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北村経夫君 ありがとうございました。
次に、隣接する
現実の脅威というものについて御
質問したいと思います。
今日は冒頭から
防衛について
質問しておりますけれども、これは
我が国の主権を侵す可能性が極めて高い脅威が巨大化しているからであります。
アメリカの戦略文書あるいはペンス副大統領の演説を引き合いに出すまでもなく、
我が国の
安全保障にとって目下最大の脅威というのは、率直に申し上げて、私は
中国なんだろうというふうに思っております。
近年の
中国は、人民解放軍に海外権益の確保を求めているため、その軍拡は同国の領土の外で進んでおります。例えば、一万人体制の海兵隊の規模を来年、二〇二〇年までに三倍に拡大する。海洋分野の軍拡が急激に進められているわけであります。また、宇宙、サイバー、その重要性も強調しております。
総理は、昨年、七年ぶりとなります単独訪中をされました。
習近平主席との日中首脳会談が実現したわけでありますけれども、この十月二十六日、
習近平主席は午前中どこにいたかでありますけれども、あの南方を視察いたしまして、あらゆる事態に備えよと人民解放軍に号令を出しております。そして、その南方から帰って、
安倍総理との首脳会談に臨まれたわけであります。次の日の
中国のメディア、大きく掲げていたのは、日中首脳の雪解けではなく、この南方での習近平の発言、これが大きく取り上げられているわけであります。
つい先日でありますけれども、香港経済日報という新聞、これがスクープした
習近平主席の言葉がございます。これは二十一文字の漢字で書いたものであるわけでありますけれども、その内容は、対抗せず、冷戦を戦わず、歩みに即して開放し、
国家の核心的利益は譲らずと書いてあります。これは、
米中対立が激化する中で、
中国は戦略的後退をするというふうな戦略がここに描かれているんだろうというふうに理解されているわけでありますけれども、こういうこともありまして、やはり我々は、そう簡単に、日中友好というものを進めていく、それだけである、その裏にどういうことがあるかということも認識しておかなければならないと、そのように思っております。
こうした
情勢であるにもかかわらず、新たな
大綱では、北朝鮮を重大かつ差し迫った脅威と、そう呼んでおりますけれども、
中国については
安全保障上の強い懸念と表現しているわけであります。北朝鮮は脅威で
中国は懸念ということであります。そのことを私は、やはり
中国も脅威である、両方脅威であるというふうに書き込むべきであったというふうに思っているわけでありますけれども、この資料二を御覧いただきたいと思います。
この資料にありますように、
中国海軍の艦艇、航空戦力、これは
我が国周辺区域における行動を一方的にエスカレートをしております。空母、二隻目の空母、これは純国産になりますけれども、今試験航行中でありまして、三隻目も進水を予定しております。
そうした中で、昨日は
中国全人代で今年の
予算を明らかにいたしました。その中で、経済が低迷している
中国経済でありますけれども、国防費、これは前年比七・五%増ということになって、
日本円にしまして十九兆円という巨額な額になっているわけでございます。これは
世界第二位の軍事費ということ、国防費ということになるわけでありますけれども、同時に、
習近平主席は
世界の一流軍隊になると。これは建国、二〇四九年までにそういうことを目指すということを公言しているわけでありますけれども、こういった
中国の脅威というものがある。その脅威に対してどういう認識を持っていらっしゃるか、
防衛大臣、御見解を伺います。