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小川敏夫君 まあ、それのみを
理由としているんじゃないというんだから、それも
理由になっているわけですね、要するに。
常に
事件の複雑化云々かんぬん言う。
事件の増大って余り言わないんですよね。
事件は減っているんです。民事通常第一審、いわゆる地方
裁判所の
民事事件、
平成二十一年は二十一万四千五百十二、
平成三十年は十三万八千六百八十一です。
事件は激減しているんです。
それから、
事件が複雑化するということでした。いただいた
資料を見ました。複雑困難な
事件が増えたという表の中で、見ましたら、交通損害賠償というのがあって、複雑困難な
事件が七千件
増加したというけれども、その七千件の
増加は交通損害賠償
事件がほとんど全部なんですよね。まあ交通損害賠償
事件がそもそも複雑な
事件かというと、私ぴんとこないんですがね。
ただ、じゃ、なぜこの交通損害賠償
事件がこんなに増えたのといいますと、交通事故、例えば死者は昔は一万人で大変な騒ぎだったけど、毎年毎年交通事故の死者が減っている、重大な交通事故減っているんですよね。だけど、この交通事故の賠償の
裁判だけ増えていると。これは、損害賠償で
弁護士費用を付保するという保険が始まって広がったから、簡単に
弁護士を付けて
裁判を起こすようになったからという
事情だと思うんで、少なくとも、交通損害賠償
事件が七千件増えたからそれを複雑困難な
事件に入れてしまって、複雑困難な
事件が七千件増えたよと言うのは少し
理由としては軽いんじゃないかと、
理由付けとしてはおかしいんじゃないかということを
指摘させていただきます。
私の方で、じゃ、複雑困難な
事件が増えたかどうかということを別の角度から見て、それじゃ、地方
裁判所の
民事事件で複雑困難な
事件なら多分証人調べも多いでしょうと、増えたんでしょうということで、証人調べの
人数を調べていただきました。
平成二十一年は二万三千七百五十五件、
平成三十年は一万九千九百八十六件。つまり、実際に民事
裁判で証人調べをする
事件を複雑困難という物差しで測りますと、やっぱり大幅に
減少しているんです。これは毎年そういう傾向で来ている。
にもかかわらず、
平成二十四年から
事件が増えましたよ、困難化しましたよと言ってこうやって
判事を
増員しているんだけれども、少なくとも、
事件の困難化、
事件の増大ということは、あっ、
事件の増大は言っていないんだね、そもそも増えているからね、
事件の複雑困難化というのは
理由にならないんじゃないかと私は
指摘させていただきます。
あるいは、例えば、刑事
事件の数もこのところ減っているし、少年
事件はかなり劇的に
事件数も減っています。まあ少子化ということもあるでしょうけれども、
事件数は減っていると。
それで、
裁判所からいただいた
資料で増えているものとして、家事
事件で増えていると、すごい
増加の
資料をいただきました。審
判事件が増えていると。確かに審
判事件が増えているけれども、じゃ、どういう審
判事件が増えているの。この審
判事件の中には、後見人の選任もあるでしょうけれども、それから後見人を監督するという、それも一件の審
判事件です。それから、もっと単純なのは後見人の報酬を決める
手続、これも報酬を決めるということだけで一件の
手続です。それからもう
一つ、後見人じゃないけれども、今増えているのは相続放棄。相続人が家庭
裁判所に出向いていって、私は相続放棄しますと言うと、それを
裁判所が聞いて相続放棄にするという、その相続放棄の申入れというのがある、これも
一つの審
判事件ですよね。
審
判事件が家庭
裁判所で大幅に増えたよ増えたよと言うけれども、その増えたのが私が今お話しした四つじゃないですか。いかがでしょうか。