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田名部匡代君 私は、
国民民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました
平成三十一年度
予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
まず冒頭、沖縄新基地建設問題について申し上げます。
新たに見付かった広大な軟弱地盤に対する工法も工期もそして総事業費も、何ら明確に示されておりません。そして、移設後の地盤沈下への懸念も払拭もされていません。移設問題の賛否を問う県民投票では、およそ七割を占める四十三万四千二百七十三名もの人々が反対の意思を示しました。しかし、それにもかかわらず、
安倍政権は結果を一切顧みず、民意を無視して工事を強引に推し進めようとしています。
沖縄県民の
思いや願いを踏みにじる
政府の
対応は決して許されるものではありません。
防衛大臣もそして
総理大臣も、
現場に一度も行かれていないとのことでありました。
是非、
現場の実態を確認し、そして県民の皆さんの声をしっかり聞くべきではないでしょうか。
真摯に受け止めると言いつつ行動が全く伴わない姿勢は不誠実であるということを申し上げ、以下、本
予算案に反対する主な理由を申し述べます。
第一の理由は、規模、内容共に問題ばかりの消費税
対策が盛り込まれている点です。
本
予算には、消費税率引上げへの
対策として二兆円規模の臨時特別の措置が計上されており、
総理はいただいた消費税を全てお返しする規模の
対策などと述べていますが、全てお返しするのであれば、初めから増税を中止すべきです。
二千八百億円の
予算で実施するポイント還元も、高齢者や地方の小規模店舗などキャッシュレスと縁遠い
国民には恩恵がない一方、高額商品をカードで購入する高所得者は多くの還元を受けることができ、消費税の逆進性を更に強めるものです。消費税
対策との
名目で大盤振る舞いを行い、格差拡大に拍車を掛ける本
予算に賛成の余地はありません。
第二の理由は、防衛関係費を際限なく拡大している点です。
政府は、昨年、新たな防衛大綱及び中期防衛力
整備計画において、護衛艦の空母化など、専守防衛を逸脱する疑義のある内容を唐突に盛り込みました。そして、新計画の初年度となる本
予算に当初
予算として過去最大となる五・三兆円の防衛関係費を計上しております。
近年、防衛関係費は毎年度増加を続けており、
予算編成過程において聖域化しているとの批判は免れません。確かに、安全保障
環境の変化を踏まえた防衛力の
整備は必要ですが、対外有償軍事援助、いわゆるFMS契約は
安倍政権下で五倍に膨らみ、
予算は前年比で七一%増の七千億円に達しています。この防衛関係費増加の背景にトランプ大統領への配慮があることは明白です。財政事情を踏まえた
政策の
優先順位付けを欠き、国内防衛産業の競争力低下も招きかねない本
予算には断固反対です。
第三の理由は、成長率の見通しが過度に楽観的な点です。
本
予算の前提となる
政府の
名目成長率の見通しは二・四%で、エコノミストの見方である一・五%と懸け離れております。一方で、歳出削減の取組は不十分なままです。既に述べた防衛関係費の増大に加え、高齢化による増加分に収めたという社会保障関係費も、
制度改革の中身は既に決定されていたメニューばかりで、真剣に歳出の見直しを検討した様子はうかがえません。
予算審議でも、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化に向けた具体策が
総理から語られることはついにありませんでした。財政再建を大甘な成長率の見通しに依存し、財政危機を招きかねない
予算には反対するほかありません。
以上、本
予算に反対する主な理由を申し述べました。
しかし、そもそも、こうした中身の問題以前に、
議論の前提となる毎月
勤労統計のデータ問題が何ら解明されておらず、それを放置したまま終えようとする姿勢こそが大問題であります。
統計が不正にゆがめられたことにより、他の
統計や
政策への影響も考えられます。事の重要性を全く
認識されているのかいないのか、お手盛りのいいかげんな
調査でごまかし続ける
根本厚生労働大臣、そして、問題を放置し、
国民への
責任を果たそうとしない
安倍政権に対し、強く抗議をし、我々は、事実を直視した的確な
政策運営を取り戻すため、
安倍政権と対峙していくことをお誓いし、私の討論を終わります。(拍手)