○森ゆうこ君 私は、
国民民主党・新緑風会を代表し、ただいま
議題となりました
農地中間管理事業の推進に関する
法律等の一部を
改正する
法律案に対し、反対の立場から討論いたします。
今、
日本の政治はこれまでにない危機に瀕しています。
丸山穂高
衆議院議員が、
我が国固有の領土である北方領土返還のために苦難の道を歩みながら運動を続けてこられた元島民で訪問団長の戦争を断固として否定する声に耳も貸さず、ロシアと戦争で取り返すのは賛成か反対か、戦争をしないとどうしようもなくないですかなどの
発言を繰り返して、
日本維新の会を除名されました。
国民の代表として選ばれた国
会議員がこのような
発言をすることは、戦争を放棄し、平和国家として確固たる地位を築こうとしてきた先人たちの血のにじむような努力を踏みにじり、
日本国民の代表の中に戦争で問題を解決しようとする勢力がいるとの疑念を国際社会に喚起させ、国益を著しく損なうものであり、断じて許すことはできません。
また、これまでの日韓友好の努力を振出しに戻すような韓国側の言動を受け、韓国との国交断絶を声高に叫ぶ
与党議員もいると報道されています。
しかし、政治の最大の
失敗は、戦争で
国民に塗炭の
苦しみを味わわせることであります。平和を構築するために外交があり、
日本の平和と独立を守るために、自衛隊の
皆さんは昼夜を分かたず献身的に職務を遂行しています。本来、一番冷静であるべき政治家が率先して憎悪をあおり立てて、一体どうするのでしょうか。
我が郷土新潟県の英雄田中角栄元
総理が、戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない、平和について議論する必要もない、だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ないと、自民党新人議員に教え諭したと言われています。
平和を希求することの尊さをいま一度かみしめなければならない、私は
皆さんに呼びかけたいと思います。
討論に入ります。
農地中間
管理機構、いわゆる農地バンクは、もうかる農業を掲げて
企業の農業参入を推進してきた
安倍政権が最初に手掛けた農政改革であり、
産業競争力
会議や規制改革推進
会議などが現場を無視して推し進める官邸農政の象徴的存在です。
制度創設から五年たってみると、当初から懸念されたとおり、機構だけでは十分に機能せず、結局は、
市町村、農業委員会、農協、土地改良区などの関与がないと農業集積は進まないことが明白となり、この
改正案が
提出されたのだと思います。
官邸農政に押し潰されながら、必死に
地域で農業、農村を守ってきた人々の声を代弁します。だから言ったじゃないか。
政府は農地の集積が進んだと言いますが、
平成二十九年度末における機構の累積転貸面積はたかだか十八万五千ヘクタール、このうち新規集積分といえば、僅か七万ヘクタールです。この七万ヘクタールも、現場が汗をかいたおかげです。機構は必要なかったのではありませんか。また、稲作などの土地利用型の農業は、
利益を求める
企業にとってさして魅力がなく、思ったように
企業参入が進んでいないのが
現状です。機構関連でこれまで一千億円を超える巨額の国費が投入されており、全く税金の無駄遣いです。
今だけ、金だけ、自分だけ、
安倍総理のお友達だけ。農村を守るどころか破壊している官邸農政を、
政府はまず深く反省するところから始めるべきであります。
機構はその
役割を果たしていません。条件不利
地域など、集積、集約化の難しい農地について、機構が一旦預かり、担い手を探して渡すことが期待されていますが、
現状、全くできていません。
改正案でも
手続の改善は盛り込まれていますが、中山間
地域など集積が困難なところ、さらには、耕作放棄地をどうしていくのかという解決策が全くありません。
また、
企業の参入促進の障害になるという
理由で
法律制定時には排除された農業委員会が
改正案で明確に位置付けられることはよいのですが、一方、
政府の
目標どおり農地集積が進まないとき、農業委員会が責任を押し付けられることにならないか、また、農協などになし崩し的に、本来機構が担うべき
業務が押し付けられるのではないかと懸念されます。人・農地プランの実質化をうたうのであれば、関係機関の
連携体制の構築を含め、
政府が責任を持つべきです。
さらには、米価が下落した場合に、地代の未収問題の頻発、農地の出し手への地代の支払や契約の更新など、今後、
業務量の増大に機構が耐えられるのかという構造的問題が残されています。機構の仕組みの
簡素化は果たして十分なのか、懸念が拭えません。
そもそも
政府は、食料安全保障、自給率の向上、国土保全を実現するために、守るべき農地を明確にすべきです。食料・農業・農村基本
計画策定の際、二〇二五年時点で確保される農地面積を四百四十万ヘクタールと示しており、これを
政策にきちんと位置付け、
施策の基本とすべきであります。
集約化、効率化だけでは農業、農村は守れません。兼業農家、家族
経営、小農、帰農など、多様な農業が営まれるように
支援を行うべきであると改めて強く訴えます。
官邸農政は、農協、農業委員会を弱体し、種子法を廃止するなど、
地方自治体が
地域の農業資源を守ろうとする自主的な
取組を全て壊してきましたが、矛盾が噴出し、今回、
地域の現場の声を受けてこの
改正案が出てきました。
国民民主党は、戸別
所得補償
制度、多面的機能支払交付金など、直接支払を抜本的に充実させるべきであると訴えます。野党は共同で戸別
所得補償
制度復活
法案を
提出しました。主要先進国でも、こうした農家への直接支払等で食料生産への国の責任と高い自給率を維持しています。
安倍政権に潰されましたが、戸別
所得補償
制度導入後、農
業所得は回復傾向となり、
後継者の増加や農地の集積、規模
拡大に貢献するなど、先が見通せるようになり、農村は活気を取り戻していました。農業、農村、農地を守る、この守りをしっかり固めた上で初めて輸出やもうかる農業を推進する
施策を提案するのが筋であります。
TPP11と日EU・EPAが発効しました。EUからの農水産品の輸入額は、
日本からの輸出額の約三十倍であります。さらに、TPPから離脱をした米国が、
日本市場における一人負け状態を挽回すべく、強硬に農水産物の関税引下げを狙っています。
安倍総理は、夏の
参議院選挙に影響が出ないように日米FTA交渉の妥結を先延ばししたと報道されています。しかし、現在熾烈さを増している
米中貿易戦争を見れば、トランプ大統領の強力な
要求から果たして
日本の農業を守ることができるのでしょうか。厳しい二国間交渉ではなく、勝手に離脱したTPPに戻ってくることをもっと強く提案してはいかがでしょうか。せっかく、TPP断固反対、うそつかない、自民党というポスターを選挙で貼り出し、
国民を欺いてまで強行したTPP、利用しない手はありません。
今、
安倍政権の矛盾とうそは隠しようがないところまで来ています。
安倍総理が悪夢だったと言う民主党政権では、宮崎県で発生した口蹄疫を四か月で終息させました。しかるに、
安倍政権は、昨年九月に発生した
豚コレラは、十か月目に入ろうとする現在でも終息が見通せない状態です。
安倍政権こそが悪夢じゃないんですか。
アベノミクスは
失敗でした。異常な
金融緩和を六年も続け、
金融機関を崖っ縁に追い込んだにもかかわらず、物価
目標二%を達成することもできず、実質賃金は更に下落し、とうとう
景気動向指数の
基調判断が六年二か月
ぶりに
悪化に転じました。
安倍総理は、
消費税増税再々延期を争点にして、
衆議院を解散し、衆参同日選挙に持ち込もうとしていると報じられていますが、わざわざ争点にするまでもなく、この
景気は
消費税を増税できるわけがありません。
本当は
生活が良くなっていないのに、
安倍政権の代わりはいないという悪い催眠術から人々を解き放ち、
国民を豊かにする政治を実現するために……