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2019-11-27 第200回国会 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年十一月二十七日(水曜日)     午後一時開議  出席委員    委員長 菊田真紀子君    理事 鈴木 貴子君 理事 武井 俊輔君    理事 とかしきなおみ君 理事 宮腰 光寛君    理事 佐々木隆博君 理事 屋良 朝博君    理事 佐藤 英道君       井野 俊郎君    黄川田仁志君       小寺 裕雄君    小林 鷹之君       佐藤 明男君    笹川 博義君       繁本  護君    新谷 正義君       鈴木 隼人君    薗浦健太郎君       津島  淳君    百武 公親君       宮内 秀樹君    武藤 容治君       山口 泰明君    川内 博史君       松田  功君    山岡 達丸君       江田 康幸君    赤嶺 政賢君       杉本 和巳君     …………………………………    外務大臣         茂木 敏充君    国務大臣    (沖縄及び北方対策担当) 衛藤 晟一君    防衛大臣       山本ともひろ君    外務大臣政務官      中谷 真一君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  中嶋浩一郎君    政府参考人    (内閣府政策統括官)   宮地  毅君    政府参考人    (内閣沖縄振興局長)  原  宏彰君    政府参考人    (内閣北方対策本部審議官)           松林 博己君    政府参考人    (外務省大臣官房審議官) 松浦 博司君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 有馬  裕君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 河津 邦彦君    政府参考人    (農林水産省生産局畜産部長)           渡邊  毅君    政府参考人    (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       辰己 昌良君    政府参考人    (防衛省防衛政策局次長) 石川  武君    政府参考人    (防衛省地方協力局長)  中村 吉利君    衆議院調査局第一特別調査室長           大野雄一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月二十七日  辞任         補欠選任   井野 俊郎君     佐藤 明男君   繁本  護君     百武 公親君   武部  新君     小林 鷹之君   武藤 容治君     黄川田仁志君   下地 幹郎君     杉本 和巳君 同日  辞任         補欠選任   黄川田仁志君     武藤 容治君   小林 鷹之君     小寺 裕雄君   佐藤 明男君     井野 俊郎君   百武 公親君     繁本  護君   杉本 和巳君     下地 幹郎君 同日  辞任         補欠選任   小寺 裕雄君     津島  淳君 同日  辞任         補欠選任   津島  淳君     武部  新君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  沖縄及び北方問題に関する件      ――――◇―――――
  2. 菊田真紀子

    菊田委員長 これより会議を開きます。  この際、中谷外務大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。中谷外務大臣政務官
  3. 中谷真一

    中谷大臣政務官 外務大臣政務官中谷真一でございます。  地域と、平和と安全の確保に不可欠な在日米軍抑止力を維持しつつ、沖縄を始めとする地元負担軽減のため、全力で取り組みます。  日ロ両国アジア太平洋地域のパートナーとしてふさわしい関係を構築する上でも、日ロ間最大の懸念である北方領土問題の解決が重要です。  こうした重要課題に取り組む上で、外務大臣政務官としての責務を果たし、茂木外務大臣を補佐してまいります。  菊田委員長を始め、理事委員各位の御支援、御協力を心からお願い申し上げます。      ――――◇―――――
  4. 菊田真紀子

    菊田委員長 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官中嶋浩一郎君、内閣府政策統括官宮地毅君、内閣沖縄振興局長原宏彰君、内閣北方対策本部審議官松林博己君、外務省大臣官房審議官松浦博司君、外務省大臣官房参事官有馬裕君、外務省大臣官房参事官河津邦彦君、農林水産省生産局畜産部長渡邊毅君、防衛省大臣官房政策立案総括審議官辰己昌良君、防衛省防衛政策局次長石川武君及び防衛省地方協力局長中村吉利君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 菊田真紀子

    菊田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  6. 菊田真紀子

    菊田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。とかしきなおみさん。
  7. とかしきなおみ

    ○とかしき委員 衆議員のとかしきなおみでございます。きょうは質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  十月三十一日、首里城火災は、私にとっても大変なショックな出来事でありました。琉球文化歴史や、そして、琉球の今まで積み重ねてきた歴史を発信するその中心のところであった、琉球歴史そのものの凝縮されたものが全く焦土と化してしまったというのは、大変ショックでありました。  十一月の六日の日に私も自民党の沖縄振興調査会で早速現地の方に赴きまして首里城の様子を拝見いたしましたけれども、跡形もなく焼け落ちていたその姿を見て、私も本当に涙がとまらなくなりました。  私の先祖沖縄琉球王朝の御典医でありましたので、私の先祖も多分間違いなく首里城で働いていたのではないかな、このように思います。私の先祖も含めて、首里城がこんな姿になってしまうとは、まさかこんな姿を私が生きている間に見るとは思わなかったんですけれども、何とか再建のために力を尽くしていきたいな、このように思いました。  衛藤大臣所信で、首里城の惨状をこの目で見て、沖縄方々が抱いた喪失感に改めて思いをいたしたと述べていただきましたこと、感謝を申し上げたいと思います。  そこで、大臣所信首里城再建に向けて関係省庁と連携して全力で取り組むとおっしゃいましたけれども、具体的な内容はどういうふうにお取り組みになるのか、三点に絞ってちょっとお伺いしていきたいと思います。  火災原因究明再発防止について伺いたいと思います。  実は、私の地元吉志部神社というところは、これは桃山時代から四百年間ずっと続いてきたきれいな神社でありましたけれども、これも日本重要文化財の一つでありましたが、実は、二〇〇八年、放火で全部焼失してしまいました。そのときに、八分間消防と言われているんですけれども、初期消防を実は失敗いたしまして、結局、消防が到着したときにはフラッシュオーバーにもなっていたという状況で、手がつけられなくなってしまいました。  その後の反省点として、やはり、文化財を守るための消火、これをきちっとするべきだったんじゃないかということが反省点として挙がっておりました。  今回の首里城も全く同じことで、初期消火に失敗してしまった場合、延焼をいかに抑えていくのか、文化財をいかに守っていくのか、ここにやはり重点を置くべきだったのではないかと思います。江戸時代火消しも、消火活動よりもむしろ延焼の方を抑えていく、だから、とび職が火消しの役をやっていたんだと思います。  沖縄はコンクリートが中心建物であります。ですから、多分、木造建築消火技術も比較的薄かったのではないか、経験も余りなかったのではないかと想像ができます。  木造文化財を守るためには、もちろん、今回、スプリンクラーが設置されていなかったということが出てきておりますけれども、これは初期段階では大変有効だと思いますけれども、万が一初期消火がうまくいかなかった場合の、延焼の被害を最小限に抑えるためのやはり技術とか、そういったものを磨いていくことが大切なのではないかと思います。  例えば、建材として広葉樹を使えば非常に火が起こりにくいとか、木の使い方も、縦にしないで横に使うとか、いろいろな技術開発が今なされているそうであります。ぜひそういったことも研究をしていただけたらありがたいかなというふうに思います。  ということで、火災原因究明再発防止、今後どのように首里城対応しようと考えていらっしゃるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  8. 原宏彰

    原政府参考人 お答えいたします。  火災原因究明につきましては、現地の警察、消防において引き続き調査中ということでございまして、正殿分電盤付近が燃えているという情報等々はございますけれども、引き続き調査中との報告を受けているところでございます。  再発防止につきましては、今般の火災を踏まえまして、石垣といいますか城郭に囲まれた首里城であるということの建物配置であるとか、木造といった特性を踏まえまして、どのような防火対策を備えておくべきか検討していくことは非常に重要だと思っておりまして、関係省庁等と連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。
  9. とかしきなおみ

    ○とかしき委員 ありがとうございます。  文化財木造建築が非常に火に強いものになる新しい技術開発がこの首里城をきっかけになされていくように、ぜひ努力をお願いしたいと思います。  次、資材や人材確保財政措置を含めた対応についてちょっとお伺いしたいんですが、時間が少ないので、ちょっとこれは要望だけにしておきます。  今、大量の木材とか赤れんがとか、建材や職人が非常に不足しているのではないかと言われております。台湾ヒノキ、前のときは台湾に助けていただきましたけれども、今回はヒノキは輸入できないというふうに言われておりますので、こういった問題もこれから起こってくるかと思います。  沖縄振興予算概算要求では三千百九十億円、総額要求しておりますけれども、この予算を圧迫しない形で再建支援を考えているのかどうか。また、そういったことも今後ぜひ御検討いただけたらありがたいかな。これは要望だけにしておきます。  ということで、実はちょっと気になっていることがありまして、この間、沖縄の記事を見ておりましたら、実は、首里城周辺のお土産物屋さんとか飲食店客足がかなり遠のいてしまって、ひどいところでは九割もお客さんが減ってしまったということで、想像以上に首里城周辺観光がダメージを受けているということであります。  沖縄を訪れていたのは一千万人の方でありましたが、二百八十万人の方々首里城にいらしていて、四人に一人は首里城にいらしていたわけであります。修学旅行でも観光スポットとしても非常に重要な場所でありましたので、那覇にはやはり観光資源が今少なくなっておりますので、識名園など活用案も出ておりますけれども、まだまだ足りないということで、この再建までの間をどうするのか。時間がかかります。  その間、首里城の近くの停滞の時間を、観光客の方に少しでも長くいていただけるように、少しその仕掛けが必要なのではないか、このように思います。  ということで、その再建までの間、観光地として集客力が落ちないような対応をするために具体策を検討しているかどうか。大臣、またお答えいただければと思います。
  10. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 仰せのとおりでございまして、首里城沖縄方々の心のよりどころでもありまして、観光拠点としても大変重要なところでございます。  大変、観光産業にとって大きな打撃とならないように、沖縄観光全体に与える影響を含めてよく注視してまいりたいと思いますが、その上で、やはり、地元ニーズ対応した観光振興推進していく。  例えば、首里城復元していく過程においても、首里城公園に多くの観光客が来ていただけるような仕掛けをつくらなきゃいけないとか、あるいは、あの地域の、首里城付近文化施設世界文化遺産登録されているところに多くの観光客が来れるようにしていって、ただ首里城の外に行けばいいというんじゃなくて、首里城周辺がちゃんと観光客が吸収できるような形で検討すべきであるということで、焼失してすぐ私どもはそれで検討を始めておりますから、どうぞよろしくお願いします。
  11. とかしきなおみ

    ○とかしき委員 ありがとうございます。心強いお言葉をいただきまして、うれしく思います。  時間がこれは結構大切でございまして、なるべく早く対応いただきたいと思います。  例えば、バーチャルで首里城を再現していくとか、それが体験できるようなシアターをつくるとか、ぜひそんなことも御検討いただけたらありがたいかなというふうに思います。  私の地元吉志部神社も、実は、焼失から三年で、地元のみんなの力で何と復元できたんです。ということで、歴史を重ねたらもう一回日本文化財になるぞ、それぐらいの気持ちで今は地域人たち、この吉志部神社を盛り上げようということで非常にまとまっておりますので、ぜひ首里城もそうなっていただけたらありがたいかなと思います。  ということで、話はかわりますが、次は、現在、沖縄観光の島ということで大変有名でありますけれども、観光リゾート産業沖縄を牽引していると言っても過言ではありません。大臣所信でもおっしゃっていましたけれども、観光客就業者数は増加している、しかし、全国最下位県民所得や若者の高い失業率が問題である、こういうふうにおっしゃっておりました。  私は、これは、観光に頼り過ぎた一本足打法の方に問題があるのではないかなというふうに思います。観光をより強くするために、そのための産業を育てていくというのも必要なのではないかと思います。  これは別に沖縄だけに限った話ではないんですが、日本にこれから伸ばしていく産業としては、この観光プラス健康とか環境、この三つ、これは私は勝手に三Kと呼んでいるんですけれども、これから、観光と健康と環境、この三つが大切なのではないか。製造業で物を売るというのは、若くて元気な国はいいんですけれども、やはり年を重ねてくると体力が落ちてきますので、これからは知識と経験を売っていく、そういう産業に注力すべきだと思います。  特に我が国は、高齢社会、これはいいことを実現したわけですから、これをやはりしっかり強みにしていくことが重要なのではないか。そのように考えると、健康長寿強みにしてこの健康産業を育てていくのは、我が国世界の中では最も向いている国なのではないかなというふうに思います。  ということで、茂木大臣もよく講演でおっしゃっていますけれども、健康を守るのは大切で、健康を守るために命をかけてもいいという人はよく言っている、健康を守るなら死んでもいいぐらい、それぐらいの気合いを持っている人がたくさんいらっしゃるとよく講演でおっしゃっておりますけれども、誰もが興味があるのがこの健康なんです。  ですから、これを産業として興せば、地域人たちにもメリットがありますので、産業育成への応援が得やすくなるのではないか。観光とそして健康をうまく結びつければ、地方創生にもつながるのではないか。このように考えます。  ということで、西普天間基地跡地沖縄健康医療拠点の整備において、この観光地域の健康、これといかに連動させて今後貢献させていこうとお考えになっているのか。ぜひお知らせいただけますでしょうか。
  12. 原宏彰

    原政府参考人 お答えいたします。  西普天間住宅地区跡地沖縄健康医療拠点を整備し、地域方々健康長寿を実現するとともに、関係産業発展を通じて地域振興発展に寄与することは極めて重要だと思っております。  沖縄健康医療に関する特徴といたしましては、戦後の生活習慣変化等により、全国の中で長寿の順位が下がってきているということ、それから、離島が多く、離島僻地における医師等医療従事者が不足しがちであるということなどが挙げられてございます。  沖縄健康医療拠点では、ウエアラブル端末等を活用した住民からの情報を解析した生活習慣病予防のための取組などにより、生活習慣病病態解明治療法開発を目指した研究開発、それから、企業等と連携をしました創薬開発等推進、それから、離島僻地等への医師派遣機能の強化や人材育成等による地域医療水準向上等を進め、こうした課題解決に取り組んでいきたいと思っております。  こうした取組推進をいたしまして、多くの人が集う場とするとともに、沖縄振興への貢献長寿沖縄の復活、国際保健への貢献を目指して、今後の跡地活用のモデルといたしたいと思っております。  以上です。
  13. とかしきなおみ

    ○とかしき委員 ぜひお願いしたいと思います。特に、長寿県、今脱落しているのが沖縄ですから、これをもとに戻していくこと、ここで培われるノウハウは必ずビジネスに生きてくるかと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。  私の地元でも、北大阪健康医療都市、これも健康をテーマに町をつくらせていただきました。これも、健康産業がいかに地域に根差して産業育成できるかというのを挑戦する場所ということで、九年がかりでつくらせていただきまして、ことしオープンいたしましたので、ぜひそういったことも参考にしていただけたらありがたいかなと思います。  最後に、奄美大島、徳之島、沖縄島の北部、西表島の世界遺産登録が、いよいよ来年の五月、なされる可能性が出てまいりました。前回ひっかかってしまったあの飛び地の問題も解決しましたので今回は大丈夫じゃないかと期待もしているわけでありますけれども、ここで心配しているのは、実は、万が一登録がなされた場合、生態系保護観光、これをしっかり両立させていかなくてはいけません。  特に今回の登録テーマは、これは生態系で通っておりますので、沖縄生態系というのはかなり特殊で、大陸と離れたりつながったりするものですから特別な進化を遂げているということで、世界的にも非常に珍しい生態系を持っているわけであります。この環境観光をいかにバランスをとっていくのか、ここにこれから相当力を注いでいかなくてはいけない。  特に、世界遺産登録がなされてしまった瞬間にわあっと観光客が訪れてしまう可能性がありますので、一度失った生態系もとに戻りませんので、ぜひそのための技術開発も今後しておいていただきたいということで、世界遺産登録がなされた場合の観光環境、このバランスを具体的にどのような配慮をなさろうと思っているのか、教えていただけますでしょうか。
  14. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答えいたします。  委員指摘のとおり、登録後も視野に入れて、将来にわたって、生態系保護も含めました資産価値の維持と適正利用の両立を図ることは重要であると考えています。  内閣府では、ソフト一括交付金を通じまして、これまでも、沖縄県が取り組む地域社会の参加と協働による遺産管理体制の構築や、遺産適正利用とエコツーリズムの推進などへの支援を行っているところです。  引き続き、委員指摘の観点も踏まえまして、また、地元の御意見伺いながら、必要に応じて、ソフト交付金北部振興事業などを通じた支援を行ってまいりたいと考えております。
  15. とかしきなおみ

    ○とかしき委員 ありがとうございます。  沖縄はいろいろ伸び代のある島でありますので、ぜひこれからもいろいろ応援いただきますようお願い申し上げて、質問とさせていただきます。  ありがとうございました。
  16. 菊田真紀子

    菊田委員長 次に、佐藤英道君。
  17. 佐藤英道

    佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道でございます。  冒頭、去る十月三十一日未明に、我が国が誇る世界遺産であり、沖縄県民方々のアイデンティティーでもある首里城におきまして、大規模な火災が発生いたしました。正殿始め主要七棟、四百点にも及ぶ貴重な収蔵品を焼失するなど、まことに痛ましい惨事に見舞われました。首里城関係者皆様沖縄県民皆様に対し、心からのお見舞いを申し上げたいと思います。  私自身、沖縄北方特別委員会理事の一人として何ができるのかを真剣に考え、早期再建に向けて全力協力をしてまいる決意であります。  十月三十一日未明の火災発生以降、消火活動から始まり、再建に向けてのさまざまな取組関係者皆様のこれまでの努力に改めて敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。  我が党も、発災直後に、現地県議会議員市議会議員周辺住民安全確認対応協議を行いました。国会では、その日のうちに斉藤幹事長中心緊急要請国土交通大臣に申し入れ、さらに、十一月八日には菅官房長官首里城再建への要請を行いました。十一月二日には斉藤幹事長、九日、十日には赤羽国土交通大臣、二十日には太田元国土交通大臣が、現地関係者方々からお話伺いました。  首里城は、守礼の邦と諸国からたたえられ、万国津梁の鐘の銘文のとおり、世界をつなぐ平和のかけ橋であった琉球王国歴史文化を伝える沖縄の宝であり、我が国の貴重な財産であります。その宝を一夜にして失った沖縄県民皆様方の御心痛は、いかばかりかと思います。沖縄県民の心に寄り添い、御意向をよく伺い、国を挙げて全力で取り組んでいくべきであると考えます。  また、首里城周辺への客足が減少し、お土産などを扱う売店の方々などから不安の声が上がっているとも伺っております。これら再建に至る過程で生じる目下の課題への対応も重要であります。  焼失した首里城早期復旧再建及び関連する諸課題に対しての取組について、衛藤大臣の御見解並びに御決意伺います。
  18. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 首里城は、沖縄にとりましたら、歴史文化、そして伝統を凝集した極めて重要なシンボルであるというぐあいに認識をいたしております。  私も、十月三十一日の火災発生後、十一月四日に現地を視察するとともに、これまでの復元に携わられました方々お話もお伺いしたところです。  首里城復元に当たりましては、沖縄皆さん方のお気持ちを踏まえつつ進めていくことが重要だと考えております。引き続き、県を始めとする沖縄皆様の御意見をお伺いしながら、関係省庁としっかり連携し、全力で取り組んでまいります。  また、沖縄観光の問題にいたしましても、大きな打撃とならないように、先ほどからお話し申し上げておりますように、沖縄の全体の観光首里城全体の観光も落ちないようないろいろな工夫をしていかなければいけないというように思っております。  その上で、地元ニーズにも対応した観光振興を力強く推進してまいりたいというぐあいに思っております。地元自治体が行う取組に対する政府支援のあり方も含めて、効果的な対策を講じてまいりたいと思います。
  19. 佐藤英道

    佐藤(英)委員 ありがとうございました。よろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に、日ロ平和条約締結交渉についてお伺いをしてまいりたいと思います。  九月の五日、安倍総理はウラジオストクで、通算二十七回目となるプーチン大統領との首脳会談に臨まれました。そして、同じ月の二十五日に茂木大臣が就任後初の外相会談に臨まれ、平和条約締結を含む政治、経済など、幅広い分野で日ロ関係を一層発展させていくことをラブロフ外相確認をされました。さらに、この週末、十一月二十二、二十三日にも名古屋外相会談を開かれ、加えて、来月中旬、今度は大臣訪ロされるとも伺っております。  九月二十五日から今日までの間に、平和条約締結交渉について、また、条約交渉以外の部分でどのような進展があったのか。特に、今後の首脳会談について、開催予定や議題など、何か話題になっていれば、ぜひとも伺いたいと思います。次回訪ロへの御決意も含めまして、茂木大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
  20. 茂木敏充

    茂木国務大臣 先週の金曜日、二十二日に名古屋ラブロフ外相会談を行いましたが、首脳会談の合意、これを着実に実施し、引き続き日ロ関係を一層強化していくことを確認した上で、平和条約交渉を含みます今後の協議進め方等について議論を深めたところであります。  ラブロフ外相から早期訪ロの招待を受けておりまして、諸般の情勢が許せば、十二月中旬にモスクワを訪れて、平和条約締結問題を中心とする二国間関係等について協議を行うことで一致を見たところであります。  名古屋のG20外相会談、一連のG20議長国としての締めくくりの会談でありまして、多くの外相がお越しになりまして、私も二日間で十カ国以上の外務大臣と、全体会合だけではなくて、バイの会談、これも行いまして、日ロ外相会談、一番長く時間はとったんですけれども、それでもなかなか十分な時間がとれなかったので、じっくり時間をかけた協議、これは恐らく十二月、モスクワで行うことになるのではないかなと思っております。  一方、平和条約交渉以外ということでいいますと、先週の日ロ外相会談では、双方は、北方四島におけます共同経済活動のパイロットプロジェクト、これは例えば観光ツアー、天候の関係で若干期間は短くなりましたが、それでも非常に成功だった、こういう高い評価でありまして、来年から本格事業化に向けまして議論を進めることで一致を見たところであります。  さらに、元島民のための人道的措置について、私から、三年連続で実現をしました航空機墓参を始めロシア側の協力に謝意を表するとともに、引き続きの協力要請したところ、ラブロフ外相からも、今後についても協力的な姿勢が示されたところであります。  ラブロフ外相とは、九月、ニューヨークで、そして先週、名古屋でお会いをしまして、率直に申し上げまして、交渉の担当者といいますか、カウンターパートとしてケミストリーが合うなと思っています。こういう交渉をやっていますと、ケミストリーが合うか合わないかというのはとても大切なんですよ。少なくとも、その点はケミストリーは合うなと思っております。  もちろん、戦後七十年以上にわたって解決されていない問題でありまして、交渉は、恐らく日米貿易交渉以上に難しい交渉になる、こういうふうに覚悟をいたしておりますが、一九五六年の共同宣言、これを基礎として平和条約交渉を加速させるとの両首脳の合意を踏まえて、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針のもと交渉責任者として粘り強く取り組んでいきたいと思っております。  なお、首脳会談についてでありますが、御案内のとおり、チリでのAPECの首脳会談自体が地元の事情によりまして開催されないということになりましたので、今後、外交ルートを通じて首脳会談について調整しようということで一致をいたしております。
  21. 佐藤英道

    佐藤(英)委員 ぜひ茂木大臣におかれましては、さまざまな交渉もこれまで取り組まれて、成果をおさめてきた方であると思っておりますので、何とぞ成果を御期待させていただきたいと思います。  今大臣お話しをされましたパイロットツアー、日ロ共同経済活動についてでありますけれども、十月の二十九日、根室港発の北方四島へのパイロットツアーが実現しました。天候の影響で予定は短くなりましたけれども、今後の両国の友好拡大へ新たな一歩となることを念願してやみません。  日ロ共同経済活動は、両国の信頼関係を更に深めるため、今後も、両国の合意と協力で一層の進展を図っていくべきであります。事業の進展の先に、平和条約の締結、北方四島の返還、何より、元島民の皆様が晴れ晴れとふるさとの土地を踏める日が来ればと思うばかりであります。  外相会談でも、来年からの本格事業化に向けて議論を進めることで一致したと伺っておりますが、来年以降の展望について大臣の御決意伺います。
  22. 茂木敏充

    茂木国務大臣 御指摘いただきました共同経済活動、これは、日ロがともに北方四島の未来図を描いて、その中から双方が受入れ可能な解決策を見出していくという新しいアプローチの一環でありまして、本年、観光パイロットツアー、御紹介いただきましたが、等の共同経済パイロットプロジェクトを実施したところであります。このツアーもうまくいったと思っております。  さらに、今、専門家の間で議論をしておりますごみの減容、これも、可能性としてでありますけれども、実際に日本技術等を使いますと、かなりごみの減容化が可能になってくる、これは北方四島の環境改善にも資する、こういう議論もさせていただいたところでありまして、そういったことしの経験、これも踏まえて、来年から本格事業化に向けて議論を進めるということでラブロフ外相とは一致を見たところでありまして、引き続いて、二〇一六年十二月の首脳合意に基づいて、日ロ双方の法的立場を害さない形でのプロジェクトの実施に向けて鋭意取り組んでいきたい。  そして、法的立場を害さない形でプロジェクトを進める、そういった中で、では、さまざまな法的にクリアしなくちゃならない問題というのはどういうことがあるんだ、こういう知恵も同時に出していかなきゃいけない、このように思っております。
  23. 佐藤英道

    佐藤(英)委員 では次に、北方四島に係る世界遺産構想についてお伺いをしてまいりたいと思います。  私が衆議院議員に初当選後、この委員会で一番初めに提唱させていただいたのが、北方四島にかかわる世界遺産構想であります。  知床は、流氷が育む海から山への命の輪ともいうべき生態系と、希少な動植物が多く生息、繁茂する生物の多様性により、世界自然遺産に選ばれました。  北方四島は、自然環境においても知床とは一体的な存在であります。今後、科学的調査に基づいた自然保護、管理を日ロ共同で行い、世界自然遺産を目指すべきであります。さらに、歴史文化についても共同で調査し、将来、複合遺産としていくべきと考えます。茂木大臣の見解を求めます。  さらに、最後の質問もあわせてさせていただきたいと思います。  墓参事業の安全対策でありますけれども、墓参事業参加者の安全対策について、昨年の自由訪問で、まことに残念なことでありましたけれども、参加者のお一人が択捉からの帰途に急逝されるという悲しい事故がありました。墓参事業などへの参加者の方々が高齢化しており、急病人やけが人への対応、病状等などによっては北海道本島への搬送が必要なケースも考えられ、これらに対して政府は万全を期すべきと考えます。  現在は、本島に帰る必要がある場合には、同行の医師の判断に基づいて事業そのものを打ち切り、「えとぴりか」で本島に戻るという対応が原則であります。本島への移送に即時性を要する場合でも、外交ルートを通じて一から搬送方法を交渉するということになっているようであります。これでは救命が困難になる可能性も否定できないのではないかと私は非常に懸念しているのであります。  私は、墓参参加者の安全確保のために、この際、ドクターヘリなどの活用も含め一定のルールを確立すべく、今後、ロシア側との事前協議の場において議論を直ちに開始すべきと考えます。  外務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  24. 茂木敏充

    茂木国務大臣 佐藤委員の北方四島にかかわります自然遺産構想については、私も十分承知をしているつもりであります。  北方四島は、知床にまさるとも劣らない、すばらしい自然遺産といいますか、自然がある、自然を持っている。このような豊かな自然環境の保全の重要性、こういったものを十分認識をした上で、四島交流の枠組みを用いた専門家交流を含めて、この地域での生態系保全協力を実施しているところでありまして、また、先ほど観光ツアーのお話もさせていただきましたが、将来的には、北方四島への観光ツアーの魅力度を高める、こういう資源にもなり得ると考えております。  一方で、御案内のとおり、北方領土は我が国が主権を有する島々でありまして、この立場に変わりはないわけでありまして、これまでの協力経験であったりとか御指摘の問題意識、こういったものも含めて、北方四島に関する双方の立場を損なわない形で、どんな管理体制を日ロで組むことができるのか、どのようなことが可能か、しっかり検討していきたいと思っております。  また、時間の関係で短くさせていただきますが、御指摘のドクターヘリを含みます緊急搬送体制につきましては、関係団体からの要望もあるということも承知をいたしております。御指摘を踏まえて、内閣府及び関係団体とも連携しつつ、我が国の法的立場を害さない形で訪問団員の安全を確保していく。極めて重要なことでありますから、どのような追加対策が有効なのか、また、どのような対応が可能なのか、引き続きしっかりと検討してまいりたいと考えております。
  25. 佐藤英道

    佐藤(英)委員 ありがとうございます。終わります。
  26. 菊田真紀子

    菊田委員長 次に、佐々木隆博君。
  27. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 立憲民主党の佐々木隆博でございます。共同会派の立場からの質問をさせていただきます。  沖北のこの委員会は、半年に一回ぐらい開かれるか開かれないかという委員会なものですから、お伺いしたいことは山ほどあるんですけれども、二十五分しか与えられてございませんので、基本的な部分について主に大臣のお考えをお伺いしたいというふうに思ってございますので、できるだけ簡潔にお答えをいただければというふうに思うところでございます。  まず、日ロ北方領土交渉の現状についてお伺いをいたします。  昨年の十一月十四日の日ロ首脳会談、いわゆるシンガポール合意でありますが、一九五六年日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速することで合意というふうに報道されてございます。しかし、その後、領土問題について進展はございません。むしろ、ロシア側は着々と四島に対する、ちょっと言葉が適当かどうかわかりませんが、実効支配を強めているのではないかというふうに思います。  私も、二〇〇〇年と二〇一七年にビザなしで訪問をさせていただいてございますが、二〇〇〇年のときより、むしろ二〇一七年の方がそういう印象を受けたところでございます。  まずその点について外務大臣に、この間の国会に、シンガポール合意も中間であったわけでありますが、国会にこの経緯の説明あるいは報告というものがいただけておりません。これらについて、外務大臣としての総括をまずお伺いをいたします。  あわせて担当大臣には、元島民や地元の声を、訪問されていますので、お伺いをしているというふうに思うんですが、そのときの現状などについてどう受けとめているか、このことについてお伺いをいたします。
  28. 茂木敏充

    茂木国務大臣 昨年十一月のシンガポールでの首脳会談では、領土問題を解決して平和条約を締結するという、戦後七十年以上残された課題を次世代に先送りすることなく、両首脳の手で必ずや終止符を打つ、こういう強い意思を安倍総理プーチン大統領と共有したところであります。  そして、スタート台といいますか、交渉のベース、もちろんいろんな合意があるわけでありますけれども、基本的に両国の国会で批准をされているもの、これは一九五六年の共同宣言でありますから、これを基礎として平和条約交渉を加速させることでプーチン大統領と合意をいたしました。  ただ、これは、合意といいましても、どう協議を進めるかということで合意をしたわけでありまして、最終的にこの問題を決着して平和条約について合意をしたことではないということでありまして、これまでの、こういう方向で協議を進めますと。  また、シンガポール合意以降も、平和条約の締結に向けて、首脳間、外相間、さらには次官級で交渉を重ねてきておりますが、交渉はまさに、まとまったということではなくて、これからまとめていかなくちゃならない、こういう段階でありまして、じゃ、どう交渉を具体的にやっていくのか、その進め方とか内容、これは外交の機微にかかわる問題でありますので、その点は御理解いただいた上で、平和条約交渉の結果、これが出ましたら、国会の場でしっかりと説明をさせていただきたいと思っております。
  29. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 十月上旬に、私、北方対策担当大臣として根室市等を訪問をさせていただきました。そして、元島民の皆様地元自治体や議会の関係者、あるいは関係団体の方々との意見交換を行いました。そして、そういう中で、皆様の忌憚のない生の声を直接お伺いしたところでございます。  意見交換におきましては、さまざまな意見が出ました。しかし、総体として、現在政府が進めている平和条約交渉に関しては、これが四島との自由な往来、あるいは北方領土問題の解決につながることを期待するという御意見が多かったものというぐあいに考えております。  今後、私どもとしても、元島民の方々を始めとする関係者皆様と北方領土問題の一日も早い解決を求める思いを共有し、この問題の解決に向けた決意を新たにしているところでございます。元島民の方々等のお気持ちをしっかり受けとめて、国民世論の啓発あるいは交流等に頑張ってまいりたいと思っております。
  30. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 今、外務大臣から答弁いただきました。関連してお伺いをいたします。  茂木大臣、今回の所信の中でも、一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの首脳間での合意を踏まえ、外相レベルでも緊密に対話を積み重ねていきますというふうに述べられてございます。  もともと我が国は四島一括返還をずっと求めてきたわけでありますが、一九五六年の日ソ宣言というのは、二島返還ということに方向転換をしたのかということになるわけでありますが、そういう判断になったのかということ。  そしてもう一つ、私が気になっているのは、プーチン大統領が一切の前提条件なしで年内に平和条約を締結しようという呼びかけが、山口での会談の直前にそういう呼びかけがあって、そこから急に二島返還論みたいな話にぐっとシフトしていったような感じがあるわけです。ここのプーチン発言を、私は、ある種、読み違えたのではないかというふうに思っております。  日本は今日まで四島返還を求めてきたはずなのでありますが、方向転換をしたのか、あるいはどういう判断なのか、そのことについてお伺いします。
  31. 茂木敏充

    茂木国務大臣 方向転換をした、また、プーチン大統領の発言を読み違えた、こういうことではないと理解をしております。  まず北方領土、これは我が国が主権を有する島々でありまして、この立場に変わりはございません。そして日ロ間では、一九五六年の共同宣言以外にも、一九九三年の東京宣言、そして二〇〇一年のイルクーツク声明を始め、これまで多くの諸文書や諸合意が作成されておりまして、これら全ての諸文書や諸合意を踏まえた交渉を、まさに今行っているところであります。  ただ、そこの中でも、先ほど申し上げましたが、一九五六年の共同宣言、これは両国の立法府が承認をし、両国が批准をした唯一の文書でありまして、現在も効力を有しているわけであります。そして五六年の共同宣言の第九項、ここには、平和条約交渉が継続されること及び、御指摘いただきましたように、平和条約締結後に歯舞群島、色丹島が日本に引き渡されることを規定をいたしております。  ただ、この前段の部分、平和条約交渉、これにつきましては、従来から説明してきているとおり、平和条約交渉の対象というのは四島の帰属の問題であるというのが政府の一貫した立場であります。  したがいまして、一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの合意は、領土問題を解決して平和条約を締結するという従来の我が国の方針を何ら転換するものではございません。
  32. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 転換はしていないということなのでありますが、今大臣が答弁をいただきました五六年の宣言は、わざわざ歯舞、色丹についてのみ書かれているというところに、二島返還というふうに通常言われているわけであります。  よって、方向転換したのではないというふうに今御答弁いただきましたけれども、国内でも、あるいは相手国のロシアでも、二島返還というふうに受け取られてしまっているのではないかというふうに、近ごろの報道を見る限りそう思うわけでありまして、これはそうでないというのであれば、外交上、極めてマイナスだと言わなければならないというふうに思うのでありますが、これについて答弁を求めたいところなんですが、実はほかにも聞きたいことがありまして、時間がありませんので、そういう誤解を招くような状況になっているということは十分に留意をして、これからの行動なり発言というものをお願いを申し上げておきたいと思います。  そこで、四島の共同経済活動についてお伺いをいたします。  これが領土問題の解決につながるんだというのが、共同経済活動が始まったときの話であります。しかし、ロシアとの共同経済活動、当初は安倍総理プーチン大統領に示した、いわゆる八項目の協力プランというのが当初ありました。経産省主導のものでありますが、これが基軸だったというふうに思うのでありますが、その後、共同経済活動の五件のプロジェクト候補が優先分野ということで出されてきております。この二つの関係性が一体どうなっているのかということであります。  外務省、片や、当初のやつは経産省が主導だったと思うんですが、今度の共同経済活動については外務省ということで、経済協力だけが先取りされてしまって、この二つの連携がきちっとできていなければ領土問題の解決には結びつかないのではないかというむしろ心配がございます。  共同経済活動の司令塔、いわゆる責任体制、経産省なり外務省、あるいは、ツアーもありますから観光庁もかかわっているんだというふうに思いますが、一体どこが担っていて、どういう責任体制になっているのかということについてお伺いをいたします。
  33. 河津邦彦

    河津政府参考人 お答え申し上げます。  北方四島における共同経済活動に関しましては、その実現に向けた取組を通じ、北方領土問題の解決、そして平和条約の締結につなげていくとの考えのもと、ロシアとの間で協議を進めてきているところでございます。  二〇一六年十二月にプーチン大統領が訪日した際、安倍総理プーチン大統領がプレス向け声明を発出をし、二〇一七年九月の日ロ首脳会談で、五件のプロジェクト候補を特定したところでございます。  日ロ間の協議等の実施に当たりましては、両首脳のプレス向け声明に基づき、官邸の指示のもと、外務省が中心となり、個々のプロジェクト候補を担う関係省庁と連携しながら政府一丸となって取り組んでいる、こういう状況でございます。
  34. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 ちょっと今の答弁、要するに、八項目と五項目は一体どうなっているのかと私はお伺いしているのに、八項目についての答弁は全くなかったんですけれども、当初、八項目のプランがあったわけですよね。
  35. 河津邦彦

    河津政府参考人 お答え申し上げます。  八項目の協力プランと共同経済活動の関係でございますけれども、八項目の協力プランには、北方四島における共同経済活動は含まれていないという関係でございます。  一方で、八項目の協力プランに関しましても、政府関係するところで一丸となってこれを進めていく、こういう体制でやっているところでございます。
  36. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 ちょっと今の、余計わかりづらくなったんですけれども……
  37. 菊田真紀子

    菊田委員長 佐々木隆博君、挙手の上お願いします。
  38. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 はい。  要するに、八項目は経産省が最初提案して、これは北方領土だという今説明で、そして、今度の五項目は北方領土に限定していないかのような話の今答弁だったわけでありますが、これはちゃんと整理をして国民に説明してくれないと、どこがグリップしているのかということも、これはまとめて大臣の方からお願いします。
  39. 茂木敏充

    茂木国務大臣 まず、八項目の協力プラン、この中は、御案内のとおり、エネルギーであったりとか医療の分野であったりとか、我が国がすぐれた技術を持ちながらロシアとの関係で補完的な協力ができる、これによって日本とロシアの関係を深めていく、こういったプロジェクトでありまして、これはモスクワに行ったときに少し、この中の極東の案件、じっくりラブロフ外相とも、また、向こうの担当大臣とも話をしてみたいと思っておりますが、どちらかといいますと、北方四島で展開されるものではありません。  それに対して、この共同経済活動、これはまさに北方四島において行われるものでありまして、それぞれについては政府一丸になって取り組んでまいりますが、外務省を窓口としつつ、エネルギーであったら例えば経済産業省であったり、それぞれ関係する省庁があるわけでありますから、そことも連携をとりながらやっていくということになりますし、共同経済活動、五つのプロジェクトがあるわけですが、海産物の共同養殖プロジェクト、当然これは水産庁が中心にならないとできないわけでありますし、また、温室野菜、これをつくるとなると農水省になってきますし、ごみの減量ということになりますと経産省、さらには環境省、これを絡めてしっかりと進めていきたい、こんなふうに思っております。
  40. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 ほとんどの国民の皆さん方というか、政府関係者は御存じなのかもしれませんが、八項目と五項目が、片や北方領土で、片やロシア全体の話だなどということを理解している人はほとんどいないんだと思うんです。そこについて今まできちっと説明をされていたというのも、私の不勉強かもしれませんが、北方領土問題のときに八項目の話が出てきたので、みんなその話とリンクして受けとめているわけでありますので、そこはやはりしっかりと、違うのであれば違うということで、展開をしていただくためのと、また説明もいただきたいと思います。  実は時間がなくなってきたんですが、一つは、先ほども出ておりました観光ツアー、優先分野とされた観光分野でありますが、パイロット事業として展開されたんですが、これは、いわゆる自治体外交のビザなし交流をもととして、これを利用してつくったものでありますけれども、この間、実施されたんですけれども、政府関係者が同行しなければならないというふうになっていて、とても経済活動のパイロット事業としては、商業ベースという状態にはなるのかという心配がむしろあります。  これでは商業ベースの経済活動とは言えないのではないかということもあり、さらにまた、時間がありませんので、共同経済活動の包括作業部会というものを設置することにしたようなのでありますが、一つ目に経済関係者らの新たな渡航枠組み、二つ目に事業の具体化、三つ目に法的課題、三事業分野というふうになって包括作業部会を設置をしたようでありますが、中でも、私は、最も肝心なのは法的課題だと思うんです。  この法的課題について、いまだ結論に至っているというふうには存じておりません。なぜなら、この共同経済活動、例えば、先ほども少し話が出ておりましたが、ツアーのことにしても事業を展開していくにしても、何らかのトラブルがそこに発生した場合、どちらの法律で裁くんだということが、ここが決まらないと何も動いていかないということになってしまうわけです。  だから、この三つの中で最も私は重要だと思います法的課題、つまり、主権、統治などについて外相の考え方を伺います。
  41. 茂木敏充

    茂木国務大臣 法的課題とおっしゃられました。法的側面に関する課長級の作業部会のことだと思いますが、同時に、人の移動の問題、これも非常に重要な問題だと思いますが、いずれにしても、これまで三つの作業部会で、これで議論を進めてきたわけでありますが、今月六日に行いました次官級会議で、この三つの作業部会をまとめて、包括的、局長級の作業部会を立ち上げることで一致をしたところであります。  そして、十一月の六日、同日に早速この局長級の部会、これを開催いたしまして、共同経済活動のプロジェクトの実施に係る法的な課題も含めて、これまでの議論を踏まえて意見交換を行いました。  今月二十二日の日ロ外相会談においても、この共同経済活動の本格事業化に向けて、この作業部会、議論を進めることで、加速することで一致を見たところであります。
  42. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 話合いで一致を見るのは、それは重要ですから、そこが第一歩ですから、それはもちろんそうなんですが、幾ら経済活動を進めようとしていっても、事業、投資をされる事業者の皆さん方にとってみれば、どっちの法律が適用されるんだ、どっちの商法が適用されるんだと、都度都度、展開をしていくたびにその壁にぶつかっていくわけですよ。だから、投資をしてくださいといろいろなメニューを政府の方から提案したとしても、どうしても慎重にならざるを得ないと思うんです。  そこのところが目に見えて進んでいるのであれば、それはそれで、一定の事業ですから投資ということも考えるというふうに思うんですが、こうした共同経済活動を進めていくということになれば、事業者が参加しやすいような仕組み、あるいはまた商取引に関する情報をやはり随時みんなにわかるように開示をしていくというようなシステムをつくる必要があるのではないかというふうに思いますが、もう一度、お願いいたします。
  43. 茂木敏充

    茂木国務大臣 基本的な考え方は全く一緒だと思っております。  ですから、まさに、このプロジェクトの内容だけではなくて、人の移動、そして法的側面に関する具体的な検討を進めたいと思っております。
  44. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 ほとんどそこの部分については目に見えて伝わってこないわけでありますので、結局、これから投資をしようとする人にとっても、そこが見えてこないことには、投資するにも慎重にならざるを得ない。幾ら政府が、共同経済活動を進めましょう、パイロット事業ですとか言われても、慎重にならざるを得ないということがありますので、できるだけそこはわかりやすく開示ができるようなシステムをつくっていただきたいというふうに思います。  時間がなくなりましたので最後の質問にさせていただきます。  ロシア側の話ですが、平和条約とは別に、善隣友好関係確認する条約というものも提案されているやに伺ってございますが、これは、地元皆さん方にとってみれば、領土問題の棚上げになってしまうのではないかという不安につながるわけであります。  このことについて、こういうことを進めようとしているのか。先ほどのお話、二島返還の話でもそうでありますが、余り成果を急ぎ過ぎて後世に禍根を残すというようなことがないように、これらについて、一体どうなっているのかについてお伺いをいたします。
  45. 河津邦彦

    河津政府参考人 お答え申し上げます。  平和条約交渉がまさに進められている中で、我が国の具体的な交渉の方針、進め方、また、ロシア側からの提案を含む交渉の内容に関しましては、外交交渉の機微にかかわる問題でございまして、お答えすることは差し控えさせていただきたい、このように思っております。  いずれにいたしましても、政府といたしましては、大臣から御答弁申し上げましたとおり、一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの両首脳の合意を踏まえ、領土問題を解決して平和条約を締結する、このような基本方針のもと、引き続き粘り強く交渉してまいる所存でございます。
  46. 茂木敏充

    茂木国務大臣 順番で、今の答弁で、領土問題を解決して平和条約を締結する、こういう順番の基本方針は変わってございません。
  47. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 時間が来ましたので終わりますが、今の順番は、それは全くそのとおりだというふうに思います。  領土問題を解決というところで、先ほどの、二島なのか、四島一括なのか、あるいは二島先行なのか、全くよくわからないまま五六年宣言という話だけが先行しているものですから、むしろ今、国民の中には不安が広がっているんだということをやはり政府として整理をしていただきたいというふうに思います。  最後に、委員長に申し上げます。  委員会、めったに開かれないということもあってですが、ぜひ、有識者を参考人として招致をしてこの委員会でお話伺いたい。大臣はお忙しくても、参考人であれば大臣出席を求める必要がありませんので、ぜひ御検討いただきたいということをお願いを申し上げて、終わります。
  48. 菊田真紀子

    菊田委員長 理事会で協議したいと思います。
  49. 佐々木隆博

    ○佐々木(隆)委員 終わります。
  50. 菊田真紀子

    菊田委員長 次に、川内博史君。
  51. 川内博史

    ○川内委員 両大臣、よろしくお願いいたします。  まず、辺野古の問題について教えていただきたいと思います。  辺野古については、沖縄県は違法な埋立てが行われているという主張をしていらっしゃる。そういう中で政府としてお進めになられていらっしゃるわけでございますけれども、軟弱地盤の問題等もあり、埋立ての承認権限者は沖縄県知事であるわけでありますが、その設計変更の承認を得なければならないということは政府としてもおっしゃっていらっしゃる。  変更承認の申請というものがいつごろなされるのかということについて、進捗、目途などを教えていただければと思います。
  52. 辰己昌良

    辰己政府参考人 お答えいたします。  今、現在、沖縄防衛局においてこの具体的な設計等の検討を進めているところでございます。この検討に当たりましては、有識者で構成される技術検討会、これを開催して、現在、技術的、専門的見地から客観的な提言、助言を得ることとしており、護岸や埋立ての設計や施工、維持管理を合理的なものにしていきたいと考えております。  御指摘の変更承認の申請時期について現時点で確たることを申し上げることは、このような状況なので差し控えたいと思いますが、技術検討会における有識者からの提言、助言等を踏まえ、十分な検討を行った上で、できるだけ早く行いたいと考えております。
  53. 川内博史

    ○川内委員 まだわからないということですが、私は、軟弱地盤の施工というのは、それは、本当に実施設計して施工するというのはちょっと無理なんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、軟弱地盤の問題というのは克服できるんですか。
  54. 辰己昌良

    辰己政府参考人 お答えします。  本年一月に沖縄防衛局においては、ボーリング調査を行った結果を踏まえて大浦湾側の護岸、埋立て等の設計、施工等に関する検討を行った結果、一般的で施工実績が豊富な工法、サンド・コンパクション・パイル工法などによって地盤改良を行うことにより、護岸や埋立てなどの工事を、所要の安定性を確保して行うことが可能であるということが確認されたところでございます。  その上で、現在、これを合理的なものにするため、有識者の知見を得つつ、具体的な設計等の検討を行っているところでございまして、十分な検討を経た上で、着実に実施していくことは可能と考えております。
  55. 川内博史

    ○川内委員 一般的で施工実績が豊富なサンド・コンパクション・パイル工法という言葉が、大臣、ありましたね。確かに、一般的で施工実績は豊富です。  しかし、世界じゅう、深度七十メートルの深度で、サンド・コンパクション・パイル工法で施工が行われた実績はないというのが正しい理解で、だから、この大深度で軟弱地盤を克服する施工ができるのかということについては十分な検討を恐らくされているのであろうというふうに思います。しっかり検討していただきたいと思いますが、私は無理だと思いますけれどもね。言っておきます。  話題をかえます。  ことし七月、ボルトン米大統領安全保障担当補佐官が来日をされました。その後、最近ですが、在日米軍駐留経費を四倍あるいは五倍にしてくれというふうに米側から求められている、日本政府がです、という報道が出ております。  ボルトン大統領補佐官の日本政府内におけるカウンターパートは国家安全保障局長でいらっしゃるわけで、このボルトンさんと国家安全保障局長が会談をされた際、在日駐留米軍経費、とりわけ施設整備費の増額等について求められたのではないか、提供施設整備費について求められたのではないか、あるいは意向の表明があったのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
  56. 中嶋浩一郎

    ○中嶋政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、谷内国家安全保障局長、当時でございますけれども、訪日中のボルトン米国家安全保障担当補佐官、こちらも当時でございます、と七月二十二日に会談は行っております。  御指摘のような事実はございません。
  57. 川内博史

    ○川内委員 話題になったという事実がないということですか、ボルトンさんが言及したという事実がないということですか。
  58. 中嶋浩一郎

    ○中嶋政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど先生からございましたのは、米側から要求があったのではないかということでございます。そのような事実はございません。
  59. 川内博史

    ○川内委員 要求はなかったと。  ボルトンさんが、こうしてほしいんだけれどもなという意向の表明があったのかなかったのか、それは言及があったのかなかったのかということについてはいかがでしょうか。
  60. 中嶋浩一郎

    ○中嶋政府参考人 お答えいたします。  日米間ではさまざまな課題について緊密に意思疎通しており、その中で同盟の強化についても一般的なやりとりを行っておりますけれども、その詳細について逐一お答えすることは差し控えます。  いずれにしましても、在日米軍駐留経費は、日米両政府の合意に基づき適切に分担されていると考えておるところでございます。
  61. 川内博史

    ○川内委員 要求はなかった。言及はあったんですかと聞いたら、それについては否定をされないということでございます。  茂木大臣、私はいつも不思議に思うんですよ。報道で、アメリカがこんなことを言っているとかあんなことを言っているとかいう報道が出て、日本政府はいつも否定するんですよ。いざとなると、いや、本当だったじゃんみたいなことが多くて、何でそんな国民に隠すんだろうと。言われたことは言われたことで、相手が勝手に言ったんだけれども、こっちは聞き流しておいたから心配するなと政府としておっしゃられればいいのになという、これは感想を申し上げておきたいというふうに思います。  二十分しかないので次々に話題がかわるんですが、きょうはせっかく茂木大臣がいらっしゃるので、ツマジロクサヨトウについても、トウモロコシについてもちょっとお話をさせていただかなきゃいけないわけで。  最近また沖縄県でもツマジロクサヨトウの発生が新たに確認をされたというふうに聞いておりますが、沖縄県では、青刈りトウモロコシ、飼料用のトウモロコシというのは年間三十六トンぐらいしか生産をされておらないので、それほどの被害は出ていないんだろうというふうに思うところでございますが。  米側に大変な期待を持たせてしまっているこのトウモロコシの件、飼料用トウモロコシの件でございますが、私の事務所でこのツマジロクサヨトウの発生府県の担当者に、全ての発生府県の担当者にです、電話で問合せをしたところ、既にほとんどの県で飼料用トウモロコシの今年度の収穫は終了しており、対前年で飼料用トウモロコシの収穫量が減ったという被害はないということだったんですけれども、農水省にきょうは来ていただいておりますが、全ての府県に確認をしてくださいというふうにお願いをしてございますが、その結果の御報告をいただけますか。
  62. 渡邊毅

    渡邊政府参考人 お答えをいたします。  先生からも被害状況を調べるようにという御要請がございましたので、昨日と本日にかかりまして、農林水産省の飼料課から、飼料用作物でツマジロクサヨトウの発生があった十七府県の畜産課に対して聞き取り調査をいたしました。したところ、被害の調査を行っている県が六県、被害の調査を行っていない県が十一県でございました。  調査を行っていない十一県につきましては被害量は把握できていないんですけれども、調査を行っている六県につきましても、被害面積は調査をしているんですが、被害量については調べていないということでございまして、全体として現時点で被害量が正確に把握できている状況にはないという状況でございます。  なお、一部の県では青刈りトウモロコシをすき込んだ圃場があるという御報告を受けたほか、二期作目の青刈りトウモロコシの作付面積を減らしたというところもあると聞いてございますので、被害がなかったということではないと考えている次第でございます。
  63. 川内博史

    ○川内委員 私、被害があったのかなかったのかということを聞いているのではなくて、昨年度、国内で収穫された飼料用トウモロコシは四百四十八万八千トンでありますけれども、ことし六月以降発生した飼料用トウモロコシの害虫ツマジロクサヨトウによる被害について、その収穫量がどのくらい減ったのか、全ての府県に確認して答えてくださいねということを申し上げてあったわけですが、今、被害がゼロだなんて私言っていないですから。  それは多少は食われていますよ。だけれども、飼料用のトウモロコシというのは、そもそも飼料にするものですから、サイレージするものですから、多少は、別にツマジロクサヨトウじゃなくても、普通のアワヨトウとか、ヨトウ類はトウモロコシが好きなので普通に食われるんです。だけれども、それを飼料用として使うわけで、米国からトウモロコシを緊急に輸入しなければならないほどの被害が出ているのかということを全ての府県に確認してくれということをお願いしていたんですが、いかがですか。
  64. 渡邊毅

    渡邊政府参考人 お答えをいたします。  先ほども御答弁いたしましたけれども、飼料用作物以外でツマジロクサヨトウの、スイートコーンとか、そういうので被害が出ている場合もございますので、我々といたしましては、この飼料用作物としてツマジロクサヨトウを、栽培している県、十七府県の畜産課に確認をしたということですけれども、先ほど御答弁申し上げたとおり、県段階ではまだ被害量を把握できていない状況ということでございます。
  65. 川内博史

    ○川内委員 さっき、六県と十一県、十七県の担当者の内訳が御報告されたわけでありますけれども、十一県については、その被害を県の担当者レベルとか県として全く把握する必要もない状況である。六県については、多少は聞いたということで、でも、うわ、めちゃめちゃ大変ですわという報告ではないということは、ツマジロクサヨトウが飼料用トウモロコシの畑において発生が確認はされたが、大騒ぎするような被害は出ていないということの証左であろうというふうに思いますが、あれですか、被害がなくてもまさか補助金を出すとか、業者に対して倉庫の保管料やら、あるいは、米国からトウモロコシを買ってくる購入金額の金利分は補助金になるわけですけれども、補助金を出すとか、被害がなくてもこの事業はやるということはまさかないですよね。
  66. 渡邊毅

    渡邊政府参考人 お答えをいたします。  先ほど御答弁させていただきましたとおり、被害の量について確実な数字として把握をしておりませんけれども、すき込みの圃場があるですとか、二期作目をつくらなかった、我々が聞いているところでは、例えばある農家さんでは、いつも八ヘクタールつくっているのに四ヘクタールしかことしはつくらなかったというようなお話も聞いておりますので、被害は確認されているということでございますので、被害がないのに事業を実施するということにはならないと考えております。
  67. 川内博史

    ○川内委員 だから、被害の程度に応じた事業の実施であるということでよろしいですね。被害がちょびっとしかないのに、事業はこんなにやりましたみたいな、そんなことはないですねということを確認しているんですよ。
  68. 渡邊毅

    渡邊政府参考人 お答えをいたします。  本事業は、農畜産業振興機構、ALICが事業を実施するわけでございますけれども、ALICの本事業の実施要綱には、ツマジロクサヨトウによる食害及び防除のための青刈りに伴い国産トウモロコシが不足し、配合飼料の需要の増加が懸念されるので、配合飼料の安定供給を確保するために事業を実施するという旨が書かれているわけでございます。  そういう意味からいたしますと、先ほどから御答弁させていただいておりますけれども、被害は既に発生しているということでございまして、こういう状況において飼料メーカーから事業の申請が行われるということですけれども、その申請に対して、ALICが審査の上、補助を行うということは、配合飼料の安定供給という事業の趣旨に照らして、問題ないというふうに考えております。
  69. 川内博史

    ○川内委員 恐ろしいことをおっしゃいましたね。被害の量は関係ない、被害金額は関係ないと今言ったんですか。部長さん、国民の税金を使うんですよ。
  70. 渡邊毅

    渡邊政府参考人 お答えをいたします。  本事業につきましては、まず、ツマジロクサヨトウがアフリカではトウモロコシの生産量がまず四割ほど減少させるというような推計もございましたことから、非常に強い食害性と伝播力を持った害虫だということで、しかも、それが本年の七月に我が国で初めて発生が確認されたという事態を踏まえまして、ツマジロクサヨトウの被害に備えて、畜産農家への飼料の供給が不足することがないよう対策を講じたということでございまして、要は、飼料の不足に迅速に対応できるように、被害量が不明の段階であっても前倒し購入ができるように事業実施要綱が定められていると考えております。  なお、実際には民間企業が前倒し購入をするということでございますので、需要以上に購入することにはならないと考えております。
  71. 川内博史

    ○川内委員 被害の程度に応じて申請してくるだろうということですが、今、実際に申請してきた業者はいるんですか。
  72. 渡邊毅

    渡邊政府参考人 お答えをいたします。  現時点においてまだ申請はなされていないと聞いております。
  73. 川内博史

    ○川内委員 茂木大臣、トランプさんがこれはもう大喜びして共同会見を開いたぐらいですから、ごめんなさいね、日本の農水省は大変優秀だし、農家も大変優秀なので被害はそれほど出なかった。したがって、米国からの飼料用トウモロコシを緊急に輸入する必要は現時点においてはない。今後もしかしたら、また来年、ツマジロクサヨトウの大発生があるかもしれない。しかし、少なくとも今年度は緊急に輸入する必要は恐らくないということで伝えた方が、過剰な期待を多分持っていらっしゃると思うので、そこはちょっと外交ルートで、今こういう状況だよということをお伝えになられた方が、日米関係の友好を保つためにもよいのではないかというふうに思いますけれども、大臣いかがでしょうか。
  74. 茂木敏充

    茂木国務大臣 八月、ビアリッツでのあの共同記者会見、これは、昨年来続けてきました日米の貿易交渉につきまして、主要な項目について一致点を見出すことができた。  これで会見をトランプ大統領、安倍総理の間で開くということになったわけでありますが、トウモロコシの購入に関しましては、前回も委員にもお話ししたように、日本のトウモロコシの状況について説明をしましたが、米国との間で何らかの合意であったりとか約束をしたということはありませんので、川内先生がとても丁寧な方だというのはよく存じ上げておりますが、現時点では特段米国にこちら側からお話しする必要はないのかなと思っておりますし、実際に、外務省、今、ワシントンの大使館にも極めて優秀な経済担当の公使がおりまして、彼のところにもそういう問合せはアメリカ側からない、このように聞いております。
  75. 川内博史

    ○川内委員 時間が来ましたので終わります。
  76. 菊田真紀子

    菊田委員長 次に、松田功君。
  77. 松田功

    ○松田委員 立国社、立憲民主党の松田功でございます。  今回初めて沖縄及び北方問題に関する特別委員会に所属することになり、御質問の機会をいただいたことを感謝申し上げます。  沖縄問題として一番関心が高いのは、やはり米軍基地に関することと思います。沖縄基地負担軽減について今まで数多くの議論がなされ、質問が重複することもあるかとは思いますが、昨年、全国知事会においても米軍基地負担に関する提言がなされ、日米地位協定の改定を求める声が広がっておりますので、この盛り上がりをとめることのないよう、質問させていただきます。  ことし四月に沖縄県が出された他国地位協定調査報告書欧州編を読み、改めて日米地位協定の不平等性がはっきりしましたので、それについて質問したいと思います。  問題点は数多く指摘されておりますが、まずは、一度も改定されていない日米地位協定について、改定が検討されたことがあるかないかを質問させていただきます。  改定すべき問題点によく挙げられる、国内法の適用、基地の管理権、訓練・演習への関与、警察権、それらの改定を米軍側に求めましたでしょうか。改定を求めているが実現に至っていないのか、それとも、改定の必要性を感じておらず改定交渉をしていないのか、どちらでしょうか。
  78. 有馬裕

    有馬政府参考人 お答え申し上げます。  日米地位協定は、同協定の合意議事録等を含んだ大きな法的な枠組みであり、政府としては、事案に応じて効果的に、かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つの具体的な問題に対応してきております。  例えば環境分野につきましては、日米地位協定の環境補足協定を平成二十七年九月に締結し、環境基準や立入りについて、法的拘束力のある国際約束という形で規定を設けております。  また、平成二十九年一月には、日米地位協定には一般的な規定しかなかった在日米軍の軍属の扱いについて補足協定を締結いたしました。  国際約束の形式で得たこれらの成果は、日米地位協定の締結から半世紀を経て初めてのものでございます。  さらに、刑事分野では、例えば平成七年の日米合同委員会合意によって、日本側に第一次裁判権がある凶悪犯罪の被疑者である米軍人軍属について、起訴前に日本側に拘禁を移転することを可能としました。実際に、同合意に基づいて、起訴前の拘禁の移転が行われてきているところでございます。  加えて、本年七月には、施設・区域外における米軍機事故ガイドラインを改正し、日米の関係者による制限区域内への立入りが迅速かつ早期に行われることが明記されました。  このような取組を積み上げていくことにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいりたいと考えております。
  79. 松田功

    ○松田委員 政府は、手当てすべき事項の性格に応じて効果的かつ機敏に対応できる最も適切な取組によって不断の改善を図ってきた、これは岸田元外務大臣の弁でございますが、効果的かつ機敏に対応しようと思うならば、何か事件、事故が起こった都度、運用改善では遅いですし、運用改善も補足協定も米軍の裁量に委ねられているのが問題かと思います。  そういった状況の中で、またちょっと次の質問へ行きたいと思いますけれども、今回、沖縄県がまとめられた他国との比較でありますが、非常にわかりやすく、かつ、ここまで日本は不平等な状態を享受しているかと唖然といたしました。  それでは、他国の地位協定との条文を比較した上でお伺いをさせていただきます。  国内法が適用されるかについてですが、これは、一般国際法上、駐留軍には特別の取決めがない限り受入れ国の国内法は適用されない。なぜか、ことし一月に、国際法の文言が抜けて一般にとなっていますが、一般には適用されないからということで間違いございませんでしょうか。
  80. 有馬裕

    有馬政府参考人 お答え申し上げます。  今、委員より御指摘のありましたとおり、外国軍隊に対する受入れ国の法令の適用及び免除に関する原則について申し上げれば、一般に、受入れ国の同意を得て当該受入れ国内にある外国軍隊及びその構成員等は受入れ国の法令を尊重する義務を負いますが、個別の取決めがない限り、軍隊の性質に鑑み、その滞在目的の範囲内で行う公務については、受入れ国の法令の執行や裁判権等から免除されると考えられております。  こうした基本的な考え方は、国際的に広く共有されていると理解しております。
  81. 松田功

    ○松田委員 間違いないということでございます。  では、なぜ、ジブチ共和国で交換公文を交わし、外交免責を求める必要があったのでしょうか。一般国際法上、受入れ国の国内法は適用されないと考えるならば、わざわざこの交換公文を交わす必要がないということになりませんでしょうか。でも、外交免責を求めたということは、外務省は現地の法律が適用されることがわかっていた行動だということにならないでしょうか。この指摘は、沖縄県がイギリス調査の際、面談した国際法分野の専門家によるものです。  これは明らかに矛盾していることだと思いますが、もう一度お伺いします。駐留軍に国内法は適用されますか。
  82. 有馬裕

    有馬政府参考人 お答え申し上げます。  外国軍隊に対する受入れ国の法令の適用及び免除原則につきまして、丁寧に御説明させていただければと思います。  第一に、一般に、国家はその領域内で主権を有しており、属地的に、その領域内にある者には、外国人を含め、その国の法令が適用されます。  第二に、一般に、受入れ国の同意を得て当該受入れ国内にある外国軍隊及びその構成員等は受入れ国の法令を尊重する義務を負いますが、その滞在目的の範囲内で行う公務については、受入れ国の法令の執行や裁判権等から免除されると考えられております。  こうした基本的な考え方は国際的に広く共有されていると理解しております。  第三に、派遣国と受入れ国との間で、外国軍隊の活動がその滞在目的に沿った形で問題なく行われるように、個々の事情を踏まえ、受入れ国の法令の適用について具体的調整を行うべく、地位協定を含む個別の取決めが結ばれることが一般的ではあります。こうした中で、外国軍隊に対する受入れ国の法令の適用について調整が行われることになると考えております。
  83. 松田功

    ○松田委員 ちょっと時間がないので、よく御存じだと思いますが、報告書にあるドイツ、イタリア、ベルギー、イギリスは、いずれも国内法が原則適用されていることをお伝えさせていただきたいと思います。  次に、基地の管理権及び受入れ国の立入り権についてお伺いをいたします。  現在、日本では、米軍基地への立入りはできず、基地内で事故や災害が起こったとしても、調査のため立ち入ることができません。ことし八月ごろと言われておりますが、辺野古弾薬庫の付近で崖崩れがあったときも、周辺には知らされず、住民の方は不安な思いをされております。弾薬庫に何が保管されているのかもわからないのも当然です。  米軍基地内で事故や災害があった場合、周辺住民の方の安全をどう確保するつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。  以前、沖縄防衛局は、辺野古弾薬庫で事故が発生した際、住民の避難計画はないと答えております。日本防衛省が日本国民の安全を保障できないとしたら、大問題であります。どのように周辺住民の安全を担保されるのか、お答えをいただきたいと思います。
  84. 山本ともひろ

    ○山本副大臣 松田委員にお答えを申し上げます。  まず、御指摘の、辺野古弾薬庫付近の崖の一部崩落につきましては、十月四日に沖縄防衛局が米側とともに現地確認を行いました。崩落が拡大する兆候は今のところ見られておりません。また、その後も継続して目視による確認を行っておりますが、さらなる崩落は認められないものと承知をしております。  また、今回の崩落によりまして、既存の弾薬庫の建てかえ工事への影響についても、現時点では確認をされておりません。  なお、米側からは、施設の運用への影響はないと聞いております。また、崩落した土砂も施設・区域内にとどまっていることから、現時点において、崖崩れによる施設・区域内外において影響は生じておりません。  他方、地元皆様の御懸念は承知をしております。引き続き、測定機材を用いた崩落箇所周辺の観測など状況の把握を継続しつつ、適切に対応していく考えです。  その上で、辺野古弾薬庫の建てかえに当たっては、関係法令に基づき、安全性に十分配慮した上で計画し、工事を行っているところです。  いずれにしましても、米軍基地の周辺住民方々の安全性を第一に考えることは当然でありまして、万が一事故等が発生した際には、周辺への影響をしっかりと確認しつつ、関係自治体と緊密に連携し、被害状況の確認や、部外に影響が極力及ばないよう、安全確保に万全を期してまいる所存でございます。  今後とも、新たな情報があった場合には、情報提供を関係自治体、関係者皆様には行うとともに、状況に応じて適切に対応してまいりたいと思います。
  85. 松田功

    ○松田委員 済みません、副大臣、避難計画的なものは事前的な部分があるので、起きてからいろいろ対策されるということはよくあるんですけれども、その辺についてもう少しお答えいただけると……。
  86. 山本ともひろ

    ○山本副大臣 お答えを申し上げます。  委員指摘の件は、恐らく、この建てかえ工事に伴って、工事そのものに何かが起きたときに避難計画というのがないのかという御指摘を受けた際に、沖縄防衛局としては、工事そのもの自体の避難計画というものがないというお答えをしたので、こういう米軍施設あるいは倉庫、そういったときに、何かしらのことがあったときに周辺住民が避難を適切にできないのじゃないかという御心配をしていただいているんだと思いますが、当該の自治体が既に避難計画を立てておりますので、万が一の場合は、周辺住民は当該自治体の避難計画に従って避難をしていただく。我々もしっかりとその避難計画に基づいて協力をし、周辺住民の安全管理に対応してまいりたいと考えております。
  87. 松田功

    ○松田委員 済みません、次へちょっと移らさせていただきますが、ドイツも日本と同じく敗戦国として、ドイツに不利な協定があったと報告書に記載をされております。  しかし、ドイツもイタリアも、駐留軍によるたび重なる事故により、基地への立入り権が明記され、ドイツの場合は、緊急の場合には事前通告もなく基地への立入りができるようになっています。  日本国民の安全を守るためにも米軍基地の管理権は見直しが必要と考えますが、外務大臣の御見解をお聞かせください。
  88. 茂木敏充

    茂木国務大臣 先ほど来の御質問、やりとりを伺っておりまして、恐らく、他国との比較も重要なことなんですが、それぞれの、何というか、安全保障条約、アメリカが結んでいる各国、機構との条約、権利義務関係というのは当然違っているわけでありますから、いわゆる管理権につきましても、在日米軍が日米安全保障条約の義務、これを履行するために我が国に駐留し、その円滑な活動を確保する上で必要なものだ、こういう基本的な前提であります。  ただ、同時に、日米地位協定の第三条の3には、合衆国軍隊が使用している施設及び区域における作業は公共の安全に妥当な考慮を払っていかなきゃならない、このようにも規定をされているわけであります。  また、在日米軍の施設・区域への立入りにつきましては、日米間では、一九九六年十二月の在日米軍施設・区域への立入り許可手続に関する日米合同委員会の合意に基づきまして、米側と調整の上、行われるということになっておりまして、その際、在日米軍は、地域社会との友好関係を維持する必要性を認識し、立入りが在日米軍の運用や施設・区域の運営を妨げることがない限りにおいて、立入り申請に対して全ての妥当な配慮を払うとなっている、このように承知をいたしております。
  89. 松田功

    ○松田委員 済みません、ちょっと時間もないので、次へ行きます。  訓練、演習への受入れ国の関与についてお伺いをさせていただきます。  沖縄防衛局の目視調査によりますと、普天間飛行場での離着陸数が十月は千五百六回と、九月の千百四十二回より三割多いとの報告がなされております。また、騒音防止協定で飛行が制限される深夜、早朝の飛行が三回あったということです。そして、嘉手納基地でのパラシュート降下訓練という、SACO合意違反なのか、米国の認識違いなのか、はたまた、日本がなめられているわけではありませんが、この状態ではとても沖縄の方が安心していられるとは思いません。  やはり、訓練、演習には、ドイツ、イタリアのように、日本の承認を必要とするべきと考えますが、米国に対し何らかの交渉は行っておられるのでしょうか。
  90. 有馬裕

    有馬政府参考人 お答え申し上げます。  一般に、米軍が訓練を通じて各種技能の維持向上を図ることは、即応態勢という軍隊の機能を維持する上で不可欠の要素であり、日米安保体制の目的達成のために極めて重要であると考えております。  同時に、米軍は、全く自由に訓練を行ってよいわけではなく、接受国である我が国の法令を尊重し、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきものであるということは言うまでもございません。米軍も、この点には十分留意して、安全面に配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努力しているものと承知しております。  また、我が国における米軍機の運用に際し、安全性が最大限確保されるよう、先般、ミリー米統合参謀本部議長及びデービッドソン米インド太平洋軍司令官が訪日した際、茂木大臣から申し入れたところでもあります。  引き続き、米側に対して、安全面に最大限配慮するとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう求めていく考えでございます。
  91. 松田功

    ○松田委員 時間が参りました。  日米地位協定に関して、ドイツやイタリアが改定が進んだことを考えますと、日本も国際基準並みに改定を求めていくことは何らハードルの高いことではないと思います。よって、必要なことは、信頼関係を築いていくことではないかと思います。  まず、公文書の改ざん、破棄をやめ、米国の厳格な公文書管理というような形でしっかりと日本が信頼に足りる国になるように、政府には襟を正してしっかりと進めていっていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。
  92. 菊田真紀子

    菊田委員長 次に、屋良朝博君。
  93. 屋良朝博

    ○屋良委員 国民民主党の屋良朝博でございます。  当委員会で初めて質問させていただきます。よろしくお願いいたします。  きょうは、沖縄振興予算、とりわけ沖縄振興特定事業推進費についてお伺いしてまいります。  まず最初に、衛藤大臣、最初の就任後の記者会見で、インタビューで大田実中将の最後の電報を引いていただきまして、心意気というか基本的な姿勢を語られた。海軍司令部ごうの中で最後に大本営に打電して、県民かく戦えり、後世に御高配のあらんことをというふうに電報を送ったということでございますけれども、そういった歴史認識に立った上で、沖縄振興策を含めた施策に取り組んでいかれるという基本方針を示していただきました。  やはり沖縄、あの戦争で、もう地形が変わるぐらいの砲弾が浴びせられて、四人に一人が死ぬ。そして、大変な状況の中で、二十七年間のアメリカ軍の統治の中で生きていかざるを得なかった。その中で、一九七二年に沖縄は本土に復帰しまして、その後、社会インフラ整備のおくれをキャッチアップするためにさまざまな施策が行われてきた。  それで、沖縄も最近、近年とても便利な島になりまして、高速道路は走っているし、飛行場は整備されて、外国航路、外国の便もよく就航しているというような状況でございますけれども、ただ、そのようなハード面に重きを置いた振興開発ではなかなか時代のニーズに応じられないということで、大体一昔前あたりから、魚を与えるよりも釣りざおを与えようというふうな方針に変わって、時代のニーズが変わってきたということで、二〇一二年には沖振法が改正されて、一括交付金の制度が導入されました。  沖縄県の事業計画を策定する場合、沖縄県が主体的にその事業計画を策定し、それに必要な経費については一括交付金を充てる、その交付金は県が設ける基金の財源に充てることもできるという、物すごく自由度の高い、言うなれば先進的な制度だというふうに受けとめられております。  当時の沖北大臣、川端大臣です、民主党ですけれども、こういうふうにおっしゃっています。沖縄の自主性を最大限尊重する、沖縄が基本計画を策定し、政府の関与は最小限に抑えてサポートしていくんだというふうにおっしゃっておりますけれども、衛藤大臣、この一括交付金の制度についてどのようにお考えなのか、御所見を承らせてください。
  94. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 大田中将のお話もいただきました。そういう気持ちで、まさにあのときに、日本沖縄、みんな一体となって頑張ってきたということだと思います。  そして、改めまして私も、沖縄に何度かお伺いさせていただきながら、あるいは沖縄に関するいろいろな歴史とかいうようなものを改めて読みながら、お話をお聞かせいただきながら今やっているところでございます。  そういう意味で、この一括交付金が、沖縄振興に資する事業を地元が自主的な選択に基づいて実施できることに加えて、高率の補助でもあることから、他の県にはない仕組みであるというぐあいに認識をいたしております。  沖縄県や市町村において事業内容を精査し、一括交付金がより的確かつ効果的に活用されるように努めていきたいというぐあいに考えています。
  95. 屋良朝博

    ○屋良委員 一括交付金なんですけれども、お配りしました棒グラフと表ですけれども、毎年度、年度ごとに二本の棒が伸びておりますが、長い方が総額でして、短い方が一括交付金の額になります。どんどんどんどん一括交付金が減ってきておりまして、本年度の来年度に向けた概算要求は実に過去最低の額になっているということでございます。  玉城知事も一括交付金の増額要求を、先日、直接大臣にお会いされたときに要求しておりますけれども、これはどういう理由でずっと減少傾向をたどっているのかということを、理由を教えてください。
  96. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答えいたします。  一括交付金のこれまでの推移、減額の傾向にございますが、この点につきましては、不用額や繰越額の実績や、沖縄県のこれまでの事業計画に係る実績を踏まえた継続事業費の見通し並びに新規事業費の水準などを勘案しまして、毎年度、国として必要と考える額を確保した結果であると認識しております。
  97. 屋良朝博

    ○屋良委員 そうすると、沖縄県の見通しあるいは要求と、内閣府、政府の見通し、積算にはずれが生じているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
  98. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたように、一括交付金の額につきまして、政府の方として必要と考える額を確定をして予算に計上しているところでございますが、一方で、沖縄県の要望額につきましては、ことしも要望をいただいているところでありますが、この点につきましては、県の方からも聞いておりますが、県庁内の各部局の要望額、希望額をあらあら足し上げたものであるというふうに承知しております。  国としては、必要と考える一定の精度を持った想定事業規模と、その点と同一視できるものではないと認識をしているところでございます。
  99. 屋良朝博

    ○屋良委員 そうすると、県の積み上げが甘いということになりますかね。お願いします。
  100. 宮地毅

    宮地政府参考人 甘いかどうかはともかく、県の方の要望としては受けとめているところでございます。ただ、国の受けとめとそこの認識が若干違ってくるところがあるのではないかと考えております。
  101. 屋良朝博

    ○屋良委員 ありがとうございます。  それで、一括交付金がどんどんどんどん減っていくさなかに、本年度から新たな予算枠が創設されました。沖縄振興特定事業推進費と呼ばれるものでございますけれども、それが、新しくその予算確保されたということと、県と国との要求あるいは見積りの差額、そのずれの中で、沖縄県の要求がちょっと多過ぎるよというふうな国の解釈の中で、新しい予算枠をつくる必要がなぜあったのかということを教えていただきたいのと、その新しい制度の目的、あわせてお願いします。
  102. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘沖縄振興特定事業推進費でございますが、これは今年度の予算から計上しているところでございまして、現在執行しております。  この推進費につきましては、沖縄振興特別措置法の基本理念のもとに、ソフト一括交付金を補完して、特に沖縄の自立的発展に資する事業であって、機動性を持って迅速、柔軟に対応すべきものを推進する市町村等を対象とする補助金でございます。
  103. 屋良朝博

    ○屋良委員 事業規模、本年度はどのぐらいの事業に幾ら予算を立てて、どのぐらい現時点で執行されたのか、現状をちょっと教えてください。
  104. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  今年度の予算額は三十億円でございます。現在までに執行しておりますのは約二十七億三千万円でございます。
  105. 屋良朝博

    ○屋良委員 これは来年度も続くというふうに理解しておりますけれども、来年度は予算をどのぐらい計上されておりますでしょうか。
  106. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  来年度の概算要求額でございますが、現在、五十五億円を要求しているところでございます。  この点につきましては、今年度からの継続が見込まれる事業がございまして、その点が二十五億円、そして、来年度の新規事業分としまして、今年度と同額を確保するということで三十億円の、計五十五億円を要求しているところでございます。
  107. 屋良朝博

    ○屋良委員 お配りしました表を見ていただきたいんですけれども、一番目というふうに左上に振られている表ですけれども、平成三十一年度、一括交付金概算要求千二百五十三億円、そして来年度の予算要求千百八十八億円、その差六十五億円なんです。  そうすると、事業見積りが甘くて減らされている割には、ほかの枠で予算確保してそのサポートに充てるというふうな形がつくられていっているというふうに外形的には見えるわけですけれども、その辺どうなんでしょう。  予算の見積りの違い、別の需要については、機動的に、迅速に対応するためにという理由で新しい予算をつくるわけですけれども、その必要性、一括交付金に入れる、ソフト交付金予算の中に入れ込めば事は足りたんじゃないかというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
  108. 宮地毅

    宮地政府参考人 この特定事業推進費の趣旨を申し上げますと、従来の一括ソフト交付金につきましては、県と市町村が事業を計画的、継続的に実施するための財源といたしまして、客観基準に基づいて、毎年度、県と市町村に安定的に配分されるものでございます。  そうした中で、多様な地域課題、政策課題への迅速、柔軟な対応が困難なケースもあり得るということで、そうしたニーズに応えるために、特に臨機応変な財源捻出が困難な市町村に配分するものとして制度をつくっているところでございます。
  109. 屋良朝博

    ○屋良委員 確認なんですけれども、その迅速性、機動性、それは具体的には、年度途中に予算の追加が必要になった事業に対する補填のために新たに創設されている制度だというふうに理解しているんですけれども、年度途中のショートしてしまった予算を補完するもの、埋め合わせるものだというふうに理解してよろしいでしょうか。
  110. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  さまざまな事情があろうかと思いますが、例えば、年度途中に生じた新たな需要に対して財源措置をしていくということにも使われる場合があるかとは思いますが、ただ、市町村の単なる財源補填になっては国費を充てる事業としていかがかということもございますので、そうした機動性の要件に加えまして、先導性の要件、他の市町村にも広げていくことが望ましい事業であるかどうか、あるいは、広域性の要件ということで、事業の効果がその市町村にとどまらずに広域に及ぶと見込まれるような、そうした効果もあるものというものを審査をいたしまして交付をしているところでございます。
  111. 屋良朝博

    ○屋良委員 伺いたいのは、それを何で一括交付金の中で処理してあげないのかということです。今回、事業推進費で賄われたというか手当てされた事業というのは、おおむね、単年度計画の中で上がってこなかった、年度途中に上がってきた案件に対応するためだったというふうな性格の推進費じゃないんでしょうか。確認させてください。
  112. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  先ほどお答え申し上げましたが、ソフト一括交付金につきましては、計画的、継続的な事業ということで、これは法律に基づいておりますが、法律の中で、沖縄振興に資する事業などを実施するための計画、これを沖縄振興交付金事業計画と申しておりますが、その中に計画として盛り込まれたものに対して、予算の範囲内で交付金を交付することができるということになっておりまして、そうした計画性、継続性のあるような事業というものがかなり沖縄の方でも実施をされておりますが、それ以外に、そうした一定の枠というものを、使途はまだわかりませんけれども、枠を確保するということは、この一括交付金の中では対応できないということでございます。
  113. 屋良朝博

    ○屋良委員 済みません、ちょっとよくわからない、理解できないんですけれども、年度途中に必要な予算に対して三十億円を一旦プールしておいて、それで必要になったらこれを使えるような、そんな制度だということじゃないんでしょうか、これは。そういうふうに私は理解してきたんですけれども、それは間違いでしょうか。
  114. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答えを申し上げます。  御指摘のありましたソフト一括交付金の一部を国の判断でプールするといったことにつきましては、先ほども申し上げましたが、法律の規定によりまして、県が自主的な選択に基づいて作成をいたします交付金事業計画の実施経費に充てるということにされておりますことから、認められていないものと考えております。
  115. 屋良朝博

    ○屋良委員 三十億円を置いておいて、継続事業のものが二十五億円あるので、合計五十五億円になるという先ほどの説明だったわけですね。そうすると、来年度の三十億円というのは、もう既に使途が決まっているということでしょうか。
  116. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  この推進費につきましては、一定の厳格な積み上げにはなじまないものだと考えています。一定の枠的な予算だと考えております。  その意味では、その五十五億の中の三十億相当につきましては、来年出てくるであろう事業を想定をしながら三十億ということでございますが、現時点で特定されているわけではございません。
  117. 屋良朝博

    ○屋良委員 その補助金の性格上、一定の額をプールしておくということができないという、つい先ほどの答弁での説明だったんですけれども、そうしたら、この三十億円を来年度に向けて確保するということのその根拠というんですか、なぜ、三十億必要になるだろうというふうに見積りが立つんでしょうか。
  118. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  推進費の性格につきましては、機動性を要するような事業について充てるということで制度をつくったものでございます。そうした性格上、三十億という枠ということで設定をして、それを執行してきているということが今年度の状況でございます。  来年度につきましては、二十五億はことしの継続事業、見込まれるわけでございますが、更に新たなそうした需要が生ずるかもしれないということで、ことしもかなり、先ほど二十七・三億というものが使われておりますので、それに見合うような額を設定をするということで、これは国からの補助金でございますので、予算に基づいて補助金を用意をしたということでございます。
  119. 屋良朝博

    ○屋良委員 聞けば聞くほどよくわからなくなってしまうんですよ。三十億円という予算確保するわけですよね。それには何らかの根拠が必要じゃないですか、積み上げとかなんとか。先ほど、沖縄県と国との見積りがずれているのは、互いの積算のやり方に違いがあるんだよというふうな御説明だったわけでしょう。  そうすると、国が今回、三十億円として確保しようとしている推進費、それにも当然積み上げの根拠があって、何に充てるんだということを明確に説明してくれるような性格のものじゃなくて、実は、年度途中に足りなくなったとか、新しい要求に迅速に対応するとか、そんなもののための推進費であれば、これは基金と一緒じゃないですか。お答えください。
  120. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  基金と申しますよりは、そうした補助金、予算に基づく補助金ということで、そのときの一定の枠を想定してつくる補助金というものもあろうかと考えております。
  121. 屋良朝博

    ○屋良委員 それなら、少なくとも来年度継続する予算というのはもうわかっているわけだから、それはソフト一括交付金の中に入れるということが可能なはずですよ。そうじゃないですか。だから、国が手当てした事業で来年度これだけ足りないなというのはわかっているはずだから。それはもう県と国との見積りの違いとかなんとかという話じゃなくて。  沖縄県のこの一括交付金というのは、沖縄県の自立を支えていこうということでしょう。あの戦争があった。アメリカ軍の統治があった。それでおくれた社会基盤、インフラ基盤を整備してきた。今度は自立を支えていこうというふうなことで一括交付金が創設されたわけでありまして、大臣もそれは評価なさっているわけです。  にもかかわらず、今回の概算要求で最低レベルですよ。一番額が低くなっている、大臣。こんな中で、その差額分を五十五億円積み上げる。前年度の一括交付金と今年度の概算要求分を差し引くと六十五億円少なくなっている。政府は別途、五十五億円を新しい制度として推進費で積み増そうとしているわけです。  これはもう、一括交付金を減らして、政府が使途を決められる推進費に置きかえていくというふうな動きに、流れに見られてもちょっと仕方ないような現状になっているというふうに思うんですけれども、大臣、もし御所見がありましたらお願いします。
  122. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 一括交付金についても、私どもは、必要な額を懸命にとろうと思って今やっているところでございます。当然、予算の要求あるいは査定という中で、全体のいろいろなことが変わるかもしれません。そしてまた同時に、私どもは、県のみならず各市町村にもいろいろなお話をお伺いしていますから、市町村の中でのいろいろな補助金という中に推進費というものを設けてきたんだと思いますね、やはり。  ですから、国直轄の事業もあれば、補助金というものも出るのもあれば、あるいは県を通じての一括というのもあります。だから、おのおのそれを大事にしながら、かつ、最近いろいろ出てきますのも、私も何回か沖縄へ行きましたけれども、私どもも各市町村からのいろいろなお話をお聞かせいただいていますから、そういう中で、市町村の自主性というものを非常にやはり大事にしなきゃいかぬというふうに思っております。  そういう中で、できるだけの、推進費という形で補助金を考えていくということは当然ではなかろうかというぐあいに思っております。
  123. 屋良朝博

    ○屋良委員 一括交付金であれば、沖振法の規定によって、法律を根拠にした法律補助であるので、誰がどういうふうに使って、使い道を誰が決めて、それが適正だったかという点検がきくんです。  ところが、この推進費に関しては、市町村から要望を受けて国が市町村に直接支払うことができるという、どうもこの一括交付金の精神が崩されていっているようなそんな印象を地元では持たれているし、メディアの指摘も、そういうふうなのは散見されます。  だから、この一括交付金のボリュームがどんどんどんどん減らされていくかわりに推進費が置きかわっていくんじゃないか。今後とも、継続事業があるわけですから、ボリュームはふえていく可能性もあるわけです。  そうすると、これからも更に国の査定で一括交付金が減らされ推進費がふやされていくというふうなそんな受けとめ方があるので、ここはちょっと一旦立ちどまって、一括交付金の制度の精神、そして推進費のあり方、これは法律補助じゃなくて予算補助になっているので、いつまで続くかもわからないというような不安定な制度だというふうに私ども受けとめているわけです。  そこで、ことし、どのようにこのお金が使われたかということをちょっと確認していきたいんですけれども、今年度の特定事業推進費の中で最も交付額が多かった事業は何でしょう。お答えください。
  124. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  今年度の事業の中で一番大きな額といたしましては、沖縄市で実施をしております沖縄アリーナ整備事業でございます。これが二十一億六千二百万円でございます。
  125. 屋良朝博

    ○屋良委員 三十億のうちの二十一億六千万円、全体の約七割になっています。これが、先ほど来説明いただいている、市町村の要望に対して機動的に、迅速にというふうな前提がどうも理解できないんです。  アリーナの事業というのは、これは大きい事業ですよね。基本は市民体育館をバスケットボールのプロの専用アリーナにしようという事業だと理解しております。だから、これは一般的に考えて、計画をしっかりつくって、そして予算を手当てしてあげて、過不足なく事業を最後までやり遂げるというのが普通の事業だと思います。補助事業だと思いますよ。ところが、それに、年度途中で予算の補完ができる推進費をこんなに、全体の七割を当ててしまうということが、どうもよく理解できません。  ということを指摘した上で、この事業、アリーナ事業なんですけれども、ほかの補助金も入っていると理解しておりますけれども、どういった補助金がこの中に入っているか、教えてください。
  126. 中村吉利

    中村政府参考人 お答え申し上げます。  委員指摘の、沖縄市の多目的アリーナにつきましては、米軍再編に伴い影響を受ける市民の生活安定に寄与する施設であることから、防衛省として、平成二十九年度より再編推進事業補助金というものを交付をしているところでございます。  この再編推進事業補助金につきましては、米軍再編事業の推進に当たりまして、再編関連特定周辺市町村が行う関連施設の整備に対して特別な措置を講じて、当該事業の円滑な実施を図ることを目的として交付をしているものでございます。
  127. 屋良朝博

    ○屋良委員 どうも、この二つのお金の出元とその目的が一致しないような気がするんです。  一般的に、再編交付金、基地を、米軍再編によって新たな負担を受けるところの当該市町村の市民のため、あるいは村民のために使う交付金です。ところが、補完した部分、推進費は、広域性が求められる、事業性が求められるということですよね。そうすると、市民のための、負担を新たに負う人たちのための事業に民間の興業目的の施設が上乗せされちゃったというふうなことになっていると思いますけれども、それはちょっとそごはないんでしょうか。
  128. 宮地毅

    宮地政府参考人 お答え申し上げます。  沖縄アリーナのうち、観光振興に寄与する部分といたしまして、観客席、大型ビジョン等の観覧機能部分につきましては、沖縄市が当初予算提出時において見込んでいた財源を確保できないことが明らかになりましたが、現行計画どおりに整備を進められるよう迅速に税源を捻出する必要が生じたということで、財源確保の機動性を有すると認められること、そして、観光振興への影響が、沖縄市のみならず、中部、東部と東海岸地域の一帯に及ぶと見込まれるため、事業効果の広域性を有すると認められることから、推進費の対象とすることとしたものでございます。
  129. 屋良朝博

    ○屋良委員 時間が来てしまいました。  僕は、そんな、アリーナをつくるなとかなんとかと言っているつもりはなくて、むしろもっと大きなものをつくって国際大会でも何でもやって、その方が地元の経済効果も大きいだろうというふうに思うんですけれども、ただ、その予算のつけ方、やり方、どうも、事業の途中で予算がショートしたので新たな推進費をつけましょうとか、しかも、その目的が全然違うわけですよ、この二つの補助金の。それを誰もチェックできない。法律補助でもなければ、予算補助でしかない。そうすると誰がチェックするんですかこれはというようなことを指摘させていただいて、時間が来ましたので終わります。  ありがとうございました。
  130. 菊田真紀子

    菊田委員長 次に、山岡達丸君。
  131. 山岡達丸

    ○山岡委員 山岡達丸と申します。  質疑の機会をいただきまして、委員長理事皆様を始め、本当に皆様感謝申し上げながら質疑を進めさせていただきたいと思います。  また、両大臣におかれましては、公務御多端の中、議会への対応も敬意を表して、伺わせていただきたいと思います。  私は北海道から選出いただいているものですから、北方領土をめぐる件について、さきざきも質問もありましたが、私なりの問題意識を持って伺いたいんですが、私が今回伺いたいのは、ロシアとの八項目の協力プラン、先ほども議題に上がりました、この中身についてのことと、そして今後のあり方について伺いたいと思います。  北方領土問題をめぐっては、とりわけよく注目されるのは北方四島をめぐる共同経済活動の方でありますが、八項目の協力プランは、別に四島に限定した経済活動とかそういうことではなくて、ロシア全体に対する協力という位置づけであります。  二〇一六年の五月にソチの首脳会談日本側からプーチン大統領に提案したものだということでありますけれども、まず政府伺いますけれども、この八項目の協力プラン、どういう中身であって、そしてどういう進捗状況なのか。このことを伺います。
  132. 河津邦彦

    河津政府参考人 お答え申し上げます。  我が国の対ロシア政策の基本的な考えでございますけれども、平和条約締結問題を含む政治、経済、文化等、幅広い分野で二国間関係全体を国益に資するよう発展させていく、こういう考え方でございます。  ロシアとの経済協力、八項目の協力プランでございますけれども、こちらにつきましては、幅広い分野で日ロ両国協力関係を強化し、相互理解を増進する。このことを通じまして日ロ関係全体の発展を目指すものでございます。これまでに生み出された民間のプロジェクトは二百件を超えてございます。  この中から一例として申し上げますれば、協力プランのもとで、小児医療、内視鏡分野、生活習慣病改善等の共同プロジェクトが進められております。また、都市環境の分野で申し上げますと、渋滞対策、廃棄物処理、また、労働生産性の関係でいえば、ロシアの企業関係者の訪日研修、こういったプロジェクトが進められているところでございます。
  133. 山岡達丸

    ○山岡委員 今政府からお話もありましたが、きょうは資料もお配りしました。これは外務省が発表している中身でありますけれども、概要が八項目並んでいるものですからわかりやすいもので、お配りしました。  進捗状況は、今お話が少しありましたけれども、それも外務省として公表しているわけでありますが、先ほど大臣が質疑の中で、日本のすぐれた技術をもって補完するプロジェクトだというお話がありました。これは今どんどん進んでいるわけでありますけれども、それは、進むのは、四島をめぐる共同経済活動はお互いの法的立場を害さないという大変難しいハードルがあるのに対して、このプロジェクトに関しては、ロシア国内の中で日本のすぐれた技術をもってさまざまなものを協力していくという中身であります。  これはまた資料にもありますけれども、一番には、医療水準を高め、健康寿命の伸長に役立つとか快適な都市づくりだとか、社会政策的な側面が非常に大きいような、五番目にも、生産性向上、極東を産業振興して輸出基地化するとか、経済協力というよりも、本当に相手の国の中のさまざまな政治的課題解決してあげるような中身としてこれは提案されたものであります。  今回の問題意識としては、やはり、これがロシアにとってどんな評価がされているかという分析はいろいろあろうかと思いますが、個人的には、プーチン大統領にとってはこれほど喜ばしい中身はないんじゃないかという協力の中身になっていると思っております。  その経過も、ロシアでは二〇一四年、クリミア問題があって、ウクライナの東部情勢等も踏まえて、経済的な措置が講じられました。エネルギー価格の下落とか輸出額の低下によって国内経済は非常に芳しくないという状況が続いていたというのがさまざま分析で、あるわけであります。  その二〇一四年から続いていた状況の中で二〇一六年五月に日本から提示した。こちらから提示している。十二月には、プーチン大統領が訪日されたときには八十本もの署名がもう早速されているというような状況であります。  これはお配りした資料にもあるんですが、次のページは、私が注目したいのは、プーチン大統領の二〇一八年三月に行われた、大統領選の直前に行われた年次教書演説の中身なんですけれども、大統領選の直前ということで、世間からは事実上、プーチン大統領が次に向けた公約を述べるんだという注目がされていた中での発表でありました。  当時の報道は、ロシアが大陸間弾道ミサイルとか原子力エンジン搭載の巡航ミサイルとかの開発などについて言及があったものですから、新聞報道はかなり軍事的側面ばかりが注目されたんですけれども、しかし、演説の半分は、大統領選の公約ですから、社会政策、経済政策などの方向性について語っているんです。  なかなか新聞報道がないものですから、いい資料がなかった中で、ロシアの経済レポートのNIS経済報告にちょっと網羅的に書いてあったもので、二つ目の資料以降はそれをつけておりますが、この資料はプーチン大統領が述べた中身です。  この中に、事実上の公約として、ロシアの平均寿命の伸長とか居住環境の改善、次のページには医療の近代化、そしてまた次には労働生産性の向上。この中身の二つ目の紙、四ページになるんでしょうか、に書いてありますけれども、このレポートでも書いているんですけれども、日本がロシアに提案している八項目の協力プランと重なる部分が相当程度あるという分析をこのレポートではされています。  これは、まさにプーチン大統領の公約をそのまま日本協力しているんじゃないかというような見方もできるんじゃないかというふうに思うわけでありますが、大臣にお伺いしますけれども、この八項目の協力プランというのが、外務大臣伺いますね、これは、プーチン大統領の公約あるいは政策に相当程度反映されている、影響されているというようなお考えはお持ちでしょうか。伺います。
  134. 茂木敏充

    茂木国務大臣 まず、八項目の協力プランでありますけれども、日本側と、そしてまたロシア側でどう組み合わせるかということでありますが、ロシア側としては、経済、社会的ニーズが高いもの、一方で我が国としては、技術であったりとか、我が国が得意とする分野、それをうまく組み合わせることで、補完的な関係にある日ロ、例えばエネルギー、御案内のとおり、日本は資源小国でありますが、ロシアには石油そしてガス等の天然エネルギーが豊富である。また、極東の開発といいましても、極東のロシア側だけではなくて、日本におきましては、新潟であったりとか日本海側の発展、こういったことも連結性が高まることによって重要になってくる。  こういった補完的な関係にあります日ロの大きな可能性を開花させるという観点から、互恵的な協力を進めてきたものであります。  資料をお示しいただきましたが、ロシアでは、プーチン大統領のイニシアチブのもとで、保健、医療、都市環境、労働生産性の向上といった重要課題に取り組んでいる。  これはまさに、冒頭申し上げました、ロシアにそういった経済的な、社会的なニーズがあるから、トップとしてはそういう分野を重点的に進めていくというのは、どの国にとっても当然のことだと思っているわけでありまして、こういった重要課題に取り組んでいるわけでありますが、我々も、そのニーズに対して我々が得意な分野で補完的な協力関係を高めていくという観点から、日ロの協力プランというのはこうしたロシア側の取組とも方向性が一致する。これは当然のことであると思っております。
  135. 山岡達丸

    ○山岡委員 大臣がおっしゃいました、ニーズに対して技術的に補完できる部分を協力すると。互恵的と言いながら、相当程度提供しているというか、おもてなしといいますか、お気遣いといいますか、そういうような外交に私は見えます。  この中でぜひ伺いたいんですけれども、北方領土をめぐる交渉というのは、外務省にとってはさまざま、あるいは政府にとってはさまざまな分析があるのかもしれませんが、しかし私たち国民にとっては、必ずしも期待どおりに進んでいるものじゃないということを思うわけであります。  この協力プランそのものは、まさに領土問題の交渉のさなかにこちらから提案して、こういうふうにニーズを酌み取って対応したんだというお話もありますけれども、これは全体のことを考えたときに、交渉状況がやはり余り芳しくない、うまくいっていないというような状況があるのであれば、この協力プランだって見直しをするということもあり得るんじゃないかと思いますが、大臣いかがでしょうか。
  136. 茂木敏充

    茂木国務大臣 先ほど申し上げましたのは、確かに、ロシア側の経済、社会的なニーズがある。それに対して我が国が得意分野で協力をする。それによって補完的な関係が生まれる。エネルギーでもそうだと思いますが、ロシア側にそういった天然資源がある。また、それを活用する技術日本が持っている。それによってウイン・ウインな関係ができ上がっていく。  こういった意味におきまして、八項目の協力プランというのは、決して、一方的な日本からの援助、こういう性格を有するものではなくて、互恵的な協力推進するものでありまして、民間企業によります個別プロジェクト、これも、各企業の経営判断に従って最終的にはビジネスベースで進められるものと考えておりまして、我が国の対ロ政策の基本的な考え方は、平和条約締結問題を含みます政治、経済、文化等の幅広い分野で日ロ関係全体を国益に資するように発展させていくということであります。  八項目の協力プランを含めて幅広い分野で日ロ協力を進めていく中で、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、引き続き、粘り強い交渉を行っていきたいと思っております。
  137. 山岡達丸

    ○山岡委員 必ずしも質問にお答えいただいていないんですけれども、私は、補完という言葉を先ほどからおっしゃられていますけれども、互換ではないという中身だと思っております。  特に、技術的な、日本は高度な技術を持って先方のさまざまな課題解決するということに関しては、やはり、これは一方的に先方が非常に喜ばしいものになるんじゃないかというような懸念を持ちます。人材交流等は進めるべきだと思います。  この中にあって、じゃ一般論として伺いますけれども、こういう協力プランとか協力関係のものというのは、見直すということは未来永劫ないんでしょうか。大臣、お答えいただければと思います。
  138. 茂木敏充

    茂木国務大臣 個別プロジェクトにつきましては、民間ベースで進められるものもあるわけでありますから、当然、事業の採算性を高めていく上でそれぞれのプロジェクトごとの見直しというのも出てくると思いますし、また、その時々、時代は変化しますから、ロシア側がどんなポテンシャルを持っているか。また、日本としても、これから例えば数年の間に、新しいITの技術であったりとかさまざまな技術革新というのが生まれてくる。  そういった中で、両側の得意な分野、また、必要な分野、こういったことで更にこの協力関係を強めていくということは十分あり得ると思っております。
  139. 山岡達丸

    ○山岡委員 私自身は、やはり北方領土問題は解決してほしいと思っております。その中にあって、さまざまな外交交渉でいろいろなお話があると思いますけれども、お人よし外交にだけはなってほしくないという思いであります。  それは、私も北海道選出でありますから、元島民の皆様の思いもありますので、そのことを踏まえて、ぜひ、こういう現状に対してもしっかりと相手国の状況も把握しながら、領土問題の解決に向けた前進を図ってほしいということをお伝えをさせていただきたいと思います。  最後にもう一つ伺いますが、さきの東京オリンピックをめぐる件について、マラソンと競歩が札幌で行われるというような決定がなされました。さまざまその経過はいろいろあったろうかと思いますけれども、北海道としても、決まった以上、これは一年も切っている状況でありますが、厳しい中でも何とかいろいろ対応していこうという方向で進んでおりますが、これに対して東京都知事、いろいろな複雑な思いもあろうかと思いますけれども、涼しいところというのであれば北方領土でどうだというような表現を使ってその不満を述べられたということがありました。  これは、北海道にしてみれば、元島民の方々もいらっしゃいますけれども、いかがなものかと思いますし、これに対して在日ロシア大使館も、この後、日本には十分涼しい気候の場所があるけれども、北方領土は属していないんだみたいな発言がされて、こういう領土問題にかかわる話が非常にこういう形で飛び交うという状況になっています。  まさに交渉の前線に立っておられる外務大臣、こういう発言が出てくるということはいかがなものかと思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。
  140. 茂木敏充

    茂木国務大臣 まず、こういった二国間交渉を含めた交渉の基本、これは、いかに相手の情報をたくさんとり、こちらの情報をいかに少なく出すか。これは、「ジ・アート・アンド・サイエンス・オブ・ネゴシエーション」においても、「ゲッティング・ツー・イエス」においても、基本的な考え方はそれで進めなければいけない。  こういう方針で交渉には臨んでいきたいと思っておりますが、北方領土、我が国の主権を有する島々、こういう立場に変わりはないわけでありますが、メディアを通じてさまざまなことが報道されるわけでありまして、都知事であったりとかロシア側の逐一の反応についてコメントすることは差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、政府として、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、粘り強く取り組んでいく考えに変わりありません。  そして大切なことというのは、来年夏の東京オリンピック・パラリンピック大会が、マラソン競技も含めて、成功裏に開催をされて、日本、そして、北海道を含めた日本各地の魅力を世界に向けて発信するよい機会になることだと考えております。
  141. 菊田真紀子

    菊田委員長 山岡君、申合せの……
  142. 山岡達丸

    ○山岡委員 もう時間が来ていますので、しかし、衛藤大臣にせっかくの機会なので一言、この件について。元島民の皆様の思いもあります。複雑な思いもあります。衛藤大臣決意も含めて、この件についてのお話も含めて一言いただければと思います。
  143. 菊田真紀子

    菊田委員長 時間が経過しておりますので簡潔にお願いします。
  144. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 この報道に関しましては、個別にコメントすることは差し控えたいと思います。  いずれにいたしましても、やはり、国民挙げて北方領土の一日も早い返還が、平和交渉締結に向けて基盤づくりをみんなで一緒に頑張っていただくことができればありがたいなというように思っております。
  145. 山岡達丸

    ○山岡委員 真剣に向き合っていかなきゃいけない問題だと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  146. 菊田真紀子

    菊田委員長 次に、赤嶺政賢君
  147. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。  最初に、首里城の問題について伺っていきます。  十月三十一日の未明、首里城が炎に包まれ、正殿、南殿、北殿を始めとする七棟の建物が全焼し、さらに、その中にあった琉球王国にまつわる文化財の多くを焼失するという惨事が起こりました。  首里城再建にどのように向き合うべきか。私は、琉球王朝歴史に詳しい専門家のお話も伺ってきました。そういうことも踏まえて、きょう、幾つかの提案も含めて質問を行いたいと思います。  首里城は、日本的な建築と中国の建築が融合し、沖縄的な要素が加わっている、木造建築物としては世界で唯一無二のお城だ、このように専門家は評価しております。地元紙にも載っておりました。建物だけでなくて、それに加えて、今日に伝わる踊りや衣装、料理、工芸品などは、その多くが首里城から生み出され、琉球文化の象徴となっており、沖縄の人の心のよりどころになってきました。かけがえのない大切な遺産を失った喪失感は県民に共通であります。  首里城正殿や城郭は、去った沖縄戦で米軍の砲火を浴び、焼失いたしました。首里城の地下に日本軍の司令部ごうがつくられており、これが米軍の標的になったのであります。  沖縄戦から四十七年ごろ、一九九二年に首里城復元をされました。沖縄戦を体験した県民は、首里城復元は、戦争で灰じんに帰した沖縄発展を願うシンボルだった。首里城が傷つくのをこれほどに県民が悲しむのは、沖縄の苦難を背負ってきた存在と感じているかもしれない。こう、戦争の体験者の方々は異口同音に語るわけです。  これから取り組む首里城再建事業は、この歴史的な意味や県民の気持ち政府が敬意を払い、県民の思いを最優先して取り組むべきだと考えますが、大臣はどのように認識しておられますか。
  148. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 首里城沖縄にとって極めて重要なシンボルでありまして、今お話しございましたように、まさに、琉球王朝が始まってから、首里に人が置かれ、そしてその中で頑張ってきた。その間に三度ほど焼失しましたが、そのたびごとに再建をしながら来たところでございまして、そういう意味では、まさに沖縄文化歴史、伝統を凝集したものだというぐあいに思っています。  それだけに私どもも、その心のよりどころでもあるというぐあいに認識いたしておりますので、再建に向けて頑張ってまいりたいというように思っております。  私も十一月の四日に首里城に行かせていただきました。そして、そのときに首里城周辺のいろいろなものもまた見せていただくということをやりまして、改めまして私自身も、沖縄のいわゆる石器時代ぐらいからの歴史とか、それから、琉球王朝が始まったころとか、また、第二次大戦にかかわるところとか、あるいは返還にかかわるところですとか、いろいろな形でちょっと今勉強して、いろいろな方々に教えていただいているところでございます。  そういう中で、私も一刻も早くこの再建に対して取り組むということを申し上げましたが、総理はもっと明確な形で、関係閣僚会議で総理から、一日も早く復元できるよう、沖縄県や地元方々の御意見伺いながら、政府として責任を持って全力で取り組みたいと考えておりますということをおっしゃいました。  私どももその方向で懸命に努力させていただきたいというように思っております。
  149. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 県民のそういうたどってきた、まあ琉球王朝文化もありますが、戦後復興のシンボルという歴史的な思い、そういう感情を政府が敬意を払うということが、この再建事業に当たって極めて大事だと思います。  それで、再建に当たってなんですが、九二年の復元時の実績に基づいて取り組むから、八〇年代復元に取り組んだときよりは早くできるだろうといういろいろな意見が出ているわけです。  確かに資料も残っておりますが、復元以降、復元時の後の発掘調査や専門家の研究によってわかった新しい事実も出てきているわけです。これらの新しい知見も踏まえた再建計画にすべきだと私は考えますけれども、大臣はいかがでしょうか。
  150. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 一昨日二十五日に開催されました関係閣僚会議の幹事会、まずは関係閣僚が集まりまして、関係閣僚会議を受けてこの幹事会を催したところでございます。  前回の復元に携わられました有識者、例えば高良倉吉琉球大学名誉教授とか、いろいろな方々からもお話をお聞かせいただき、前回の復元以降に確認された資料の新たな知見も反映していくことが重要であるとの御指摘もいただいているところでございまして、その委員の発言の重みをしっかり受けとめて、御意見をお聞かせいただきながら検討してまいりたいというように思っております。
  151. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 私も高良倉吉先生の研究実績もよく知っておりますが、先生に限らず、専門家やいろいろな研究者は同じようなことをおっしゃいますので、前の資料に基づいてやればいいということにとどまらず、新しい知見も取り入れた再建計画をつくっていく。  再建に当たってもう一つ大事なことがあると思うんですが、正殿や南殿や北殿の整備にとどまらず、首里城周辺の関連施設の整備もあわせて行って、沖縄歴史文化の薫り豊かな整備が必要だと考えます。  首里城周辺には、第二尚氏王統の菩提寺である円覚寺、それから、国王の世継ぎの屋敷である中城御殿や琉球王府の迎賓館に当たる御茶屋御殿など、これも未整備のままであり、これらの史跡も整備すべきという、専門家や地元住民は強い要求を出してまいりました。その要求を出している人々が首里城再建を支えていく人々でもあります。  お隣に宮腰元沖縄担当大臣がいらっしゃいますが、御茶屋御殿の話も円覚寺の話も中城御殿の話もよく御存じだと思います。  これらの史跡再建事業の中で、周辺の関連施設の整備も展望した大きな計画、これも取り入れた計画を展望すべきだと思いますが、いかがですか。
  152. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 委員指摘首里城周辺の施設、中城御殿や円覚寺、あるいは御茶屋御殿等を始めとする関連の施設につきまして、先日、地元の那覇の市議会からも大変強い要望をいただいたところでございます。  これらの再建に向けて、当然、これらのところはほとんどが、今は国有地になっている国営公園以外の県有地になっているところが非常に多くございまして、中城御殿の方は県の都市公園として事業化を今しておるところでございますが、現在、文化財の発掘調査を行っているところでございます。  また、円覚寺につきましても、これは県営の首里城公園の一角にありまして、県の所有になっているところでございまして、沖縄県で、戦災で焼失した三門の再建等について検討中というぐあいにお聞きをいたしております。  また、御茶屋御殿につきましては、現在、これは民地になっていまして、カトリック教会、幼稚園となっておりまして、これはやはり、県、市、それから沖縄総合事務局と一緒に検討していかなきゃいけないと思っていまして、沖縄の県や市とか、そういうところからのいろいろな要望があれば、その要望を受けとめて、我々としては、できるだけのことはさせていただけることができればというふうに思っております。
  153. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 土地が、正殿のように国有地に、まあ、国有地になった経過もあるんですよ、それをいろいろ言うとちょっとまた質問の趣旨から外れていきますけれども。  それから、県有地であっても、そういう県の計画、県民は、これは県がやるべきことだ、これは国がやるべきことだと言って首里城について何でこんな区別するんだという話になるわけですよ。やはり首里城というのは、一体的に周辺の尚家のいろいろなものも、中城御殿、円覚寺、御茶屋御殿ですね、あわせて整備計画もつくっていく。その際、任務、役割分担をしていけばいいわけですから、それもぜひ県と協力して、県にかかわっている専門家も、正殿にかかわる専門家も大体同じ人たちなんですよ。そういう点でぜひお願いしたい。  それから、昨年度の首里城公園の入園者数は二百八十一万人でした。ことしも九月までに約百三十万人、去年の数字から比較するとこれからがピークなのかなということを思いますが、モノレール駅もあり、首里城周辺というのは観光客で大変にぎわっています。米軍の占領統治下の時代は琉球大学の学生の町でしたが、今や本当に全国から観光客や修学旅行生が来る町になっておりますが、重要な観光資源を失って、地域の商店街、観光関連施設への影響も懸念をされています。これらの影響を最小限に抑えるための緊急対策を急がなければいけないと思います。  また、多数の学芸員を擁して実際上首里城公園を支えてきた美ら島財団の雇用の維持も重要だと考えますが、この点についても大臣の受けとめを聞かせてください。
  154. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 観光資源の問題につきましては、先ほどとかしき先生にお答えしましたとおり、できるだけやはり、周りの業者さんもありますので、減らないように、何としてでも、いろいろな意味での、あの首里城観光資源をもう一回発掘してでも、あるいはそのプロセスを見てもらうとか、いろいろな形でやっても減らないような形で今検討をしているところでございまして、これは県とも十分に議論を進めながらさせていただきたいと思っています。  それから、美ら島財団の件につきましては、先般、県議会において財団から、被災された場所で働いていたのは八十数名でした、そして、県営エリア内に配置転換して雇用の継続をしていく旨の発言がなされたというぐあいに承知をいたしております。  この雇用についても、そういう形で県の財団である美ら島財団は雇用継続をやりたいということが発言されておりますので、それを我々は見守ってまいりたいというふうに思っております。  観光につきましては今申し上げたところでございます。
  155. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 次に、沖縄振興予算について伺います。  先ほど、屋良議員のお話にもありました。私の出した資料と屋良議員の出された資料は、大体同じ性質の資料であります。期せずして、同じ問題意識、同じテーマをお持ちだったということを、先ほどの質問を聞きながら感じました。事ほどさように、今、政府沖縄政策がゆがんでいる方向に行きつつあるんじゃないかという懸念と危惧を私は持っております。  まず、沖縄北方大臣に、沖縄振興に関する基本認識、これについて確認をさせていただきます。  現在の沖縄振興特別措置法、これを策定するときは、私もその国会の議論に加わりました。そのときの一番大きな変化は、法律の目的に沖縄の自主性の尊重を掲げたことであります。沖縄振興計画の策定主体を国から県に移しました。そのもとで、沖縄振興に資する事業、これは、県が自主的な選択に基づいて実施できる一括交付金制度を導入をいたしました。  沖縄の自主性を最大限尊重するところに現行法の最大の眼目があると思いますが、大臣はどのように認識しておられますか。
  156. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 一括交付金につきましては、沖縄振興に資する事業を地元が自主的な選択に基づいて実施できることに加え、それが高率補助であることから、他の県にはない仕組みであるというぐあいに認識をいたしております。  そういう意味において、沖縄県や市町村において、事業内容を精査し、一括交付金がより的確かつ効率的、効果的に活用されるように努めてまいりたいというぐあいに思っております。  今先生からいただいたこの資料でございますが、今年度は、そういう意味では三千十億になっています。そのうち、一括交付金が千九十三億。それから、地方向けの更に補助金であるところの投資補助金や経常補助金等百二十八億で、六百二十三億です。そのうち、特別推進費として三十億、ことしはつけたところでございます。  これも、我々も市町村からのいろいろな御意見をお聞かせいただいていますので、そこのところも尊重してまいりたいというぐあいに思っております。
  157. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 先ほどから、特別推進費について屋良議員に対する答弁も、言いわけ、弁解、沖縄に対する無理解、大臣に至っては、自分も各地を回って市町村長の意見を聞いてきた、だから特別推進交付金をつくるんだというぐあいに、これは全く沖縄振興のあり方について、もう私、理性を失っていると思います、今のような答弁が続くのであれば。  資料に出したものも見ていただきたいんですが、沖縄の自主性を尊重するところに現行法の最大の眼目があるにもかかわらず、実態は、私が伺いたいところは、一括交付金や補助金などの地方向けの予算がどんどん減らされていることです。  資料でも出ておりますが、二〇一二年度には振興予算全体に占める割合は七一・五%ありました。これは、一括交付金プラス地方への補助金も含めてです。今年度は五七%に激減し、その分、国直轄の予算がふえています。その中には特別推進交付金といった正体のわからないようなものも入っているわけです。  一括交付金は三年連続で大幅に減額され、今、市町村からは悲鳴の声が上がっています。  大臣、今度、玉城デニー知事と市長会の会長と町村会の会長が大臣のところにも予算要求でいらしたと思います。そのときに三者がそろって、概算要求の総額を全部獲得していただきたい、同時に一括交付金をふやしていただきたいということを、知事、市長会長、町村会長がそろってやってきたんですよ。つまみ食い的に大臣がどこかの市町村長の意見を聞いたという話とは重みが違いますよ。全然重みが違うんですよ。本当に、一括交付金が減らされて悲鳴が上がっている。  こうした中で沖縄県は、来年度予算概算要求に当たって一千八百億円規模の一括交付金を確保することを求めていました。ところが政府は、内閣府はこれに応えないで、千百八十億円の要求にとどめました。その一方で、公共事業関連費は昨年度と同額を要求しています。  これまで毎年三百三十億円を計上してきた那覇空港の第二滑走路建設事業は今年度で基本的に終了します。来年度はその分を一括交付金に回すこともできたはずであります。なぜそれをやっていないんですか。これでは沖縄の自主性を尊重したことにはならないんじゃないですか。いかがですか。  大臣ですよ。後ろから何やっているの、あなた。大臣が今立とうとしているのに。
  158. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 私どもは、そういう状況の中で必要な額をぜひ確保したいということで懸命に頑張っております。そういう積み上げた数字、そして、そういう中で必要と思えるものをやる。そしてまた、それが今度は国の機構の中で、要求したものが査定に遭うわけですから、できるだけ私どもは、要求した分について頑張ってまいりたいというぐあいに思っております。
  159. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 政府が必要だと認識した額、これでは圧倒的に少ないということを、知事や市長会や町村会長がそろって要望に来ているわけです。  一括交付金はピーク時から八百億円近くも減らされています。だから、さまざまな事業に支障が出て、県はそのために増額を要求、要望したのであります。  来年度は第二滑走路の予算は必要がなくなるわけです。ですから、その分を一括交付金に回すこともできたはずです。そのことを聞いているんですよ。政府が必要な額を一括交付金に入れたと。これでは足りないと言っている。我々の目から見ても第二滑走路の事業は終わりじゃないか。三百億円、何で公共事業費は今までと同じ額で、そして一括交付金はその減った状態を改善しないの。三百億円を回せるんじゃないですか。いかがですか。
  160. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 令和二年度の沖縄振興予算概算要求につきましては、現行の沖縄振興計画期間、二十四年から令和三年度中は何とか毎年三千億円台を確保したいという旨の総理の発言が平成二十五年の十二月にございました。そういう中で、我々も何としてもこういう前提は守っていきたいと思っています。  そして、公共事業に対する考え方もありますので、今まで、沖縄振興に関しまして、とりわけやはり、これは高良先生か誰かが書かれていましたが、沖縄の復帰が本土に比べて二十年おくれました。ちょうどこの期間が、日本のこの本土は高度経済成長の時代でした。そういう中でやはり沖縄の社会基盤整備がおくれてきたということで、今まで、これを取り戻すために懸命に頑張ってきた。そういう意味では、社会基盤整備も入れて頑張ってきた。  そして、この十年ぐらいの間ですが、それだけじゃなくて、ソフト面にも力を入れながら全体の振興について一緒に考えていかなきゃいけないんじゃないのかというところで頑張ってきたところでございまして、私どもも、改めましてそういう視点に立って、全体について、沖縄について必要な額はとにかく何とか確保したいということで、内閣府を挙げて頑張っているところでございます。
  161. 赤嶺政賢

    ○赤嶺委員 何をおっしゃっているかちょっと意味はわかりませんが、一括交付金を皆さんが八百億円も減らしてきた。これで、例えば八重山農林高校、開邦高校といった学校の校舎、老朽ですよ。三千七百点という、文科省の基準の四千五百点以下は老朽ですから。これも直せないでいる。国道は立派になったけれども、一括交付金が減らされるので、県道や市町村道が狭いままでいる。これでは生活の利便性も高まりませんよ。  今度の予算概算要求を出した後とはいえ、一括交付金をふやすための努力をするということをぜひやっていただきたいと申し上げて、質問を終わります。
  162. 菊田真紀子

    菊田委員長 次に、杉本和巳君。
  163. 杉本和巳

    杉本委員 維新の杉本和巳です。よろしくお願いします。  きょうは、最後の質問者、残り十五分ということで、茂木外務大臣とはいつも貿易協議で大分御質疑をさせていただいたので、何かあればお言葉をいただければと思いますが、衛藤大臣にきょうは伺いたいというふうに思っています。  衛藤大臣におかれましては、イスラム国と昔言われていて、いや、それはISILでいいのではないかというようなことをある高名な方から衛藤大臣お話を受けて、それで私は政府の中でイスラム国という表現がなくなったやに理解しているんですけれども、そんなことがあったかと思いますが、ちょっと話がそれるかもしれませんが、今、アフリカ豚コレラという言葉が先走ってしまって、実はASFということで、フィーバーだということで、これも言葉の使い方という問題でいろいろ出ていると思いますので、そういった意味で御活躍をいただきたいという一方で、今外されてしまいましたけれども、宮腰前大臣、先ほども理事会でお話を伺ったんですが、かなり現場に行っておられて、鈴木宗男参議院議員、我が維新にいらっしゃいますけれども、北方領土を訪ねている頻度を調べますと、圧倒的に、鈴木宗男閣下というふうに現地では言われて、私は横で聞いておりましたけれども、そのぐらい入っていて、例えば日ロ友好の家、別の言い方をされた方もいますけれども、そこの管理人のおばちゃんが膝をけがした、北海道まで運んで元気にさせるとか、そんなきめ細かなことをされておられたりしておりました。  それで、河野外務大臣の前の岸田外務大臣のときと山本一太沖北大臣のときにお二方に私は実はお願いしたんですけれども、とにかく、現地並びに現地周辺会議をするとかということをお願いできないだろうかということで、山本一太大臣は見事に沖縄北方の担当で北方領土に入られたということで、先ほど私確認したら、衛藤大臣は根室に十月に行かれたというのを所信的発言でされておられます。  ぜひ大臣の任期中に、天候の問題があるかもしれませんが、春が明けて初夏ぐらいのタイミングでは現地に行っていただいて、やはり、どういうところかというのをぜひ見ていただきたいと思っています。  私もことし七月の初めに予定をしておりましたけれども、まことに残念ですけれども、現地で非常に不適切な発言がある方からあって、それで我が党としては自粛をした方がいいだろうということで、現地に行く機会をことしは逸してしまったということであります。  それと茂木大臣、御答弁いただかないですけれども、岸田大臣が在任中に結構お願いしたんですけれども、先ほど御質疑を拝聴していたら、ラブロフ外相茂木大臣はケミストリーが合うんだというお話をされていましたけれども、ぜひ、いわゆる北方領土とは言わずとも、ウラジオストクであったりハバロフスクであったり、あるいはバイカル湖周辺であったり、そういったところで外相会談を重ねていただくことがいわゆる共同経済活動をより円滑にするのではないかなというふうに思いますので、ちょっと一方的ですけれども、お願いをさせていただきたいと思います。  実は、昨日、自民党さんの場合は友好的な政党は統一ロシアということで拝聴していますけれども、たまたまの機会でかと思いますけれども、ロシア自由民主党さんがきのう日本にいらっしゃっていて、お会いする機会をいただきました。  それでいただいた言葉に、姉妹都市をもう少し進められないかということで、ハバロフスクにかなり力を持っていらっしゃる自民党だ、第三党でいらっしゃるんですけれども、ちょっと右っぽいというような表記もあったりするんですけれども。  そういった意味で、これも一方的にお願いしておきますけれども、姉妹都市って意外とロシアの極東の地域の都市と日本地域というのが、まあ日本海側の都市はあるかもしれないですけれども、そんなに活発に交流ができているとも思えないので、そういった意味でも、都市間の交流というか姉妹都市といったものも進めていただく中で、先ほど山岡さんが質問されていた八つの項目がより円滑に進むようにお願いをさせていただきたいと思います。  るる申し上げましたけれども、基本的な現場主義の考え方と北方領土問題、沖縄問題について少しだけ質問させていただきますが、衛藤大臣は、北方四島、今後で結構なので、今までどうかということよりは、今後入る御意思があるかどうか、ちょっと伺っておきたいと思います。
  164. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 ぜひ、北方四島あるいは北方四島を統括しているウラジオストクなり、あるいはそういうところにも行かせていただきたいと思っていますが、私は外務ではありません、返還交渉をやる立場ではありませんので、振興計画がどうなるのか、そしてその基盤づくりをどうすればいいのかということですから、そのために、今お話しございましたように、例えば姉妹都市を結んでいくとか、もっと大きなお互いの交流ができないかとか、そういう島民に対する福祉、援護と、そして交流事業を進めていく、そして、国内的にもこれをもっともっと広報していくというそういうことが私の仕事でありますので、そういうことに役立つようにぜひ早く行きたいということで今検討をお願いしているところですが、行けるかどうか、外務省からの許可もいただきながらぜひ頑張ってみたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
  165. 杉本和巳

    杉本委員 積極的な、前向きな御答弁をありがとうございます。  山本一太大臣が現職大臣として行かれたことがありますので、外務大臣が行くというといろいろやはり、ケミストリーが合ったとしても現地外相会談というのはなかなか現実的には難しいと思いますので、ぜひお立場ということで、御無礼かもしれませんが、潤滑油的なお立場かもしれないので、そういった意味でもぜひ、ゴー・ゼアというのがCNNでよく宣伝で言っているんですけれども、現地に行っていただくということをお願いしたいと思います。  それで、ことし私行けなかった関係でちょっと現地の状況を確認したいと思っているんですが、これは、御答弁は政府側なのか、大臣が御答弁いただけるのかはちょっと確認していないんですけれども、どなたかにお願いしたいですが、私の認識では、ロシア側から見ると北方四島については南クリルという言い方を地域的に言って、島々をまとめてクリル発展計画というようなものがあって、そこにお金が投下されていてというような状況であるかと思っています。  その進捗状況をことし私確認できなかったということもあるのですけれども、具体的な事象として、二〇一三年なんですけれども、私がお邪魔して写真を撮ってきて安倍総理にもお見せしたりしているんですが、色丹島では総合病院をつくっていた記憶がございます。それから総合運動施設、これは屋外だったと思いますが、ひょっとすると更に進んで体育館までできているんではないかなというような思いもしているんですけれども、そういった、具体的に色丹島でのクリル発展計画の完遂状況、全体での予算の執行状況なども、政府委員の方で結構ですから、御答弁いただければと思います。
  166. 松林博己

    松林政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘いただきました社会経済発展計画につきましては、現行の計画におきまして、交通の改善、安定した経済発展のための環境整備、社会インフラの近代化などをその内容としているものと承知をしております。  同計画の進捗状況につきまして内閣府として微細に至るまでは把握しているわけではございませんが、例えば近年におきましては、平成二十八年に択捉島においてディーゼル発電所が、平成二十九年に国後島におきまして温水プールつきスポーツ施設がそれぞれ稼働し始めたものと承知しております。  お尋ねいただきました色丹島の病院につきましては平成二十六年五月に完成をいたしまして、総合運動施設については平成二十八年十一月にオープンしたものと承知をしております。
  167. 杉本和巳

    杉本委員 ありがとうございます。  質問ではないんですけれども、別に答弁いただかないですが、石原環境大臣にちょっと、当時、大臣でいらっしゃったときにお話ししたことがあるんですが、ギドロストロイというたしか漁業をやっている会社があって、それで、サンマとかそういったとった魚の内臓を取り出して缶詰にするみたいなこういう工場があるんですけれども、その取った内臓を実は内湾に捨てていてヘドロ状態になっているとか、そういったものを見た記憶があるんですけれども、環境なんかの協力でも、四島に対して、あるいは極東のロシアの、まあサハリンでも結構だと思うんですけれども、そういった部分で結構協力というのは私はできるんではないかなというふうに思っていますので、ちょっとその点も、御担当はもう詳しいと思いますけれども、御検討をもしいただけるんであればありがたいなというふうに申し上げておきます。  それで、次に、佐々木議員とかあるいは山岡議員とかからも質問が出ていたかと思うんですけれども、あと佐藤さんからも出ていました、いわゆる自然遺産の問題ということなんですが、ちょっとつかぬお話ですが、大臣が羅臼岳に登ったことがあるかどうか伺いたいなと思っているんですけれども、登山は御趣味はないですか。  実は、私は大した趣味じゃないんですけれども、幾つか百名山を登ったことがある中で、一番、百名山で感動して登ったのが羅臼岳でございます。羅臼岳の山頂から、たまたま運よく天気がすごくよくて、北の方を見るとオホーツクの海岸線がずうっと見えまして、そして、実は羅臼岳の山頂から眼下に見える島があって、あの島は何だと思うと国後島でございますので、非常に近いです。それが、残念ながら我が国方々が、特別の形でないと、墓参とかという形でないと行けないというのは非常に残念だと思います。  そんな意味で、先ほどもお話がありましたけれども、世界自然遺産として知床半島はもう既になっているわけですので、やはり四島、国後、択捉、歯舞、色丹も含めて大変な自然遺産であるというふうに私は考えられると思いますので、そういった点で、御質問あったかと思いますが、知床とあわせてもっと積極的にこの自然遺産というものを大事にしていただきたいと思いますし、これも石原大臣に私提案した記憶が、かなり前ですがありますけれども、スイスにツェルマットという都市があって、電気自動車しか走っていない都市なんです。(発言する者あり)行っていらっしゃいますか。宮腰先生はすごいいろいろなところに、二番目に四島に入っているのは宮腰先生ですから。我が党では、先生と呼ぶな、議員と呼べというので宮腰議員でいらっしゃると思いますけれども、前大臣は本当に足繁く通われて、そうなんですか。  そういうツェルマットみたいなところを一つのヒントに、知床半島も北方四島ももう電気自動車だ、日本協力して電気自動車を出すぞみたいな、経済の関係が深まれば深まるほど、やはり外交、安全保障の点で強化できるというふうに私は認識しておりますので、そんな点で世界自然遺産という方向感、いかにお持ちか。  ちょっとあわせて、パイロット事業で今回、観光、これも質問に出ていましたけれども、来年以降も予定されているやに外務大臣からも答弁が先ほどあったかと思いますけれども、今後の展望、予定を改めて伺えればと思います。
  168. 衛藤晟一

    衛藤国務大臣 いずれにいたしましても、北方領土問題の解決を含む平和条約交渉の進展のために環境整備に資するものとしていろいろな形で協力が進められていくということについては、相互の信頼関係の醸成になるものというぐあいに思っております。  そんなアプローチは重要だと思いますので、相互の理解促進のために、増進のために、いろいろな形でやっていくことが必要だというふうに思っております。  北方四島における自然環境の保全については、これまでも四島交流の枠組みを用いた専門家交流等が実施されているものと承っておりますが、委員御提案のような取組についても、私としてもよく注視をしてまいりたいというぐあいに思っている次第でございます。  それからパイロット事業につきましては、この観光パイロットツアーは、日本観光客方々が北方四島を訪問した初めてのツアーでございます。六月の日ロ首脳会談の合意を着実に実施したという意義があるというぐあいに考えております。  私としても、本ツアーを含め、共同経済活動の取組が、四島交流事業、お互いの交流事業をもっとスムーズにするとか、国内世論の盛り上がりと相まって、そういうことが平和条約交渉を後押しすることができるというぐあいに期待をいたしております。  そういう意味で、先ほど外務大臣からもお話しございましたが、こういうものにつきまして、航空機の使用等について、いろいろな形でもっと便利にやれるように、更に充実方についてバックアップすることができればというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  169. 杉本和巳

    杉本委員 時間となりました。首里城のこともお伺いしようと思ったんですが、沖縄の独自性にも配慮いただきつつ、側面支援みたいな形でお願いできればと思います。  また、きょうは御答弁で、積極的に北方四島に行くぞという御答弁いただいたことに感謝を申し上げます。どうぞよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  170. 菊田真紀子

    菊田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十三分散会