○小熊
委員 先ほど触れました国際的風評
被害、これはいまだに、国内もそうですけれども、続いているところであります。
最近話題になりましたいわゆる汚染水、トリチウム水の課題についてでありますけれども、もちろん、事実だけ言いますと、
世界じゅうの今事故の起きていない原発からもトリチウム水が海洋放出されているのは私も知っているところであります。
とりわけ、科学的根拠のない間違った事実を流布している、また、今の日韓
関係に福島県を悪用しているという点については許されざるべきことであり、私も日韓
関係は友好な
関係に改善しなければならないという
立場ではありますけれども、その韓国でも、月城原発では年間十七兆ベクレルのトリチウム水を流しておりますし、カナダの原発では、今福島県の中にたまっているトリチウム水と同じレベルの一千兆ベクレルを超えるものを一年間で流していますし、フランスに至っては、ラ・アーグ再処理施設において一京三千七百兆ベクレルも年間で流しているというのも事実です。
その事実を踏まえて、しっかりとした基準の中で流すという
意見、前環境
大臣、また何人かの専門家の言葉はそこから発しているというふうに思いますけれども、それは事実ではありますが、では、なぜこれを流すということにさまざまな
議論があるかといえば、こうした国々でも、やはり健康に
被害があるんじゃないかということで
議論がされているのもまた一方の事実であります。
フランスにおいては被曝線量が試算をされています。その放射線影響は非常に小さいということがフランスでは確認されています。でも、この
日本で、影響はあるけれども非常に小さいという言葉は、非常にせつない言葉というか、厳しい言葉です。ゼロリスクを求める社会だから。
今、福島県で、この収穫の秋、お米は全袋検査をして出していますけれども、風評
被害は続いています。安全ですよと言ったところで、何かがあるんじゃないか、風評
被害があるということで、やはりこれは慎重な
意見が出てきているわけです。いまだに、検査をして安全性が確保されているのに買い控えされる部分がある、消費者がいるということです。
科学的根拠や安全性をしっかり示す、また、ほかの専門家や政治家の方々も言っていますけれども、トリチウム水だけになっていると言ったのが、幾つかの核種が残っていた。これをちゃんとしなければならない、それをちゃんと証明しなきゃいけない、安全性をはっきり言えという人もいるけれども、それでは解消されないから我々は慎重なんですよ。その点がわかっていない。
だから、前
大臣は、それは科学的根拠でそういう発言があったと思うけれども、そこの部分、人の心理の部分をわかっていない。だから、科学的には正しいことを言ったんでしょう。言うべきだと、政治家の覚悟だと言ったと思います。だけれども、それは
被災者、福島県民に寄り添っていない。今の風評
被害がわかっていないという証左です。
しかも、多くの人が、またマスコミを始め評論家も、あと二年で限界が来る。本当にそうでしょうか。何で二年なんですか。これは東電の敷地内がいっぱいになるだけです。国が前面に立つというのであれば、東電以外の土地を借りて、ため続けなきゃいけないんじゃないんですか。
そしてまた、福島県民の
理解といいますけれども、今言ったように、消費者の
理解がなければこれはできませんよ。福島県民がオーケーと言ったって、福島県の漁業
関係者がオーケーと言ったって、買っていただける方の
理解がなければならない。
大阪市長の松井さんが、大阪湾で引き受けてもいい、途端に反対が出たじゃないですか。大阪の
人たちだって、科学的根拠にはオーケーだといったって、やはりだめなんですよ。
じゃ、
大臣、
大臣のところは海がないけれども、この所属の皆さんの
地元の海で、一トンでも二トンでも、科学的根拠はオーケーだからどうぞと言っていただく方はいますか。そうなったときにどれだけ騒ぎが起きるか、反対が起きるか、想像にかたくないはずです。そこの部分をしっかり
対応しなければ、科学的根拠がどうだとか安全性がしっかりしていますとかで解決できる問題ではないんです。
そこで、まずお聞きしますけれども、ALPSの膜を開発した
アメリカのピュロライトの会長とも、CEOとも、昨年、私、対談をしましたけれども、これ、取れていない核種、一回だけでトリチウム水だけになるというふうな説明も聞きましたが、やはりもっとやらなきゃいけないという話も専門家から聞きました。実際のところ、どうですか。