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中泉松司君 御
答弁ありがとうございます。
国の目標でも、中山間地も含めて担い手への集約ということを掲げています。これ、是非
総理にもこの機会に頭に留めておいていただきたいんですけれども、二〇二三年までに全耕地面積に占める担い手への集約の割合を八割にするということを今国では目標にしております、まあ御存じだと思いますけれども。
先ほど申し上げたように、いわゆる中山間地域は
全国で四〇・六%、四〇%ちょっとあります。二〇二三年までに八割の集約をする、集積を図っていくということであれば、少なくともその残りの六割の部分を一〇〇%集積、集約できたとしても、その中山間地と言われるところの、少なくとも四〇%の半分以上は集約をしていかなければ、これ物理的に
考えても目標が達成できないということになります。
けれども、その中にあって、今
全国を回っていても、
地元を走っていても思いますけれども、そしてまた関係者から
お話を聞いても、平野部であれば、条件がいいところであれば幾らでも借り手は付くという話も聞きますが、一方で、なかなか条件が厳しいところは借り手が付かないんだよねという
お話も
伺います。
そういった意味で、事前に農水省に問い合わせましたけれども、いわゆる中山間地というのがどこからどこまで中山間地なのかというのはなかなか線引きが難しいということで、それは私も
理解をいたしますけれども、だから中山間地としてどのぐらいの集積が図られているかというのは数値では示すことはできない、これも
理解はしますが、少なくともなかなか厳しい現状であるということだけは間違いないと思いますので、先ほど申し上げられたような様々な
取組を通じて、しっかりとその目標に少しでも近づくことができるように
取組を進めていく必要があると思いますので、よろしく
お願いをいたします。
それでは、ここから
総理にお
伺いをいたします。
このように、今時間の関係で、これ挙げたら切りがありませんので、
医療のこと、農政のことに関して、地方の実情も踏まえて御
質問をさせていただいたところでありますけれども、
人口減少に伴って出てくる
課題というものは大変多くありまして、間違いなくこれは我が国にとって大きな
課題になるものだと思います。
農政や
医療、それと一緒に
人口減少問題ということではなくて、
人口減少という大きな下地がある中で様々な問題が出てきているというのが
考え方として持つべき視点なのではないかと私は思っています。
「
世界がもし一〇〇人の村だったら」という本、御存じでしょうか。うなずいていただいてありがとうございます。二〇〇一年に
日本でも本になっていますけれども、アメリカのとある学者が
世界の六十三億人を最初は千人に縮尺をして、千人のうちこういうパーセンテージだという話をして、それがインターネットを通じていろんな人の手が加わって、最終的に百人だったらという話になっているものです。
世界がもし百人の村だったら、男性は四十八人、女性は五十二人、
世界がもし百人の村だったら、三十人が
子供で七十人が大人、そのうちの七人がお年寄りですといった具合で、私も初めてこれ大学生かそのぐらいに読んだんですけれども、分かりやすいなというふうに思った記憶があります。
私の
地元秋田県は、昭和三十一年が
人口のピークでありまして、昭和三十一年、百三十五万人いました。おととしの四月、二〇一七年の四月に百万人を切り、現在は九十八万人を切って九十七万人台に突入しています。県の単純な試算を見ますと、二〇四〇年には七十万人になると言われています。
先ほどの例に合わせて、
秋田がもし百人の村だったら、
子供は十五人しかいなくて八十五人が大人で、そのうちの二十人が老人だということを今言いたいのではありません。
秋田がもし百人の村だったら、その百人が今九十八人になって、これから二十一年掛けて七十人になるんです。百人の村が七十人になったときに百人分の農作物を作っていれば、三十人分余ります。米なんかに例えてしまうと、米は元々百十人分ぐらい作っていますので、そういった意味では、それを減らしてきつつあるという努力をしているんですが、食べる量が減っているということではなくて、食べる人がこれから減ってきます。
これは
秋田だけではなくて、長い目で見ると、いずれ
日本でも同じことになります。
日本がもし百人の村だったら、それが七十人になったら。先ほどの作物でいえば、じゃ、三十人分作るのをやめるか、それとも野菜など七十人分にも足りない食物を作るのか
考えなければいけませんし、その三十人分消
費者を確保するために、ほかの村に売ることだってできます。これが輸出です。
今四千万人を目指して、ついに三千百十九万人まで来た外国人観光客、これも一時的にではありますけれども、村に入ることになります。村の食べ物を食べて村で消費をしてもらいます。村人が増えたことと同じようなことになります。外国人労働力だって観光客より長くいますけれども、永続的ではありませんけれども、同じように消費をしてくれます。
そもそも七十人の村で百人分の生産性を維持向上するのであれば、その三十人分ほかの村から人を借りるのか、それとも今以上に機械に頼っていくのか、そういったことを
考えていかなければいけません。
全てをこれで例えられるわけではありませんけれども、
人口減少が進むと言われる
秋田に暮らしていて、そしていろんな人と話をしていて、
人口減少に向き合うということはこういうことなんだろうと私は思います。
人口減少は全ての
課題につながっていて、農業、
医療のみならず外国人観光客、労働力の増やそれに伴う生産性の向上、それぞれの
政策という
考え方ではなくて、総合的に
人口減少社会に向き合っていくべきではないかと
考えますけれども、
総理の御見解をお
伺いいたします。