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山本太郎君 常識では、自国内の基地から外国の自由出撃、認めることあり得ません。
例えば、米軍を中心とする有志連合に完膚なきまでにぶっ壊されたイラク。イラク戦争後も米軍はイラク国内に駐留。当然、米国とイラクの間にも地位協定結ばれますが、イラクは国外への攻撃禁止を明記するよう強く要求。米側も地位協定締結のためにこれに譲歩せざるを得なくなり、結果、イラク国内の基地などから他国への自由出撃は許されていない。自分たちの国の基地から外国軍の自由出撃、事実上認めることって普通じゃないってことが分かると思います。
今、事前協議が必要になるんだということだと思います。それは、おじい様がちゃんと事前協議をして日本側の
意見もちゃんとすり合わせてということを作っていただいたことだろうと思うんですけれども、残念ながら、米軍が他国への出撃を日本から行う場合でも、米軍が新たな基地を造りたいと望んだ場合でも、現在日本側がノーと言うことは難しい。それがおじい様の作られた日米安保と地位協定であると。
占領の延長のような旧安保条約、日米行政協定を対等な日米関係に変えるんだと、岸・ハーター交換公文によって事前協議制度を創設。これにより、在日米軍が装備、配置などの重要な変更を行う場合、また日本国内の基地から国境を越えて他国へ出撃するような場合は、アメリカが日本と事前に協議することになった。対等な日米関係になったよねって話です。
しかし、実際は、裏で、アメリカ側が協議したくないときは協議しなくていいとひそかに合意していた。資料の十三。安保改定交渉に先立ち、その前年、一九五七年六月二十一日に出された岸首相とアイゼンハワー大統領の
共同声明には、合衆国によるその軍隊の日本における配備及び使用について実行可能なときは、実行可能なときはいつでも協議することを含めて、
安全保障条約に関して生じる問題を
検討するために
政府間の
委員会を設置すると書かれています。事前協議をするのはアメリカ側が実行可能なときだけでいいと合意しているんですよね。
アメリカ国務省公式の歴史記録、フォーリン・リレーションズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステーツ、略してFRUS。この頭文字FRUSと打ってアクセス、その先まで検索できれば誰でもネットから今から御覧に入れる元資料にたどり着けます。対等な日米関係の象徴であったはずの事前協議制度。実は、米国が協議したくないときはしなくていい。その裏側です、資料の十四になりますね。
FRUSから一九五七年六月二十一日の記録。岸首相とダレス国務長官の交渉記録にも、その
共同声明を出す直前、事前協議の定義をめぐってこんなやり取りがあったことが書かれている。ダレス国務長官、問題は、この
共同声明の文言では、アメリカが軍を日本国内から朝鮮や台湾、グアムなどへ派兵する決定をしたとき、日本との協議が必要になるのかということなんです。岸首相、その点に関しては、実行可能な場合はいつでも協議するという言葉が入っているので問題にはなりません、というのも、そうしたケースではアメリカは協議が可能と考えないでしょうから。
つまり、他国に例を見ない自国の基地からの外国軍の自由出撃でさえ、アメリカが協議したくないときは協議なしで実行していいという話なんです。
これを裏付ける話として、資料の十五、
パネルの六になります。外務省公開文書、日米相互協力及び
安全保障条約交渉経緯、一九六〇年六月。東郷文彦外務省北米局
安全保障課長は、行政協定については一九五八年十二月十六日の
外務大臣とマッカーサー大使との会談の際も詳細討議されたが、アメリカ側は元々行政協定がそのまま存続することが新条約交渉の前提条件であり、もし行政協定の内容に立ち入って交渉するとなれば、交渉の前提が崩れる上に、一度手を触れれば二年、三年の交渉となり、条約交渉も見送るのほかなしと強調して、前途極めて困難なるを思わしめたと。アメリカ側は、元々、行政協定がそのまま存続することが新条約交渉の前提条件だという話。
資料の十六、
パネルの七になります。先ほどのFRUSから。一九五九年四月二十九日、ダレス国務長官への報告で、マッカーサー駐日大使が岸首相と藤山
外務大臣について報告。資料左側。彼ら、岸と藤山のことです、彼らの考える改定の多くは行政協定の見せかけ、アピアランスを
改善するだけのものです。資料右側。私は行政協定の実質的変更を避けるように岸と藤山に切れ目なく圧力を掛けてきたし、岸と藤山はその
見解を理解しています。岸
総理が表向きには対等な関係築くために安保条約結ぶと言っていたものの、実ははなっから、その表向きの条文は変えても、その内容、以前と変わらないということになってしまったって話です。
そして、現実に、ここでの合意は、新安保条約が調印される約二週間前、一九六〇年一月六日、資料の十七、
パネルの八ですかね、岸
内閣の藤山
外務大臣とマッカーサー駐日大使との間で、米軍の基地の使用に関しては旧安保時代の権利がそのまま引き継がれるという基地権密約になってサインされたと。
読みますね。「日本国における合衆国軍隊の使用のため、日本国
政府によって許与された
施設及び区域内での合衆国の権利は、」、ここから大事です、「一九六〇年一月十九日にワシントンで調印された協定第三条一項の改定された文言のもとで、一九五二年二月二十八日に東京で調印された協定のもとでと変わることなく続く。」。つまり、新しい地位協定、文言変わるけど、前の行政協定のまんまだからねって話なんですね。行政協定イコール地位協定だよってことです。
アメリカでは絶対にできない、絶対にできない市街地上空での米軍機の訓練飛行、小学校、幼稚園に窓枠などの危険物を落下させても、何もなかったようにすぐ訓練飛行を再開させる米軍、それに抗議できない日本、止められない日本、なぜですか。米軍機が学校、保育園の上を飛ぶたびに、運動場で遊んでいた子供たち、校舎に避難しなければならないような生活、普通ですか。アメリカ国内ではやれない訓練、なぜ米軍は日本でできるんですか。
総理、辺野古の建設に幾ら沖縄県民が反対しても日本
政府がその声を受け止められない本当の
理由、又は
総理が北方領土交渉において二十五回会談しても何一つ交渉を進展させられない本当の
理由、それ、おじい様がひそかに結んだ先ほどの基地権密約、米軍の日本国内での行動に日本側が歯止め掛けられない密約にあるんですよ。
おじい様の結んだこの密約、
根本から見直して破棄する、米軍の行動を日本がきちんとコントロールできるようにする、日本国首相として沖縄県民の民意に応えて、また軍事主権を持つ独立国の首相として堂々と北方領土交渉、返還交渉に臨む。やっていただけませんか、
総理。