○浅田均君 技術的な問題とおっしゃいますけれども、私は統計に関する初学者といいますか、デビュタント、ビギナーで、先生のような大家を前にこういう
質問するのは気恥ずかしい思いもあるんですが、資料一を
皆さんと見ていきたいと思います。
これ、標準誤差とサンプル数の関係であります。SEというのはスタンダードエラー、標準誤差ですね。で、nがサンプル数、SDというのは、これ、標準偏差です。つまり、何が分かるかといいますと、例えばサンプル数が二十五の場合よりもサンプル数が百の場合、二十五の、ルート二十五というのは五です、それから百の、ルート百というのは十です、だから、サンプル数を二十五から百にすると誤差率は二分の一になると。つまり、誤差の範囲が小さくなるということであります。
〔理事
二之湯武史君退席、
委員長着席〕
皆さん方、ここにおられる
皆さん方は選挙に何かすごく関心がおありだと思いますけれども、政党の支持率とかそれから当選の確率とかというのを速報で出すわけですけれども、あれは何でそんな少ないサンプル数で分かるのかというのは、こういうことをベースにやっているわけですね。
資料二を御覧いただきたいんですが、全数調査を抽出調査にする場合、まず標準誤差率というのを設定します。東京都の場合は、全数調査を三分の一にしていると。だから、分母のところがルート三分の一の平方根、これは〇・五七になります。とすると、そのスタンダードエラー、標準誤差というのは一・七五倍になります。つまり、誤差の割合が大きくなると。だから、全数調査でやると誤差は出ませんけれども、三分の一にすると一・七五倍誤差が出てしまうということになります。それと同時に、三分の一にしておりますから、正確な数字を得るためにはこの復元作業が必要であると。この復元作業というのは、何年間はやっていなかったけれども、ある時点からは復元作業を、復元しております。だから、一番問題になるのはこの標準誤差率ですね。
私、この毎勤統計のやり方についていろいろ厚労省の方からお話を聞きました。それで、資料三に付けておりますように、「産業、規模別標準誤差率(きまって支給する給与)」というところに、どの場合は標準誤差率を何ぼにするという数字がこれ全部書いてあるんですね。例えば、後でお話ししますけれども、国税庁の調査なんかでも、三百五十万全国に事業所があって、サンプル数は二万七千ぐらいです。一%以下の実際調査しかしないわけですね。毎勤統計でも、雇用労働者というのは五千八百万人いるとされております。五千八百万人全員を調べると正確な数字が出てくるんですけれども、なかなか費用とか手間暇の関係でそういうわけ、全数調査をやるわけにはいかない。だから、サンプル調査ということになるわけです。
サンプル調査ということに関して理解を共有していただきたいのは、このサンプル、例えば三百五十万から二万七千を選ぶ選び方というのはむちゃくちゃあるわけですね。Cの三百五十万の二万七千という計算をしていただいたら、例えば何十億通り出てくると思います。で、その何十億通りの結果はこういうふうに分布しますよというのが正規分布という考え方です。これは、その次の資料ですね、正規分布っていうのが、正規分布、四です。だから、これだけの集団の賃金の平均はこれだけで、どれだけばらついていて、標準偏差二以内に九五%が収まると、一以内だと六七%が収まると、そういうふうな手法を使ってこの統計というのはやるわけですね。
それで、さっき申し上げましたように、毎月勤労統計でもこのスタンダードエラーというのを決めて標本抽出をやっているということでございます。それで、別に
樋口先生を責めるわけではないんですが、その場で確認されなかったというのは僕はちょっとなぜかなと。経緯のみを聞いて、その技術的なことに関しては聞くマンデートがなかったというお答えなので、そのとおりなのかもしれませんけれども、私がその場におったら、全数調査やって抽出調査に変えると、その際誤差をどの範囲に設定するかというのは一番重要なことですから絶対聞いたと思うんですが、聞かれていないというのはちょっと意外な気がいたしました。
この後、まだ統計に関する
質問をやっていきたいので、
樋口先生におかれましては、私のする
質問はとんちんかんなものであるとか、正確なものであるとか、一々コメントをいただけたら非常に有り難いと思うんですけれども、そういう要求を
委員長にしたところで、後刻理事会で協議ということになって、何をあほなことを言う、またルールを守れというお声が聞こえてきそうですので、まあ、せめて、あんたの言っていることはそのとおりやというところは深くうなずいていただくとか、あるいは首を横に振っていただくとかしていただけると有り難いんですけれども、こういうことをもう言うと、また先生の身上に関わることですので、何かウインクとかあったらいいんですけど、以上が、十二分たってしもうたな、済みません。
それでは、いやいや、僕ね、先生、五時三十分やということで、あと三十分しかないでしょう。だから、三浦先生はもう最大限配慮して、ちょっとこいつ焦っておるやろなということで早く、ありがとうございます、やめていただいたんだと思います。石橋先生は昨日前段をやっていただきましたので、これも感謝いたしております。
それで、
質問に戻ります。
これ、本来考えていた一番目の
質問でございます。今回、統計不正、言われていますけど、これ、厚労省は罪は重いと思います。
大臣おられますけれども、まず直接の被害者がいるということです、一千九百万人、被害額が五百七十億円。第二に、日本の統計に対する信頼性を著しく損ねたという思いがします。
それで、まず
質問したいことは、承認を受けた基幹統計調査を変更しようとするときは、
総務大臣の承認を受けなければならない、これ統計法十一条です。ところが、やっていない。二番目が、基幹統計の作成に従事する者で基幹統計をして真実に反するものたらしめる
行為をした者、この方には六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する、これ統計法六十条の二にそう書かれてあります。調査内容を勝手に変更していると、しかも総務省に対しては言わば虚偽申請をしているわけですね。
石田
大臣、
総務大臣にお伺いします。これ、とんでもないことをやっておる厚労省を告訴あるいは告発されるつもりはありませんか。