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玉木雄一郎君 簡潔に、
総理、
お願いします。いい議論がしたいので。
私が申し上げているのは、実は、五年前の
財政検証はもう崩れています。八つのパターンがあるうちで、半分の四つは、もしそれがちゃんと働いていたら、平成二十九年、三十年そしてことしで、
厚生年金の調整は終わっているんです、これ以上減額しなくていいんです。でも、もっと減額をしていかなければいけない、実質的に
マクロ経済スライドを適用していかなければいけないということは、五年前の
前提が崩れているんです。
それと、もう
一つ言います。
実は、新しい
財政検証は出てきていませんけれ
ども、その新しい
財政検証の
前提となる
経済前提は三月に発表されているんです。御存じですか。それを見ると、五年前の
経済前提がいかに楽観的で、全部外れまくっていることが、もう既に発表されている新しい
財政検証の
経済前提で明らかになっています。
幾つか言いましょう。
前の
財政検証のときのHまでやった八つのケースで最悪のケースの実質
賃金の
伸びは〇・七%でセットされていました。今回出てくるのは〇・四です、最悪のケースは。ただ、
安倍政権の過去六年間の実質
賃金の
平均値はマイナス〇・六です。その最悪のケースにも足りていません。
私が何度も予算
委員会でも出した、いわゆる
トータル・ファクター・プロダクティビティーという、一番最初の、
経済の
成長の
前提となる全要素生産性、これは五年前には〇・五あったんですよ、最悪のケースですよ。今回、三月に発表された新しい
財政検証の
前提は、最悪のケースは〇・三にまでなっています。では、二〇一七年のこの生産性の実質値は幾らかというと、〇・三です。
そして、申し上げたいのはここからです。前回、五年前の
財政検証の最低のケース、実はこれは一番今の
経済実態に近いと思いますよ。そのケースだと何が起こるかというと、あと十七年で早くも
所得代替率五〇%に達して、更に
財政の均衡を達成しようと思ったら、更にそこからめり込んでやっていって、何と、百年どころか、三十六年後に
積立金が枯渇するということになっているんです。ですから、全然百年
安心じゃないじゃないですか。
さらに、五年前の
経済前提よりも、この三月に、もうすぐ出てくるであろう
財政検証の
経済前提は更に悪いんですよ。であれば、百年間の
年金財政の
安心なんて、誰も今確たることを言えない
状況じゃないんですか。それなのに、
総理が、百年
安心だ
安心だ、
制度の
安心だと言っているのは、そんなの何の確証もないですよ。
それで、今回の
報告書の問題ですよ。やっと出てきたのに受け取らない、なきものにする。都合の悪いことを隠蔽したり、隠したり、受け取らない、なきものにする、こういう
政権の態度が
国民の
皆さんに不安を与えて、そして、将来が不安だからもっとためなきゃいけないのかなと。消費が喚起されるどころか萎縮しているじゃないですか。
安倍政権のこうした隠蔽体質が、アベノミクス成功の一番の阻害要因になっているんじゃないですか。
今、
総理がやるべきなのは、そういった真実を、仮にそれが不都合であっても、真実をしっかり出して、
国民に、どういう
年金の姿になっているのか、将来それぞれどうなるのかということを正直に語る政治を実現することじゃないんですか、
総理。今のままでは、数字も信じられない、そしてその数字を扱っている
政府を信じられない。これでは
国民の
皆さんの将来不安は消えませんよ。
今、私
たち政治家がやるべきなのは、そういった真実に向き合いながら、不都合であっても真実に向き合って、誠実な政治を
国民の
皆さんに見せていくことではないですか。選挙が近いからといって、情報を出さなかったり、隠したり、時には改ざんしたり、こんなことでは行政への信頼は得られませんし、何より
年金制度の信頼は得られないと思いますよ。
これは極めて本質的な議論をしているんです、
総理。いや、私もしゃべらせてください。
総理、たくさんしゃべっていましたからね。
私
たちが今大事だと思うのは、家計をしっかりと重視する
経済政策に変えていくことだと思いますよ。これから米中の貿易戦争も厳しくなりますから、ある種、外需に頼れない
経済になっていく。そんな中で、しっかりと内需、とりわけ消費、家計を下支えする
経済政策が今こそ必要だと思います。
私
たちは、
国民民主党としても、家計第一の
経済政策、これをしっかり掲げて、子育てやあるいは家賃補助……