性、断熱性が高いということは遮音性も高いということですから、本来ならばそういうところから広げていくことができるはずにもかかわらず、そうしたことがなされていないということについても、ぜひ改善をしていただきたいというふうに思います。  既存のリフォームの話が小泉大臣から出ました。まさにこの話をしたいと思うんですけれども、既存住宅の断熱リフォームには大きな経済的な可能性があります。人口減少で八百万戸も空き家があって社会問題になっているのに、政府は今も、消費税増税対策とかで新築住宅への税制上の優遇を続けて、百万戸近くの新築住宅をつくり続ける、こういう政策を続けています。私は非常にナンセンスだと思っています。  一方、ドイツの場合、今、全体の七六%がリフォーム、新築投資というのはわずか二四%しかありません。そして、注目すべきは、省エネリフォーム、断熱改修が全体の二六%、日本円にすると八兆円もあるということなんですね。しかも、この省エネリフォーム、断熱改修の需要というのは、ここ最近、意図的に政府によってつくり出されたものなんです。  ドイツは、世帯数四千万戸に対してストック四千万戸、住宅が余らないように供給をコントロールされています。つまり、人口動態を確認しながら、世帯数と人口の増加している地域のみ新築を認めているということであります。  新築住宅を制限するだけだと、建設産業の雇用、仕事が激減してしまいますから、そこで、ドイツは、新築住宅を減少させるタイミングと合わせて、リフォーム需要をふやしていく政策を意図的に同時に行っていったんです。二〇〇〇年代前半から、新築住宅への補助金や税制優遇がほぼ廃止されて、一方で、省エネリフォームへの補助金や税制優遇が手厚くされた。それにより、省エネリフォームの分野において建築、建設の雇用が新たに生まれて新築住宅の減少分をカバーできたということであります。  ドイツがリーマン・ショック後に最初に打ち出した緊急経済対策も断熱リフォームの補助金の積み増しでした。そして、二〇五〇年には既存の住宅ストックを全て高断熱化する目標を立てて、さらなる投資を進めています。  片や、日本。世界におくれた改正省エネ基準ですら、それを満たした住宅は既存ストックの五%にも満たないとされています。つまり、五千万戸以上の断熱リフォーム需要が存在しているということです。ここは、私は、建設業界にとっても大きなビジネスチャンスだと言っていいと思います。  ここでまた木製サッシの話なんですね。  三枚目のペーパー、ちょっと見ていただきたいんですけれども、私の知り合いの材木屋さんの社長さんが、未途さんの言っている木製サッシをやってみようということで、自宅のマンションの七階のお部屋のアルミサッシの窓に木製サッシの内窓を取り付けたんですよ。見てください、ビフォー・アフター。  見え方は段違いですし、マンションのアルミサッシにつきものの結露もなくなって、断熱性、気密性も上がると、さっき言ったように遮音性も上がりますから、この間の台風で、暴風雨で外ではびゅうびゅう、ごうごういっているのを、実は、このお部屋の中ではほとんど気にならなかった。当の本人がびっくりしているぐらいのそういう性能なんですね。  しかも、集合住宅のリフォームとなると、管理組合の合意がどうだとかなりますけれども、これは内窓ですから、つまりは、一戸単位のオーナーさんの判断で、管理組合を通さずにできるということになるわけです。マンションのアルミサッシの窓、どのぐらいあるかということを考えれば、巨大なリフォーム需要であり、巨大な木材需要になるのではないかと思います。  私、ここに森林環境税の税源を使えばいいんじゃないかと思うんですよ。都市部にも森林環境税の税源が人口割で回ってきてけしからぬみたいなことを特に山の、林業地域皆さんから言われますけれども、東京都も一億六千万ぐらいかな、税収が入ってくるんですけれども、こういう木材需要を川下でつくり出すというところにこの森林環境税の税収を使っていけば、これは川上も川下もウイン・ウインの関係で、木材需要の拡大をかなり飛躍的に行えると思うんです。  きょう林野庁の長官も来られていますから、ぜひ御答弁いただきたいと思います。
  88. 本郷浩二

    本郷政府参考人 お答えいたします。  木製サッシについては、針葉樹の無垢材の活用も多いと承知しており、構造材と比べ付加価値が高い木製サッシなどの建具への木材需要が拡大すれば、林業の採算性にもつながるものと考えております。  このため、林野庁では、令和元年予算において、建具や家具等についても開発普及を行う予算を計上しているところでございます。木製サッシについても支援対象であります。引き続き、予算の確保に努めてまいりたいと考えております。  また、都市部の地方公共団体が森林環境譲与税を活用して、木製サッシを含め木材利用促進のための支援を行うことは可能であります。  農林水産省として、引き続き、このようなことを進めてまいり、木材の需要拡大と付加価値の向上に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
  89. 柿沢未途

    ○柿沢委員 残された時間で大臣に締めでお伺いをしたいと思いますけれども、今るる申し上げてきたとおり、まさに住宅の断熱性能が、既存住宅においてはかなり世界と比べて低い状況になっている。そしてそこには巨大なリフォーム需要がある。新築住宅がこれから建たない時代になってきて、建設業の皆さんにとっては巨大なビジネスチャンスがそこにあるということです。  しかも、マンションの内窓リフォーム、結露で寒い寒いあのアルミサッシの窓の内窓リフォームをこの木製サッシで行うことによって、木材需要の拡大、そして国産材の利用、そして建設業におけるビジネスチャンスの拡大、それが同時に行える、実現できる。そして、住んでいる人は、暖かい、住み心地はいいし、木のぬくもりが感じられる。いいことばかりなんですよ。  どうか、ちょっと御答弁をお願いして、質問を終わりたいと思います。
  90. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 柿沢先生のおっしゃるとおりだと思います。  まさにこの気候変動取組を持続可能なものとするためには、やはり経済と環境の両立をどのように図るのか。この断熱の性能の向上というのは、今先生おっしゃったとおり、CO2の削減、そして快適な暮らしの実現、これに資するものでもありますので、環境省としても、今先生がおっしゃったサッシ、これについても要件を満たせば補助対象としています。  そして、ぜひ全国の工務店の皆さんにも知っていただきたい、そういった思いがありますので、環境省はクールチョイスというものをやっていますから、この旗印のもと、省エネリフォームのパンフレットの作成、配布、工務店の方向けには、断熱リフォームの方法や効果など解説をしたガイドブックの作成、配布などに取り組んでいるところです。  先生の思いが、この窓の部分だけじゃなくて、ほかの部分でも全体で経済と環境の両立ができるように、私も全力で取り組んでいきたいと思います。  ありがとうございます。
  91. 柿沢未途

    ○柿沢委員 終わりますが、これは政策的に伸ばさないと伸びていかない、そうした性質のあるものだということは御理解ください。  以上です。ありがとうございました。
  92. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 次に、関健一郎君。
  93. 関健一郎

    ○関(健)委員 関健一郎です。  委員長並びに理事皆様におかれましては、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  冒頭、台風十五号、十九号の被害に遭われて亡くなられた皆様に対して心からお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。  また、都道府県職員皆さん、また国の職員の方ももちろんですが、自衛隊皆様を始め、昼夜を徹して復旧作業に当たっていただいていることにも心から感謝と敬意を申し上げ、質問に入らせていただきます。  私、この前、福島県いわき市に台風十九号のボランティアに行かせていただきました。また、大臣も繰り返し現地に入っておられるということで、恐らく問題意識は共有できていると思うんですけれども、被災ごみという言葉の呼称に関して質問をさせていただきます。  私、NHKの記者として東日本大震災を取材させていただきましたが、やはり、わかりやすくということで、ジャーナリスト、マスコミは被災ごみという言葉を使います。また、大臣も御挨拶の中で災害廃棄物という言葉を使っておられましたけれども、それは配慮のにじみ出た言葉なんだと思いますけれども、じゃ、被災地皆さんがどういう感覚で受けとめているかといいますと、私も今回行ってきたんですけれども、もちろん使えなくなった家財道具、家電製品もありますが、家族の七五三の思い出の写真とか、又は大切な家族の遺影とか、そういうものもひっくるめて被災ごみというふうに呼んでいるわけです。  これは間違いじゃないだろうという人もいますけれども、その一人一人の感覚、皆さんの感覚にしてみると、これはとても嫌な気持ちに、ごみと言われちゃうんだねという感覚にやはりなってしまいますし、何か呼び名がないものかなということを考えていました。  私なりに、例えば被災品とか災害被害品とか、そういうふうに考えたらどうかなとか、いろいろ考えたんですけれども、例えばエネルギー基本計画を変えようといったら、これは何年もかかりますけれども、この呼び名、被災ごみという呼び名はやめますと小泉大臣がおっしゃっていただければ、これはすぐ変わるわけです。それで、何人もの被災地の方が、あっ、そういうところに気を使ってくれているんだなと思っていただけることにもつながると思います。  これは与野党も何も、被災地の一刻も早い復興というのは差異はありませんから、大臣に御所感を伺いますけれども、被災ごみという言葉について、使わない、また、新しい言葉を、大臣として使わないという姿勢を示していただけませんでしょうか、伺います。     〔委員長退席、伊藤(信)委員長代理着席〕
  94. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 関先生の問題意識、完全に共有します。  私、今でも忘れないのは、東日本大震災発災したときに、私は野党の議員でした。そのとき一緒に自民党の中でこの復興に取り組んでいたのは、今はお亡くなりになられた長島忠美先生でした。  長島先生は新潟の山古志村の村長の経験がありましたから、新潟中越、その被災をしたときに、まさに避難を指揮をされた。そういった経験をもとに、自民党の部会の中で、瓦れき瓦れきと言うけれども、それを簡単に言ってほしくない、全ては地域皆さんの大切なものだったということを忘れずに議論しなければいけない、このことを長島先生がおっしゃっていて、私も深く感じ入ったことを今でも忘れません。  そして、今回の台風災害におきましても、そのことを決して忘れてはならない。そして、何かよりよい表現の仕方はないか、この関先生の問題意識は私も共通のものを持っています。  先日、茨城県の知事含め、関係の方々、来られました。そして、その中には自民党の永岡桂子先生もいらっしゃったんですが、同じく永岡先生から言われたことも、ごみと言わずに考えてほしい、そういったことでした。  私が、きょう、ちょっと紹介をしたいのは、環境省がツイッターをやっていまして、十月二十一日にこういうツイートを環境省はやっています。「台風十九号により、捨てなければならない物品について」「災害廃棄物となってしまったひとつひとつは、被災者皆様の生活の一部であったものです。単なる「ごみ」としてではなく、大切なものであったという思いを忘れず、防衛省・自衛隊とも連携し、災害廃棄物処理を進めます。」これが、十月二十一日の環境省のツイッターで投稿したものでもあります。  関先生がおっしゃったように、被災品とか災害被災品、そういったことも含めて、今後、よりよい呼称があれば考えていきたいと思います。     〔伊藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕
  95. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございます。  これは私きょう、朝こっちに来ながら思いついたんですけれども、実は地元の、幾ら大臣もお若いといってももう四十近い方で、高校生とか中学生の子たちにちょっと聞いてみたんです。そうしたらいろんな言葉がぽんぽこぽんぽこ出てくるわけです。ですから、例えば環境大臣が、いや、被災ごみと言うと、瓦れきと言うといろんな人がやはりいい感情を持たないから、いい呼び名がないかなということを仮に呼びかけたりして、募ったりしてもいいかなと思うんです。それで環境を主体的に考えるきっかけにもなりますし、私も一番上の娘に、ごみと言うとやはり悲しいよね、何て言ったらいいと思うと言うと、宝物と言ったんですけれども、それだとちょっと意味もずれてしまいますけれども。  そういう発想というか、相手がどう思うかというのは、やはり若い人たちに環境とか考えてもらうきっかけにもなると思いますので、ぜひ、これは提案ですけれども、大臣から若い人たちとかに、何と呼べばいいと思うなんて問いかけても僕はいいかななんて思うんですけれども、ちょっと。
  96. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 若い人への問いかけというのは、廃棄物というものをどう呼ぶべきかということにとどまらず、私すごく大切にしています。  例えば、私、もしかしたらきょうも質問があるかもしれませんが、レジ袋の有料義務化が来年から始まるということも受けて、この前私の大臣室に福島県のふたば未来学園の高校生が来られたもので、高校生のみんなにとっては来年からのレジ袋の有料化って幾らぐらいがいいと思うということをよく聞きます。そういった中に、何となく感覚というか、そういった我々が認識しなきゃいけないようなことというのは込められていますから、今後も若い人たちの意見を大切に取り入れていきたいと思います。
  97. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございました。  それでは、台風十九号関連、まず気象庁の方にお越しいただいていると思いますので、ちょっと順番を変えて質問させていただきます。  地球温暖化に合わせて災害をもたらすような大雨がふえているという指摘もあります。地球温暖化に合わせて豪雨とかふえている、また、世界的にも干ばつやら、いろんな被害激甚化しているという指摘もありますが、気象庁としての見解を伺います。
  98. 大林正典

    大林政府参考人 お答えいたします。  近年、豪雨災害をもたらすような短時間強雨や大雨の発生回数は増加しております。例えば全国のアメダス観測データでこの三十年余りの発生回数の変化を見ますと、一時間当たり五十ミリ以上の短時間強雨は約一・四倍、一日当たり四百ミリ以上の大雨は約一・八倍に増加しており、これには地球温暖化が影響している可能性があります。  気象庁では、今後とも地球温暖化対策に資する気候変動の監視、予測情報の充実強化を行い、その情報発信に努めてまいります。
  99. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございます。  この質問の趣旨は、環境省災害の担当の省だという自覚を持つべきではないかということを質問するために今の質問をさせていただきました。つまり、国土交通省がまとめた資料の中でも、このままのデータでいくと、百年後には約四倍の洪水発生リスクが高まるという調査書もまとめていますし、いわゆる、先ほど答弁の中にありましたが、滝のように降る雨がどんどんふえ続けているというデータもあるわけです。  そんな中で、特にごみ撤去に関しては、災害がますます激甚化をして、そのごみごみと言っちゃだめですね、災害被害品の撤去にも時間とお金がかかるわけですから、より主体的に取り組むべきだということをこの質疑の中で明らかにしていきたいと思いますけれども、大臣被災地視察をされておっしゃっていましたが、年内撤去完了について、これはやはり私も行かせていただいた人間として、おっしゃるとおりだと思います。年を越えるときに、ああ、あの公園に山盛りになっているのがなくなってよかったね、新しい気持ちでまた来年も頑張ろうという気持ちにやはりなると思うんですね。  具体的に、必要な人間また物資、スケジュール感について教えてください。
  100. 石原宏高

    石原大臣 環境省では、年内目標に、生活圏からの災害廃棄物撤去完了に向けて、支援自治体関係機関連携し、広域支援体制を構築しているところであります。  例えば、防衛省・自衛隊連携した災害廃棄物撤去については、これまで全国七県二十三市町村で活動を展開して二十一市町村では終了するなど、撤去が着実に進展しているところであります。  また、支援自治体及び関係団体からは、ごみ収集車両を三県五市に派遣し、仮置場へのごみの搬入を支援をしているところであります。  また、例えば長野県においては、支援自治体及び関係団体調整を行い、先ほど大臣からもお話がありましたが、長野県の長野市の災害廃棄物は富山県内の処理施設で、また、同県の千曲市の災害廃棄物は三重県内の処理施設で広域処理が実施されているところであります。  引き続き、支援自治体関係機関連携して、必要な人員予算を確保して被災自治体をしっかりと支えてまいります。
  101. 関健一郎

    ○関(健)委員 今、石原大臣からも言及がありましたけれども、やはりワン・ナガノに見られるように、省庁横断のチーム編成が必要になりますし、広域自治体連携も必要になる、今御答弁のとおりだと思います。  そして、先ほど気象庁の答弁にもありましたけれども、どんどん災害激甚化をして、被害広域化していく可能性は非常に高いわけです。  そんな中で、先ほど他の委員の質問の中でもありましたけれども、環境省職員現場にいて指揮をとっておられたよという質疑がありました。  これからは、やはり環境省というのは、災害の主導的にいるべき、存在すべき役所であり、まさにこの横断チームを取り仕切る役割、また、自治体連携も取り仕切るような役割を担うべく、また、その必要な予算、必要な人材を確保していくべきだと考えますが、御所感を伺います。
  102. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 応援ありがとうございます。  そのためにも、予算そして人員、こういったことを、与野党委員先生方環境省の応援をぜひしていただきたいと思います。  そして、災害にもっと環境省がより役割を発揮すべきだという関先生の思いも含めて、実現をするために私が必要だと思っているのは、環境省がやるべき、環境省にしかできない仕事をしっかりと見きわめて、やめるべきことはやめるべきだと私は思っています。小さなことからではありますが、八木政務官をトップに加藤政務官を補佐という形で、何とか月間というものも含めて見直しを始めようと。そういう思いも、やはり予算人員環境省は限られていますから、限られている上で、余り戦線拡大をしても、私はむしろ環境省の機能を発揮すべきところに発揮できないままでいてしまうと思います。  そういった思いを環境省の中でも共有して、先生の思い、役割を発揮すべきところに発揮すべきだという環境省づくりも、私も取り組んでいきたいと考えています。
  103. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございます。  今の大臣の御答弁の中にもありましたけれども、やるべきこと、やるべきではないことというのを仕分しないといけないんだと思います。  そして、私が被災地に行って感じたのは、仮置場の一歩手前の、御近所でみんな公園とかに被災品をためるんですね、家財道具とか。そのときに、これ、縄張りは誰になるんですか、仮置場になると市町村なんですけれども、その一歩手前、みんなが便宜上積んであるだけなので、点々々という感じなんですね、担当は。ただ、自衛隊皆さんが気をきかせてそこに三人ぐらい立っておられましたけれども、そういう状況なわけです。  何度も繰り返し申し上げますけれども、被害激甚化して、広域化をしていけばいくほど、市町村は、被災した市町村、それ自体も被災しているわけです。ですから、一元的にこれは市町村が主導するものなんですというのは、もう被災している市町村にしてみれば、いや、そんなこと言われてもというのが正直なところなわけです。  ですから、こういうところこそ、大臣がおっしゃったとおりです、何ができないか何ができるか、この激甚化を受けて広域化することが想定される中で、まさに、平時にどうやって連携をして、また、省庁そして広域自治体です、これは、環境省として、いわゆる直営の部隊を創設して、この連携をしっかり、この地域でこうやってねという、コンサルティングじゃないですけれども、そういうことは環境省がすべき役割考えますが、大臣の御所感を伺います。
  104. 山本昌宏

    山本政府参考人 御指摘いただきました点、本当に大事な役割だと思っております。  実際には、今、地方環境事務所ベースで地域協議会というのを立ち上げておりまして、その中で具体の行動計画をつくっていると。  今回、長野での事例も御紹介しましたが、その中で広域連携計画ということで、被災地に、環境省職員ももちろん行きますけれども、ブロック内の自治体からも人を送るということ、それから、Dウエーストネットという専門家の集団もありますのでそういったところからも人をつぎ込む、そういったことを環境省がまさに指揮をとってやっていると。  このあたり、まだまだ準備としては足りないところがあると考えておりますので、そこらあたりの充実を図ってまいります。
  105. 関健一郎

    ○関(健)委員 環境省が主導してこの連携の指揮をとっていただきたいと思います。  次の質問に移らせていただきます。  レジ袋有料化です。これは仕組みについてははしょりますけれども、早速質問に移らせていただきます。  全体の消費できるパイは別として、日常生活の中で、あっ、レジ袋がなくなったね、あっ、ストローが木になったね、これはとても象徴的に大切なことだと思います。  そこで伺います。  そもそも、この仕組みで、今いろんな例外も出てきましたけれども、レジ袋の消費を削減することができるのか、またどのぐらい削減できるとお考えなのか、伺います。
  106. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 どの程度削減できるかというのは、一概にお示しすることは難しいと正直思います。  ただ、レジ袋の有料義務化、これを通じて、今、世界全体で二〇五〇年までに追加的汚染ゼロという、日本が主導してまとめたこの大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを含めて、海洋プラスチックが生態系、またさまざまな問題に波及している、地球規模課題に思いを持っていただきたいと思いますし、このことを通じて少しでも、その使用量の抑制、また気候変動に対する取組の意識の喚起、こういったものにつながるということは、私は効果としてはあるのではないかと思っております。
  107. 関健一郎

    ○関(健)委員 これはやはり、おっしゃるとおり、シンボルとしてとても大切なことなんだと思います。シンボルということは、ああ、減ったね、スーパーに行ったら、魚とかを入れる袋が使えなくなったねとか、そういうことを感じていただくことが大事なんだと思います。  そこで、どうやってどのぐらい減りましたよということをやはり見える化することは大切だと思うんです。今だと、仕組みの削減効果、要りませんよと言った辞退率だけだと思うんですけれども、これはどうやってこれだけ減りましたよということを国民の皆さんにわかりやすくお示しするか、伺います。
  108. 加藤鮎子

    加藤大臣政務官 削減効果につきましては、容器包装リサイクル法に基づいて、容器包装を多量に利用する事業者が、毎年度、事業所管大臣に対して容器包装の使用の合理化の状況について報告することとなっております。  具体的には、小売業に属する事業を行う者のうち、従業員が六人以上かつ売上高七千万円を超えるものであって、前年度の容器包装の利用量が五十トン以上の事業者がこの報告の対象となっております。  レジ袋の有料化が実施されれば、この法に基づきまして、有料化の取組状況、買物袋の使用量等の報告を受けることを想定しており、買物袋の削減量や辞退率などを把握することができるものと認識しております。
  109. 関健一郎

    ○関(健)委員 そのまま政務官にお伺いします。  一定の規模なりなんなりに関しては報告を義務づけているとありましたけれども、これは義務化を広げ、例えばすごい小さいところとかそういうところも結構あると思うんですけれども、そこに報告の義務を広げていくということはないんでしょうか。
  110. 加藤鮎子

    加藤大臣政務官 現時点におきまして、削減状況を把握するための他の取組といたしましては、経済産業省及び環境省による合同審議会の取りまとめ案では、容器包装リサイクル法に基づく定期報告に加えまして、各事業者、業界における取組状況の自主的な情報発信を奨励することとしております。  また、事業者によって自主的に発信される情報、さらには自治体が条例や協定に基づいて把握する情報なども含めて前広に情報収集をし、施行後におけるプラスチック製買物袋の削減の状況をできる限り把握していくこととしております。
  111. 関健一郎

    ○関(健)委員 質問をさせていただくと思ってからコンビニとかにいろいろ行くと、これは、バイオ何とかは何%かなとか、いろいろ考えても、申告を信じるしかないというか、だから、どうやればどれぐらい削れているのかというのを見える化をしていくことがとても大切なんだと思います。  やはり、何度も申し上げますけれども、これは、象徴的な、毎日の暮らしの中で、プラスチック減ったよねと思っていただくことが一つの大きな大きなポイントだと思いますので、見える化というのを追求していただきたいと思います。  その中で、一日の有識者会議の中でもガイドラインを示すというふうになっていましたけれども、これはいつ、どのような形で示すのか。これは具体的に示さないと、例えば某家具メーカーのバッグは、あれは有料になるのかとか、衣料品メーカーに行って入れる袋は、取っ手がついているやつは、あれは有料なのかとか、そういう細かい具体的な明示とともに示さないと現場の混乱が予想されます。ガイドラインは、いつ、どのような形で、また、具体的に示すことになっているのか、伺います。
  112. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 ガイドラインにつきましては、現在、来月末、十二月末の公布を目指している改正省令とあわせて、できる限り速やかに公表したいと考えています。  今、関先生が、事業者及び消費者の混乱を避けるために具体的にすべきだという話がありましたが、例えば、鮮魚や野菜を入れるロール袋などの個別具体的な袋の取扱い、そして、レジ袋の価格設定及び売上げの使い道、これに関する先行事例の効果実績などを記載をするなど、できる限り具体的にお示しできるよう、事業所管省庁とも連携をして進めてまいります。
  113. 関健一郎

    ○関(健)委員 これはシンボリックなあれですので、海外に行って、やはりストローなんか出てこないよねとか、そういうことを感じて日本人もみんな帰ってくるわけですけれども、やはりしっかりとレジ袋の削減が進んでいるという印象自体が必要なんだと思います。  それでは、次の質問に移らせていただきます。  ちょっと、こちらに物品をお示しさせていただいたんですが、この話は、カラテとかモッタイナイとかオモテナシとか世界に通じる日本語が幾つかありますけれども、ツメカエという言葉が次のグローバル日本語になるんじゃないかという質疑をさせていただきたいと思います。  お手元に資料をお配りさせていただいたんですけれども、御存じのとおり、日本の温室効果ガスの排出部門は、産業、これはオイルショック以降ずっと不断の努力で減り続けてきているわけです。交通、これは、自動車は量がふえていますけれども、エコで燃費も上がったりして、どんどん一台当たりの排出量は減ってきているわけです。その一方で、家庭の排出量というのは実はふえているんですね。  こちらの資料にありますけれども、これは、シャンプーとか石けんとかそういうのをつくっているあるメーカーの資料なんですけれども、原材料からとってきて、消費、廃棄、リサイクルまでの一連の輪の中で、一番消費をしているのが家で使用するときなんですね。ですから、この使用しているときの排出量をいかに減らすかというのが今後ポイントになってくるわけです。  これはあるメーカーの資料なんですけれども、プラスチックの使用の比率が一〇〇対四五対二・五なんです、プラスチックの消費量が。そして、何と、最後は、これ、詰めかえごとぱかっと入れられちゃうというやつがあるんですね。こういうのが、実はこれは一つのメーカーだけじゃなくて、日本のメーカーというのは、ばんばん戦ってこういうのをどんどん改善し合っているという非常に希有な市場なんです。そして、ヨーロッパやアジアでも、この詰めかえという概念はないんです。  さらに、ここをちょっとごらんいただきたいんですが、すすぎ一回と書いてあるんですね。すすぎ、今まで二回やっていたら水二回分無駄になるわけです。でも、この改良をして、すすぎ一回にしました。そして、濃縮することでコンパクト化しました。  こういうようにいろんな努力をしているんですけれども、実は消費者の皆さんは知らないんです。  大臣、洗濯は自分でやりますか。
  114. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 やりません。
  115. 関健一郎

    ○関(健)委員 私もこの質問をするときにまじまじと洗濯機を見たんですけれども、実はこれ、すすぎ一回でオーケーなのに二回すすぎをしているんです。理事会のときも某先生に言って、ああ、それは知らぬかったなということをおっしゃっていましたけれども、やはり、メーカーとしても、課題は、こういう私たちの特殊な進んだ技術が知られていないということが一つのポイントなんです。  ですから、これは政府としても、いろんなこういうのに合わせて、どんどんエコな取組というのは進んでいるから、こういうのをしっかり、うまく利用してねと。実は、すすぎボタン、一回ボタンというのも、僕も見たらありました。そういうのをしっかりやらなきゃいけないというのを、政府として、こういうのはかっちり活用してねというのは発信していくべきだと思うんですが、お願いします。
  116. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 関先生の、まさに実物、洗剤などをお示しをして委員会をやられるというのは、私、史上初の景色ではないかなと思いますし、本当にわかりやすいと思いました。  そして、モッタイナイとか、既にカイゼンとか、さまざま日本語がそのまま世界でも使われているような、こういう言葉が、次はツメカエだと。もしかしたら本当にそうなるかもしれないなと思いながら、いかに環境省として環境に資する取組を周知啓発、後押しできるかは、我々も努めていきたいと思います。  ちなみに、今のすすぎ一回、これも非常に大事なことだと思うのは、私、海洋プラスチックのごみを抑制する、これを世の中をどう巻き込んでいけるかと考えたときに、やはり一つの鍵は若者と女性ではないかと思っています。  余りこれも知られていないんですが、ファッション業界、このファッション業界の衣料から出るプラスチックごみ、こういったことは相当な量になると言われています。このすすぎが一回ということになれば、洗濯のときに出る、衣料から出る化学繊維のくず、これが結果としてマイクロプラスチックになって海洋汚染につながっているという指摘にも、一回ですすぎが済めば、それは抑制できる可能性もあるわけですから、私も、こういったことの情報提供、周知、非常に大切だと思っております。
  117. 関健一郎

    ○関(健)委員 ありがとうございました。  これは最後の質問ですけれども、日本では大体六割から九割、詰めかえというのが進んでいるんです。ただ、ヨーロッパ、アメリカ、アジアでは、これは全く進んでいません。面倒くさいとか、入れるときにこぼれるとか、いろんな背景があるらしいんですけれども。  また、課題もあるんです。これは実は、プラスチックの素材が三種類ぐらいあるんですね。三種類ぐらいまざっていると、リサイクルの上で支障を来してしまうわけです。ですから、ヨーロッパのネスレとか、ああいう企業は、金属とかガラスの容器で対抗しようとしているわけです。  ただ、今この詰めかえを武器にヨーロッパに進出しようと日本メーカーはしているわけです。そして、これを単一のプラスチックにすることで、リサイクルも可能にしようとしている。そして、この技術開発自体も世界を牽引する技術なわけです。  ここで大臣に伺います。  これこそプラスチック削減にもつながりますし、日本の環境技術を世界に、そして、システムごと輸出をして経済的な利益も分捕ってくる、こういう大きなシステム輸出にもつながると思うんですけれども、これは政府として、その技術開発、そしてビジネス展開、政府が強烈に支援すべきだと思いますが、御所感を伺います。
  118. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 この詰めかえを含めて、いかにライフサイクル全体として、循環型の社会経済、これを確立をしていくかというのは非常に大切だと思います。  来年六月の予定なんですが、ダボス会議を主催している世界経済フォーラムがあります、そこと環境省が共催をして、日本で、循環型経済におけるダボス会議、通称、サーキュラーエコノミーというので、これはCEと言われますが、CEダボスという形で、ダボス会議のWEFと環境省が共催で会議を持ちます。そのときに、まさに今詰めかえのお話にあったようなスリーR、そして、さまざまな循環型のシステムを確立をしている、日本の世界に売れるところを強力に発信をしていきたいと考えております。
  119. 関健一郎

    ○関(健)委員 来月のスペイン会議では詰めかえをぜひ言っていただくことをお願いして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  120. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 次に、池田真紀君。
  121. 池田真紀

    ○池田(真)委員 立国社の池田真紀です。  時間も限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。  昨日、環境省と質問のレクをさせていただきましたが、その後にちょっと時間変更もあった点で、ちょっと審議官、おいでいただきましたけれども、事実確認はもう終了しておりますので、主に大臣に答弁を求めたいというふうに思います。  本当に早速なんですが、台風十九号の大雨の影響で、東京電力福島第一原発の事故後の除染で出た廃棄物を入れたフレコンバッグが仮置場から河川に流出した件であります。  大臣、十月の十五日、参議院の予算委員会で、環境に影響はないと議事録でも二回発言が残されて、そして大きく報道されました。  その後、事実、いろいろ確認がされておりますが、現在がどうかではありません、この時点でのこの発言について、撤回又は訂正していただけませんか。
  122. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 十五日、参議院の予算委員会で私が答弁をしたという件でありますが、このことについて撤回などは考えておりません。
  123. 池田真紀

    ○池田(真)委員 ちょっと残念でございましたが、この十五日の答弁の後、十八日に環境省においでいただきました。  職員さん、十月十七日の第一報ということで、マスコミ報道された記事といいますか、メモを持ってきていただきまして説明をいただきましたけれども、一生懸命、シートがかかっていましたよとか言うんですけれども、シートはかかっていなかったです、私が行ったときとか、そういうふうに言うと、だんだん口がつぐむ形になってくるんです。  線量測定についても、水質モニタリングも開始しておるという話をしているんだけれども、いつだったのかという肝心なことは言わない、書かない、そしてわからないといって、最後は言う。  じゃ、最後は、持ってきてくださいということで、数日後にまた事実確認が行われたわけなんでありますが、そのとき、これは除染の土壌とは異なるものである可能性もあるというようなことのペーパーもあるわけです。  結局、大臣が答弁をしたことによって、大臣の答弁に合わせてペーパーをつくらなくちゃいけない。要は、そんたくとかという言葉がはやったかのような風土がまだ残っちゃっているんですよ。  これは結果的に、その後いろいろな調査を、本当に、環境省職員さん、現場に入って、あとは業者さんと、あと、管理が市の場合には市の方も本当に命がけで現場調査をしておりましたから、その後の今の値においては、環境に影響はないと今の時点では言えるかとは思います。  でも、その当時は、根拠となる数字はないんですよ。十一月六日のこの環境省さんがつくられたペーパーだって、十月十五日の時点で大臣が答弁をした、環境への影響はないと発言した理由は以下のとおりですと、こんなペーパーをつくらされている。十月十二日に六袋回収しました、十三日には市の方から、容器の破損がないから影響はないという報告があった、それによって、十五日に、環境への影響はないというふうに発言をしたという経過が書かれているんですが、その後に、なおというところで、十月十六日以降に調査をしておりますよということで、十一月一日に公表しているんです。そこでやっとなんです。  ここにもまだちゃんと詳細が書いてなかったので、私は、実際いつだったのか、わかったのはいつですかというところまで、環境省さんにまた新たに調査の報告をいただきました。それによると、飯舘村と二本松では十月十六日で、その後、田村市は十月二十五日ですよ。とにかく、根拠が十月十五日にはないんですね。  こういう状況の中で、こういう答弁書をつくらされているという暇は、本当は環境省にはないというふうに私は思っていますので。  私としては、この時点ではなかったけれども、根拠というものはなかった、ちょっと早かったですと。でも、その後に、翌日に空のものが出ているんですよ、空のものが。破損していなかったから言ったんですよね、十五日。でも、翌日、十六日は空っぽのものが出て、流出をしたということがもう結論づけられたわけですから。ですので、その時点で、あるいは今でも結構です、その後判明したということで、影響が認められないというのは現時点で言えることであって、その当時についてはちょっと早かったですというふうに訂正していただくというのが本当の姿だなというふうに私は思っています。  今だって、推計ですよ、流れ出たものも、管理していたものも。きちっと位置づけられた個数でさえわかっていない、推計の状態であります。ですので、私は、このような答弁は二度とないようにしていただく、そのためにも、今回は訂正をしていただくことが私はベストだというふうに思っております。  次の質問になりますけれども、ここについては、先ほど金子委員がお話をしたとおりであります。除染土につきましては、放射能の除染土流出だけではなくて、農地の被災の声ももちろんありますし、また、除染を行っていなかった山林からの土砂の流出や河川、沼への拡散や沈殿という懸念をする声があるのはもう御存じかと思います、当然です。ですので、環境省がこの声をしっかり受けとめて対応していく必要があると私は思っています。  ここで大臣、その結論、お声を聞かせてください。
  124. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 池田委員がおっしゃるとおり、今後の対応は大事だと思います。  第一に、仮置場から除去土壌等を搬出し、仮置場を早期に解消することによって、地域皆様の安心につなげていく必要があると考えています。  このため、今回、流出のありました四つの仮置場のうち、流出リスクの高い大型土のう袋については、搬出計画を前倒しにしまして、年内をめどに搬出をする予定であります。  また、全ての仮置場については、台風十九号による流出の有無の点検は完了したところではありますが、さらに、仮置場管理実態や水害リスク等に関する総点検を年内をめどに実施する予定であります。  その結果を踏まえて、来年、梅雨の時期が到来をする前に、仮置場管理の抜本的な強化策を検討し、実施する予定であります。最近は、ゲリラ豪雨などのリスクが高まっていることも踏まえまして、できる限り前倒しで対策を実施できるよう検討を進めてまいりたいと思います。  関係自治体連携し、仮置場における再発防止策の実施を徹底してまいりたいと思います。
  125. 池田真紀

    ○池田(真)委員 今、仮置場からの方の御答弁でありましたけれども、再発防止策というのも簡単ではないというふうに私は思います。本当は、ここで大臣に、田村に入られたかとか、あるいは、そのほかの市で結構でありますけれども、要するに、作業中のものは非常に手をつけられないというのが実態だと思うんですね。要は、作業中は台風が重なったらもうお手上げ、通知、通達だってもう本当に対応し切れないんですよ。その中で、どうやって国の対策、マニュアルを変更していくかということが問われているので、まず現場、実態の確認を大臣にはしっかりしていただきたいというふうに思っています。  そのことを、対策ということであればお願いしたい。通知一本ですから国は簡単なんて、そんなんじゃないんですよ。どんぶらこと流れちゃっているフレコンバッグ、この中で、胸までありながら結局捜索活動をされて、二〇一五年のときには五人の方々が遭難しているわけですから、自衛隊、県警が出動して、命が本当に危ない状況でありますから、あわせて、この対策考えていただきたいと思います。  最後に、質問をもう一点だけお願いします。  先ほどからの地球温暖化に対する変動対策について、最後大臣の意気込みを聞かせていただきたいというふうに思います。  世界の気候変動対策を牽引するというような大臣所信、力強い大臣所信でありました。しかし、そもそも日本の目標は非常に不十分だということで、牽引というよりは、ほかからのおくれをどう埋めていくのかというのを緊急に考えていくのが実情ではないかというふうに思っています。  国際的に各国の目標を評価しているクライメート・アクション・トラッカーの評価におきますと、インサフィシエントというような非常に低い評価となっている、御存じだと思いますが。ドイツのNGOが毎年評価している気候変動対策は、ほとんど最下位に近い、六十七位でありました。グテレス国連事務総長も、現在の各国の目標では、パリ協定の一・五、二度目標に足りない、だからさらなる行動の引上げをと呼びかけて、九月の国連の気候行動サミットが開催したはずなわけです。  牽引しようというふうにするのであれば、日本の足元の目標を引き上げる、国内に明確な脱炭素化への強いコミットメントを表明してシグナルを発信をする必要があるというふうに考えています。カーボン・ニュートラリティー・コアリションに参加したということですが、そうならば、一・五度目標の達成に必要とされる二〇五〇年ネットゼロの約束はなぜしないのか。  大臣、力強い発信がありました。所信のとおり、目標の引上げを、大臣が所信のうちに引き上げる意気込みや予定はあるのでしょうか。具体的なプロセスではありません、まず大臣の意気込みをお聞かせください。
  126. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 私の意気込みは、先日、予算委員会でも示したとおりです。  今、政府としては、二〇五〇年ネットゼロではなく、二〇五〇年以降できる限り早い時期に脱炭素社会を実現をする、そういったことが示されていますので、その中で私は自分なりにどのように意気込みを示すかと考えた上で、二〇五〇年以降できる限り早い時期というのは二〇五一年も含む、そういった思いを申し上げたのは私なりの意気込みだと御理解いただけるとうれしいです。  ちなみに、政府として二〇五〇年ネットゼロと今の時点では言えなくとも、日本は既に地方自治体がそれを先導しています。東京都、横浜市、京都、山梨、そして大阪を含めて、既に二〇五〇年ネットゼロを宣言をしている自治体があります。今この時点においてもネットゼロを宣言している自治体の人口を足せば世界の国を凌駕する、そういったぐらいの人口規模もありますので、私は、引き続き、その宣言がしていただけるような自治体の喚起もしたいと思いますし、世界の中でそういう自治体が既に出ていることもあわせて国際社会に発信をしていきたいと考えております。
  127. 池田真紀

    ○池田(真)委員 そうですね、行動は待ったなしなので、力強い、所信のとおりに行動をぜひお願いしたいというふうに、行動ということですので、これは、いろいろな方がなかなかできない、大臣だからできることだと私は思っていますので。  どちらかといいますと、気候変動問題を単に環境問題として捉えるのではなくて、気候変動問題は社会経済全体の課題なんだということで、政治としてはなかなか取り入れられてこなくて、先日、他の大使館の方からも言われました。何で、日本の政治は、こんなに気候問題を政治家皆さんがしゃべらないのというふうに言われました。そのぐらい意識が低い状態でありますので、政治の重点課題として他の大臣に協力を求めるような形で、リーダーシップを環境大臣にお願いをしたいというふうに思っているところであります。  まず、先ほど金子委員の話でもありましたが、気候変動掛ける防災ということがちょっと違うんじゃないのと思いました。先ほどの答弁でいうと、考えでいうと、あの所信を見ているだけでも防災大臣かなと思っちゃう。  そうじゃなくて、目の前に起きている防災災害対策はもちろん真っ先にしなくてはいけないし、やらなければいけないんです。でも、これは、起きたことだけではなくて、起きる前にどうするか、減災や予防だけではなく、起きないように地球温暖化をどうやっておくらせていくのかという取組が、環境大臣、ここでやっていくことだと私は思っていますので、ぜひ、この令和元年、二百回の国会、記念すべき国会が、日本が高い目標を掲げて、意欲的な政策を導入して、気候変動対策に大きくかじを切るきっかけとなったというふうに、大臣には強いイニシアチブの実行を求めて、私の発言を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  128. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 次に、江田康幸君。
  129. 江田康幸

    ○江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。  小泉大臣環境大臣への御就任おめでとうございます。  大臣は、就任以来、国連気候アクションサミット、また喫緊の災害対応まで大変に精力的に行動をされているところでございますが、大臣は大きな発信力をお持ちでございます。私も大変に期待しておりますが、我が国のすぐれた環境政策が大臣によってまた注目され、また大きく前進していくことを心から期待するものでございます。  きょうは、さまざま質問をさせていただきたいと思っておりますが、私も公明党の環境部会長でありますが、また党の地球温暖化対策本部長、さらには総合エネルギー対策本部長として、この気候変動対策には長年取り組んでまいりましたので、まずはその点から質問をさせていただきます。  今も、先ほどからもあるとおりではございますが、この災害台風十九号によって七十四河川、百四十カ所で堤防が決壊して、死者・行方不明者は九十名近くに及ぶ、全国各地で甚大な被害が生じております。改めて、被災された皆様にはお悔やみとお見舞いを申し上げるものでございます。  今回の台風は、太平洋の海面水温が高温であったことから、発生後その勢力が衰えることなく日本まで到達しただけでなく、非常に広範な地域に多量の雨が降って、台風の中心から離れた地域の河川でも堤防が決壊する、そういう前例のない被害の広がりを見せているわけであります。  台風十九号だけでなくて、最近の気象災害激甚化には海面水温の上昇など地球温暖化が極めて深く影響しており、我が国は既に被害国になっているとの厳しい認識を私はもう既に持つべきであると思います。  昨年十月のIPCC一・五度Cの特別報告書では、気温上昇が一・五度を大きく超えないためには二〇五〇年前後のCO2排出量が正味ゼロになっていなければならないと発表されて、世界に大きな衝撃を与えました。  こうした気候変動に対する危機感を受けて、先日の国連で開催された国連気候アクションサミットでは、六十六の国と地域が、二〇五〇年までに温室効果ガス実質排出ゼロとする脱炭素社会を実現するという旨を表明したところでございます。  一方で、我が国はこの六十六の国と地域の中には含まれておらず、今まさに直面している気候変動に対する危機意識が薄いのではないか、気候変動に前向きではないのではないかという批判がありました。  大臣、この国連気候アクションサミットに参加され、じかにこうした声に直面されたかと思いますけれども、我が国へのこの批判に対して、大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
  130. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 江田先生におきましては、長年、気候変動取組を続けてこられる中で、いつも日ごろより環境省の後押し、ありがとうございます。  世界から、国際社会からの批判、これについては私も痛感をする部分があります。一番わかりやすいところはやはり石炭です。この石炭火力に対して、先ほども申し上げましたが、G7の中で右肩上がりのトレンドを示しているのは日本のみ。そして、特に国際社会から批判があるのは、やはり海外への輸出に公的信用を付与している、こういった部分についての批判があるのはそのとおりだと思います。  ただ、私としては、いかに、日本のさまざまな置かれている制約、現実、そういった中で日本の前向きな取組を効果的に世界に届けることができるか、そういった中で、私が大臣就任した直後にニュージーランドのアーデーン首相とお会いをして、炭素中立性連合に日本は入ると伝えたことから、グテーレス国連事務総長、そしてアイルランドの元大統領のロビンソンさん、そしてまた、先日、環境大臣室にマーシャル諸島の大統領をお迎えしましたが、大統領を環境省でお迎えしたのは恐らく初めてのことだと思いますが、これも、マーシャル諸島という、ニュージーランドと同じくして炭素中立性連合の参加国である、こういったつながりが生んだ前向きな具体例だと思います。  ですので、二〇五〇年でネットゼロとまだ言えない中において、いかに脱炭素社会の実現はコミットしているということを効果的に発信をできるかという点においては、今まで炭素中立性連合という言葉自体が恐らく日本ではほとんど知られていなかったと思いますが、この炭素中立性連合への参加というのは、国際社会、特に気候変動取組のコミュニティーには間違いなく刺さっているところだと私は感じています。  ですので、来月のCOP含めても、この取組も含めて、日本の脱炭素社会の実現に向けたコミットメントが的確に伝わっていくように努力を続けたいと考えております。
  131. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございます。  炭素中立性連合への参加を表明するなど、G7の中でも初めて排出ゼロを表明した我が国のこの取組、その発信をしていかれる、その大臣の姿勢に敬意を表します。  その上で、長期戦略について具体的な質問をさせていただきたいと思うのでございますが、先ほど大臣からもありましたように、本年六月に閣議決定された長期戦略が、G7の中で初めて温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする脱炭素社会を今世紀後半のできるだけ早期に実現する目標を掲げたものでありまして、私はこれは高く評価されるべきものであると思います。  しかし、この戦略で打ち出された、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現するということがいかに困難でチャレンジングなものであるか、これがよく理解されていない。そういう中で批判が起こってくるものだと思います。  その長期戦略では、困難な問題に対応する鍵としてイノベーションを打ち出しているわけでありますが、しかも、これまでの延長線上ではない非連続的なイノベーションというか画期的なイノベーション、これを起こす必要があるわけであります。  先ほど来出ていますけれども、ノーベル賞を受賞された吉野先生が開発されたあのリチウムイオン電池が、まさに電気自動車や再エネ、この普及を実現したように、電気機器の飛躍的な省エネにつながる窒化ガリウムとか、そしてまた温暖化の原因となる二酸化炭素を逆に利用するCCUSというような技術は、技術面でのイノベーションとして期待されると思います。  こうしたイノベーションについて、我が国でもイノベーションサミットが開催されたと聞きます。また、イノベーションを担う世界の科学者が一堂に会したと。  政府は本年中に革新的な環境イノベーション戦略を策定すると聞いておりますが、こうした脱炭素社会の実現に向けて、具体的なイノベーションの推進が極めて重要であると思います。具体的にどのように取り組んでいくのか、大臣にお伺いをさせていただきます。
  132. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 イノベーションについて御質問いただきました。  先日ノーベル賞をとられた吉野先生のリチウムイオン、これも環境省が二〇〇七年から支援を続けていました。そして、この機会に、余りまだ知られていない、実は環境省がやっていたイノベーションの後押しと社会実装という例でいうと、LEDの普及というのもそうです。実は、二〇一二年に東急の自由が丘駅を丸ごとLED化というのを環境省はやっております。これも、今や駅にとどまらず車両までLED化するという動きに広がっているのも、まずは自由が丘駅を丸ごとLED化をする、こういう取組一つあったのではないかと感じております。  国民の皆さんにも、こういったところに実は環境省はかかわっていたということも知っていただきたいと思います。  また、今、江田先生からは、窒化ガリウムの話を触れていただきました。恐らく、まだ国民の皆さんにおいて、窒化ガリウムと言われてもわからないのではないかなと思いますし、私も、大臣就任してから環境省とレクチャーをする中で、窒化ガリウム、通称GaNというふうに言いますが、これを言われても、何のことだというのが率直な感想でした。  ですので、今回、東京モーターショーで、日本の環境省が本格的に自動車を東京モーターショーに投入をするというのも初めてのことでありまして、そこに、窒化ガリウム、このGaNを採用した車、そしてセルロースナノファイバー、これでつくった車、いわば超省エネEV、こういったものも出展をさせていただいたのも、これが実際に社会に実装できたら劇的な省エネにつながる。この窒化ガリウムも、今使われているシリコンをこの窒化ガリウムにかえることができればそうなるわけです。  ですので、当日は、自工会の会長でもあるトヨタの豊田章男社長にも環境省ブースに一緒に御同行いただいて、試乗していただいて、何とか二〇二五年の市場化、そういったことも取り組みながら、イノベーションをイノベーションで終わらせず社会実装していくということを、これからも環境省は取り組んでいきたいと考えております。
  133. 江田康幸

    ○江田(康)委員 大変わかりやすいイノベーション、非連続的なイノベーションのお話をしていただきました。期待するものであります。  このチャレンジングな取組の中には、石炭火力発電の削減も含まれると我々は思っております。国連気候アクションサミットで二〇五〇年カーボンニュートラルを表明した国の中には、石炭火力をゼロとするということを表明している国もあります。一方で、石炭火力を使い続けているこの日本に対する厳しい批判の目が向けられているのも承知しております。  各国それぞれのエネルギー事情、我が国もそういう事情がございますが、そういう中でも、この石炭火力をゼロとすることはチャレンジングな取組であるかと思いますが、我が国もこの石炭火力への依存をできるだけ下げるための取組を積極的に進めるべきだと私は考えますが、大臣、いかがでしょうか。
  134. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 石炭火力について、いろいろなところで御指摘を受けます。  イギリス、カナダを始め、脱石炭を標榜する国があることは承知していますし、こうした国々が天然ガスや水力などの自国産のエネルギー源に恵まれていることも認識をしなければいけないなと思います。一方で、日本は天然資源に恵まれない中、原発依存度を低下させつつ、経済大国として多量の電力を必要とする等の事情を抱えます。こうした事情を踏まえて、三〇年度の二六%削減目標と整合的なものとしてエネルギーミックスが策定されたものであります。一方で、脱炭素化をできるだけ早期に実現したいという思いは同じです。  石炭火力発電については、国際社会の一部から我が国に対する批判があることは十分承知していますし、そのことによって我が国の前向きな気候変動取組が国際社会で伝わりにくくなっていることは大きな問題だと思います。  その上で、石炭火力発電に関する環境省としての基本的な考え方は、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略にあるとおり、石炭火力を含む火力について、その依存度を可能な限り引き下げる、これにより、温室効果ガスの排出総量の削減を図って、究極的にはカーボンニュートラル、すなわち脱炭素社会を実現していくというものであります。  このため、気候変動政策を所管する環境省による足元での対応として、二〇三〇年度の温室効果ガスの削減目標、この達成に向けた電気事業分野の取組状況を毎年厳格に評価をしています。その上で、必要であれば、エネルギー政策を所管する経産省、経産大臣がとり得る手段の検討について密接な意思疎通をとっていくことによって、二〇三〇年度削減目標の達成を確実なものにしていきたいと思います。  新設の石炭火力についても、二〇三〇年の目標と整合した道筋が描けているべきで、これまでも、環境アセスにおいて、経産大臣に対し、二〇三〇年の目標と整合した道筋が描けない場合の事業実施の再検討などを含む厳しい意見を提出してまいりました。今後も厳しい姿勢で臨んでいきたいと思います。
  135. 江田康幸

    ○江田(康)委員 ありがとうございます。  その方向で、石炭火力への依存度をできるだけ下げていく、その取組に協力してまいりたいと思います。  佐藤副大臣に、それではファイナンスということでお話を聞こうと思っていたんですが、ちょっと時間が迫ってきておりますので、もう一つ最後の方の質問に飛ばさせていただきます。済みません。  海洋プラスチックごみ対策でございます。  私も、公明党の海洋プラスチックごみ対策推進委員会委員長をさせていただいておりまして、我が党は早い段階からこの問題に取り組んでまいりました。  海洋プラスチックごみは、海岸環境、また景観、そして漁業などに影響を及ぼす上に、微細化すればマイクロプラスチックとなることで広く生態系への影響が懸念されて、今や、もうこれは世界で注目されている問題であります。世界全体で年間八百万トンのプラスチックが海を汚染しているという推計もあり、このままだと、二〇五〇年には海中のプラスチックの量が魚の量を上回る、こういうような衝撃的な推測もされているところでございます。  この問題に対して、我が党は、環境大臣への提言、また、予算措置を通しまして、レジ袋の有料化、そしてまたリサイクル施設の高度化、これらを柱とするプラスチック資源循環戦略の策定に我々も協力をしてまいりました。  一つの質問しかできませんので、国際的な枠組みについて大臣に質問をさせていただきます。  さきのG20サミットでは、日本がリードして、これは画期的なことでありますが、二〇五〇年までに新たな汚染をゼロとする、その社会を目指すという大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを各国が共有して、新しい実施枠組みに合意したことは画期的なことであると思います。  今後、各国の実効性ある取組が求められているわけでありますけれども、我が国のプラスチック資源循環戦略やこの政策を参考として、これらの国際的な取組を我が国がどのようにリードしていくのか、その点についてお伺いいたします。
  136. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 江田先生おっしゃったとおり、大阪ブルー・オーシャン・ビジョン、この締結、取りまとめに日本が主導的な役割を果たしたことを、一時的なもので終わらせず、リーダーであり続けるべき政策展開が持続的につながっていくことが大事だと思います。  その上でも非常に重要だったのは、先月、G20のフォローアップ会合を行いました。そこで、来年のG20の議長国はサウジアラビアでありますから、来年の議長国もしっかりと海洋プラスチックごみ対策についてコミットしてもらいたい、その意思をしっかりと確認をするということは重要なことでありました。  幸いにも、サウジアラビアからもこの海洋プラスチックごみについて重視していくということの表明がありまして、そして多くの国々からも、今の状況を共有して、報告を上げていただきました。このことを、決して機運を低く、少なくすることなく、高めて、続けていきたいと思います。
  137. 江田康幸

    ○江田(康)委員 最後最後でございますが、海洋プラスチックごみの問題に関して、国際的な取組について今大臣から申していただきました。国内対策というのがまた大変重要なわけでございますけれども、これはもう質問する時間がございません。石原大臣、申しわけございません。  私どもは提言も多くさせていただいて、今のプラスチック資源循環戦略が取りまとめられたわけでございますけれども、やはりここの中には、レジ袋の有料化、そしてまたバイオマスプラスチックなどの代替素材の開発、さらには国内のリサイクル設備の高度化、こういうようなところをしっかりと取り組むという我が国の資源戦略は大変画期的なものであろうかと思っております。  これらを、今後、この問題に対してより一層国内対策に取り組むことが更に我が国の強みを生かして国際展開に貢献していくということになろうかと思いますので、しっかりと資源循環戦略や、また、海岸漂着物処理推進法に基づく基本方針に基づいて対策をとっていかれるように強く申し上げまして、きょうは質問を終わらせていただきます。  本日は、大臣、大変にありがとうございました。
  138. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 次に、田村貴昭君。
  139. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  小泉大臣は、所信の挨拶の中で、水俣病について述べました。「環境行政の原点を忘れることなく職務に取り組んでまいります。」と決意を述べられました。  私は、最初に、今、水俣市で起こっている、この環境行政の原点、加害企業の問題について質問をしたいと思います。  本年八月八日、水俣病の加害企業であるチッソの事業会社、JNC株式会社取締役会は、同社の電子部品事業からの撤退と、その生産を担っているサン・エレクトロニクス、これは水俣市にあるんですけれども、この工場閉鎖にあわせて、同工場の従業員百十四人全員の解雇を行うことを決定しました。  水俣病による深刻な健康被害を引き起こし、地域環境と経済に大きな痛手を与えたチッソは、被害者への補償と救済、地域の振興と雇用の確保を行う義務があります。この件に関しては、我が党の国会議員団水俣病問題対策委員会として、十月十八日に大臣に申入れを行ったところであります。  人口二万四千人の水俣市で百十四人の全員解雇、工場閉鎖が起こったら、地域経済は大打撃であります。改めて、大臣の受けとめについてお聞かせください。
  140. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 田村先生には、水俣問題ということで、私が所信を、環境省の原点は水俣にあると申し上げたことも触れていただきました。  私も慰霊式に出席をさせていただき、語り部の皆さんとの対話、産業界の皆さんとの対話、さまざまな対話も通じて、実際に行くことで、環境行政が始まったこの原点の責任の重みを痛感をしています。語り部の会長からいただいた、埋立てをされた、そこで食事をされて、その木でつくられたこけし、これが今でも環境大臣室に、私の机に飾ってあります。忘れずに取り組んでいきたいと思います。  今受けとめをという御質問でありましたが、チッソが経営をしっかりと行うことにより、患者補償等を継続して確実に行うことがまずもって重要であると考えています。  今回の電子部品事業からの撤退は、事業の再構築を行い、業績の向上を図るためのものであるとの説明を受けています。  また、水俣病患者への補償金支払いを確実に遂行することを確認しておりまして、環境省としても、引き続き経営状況を注視するとともに、一層の経営努力を期待をしています。  さらに、チッソからは、再就職の支援等の措置をしっかりと講じていく旨の説明を受けています。今後とも、チッソの取組状況等の動向を注視してまいりたいと考えています。
  141. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 企業の業績向上のその先に、経済が沈下してしまう、そして、大量解雇があって再就職ができないという事態になったら、これはもう話にならないわけであります。  そこで、具体的に聞いてまいります。  水俣病特措法第九条において、特定事業者、チッソですね、特定事業者から分社化した事業会社、これはJNCです、この事業計画はどのように規定されているのでしょうか。特措法九条及び九条二の二の部分で説明をしていただけるでしょうか。
  142. 中井徳太郎

    ○中井政府参考人 お答え申し上げます。  水俣病特措法第九条では、特定事業者たるチッソは、事業再編計画を作成し、環境大臣の認可を申請しなければならないとされておりまして、その事業再編計画におきまして、事業会社となるJNCについては、チッソの個別補償協定に係る債務等を除き、その事業を譲渡すること、チッソが、事業譲渡の対価として事業会社が新たに発行する株式を引き受けることを記載するなどと規定されております。  この規定を受けまして、平成二十二年十二月十五日に環境大臣の認可を受けました実際のチッソの事業再編計画におきましても、JNCは、その前文におきまして、事業体制を抜本的に再構築し、経営の効率化を一層高め、さらなる収益力の強化を図り、事業価値を向上することが必須であるという記載のもとに、事業会社であるJNCを設立し、同社が設立に際して発行する株式の総数を引き受けること、チッソの営んでいる事業に係る財産をJNCに譲渡することなどとされているものと承知してございます。
  143. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 九条の二の二の部分には、「事業会社の事業計画が特定事業者の事業所が所在する地域における事業の継続等により当該地域の経済の振興及び雇用の確保に資するものであること。」この部分はありますね。(中井政府参考人「はい」と呼ぶ)ありますね。はい、結構です、確認しました。  ということで、やはり、当該地域の経済の振興及び雇用の確保に資するものであること、これが、チッソが分社化したJNC及びそのJNCの事業計画に規定されている項目なんですよ。サンエレを傘下に置くJNCの事業計画は、当該地域の経済の振興及び雇用の確保に資するものであるとされているんですよね。そこを紹介してほしかったんだけれども。大臣の認可をこれで受けたんですよね。  そうしたら、そのJNCが地域の経済の振興及び雇用の確保に反する計画を打ち出したというのは、これは重大なことではありませんか、特措法に照らして。いかがですか。
  144. 中井徳太郎

    ○中井政府参考人 お答え申し上げます。  チッソの事業再編計画、特措法九条の二項、先ほど委員指摘のとおりの項目がございます。  その前提といたしまして、まず、この二項の一号の方におきまして、「個別補償協定の将来にわたる履行及び公的支援に係る借入金債務の返済に、救済措置の開始の時点及び救済措置の対象者の確定の時点において支障が生じない」と。被災者への補償をしっかりとやっていくということが、まずは大前提になっているところでございます。(田村(貴)委員「それは当然」と呼ぶ)はい。  今回、チッソからのサン・エレクトロニクスの工場封鎖の話につきましては、先ほど大臣から御答弁もさせていただきましたとおり、このチッソにおきまして、今回のサン・エレクトロニクスの電子部品事業からの撤退は、事業の再構築を行い、業績の向上を資し、そして水俣病患者への補償金支払いを確実に遂行するというためであるというふうな説明を受けております。そしてまた、今回の再就職支援等、しっかりと措置を講じておくということを今回説明を受けております。
  145. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 傍観者的になってはいけませんよ。だめですよ。後で言いますけれども、チッソは加害企業なんですよ。とんでもない発言もされてきているんですよ。  政府は水俣の地域振興に責任を負っているのではありませんか。特措法、今度は三十五条を紹介していただきたいと思います。大臣もお聞きになっていただきたいと思います、三十五条。
  146. 中井徳太郎

    ○中井政府参考人 お答え申し上げます。  水俣病特措法第三十五条におきましては、「政府及び関係地方公共団体は、必要に応じ、特定事業者の事業所が所在する地域において事業会社が事業を継続すること等により地域の振興及び雇用の確保が図られるよう努めるもの」と規定されてございます。  この条文におきまして、特定事業者とはチッソ株式会社でありますし、事業会社とはJNCでございます。
  147. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 極めて明確に政府の責務がここに定められているところであります。  それで、小泉大臣、業績向上を前提とするとか、それから、再編について政府として注視するということなんだけれども、私はそれではやはり間に合わない、いけないというふうに思います。  再雇用云々と言われました。再雇用支援、当然すべきですよ。だけれども、解雇される百十四人というのはどこにお住まいなのか。ほとんど水俣市内にお住まいなんですよ。水俣市内にお住まいの方が工場で働いておられる。全員解雇、じゃ、どこに再就職するか。人口二万四千人の水俣市において、その地で再就職するということはもうほとんど不可能というふうに言われていますよ。  ですから、これは雇用と経済に大打撃がもたらされるものということで、私はやはり、中止を働きかけるべき、そして見直しを政府の方から求めていくということが問われると思います。  大臣は、私たちが申入れしたとき、水俣の代表も大臣に会っていただきましたけれども、マグニチュードの大きさというふうに表現されて、そして理解を示されたではありませんか。  地域の経済、雇用に責任を負わないJNCは、やはり、特措法、この規定に基づいて違反されている。許されることではない。  国は本当に何もしないという立場なんですか。大臣、お答えいただきたいと思います。
  148. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 今回、私が水俣に伺いまして、今まで歴代の大臣が行ったことに加えまして、初めて取り組んだことの一つが、まずは、語り部の皆さんとお会いをするだけではなく、お昼御飯を一緒に食べる、そういった中での意見交換を行う。そういったことに加えまして、初めて水俣の産業界の皆さんとの意見交換会も開催をしました。そこは、地元皆さんから、今どのような町づくりをやっているのかということを大臣に知ってもらいたいと。そういった中で、例えば、観光業をやられている方、そして農業をやっている方、そして水産業の方、さまざまな方々、中には水俣市に移住をしてきた方も参加をされました。  私は、環境省として、水俣の今行っている環境の回復に加えまして、こういう町づくりをどのように後押しをするかということも非常に大切だと思いますので、そこも含めて環境省の務めを果たしていきたいと思います。
  149. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大臣が今言われたことは否定しません。しかし、それは本筋から離れていることですよ。語り部の会の方と交流した、お昼御飯を食べた、それじゃないんですよ。私が聞いているのは、この町で百十四人、一気に解雇してしまったら経済がもたないじゃないかという話をしているんです。そして、政府は、そういうことが起きないようにちゃんと力を尽くさなければいけないと特措法に書いているわけなんですよ。ですから、責任を果たしてくださいということを申し上げているわけであります。  加害企業チッソが水俣病患者さんに対する補償を完遂するために、公金が長年にわたって投入されてきました。  大臣、聞いてください。これは、一自治体、一地域で起こっている、一企業の事業の問題じゃないんですよ。公金が入っているんです、チッソに対して。熊本県がチッソに貸し付ける原資を国が支出してきたんです。地方交付税の交付措置で見ると言ってきたやり方がとられてきたんです。それは、被害者に対して救済のための補償を完遂させる、それが滞ってはいけない、逃げてはいけないというために国が支援してきたんでしょう。  国は幾ら支出してきたんですか。そして、その債務残高は幾らになっていますか。お答えください。
  150. 中井徳太郎

    ○中井政府参考人 お答え申し上げます。  公的支援による債務の元金及び既発生分の利子の合計、平成三十一年三月末時点におきまして約三千五百五十七億円となってございます。  平成三十一年三月末現在におきまして、これまでのチッソの償還額を差し引きますと、公的支援による債務残高は約千九百七十五億円となってございます。
  151. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 改めて額の大きさにびっくりすることですよね。チッソに対してこれだけの公的資金を入れてきたということですよ。だから、このチッソが国と熊本県の支援を受けて経営が成り立っているということは明白なんです。そして、国がチッソの事業継続に対して責任を持つのは当然のことなんですよ。  だから、地元で、企業の経営再構築だとか、合理化だとか、リストラだとか、こういう形で何の罪もない従業員がある日突然解雇されてしまう、でも、それは事業再編の中であるというふうに政府が認めてしまったら、これは大変なことになってしまいますよ。  一般企業の話をしているわけではありません。三千五百五十七億円の公費があの加害企業に注がれて、そして、政府が、まだ債務残高が千九百七十五億円残っているという状況なんです。傍観者ではいられないというふうに思います。  日本の公害の原点と言われた水俣病で水銀中毒を引き起こし、数え切れない犠牲者を出して、今なおも苦しみの中にいる方々への補償を将来にわたり完遂させるための措置として公金があてがわれてきたのであります。国がチッソの事業継続に対して責任を持つのは当然のことであります。  この計画の見直しを、やはり政府は会社に対して物言うべきではありませんか。いかがですか、大臣
  152. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 まず、チッソが経営をしっかり行うことによりまして、患者補償等を継続して確実に行っていくことが大事だ、重要であると考えています。  できるだけ水俣地区において雇用を継続することが重要と考えられますが、それにより、水俣病患者への補償金支払いに支障が生じることがあってはならないと思います。  一方、個別事業の内容については、チッソが主体的に市場情報等に精通した関係金融機関等に助言や指導を受けながら判断していくべきものと認識をしています。
  153. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大臣、どちらも大事なんですよ。被害者の補償も大事、それから地域の振興及び雇用の確保、これは法に書いているんですから、どちらも大事なんですよ。片方だけということじゃないんですよね。法に書いていることはちゃんと守ろうじゃないですか。  私がなぜこの工場閉鎖の問題をここまで重視するかといいますと、チッソの社長さんは、大臣は慰霊式典に行かれた、私も一緒に行きました、前回も行きました、その前も行きました、去年の慰霊式の後に記者団に対してこう言われたんです、水俣病特措法の救済は終了したと。当時の社長が終了したと言ったんですよ。それから、企業間競争に勝っていく上で、手かせ足かせをできるだけ早く取り除くことが必要と。この救済、補償、この手かせ足かせという言葉で、同列でこういう認識を示したんですよ。  こうした被害者への求償に責任を負わないとするチッソの企業体質、こういうものが内外に明らかにされているだけに、地域経済に対する固有の責任も放棄してしまうのではないか、地元ではこういう声が上がっているんです。現に、サンエレの社員の方や水俣経済界、大臣も経済関係者の方と懇談されたと言ったんですけれども、経済界の中からは、今後もっと事業を縮小していくのではないか、こういう臆測も飛び交っているというふうに私はお伺いしてまいりました。  時間がありませんけれども、環境省は、チッソ、加害企業の果たす使命についてしっかり責任を負うこと、私のこの質問を受けて、環境省はチッソに正面から向き合っていただきたい。このことを強く要望しておきたいというふうに思います。  次に、地球温暖化対策について質問をします。  気象庁のホームページに、一時間降水量及び日降水量のランキングというのがあります。二十位までのランキング。最大一時間降水量歴代二十位の中で、二〇〇〇年代に入ってからの記録が何と二十の中で九つ占めています。日降水量二十位の中では、十二も二〇〇〇年代に入ってから入っているわけです。台風十九号で日降水量九百二十二・五ミリを記録した箱根は、このランキングの一位になっています。  異常ともいうべき大雨、そして暴風雨によって甚大な被害が起きて、その度合いが年々激しくなっているように見受けられます。  温暖化と異常気象との関係について、気象庁、説明していただけますか。
  154. 大林正典

    大林政府参考人 お答えいたします。  近年、豪雨災害をもたらすような短時間強雨や大雨発生回数は、委員指摘のとおり増加しております。気象庁では、地球温暖化の進行に伴い、大雨の発生頻度は今後更に増加すると予測しており、豪雨災害の拡大が懸念されるところです。  台風につきましては、気候変動に関する政府間パネル、IPCCの報告書によると、地球温暖化の進行に伴い、台風など熱帯低気圧の強さが増す可能性が指摘されております。我が国においても、台風災害激甚化に対して警戒を強めていく必要があると考えております。  気象庁では、今後とも、地球温暖化対策に資する気候変動の監視、予測情報の充実強化を行い、その情報発信に努めてまいります。
  155. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 そのIPCCの報告によれば、二十世紀半ば以降の地球温暖化の主な原因は、人為的な影響である可能性が極めて高いと。人為的な影響が極めて高いと言われているのであれば、その人為的な要因を取り除かなければいけない、温室効果ガスを急いで削減していかなければならない、これは論をまたないところであります。  来年からパリ協定が実質的にスタートをします。しかし、現在出されている各国の削減目標を足し合わせても、気温上昇を二度未満に抑えることはおろか、さらなる気温上昇は防げないと指摘されているわけであります。この十年、いや、五年の間にどれだけ温室効果ガスの排出量を削減できるかにかかっています。CO2を始めとする温室効果ガスの大幅な削減に早急に取り組む必要があると思います。  そこで、大臣にお尋ねします。  ことし開かれた気候行動サミット大臣も行かれましたけれども、グテーレス国連事務総長が、一・五度特別報告を受けて、パリ協定本格実施を前にして、削減目標、NDCの目標引上げを提起されました。日本政府として、削減目標は提示されますか、削減目標を更新して提出されますか、お答えください。
  156. 近藤智洋

    近藤政府参考人 申し上げます。  パリ協定におけます国が決定する貢献、NDCでございますけれども、これにつきましては、目標だけでなく、その実施方法等も含まれてございます。  NDCにつきましては、パリ協定に基づく定時の更新に加え、随時適切に更新、提出することができるようになっておりますが、その中で、COP21決定におきまして、二〇二〇年COPの九から十二月前に提出、更新が求められております。  これに向けまして、目標の議論ばかりではなく、削減目標の達成に向けた対策のさらなる具体化について関係省庁とも議論を進めまして、期限までにNDCを提出するべく作業を進めてまいります。
  157. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 それで、どれだけの削減目標を持つかということなんですけれども、グテーレス事務総長は、二〇三〇年までに温室効果ガスを四五%削減、きょう議論もされていますけれども、五〇年までの実質排出ゼロ、今世紀末までの気温上昇を一・五度までに抑えること、これが未来を救うための方法だというふうに述べておられます。IPCC、国連気候変動に関する政府間パネルの一・五度特別報告書に基づくものであります。  この提起を受けとめて計画を策定するということでしょうか。いかがですか。事務総長の提起について、日本政府はどう受けとめていますか。
  158. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 グテーレス国連事務総長の提起、これにつきましては、代表的なものとして、田村先生がおっしゃった、二〇三〇年四五%、二〇五〇年の排出量実質ゼロというものも言われておりますが、そのグテーレス事務総長が呼びかけをした中には、例えば、都市や地方のアクション、そして金融等の分野においてこれらのプランを実行するための行動、そして、若者、ユースといいますけれども、ユース等を巻き込むこと、こういったことも書かれております。  そういった中で、例えば、都市や地方のアクション、こういったことにおいては、先ほど、東京、横浜、京都など、既に、二〇五〇年ネットゼロ、これを宣言している地方の都市の取組を紹介しましたが、これを更にふやしていきたいというふうに考えておりますし、金融等の分野、ESGを含めて、非常に強力な脱炭素化に向けたドライバーとなりつつあると思います。  実は、先月、大臣としてというか日本としては初めてESGファイナンス・アワードというものを立ち上げまして、今募集をしています。来年二月、環境大臣表彰も含めて表彰したいと思っていますので、多くの企業に参加をしてもらいたいと思います。  また、若者を巻き込むという話がありましたが、ニューヨークで、日本から気候変動サミットの方に参加をしている若者たちとも会いました。その若者たちの提言の中に、クリーン・エア・イニシアチブという、これは大気汚染を防止するための世界の取組、イニシアチブ、これに日本が参加すべきだという提言が書いてありました。私は、その提言を受けて、クリーン・エア・イニシアチブの参加表明をニューヨークでしました。  そして、そのことを、その後に、ニューヨークで日本から来られた若者たちと会って、みんなの提言を見て、これは参加できないのかと環境省に確認をして、これは大丈夫ですという確認がとれたので表明に至りましたが、まさに、これこそ象徴的な、若者の提言を政府の具体的な実行につなげていくということだと思いますので、グテーレス事務総長の提起、このことについて、日本のコミットメントは揺るぎなく脱炭素社会に向けてつなげていくということをこれからも発信をしていきたいと思います。
  159. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 じゃ、その提起を受けて揺るぎなく発信していくというのであれば、大臣、いろいろちょっと横道にそれた話が多いんですけれども、正面から行ったら、二〇三〇年二六%、二〇五〇年八〇%の削減目標はやめるということでよろしいんですか。  資料をお配りしています。温室効果ガスの排出量の推移です。赤の点線が、現状の削減幅のまま推移していったらとても追いつかない。政府目標も達成できない。しかし、事務総長がおっしゃるように、今、世界が二〇三〇年四五%削減、二〇五〇年ネットゼロ、ここに近づくためには目標を変えなければいけないじゃないですかと言っているんですよ。あれこれの対策とか取組を否定するものではありませんけれども、ここに真正面から行かないと、日本はそれは世界からごうごうたる非難を受けることになるのであります。このままいけば大変なことになります。  大臣は、引き続きパリ協定の締約国として、COPの場を含め、世界の気候変動対策を牽引すると述べられました。二〇三〇年二六%、二〇五〇年八〇%、さっき二〇五一年とかいう話も出たけれども、こういう目標というのはきっぱり捨てて、一・五度特別報告書、ここに従って頑張っていく決意を語っていただけないでしょうか。
  160. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 目標の一日も早い実現、脱炭素社会の実現に向けて歩みを加速をするというのは、田村先生がおっしゃったこと、そのとおりだと思います。  しかし、この気候変動取組というのは環境省だけではできません。そして日本だけでもできません。世界全体をどのように巻き込んでいくかという点において、例えば最大の排出国でもある中国も含めて、いかにこの取組に参加をすることが利益となるのか、そういったことを深く共有をすることが不可欠だと思います。  ですので、これから日本としてできることは具体的に進めていきますし、私も、環境大臣になって、環境省の持っている権限とそして力、その限界と可能性をしっかりと見きわめながら、まずは、環境省だけでもできることは可能な限り進めていきたいと思いますし、関係省庁の協力が必要なところは、まさに多くの方々の御協力のもとに理解を得ていきたいと思いますし、政府全体として少しでも前向きな取組が加速していくように全力を尽くしてまいります。
  161. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 全力を尽くしていただきたいのは、石炭火力発電所をもう認めない、新増設は認めない、これをやめていくこと、これが一番の削減効果が出てくる話なんです。  大臣は、所信挨拶、たくさん述べられましたけれども、なぜ石炭火力の削減に一言も触れなかったんですか。それを私、不思議に思ったんですけれども、教えていただけますか。
  162. 小泉進次郎

    小泉国務大臣 所信もできる限り簡潔に要にしてということを心がけたつもりなんですが、あれでも結構長くなりましたね。なので、全部触れることははなから私は考えておりませんでした。  環境省所管業務は本当に多岐にわたります。きょうどなたからも質問がありませんでしたが、ヒアリなど、いろいろなことも今状況があります。そういった中で、一つのことを触れなかったからといって、そのことを私は脇に置いているわけではありません。  そして、石炭のことが日本の気候変動取組の中で批判的にとられている現実、このことも承知をしています。だからこそ、その中でいかに一歩でも前に進めるかという、制約の中での可能性の追求ということは、これはそう容易なことではありませんが、少しでも日本の前向きな取組が国内でも国際社会でも届いていくためのさまざまな工夫、そして知恵を働かせていきたいと思います。
  163. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 やはり大臣所信で語らなければいけなかったですよ。  驚くべき数字を見ました。電力広域的運営推進機関が電気事業者から集計した結果では、二〇二八年の電源構成において、石炭火力発電の占める割合は三七%になっておるんですよ、今集計したら。第五次エネルギー基本計画の電源構成を大きく上回っているし、二〇一六年の経産大臣環境大臣の二月合意にすら反している状況になっているわけです。  これはもう、稼働の停止、新増設の中止を求めなければいけませんけれども、大臣のお膝元、地元で、横須賀で、また石炭火力がスタートしているんでしょう。こんなんでいいんですか。  私は、きょう大臣のお話を聞いておって、やはり、グレタさんが本当に納得されるかなというように感じるわけです。安倍改造内閣は安定と挑戦の内閣だというふうに標榜されているではありませんか。安心の点ではきょうは語りませんけれども、挑戦となっているのであれば、大臣、期待の声がこの委員会でも結構あったわけですから、やはり、世界の水準に合わせて削減計画を持つ、そして、石炭火力は将来的にはなくす、新増設は一切認めない。これは原田大臣もおっしゃっていたんですから、それはちゃんとやっていただきたい。  そのことを強く申し上げて、きょうの質問を終わります。
  164. 鷲尾英一郎

    鷲尾委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十五分散会