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山下雄平君 是非とも、
安倍総理、
河野大臣、岩屋
大臣、連携してこの北朝鮮の問題に当たっていただければというふうに思っております。
では、当初から予定していた質問に移らせていただきたいというふうに思っております。
私は、昨年十月まで
内閣府の政務官として
政府の
防災、災害担当をしておりました。私の任にあったこの一年二か月の間に、北海道胆振東部地震、先ほど
長谷川理事がお触れになった地震もありましたし、大阪府北部の地震もありました。また、台風も何度も上陸いたしましたし、そして何より、二百人以上の方が亡くなられました
平成最悪の水害、西日本豪雨が起きてしまいました。
この西日本豪雨が発生したのは、私の地元のお隣の、原田
環境大臣の御地元の九州北部豪雨のちょうど一年後に発生をいたしました。私は政務官として、雨が降り始めていた段階で当時の小此木
防災大臣とともに関係省庁
会議に臨んで、その場で小此木
大臣から、少しでも危険だと感じれば自発的に避難するように心掛けてほしいというふうに呼びかけておりました。しかし、残念ながら、結果的に大きな被害が出てしまいました。私の地元佐賀県でも二人の方が亡くなられました。
私は政務官として、
安倍総理とともに被害が大きかった愛媛県に
調査団として入らせていただきました。被災された地域を
安倍総理とともに歩かせていただきましたが、二階建ての建物の家の屋根の上まで浸水してしまうというようなところもあって、本当にもう言葉を失って、住民の皆さんに私は何と声を掛けていいか正直分からなくなりました。
自宅が壊滅的にやられてしまった女性の方が、現地で
安倍総理に対してこうおっしゃいました。どう被災証明を申請すればいいか分からなかったので、壊滅的に家は被害に遭っていらっしゃるんですけれども、半壊で自分は出してしまいました、大丈夫でしょうかと、何とか家を建て直せるように
お願いしますというふうに
安倍総理に対して声を震わせて話されておりました。
安倍総理もその方に、大丈夫ですよと、必ず地元の自治体の人が来て
調査されるのでという話をされておりました。
安倍総理も、その後、半壊を全壊で申請してくるという例は聞いたことあるけれども逆は初めて聞いたというふうなことをおっしゃっておられました。そのやり取りをお聞きになられた地元の中村知事は、こうおっしゃっておられました。愛媛県の方というのは非常に奥ゆかしい人が多いんです、だからこそ何とか助けたいんですと、力になりたいんですというふうに
安倍総理にお話しになられたのを今でも私も記憶しております。
調査団で伺ったときには、まだ
防災大臣になられる前の
山本順三先生も御同行いただきました。順三先生の引きつった顔を見て、本当に地元選出の議員として、我々以上に本当に厳しい、本当につらい現実に突き付けられているんだなということを表情を見て感じられました。何とかしなければならないと葛藤されていたんだというふうに思っております。まさに、その後、
防災大臣になって必死に頑張っておられるというのは、あのときの大水害の経験が原動力の一つになっているのではなかろうかというふうに思っております。
私たち政治家というのは、全てを解決できるわけではありません。時には私も自分の無力さが嫌になることもありますけれども、やはり現場に足を運んで伺った意見、そしてそのときに感じた自分の気持ちを忘れずに、一歩でも半歩でもこの事態を改善しなければならないと努力することが求められているのではないかというふうに思っております。
今日は、自分の
防災政務官としての経験、そして自分ができなかった反省を込めて質問をさせていただきたいと思っておりますけれども、特に台風や大雨などあらかじめある程度予期できる災害に関して、そしてその災害に関しての、重度の障害者であったり寝たきりの高齢者であったり要
支援者、しかも在宅でいらっしゃる要
支援者の方の避難の問題について取り上げたいというふうに思っております。
台風や大雨が近づく場合は、国は、私たちもそうでしたけれども、自治体に対して、空振りを恐れずに避難情報を出してくださいというふうに呼びかけております。また、住民の皆さんに対しては早め早めの行動を促しております。しかし、私が先ほど取り上げたような、重度の障害者であったり寝たきりの高齢者であったり難病の方であったり、そういった方の中には、では、どこに逃げればいいんだろうかということで、どうやって逃げればいいんだろうかということで、不安に感じていらっしゃる方がおられます。これは一体どういうことなんでしょうか。パネルを是非御覧いただければというふうに思っております。(資料提示)
今の災害の避難の仕組みでは、大雨被害であったり土砂崩れが起きそうなときは、まず、このパネルでいうと、私から見てどっちだろう、こっちですね、指定緊急避難場所というところにまずは逃げていただくことになります。これは、命をまずは守るために、緊急に頑丈な建物に、安全な場所に一時的に避難してもらうという場所であります。その後、実際に災害が起きてしまった場合、その災害の危険がなくなるまで一定期間滞在することを想定した、今度は逆側の方の指定避難所というところに身を寄せることになります。避難所は、避難場所と違って一定期間そこに住むことを想定しておりますので、その体制も整えなければなりません。なので、自治体は災害が発生した後などに開設することが一般的です。
ただ、寝たきりの高齢者であったり重度の障害者などは、一般的な避難所で
生活するというのには支障を来すということもあるので、この避難所の中の一部ですけれども、介護施設などが受入れ体制をつくった場所、福祉避難所というものに指定して、そこに避難して住んでもらおう、一時身を寄せてもらおうということになっております。これは、例えば人工呼吸器などを装着している人の電源を始め、そうした設備であったり介護の人材であったり、そういうところがなければ避難
生活を送れないから福祉避難所というものが設けられることになっております。
ただ、この福祉避難所というのは、そうした、申し上げたような受入れ体制であったり、施設そのものにその避難者を受け入れる体制があるかどうか、余裕があるかどうかということを確認しなければならないために、実際には福祉避難所が開設されるというのは災害が発生した後ということになります。
ということは、災害が起きる前に、台風や大雨が近づいていますよというふうな段階では、例えば重度の障害者であったり寝たきりの高齢者であったとしても、こうした福祉避難所にいきなり行くということはできないような仕組みになっております。まずはこちら側の指定緊急避難場所というところで、まずは災害が起きづらいところに逃げてもらって、実際災害が起きたときに福祉避難所が開設されて、その違うところに移るというようなことが今の避難の仕組みになっております。
ただ、中には、この避難場所と福祉避難所を同じにしていらっしゃるところもあります。本当はこれ質問で聞こうと思っていたんですけれども、時間がないので自分でしゃべりますけれども、三割未満です。福祉避難所が避難場所になっているところというのは三割弱です。つまり、七割以上は福祉避難所が避難場所になっていないということになります。つまり、早めに逃げてください、早めに逃げてくださいと言っても、重度の障害者であったり寝たきりの高齢者であったとしても、学校とか堅牢な建物のところにまずは一回逃げて、大雨災害が起きたときに福祉避難所に移るという仕組みになっております。
しかし、西日本豪雨の例を取り上げるだけでも、そんな中で、人の手を借りなければ動けない人が大雨の中に動けるだろうかということを考えると、やはり多くの人からすると、非常にこのまどろっこしいシステムは何なんだということをおっしゃる方がたくさんいますし、もっと言えば、呼びかけられても、自治体から呼びかけられても安心して逃げられる場所が今はないんですということを、本当に切実な声を私におっしゃる方もいらっしゃいます。であるならば、中には病院に緊急避難的に逃げられないのかという話をされる方もいらっしゃいます。人工呼吸器を付けていらっしゃる方は電源があったりそのケアとかも必要なので、病院という施設が一番それには適しているのではなかろうかという話をされる人がいらっしゃいます。
では、災害が起きそうな場合に、この要
支援者という方は避難のために医療保険を利用して病院に入院することは可能なんでしょうか。若しくは、医療保険を使わないまでも別の財布から
支援を受けて、事後でもいいんですけど、
支援を受けて病院に入院するということはできるんでしょうか。厚生労働省にお伺いします。