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2019-03-12 第198回国会 参議院 文教科学委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三十一年三月十二日(火曜日) 午前十時開会 ─────────────
委員
の
異動
二月七日
辞任
補欠選任
青山
繁晴
君
橋本
聖子
君
小野田紀美
君
片山さつき
君 こやり
隆史
君
大野
泰正
君 二月八日
辞任
補欠選任
片山さつき
君
小野田紀美
君 三月六日
辞任
補欠選任
今井絵理子
君
石井
準一
君
小野田紀美
君
三原じゅん子
君
大野
泰正
君
高橋
克法
君 三月七日
辞任
補欠選任
石井
準一
君
今井絵理子
君
高橋
克法
君
大野
泰正
君
三原じゅん子
君
小野田紀美
君 三月十一日
辞任
補欠選任
大島九州男
君
柳田
稔君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
上野
通子
君 理 事
石井
浩郎
君
江島
潔君
神本美恵子
君
吉良よし子
君 委 員
赤池
誠章
君
今井絵理子
君 衛藤 晟一君
小野田紀美
君
橋本
聖子
君 水落 敏栄君 伊藤 孝恵君
柳田
稔君
山本
太郎君
新妻
秀規
君 浜田 昌良君
高木かおり
君
松沢
成文君
国務大臣
文部科学大臣
柴山
昌彦
君 副
大臣
文部科学
副
大臣
永岡
桂子
君
大臣政務官
文部科学大臣政
務官
中村 裕之君
文部科学大臣政
務官
白須賀貴樹
君
事務局側
常任委員会専門
員 戸田 浩史君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
教育
、
文化
、
スポーツ
、
学術
及び
科学技術
に関 する
調査
(
文教科学行政
の
基本施策
に関する件) (
平成
三十一年度
文部科学省関係予算
に関する 件) (
派遣委員
の
報告
) ─────────────
上野通子
1
○
委員長
(
上野通子
君) ただいまから
文教科学委員会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 昨日までに、
青山繁晴
さん、こやり
隆史
さん及び
大島九州男
さんが
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
橋本聖子
さん、
大野泰正
さん及び
柳田稔
さんが選任されました。 ─────────────
上野通子
2
○
委員長
(
上野通子
君)
教育
、
文化
、
スポーツ
、
学術
及び
科学技術
に関する
調査
を議題といたします。 まず、
文教科学行政
の
基本施策
について、
柴山文部科学大臣
から
所信
を聴取いたします。
柴山文部科学大臣
。
柴山昌彦
3
○
国務大臣
(
柴山昌彦
君) 第百九十八回
国会
において各般の
課題
を御審議いただくに当たり、私の
所信
を申し上げます。 まず、千葉県野田市の
児童虐待
が疑われる
事案
において、小学四年生の女の子が亡くなったことは誠に痛ましく、あってはならないことです。このような悲劇が二度と繰り返されることのないよう、緊急に本
事案
の
課題
の検証と
再発防止策
の
検討
を行うとともに、今回のような虐待が疑われる
事案
についての
緊急点検
を
実施
し、
厚生労働省等
の
関係
府省庁と緊密な
連携
を図りながら、
児童虐待
の
防止
にしっかり取り組んでまいります。 現在、
安倍内閣
においては、人生百年
時代
や
ソサエティー
五・〇の到来を見据えた
経済社会
を大胆に構想する中で、一億総活躍の旗を更に高く掲げ、日本を誰にでもチャンスがあふれる国へと変えていくため、
内閣一丸
となって
人づくり革命
を断行し、
生産性革命
を
実現
することを最大の使命としています。
文部科学省
が担う
教育再生
、
科学技術イノベーション
、
スポーツ
、
文化
の
振興
は、
人づくり革命
や
生産性革命
において
中核
を担うものです。 こうした
基本認識
の下、何よりもまず、
家庭
の
経済事情
に左右されることなく、誰もが希望する質の高い
教育
を受けられるよう、
幼児期
から
高等教育段階
までの
切れ目
のない形での
教育
の
無償化
、
負担軽減
の
施策
の
具体化
に向けた
検討
を進めてきたところです。
幼児教育
については、今年十月から全面的な
無償化措置
を
実施
することとし、これまで段階的に
推進
してきた
取組
を一気に加速させます。
高等教育
については、二〇二〇年度から、低
所得者世帯
の者であっても、
社会
で自立し、活躍することができる
人材
を
育成
する
大学等
に修学することができるよう、その
経済的負担
を軽減することにより、
我が国
における急速な少子化の進展への対処に寄与するため、真に
支援
が必要な低
所得者世帯
に対して
授業料
及び
入学金
の減免と
給付型奨学金
の支給を行います。 さらに、二〇二〇年度から年収五百九十万円
未満世帯
を対象とした
私立高等学校授業料
の
実質無償化
を
実現
します。また、
高校生等
の
奨学給付金
の
充実
にも取り組みます。
少子高齢化
や
グローバル化
が進展する
社会
において、
ソサエティー
五・〇に向けた
人材育成
や
イノベーション創出
の
基盤
となる
大学等
の
改革
が急務です。
高等教育
の
無償化
、
負担軽減
の
実施
に当たっては、
高等教育
の質の
向上
及び
教育研究基盤
の
強化
を図ることが必要です。 このような観点から、先日、
高等教育
・
研究改革イニシアティブ
、
柴山イニシアティブ
を発表したところであり、意欲ある若者の
高等教育機関
への
進学機会
を
確保
するとともに、
高等教育
・
研究機関
の
取組
や成果に応じた手厚い
支援
と厳格な
評価
を徹底することにより、
教育
、
研究
、
ガバナンス
の
一体的改革
を加速化してまいります。今
国会
において
所要
の法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。
科学技術イノベーション
については、特に諸外国に比べ
研究力
が相対的に
低下傾向
にある現状を一刻も早く打破するため、
研究人材
、
研究資金
、
研究環境
の
改革
を
大学改革
と一体的に進めます。
安倍内閣
が働き方
改革
を実行する中で、
世界
からも
評価
の高い
我が国
の
学校教育
を持続可能なものとし、
教師
が
子供たち
の
指導
に
使命感
を持ってより専念できるよう、
学校
における働き方
改革
を
実現
し、
学校現場
を積極的に
支援
します。
ソサエティー
五・〇の
時代
こそ、
学校
は単に
知識
を伝達する場ではなく、人と人との関わりの中で、人間としての強みを伸ばしながら、人生や
社会
を見据えて
学び
合う場となることが求められています。昨年十一月に取りまとめた新
時代
の
学び
を支える
先端技術
の
フル活用
に向けて、
柴山
・
学び
の
革新プラン
に基づき、
児童生徒
の
学び
の質を高めるため、
教師
を
支援
するツールとして、
遠隔教育
を含めた
先端技術
の
活用
を進めてまいります。 また、本年は
我が国
で
ラグビーワールドカップ
が開催され、来年は
東京オリンピック
・
パラリンピック
が開催されます。大会の成功に向けた
取組
を進めてまいります。さらに、
日本博
を始めとした
文化プログラム
を全国で展開し、
日本遺産等
の様々な
文化資源
を
活用
しながら、
伝統文化
から
現代芸術
まで幅広い
文化
による
国づくり
を
オールジャパン
で
推進
します。
文部科学省
の
改革
については、
省内若手職員
も参画する
文部科学省未来検討タスクフォース
が昨年末に省
改革
に関する
提言
を取りまとめました。この
提言
を私が
本部長
の
文部科学省創生実行本部
における議論に反映するとともに、今後、一丸となって
文部科学省
の
再生
に向けて
一つ一つ
の
取組
を真摯に積み重ねて、国民の
信頼回復
に向けて全力を挙げてまいります。
東日本大震災
や近年相次ぐ
災害
については、
就学支援
、
児童生徒
の心のケア、
学習
や
学校再開
への
支援等
を始め、復興を支える
教育
、
人材育成
、
大学
、
研究機関
による
地域再生
への貢献、
学校施設
や
文化財
の復旧など、
被災者
の心に寄り添った復興を更に加速します。廃炉に関する
研究開発
や
人材育成
、
原子力損害賠償
に着実に取り組みます。さらに、
原発事故
の
避難者
を始めとする被災した
児童生徒
に対する
いじめ
については、
関係機関
とも
連携
して必要な
取組
を行ってまいります。
教育再生
は、
安倍内閣
の最
重要課題
の一つです。
教育再生実行会議
のこれまでの
提言
を踏まえ、
教育再生
の
実現
に向けて必要な
施策
を
推進
するとともに、
技術
の進展に応じた
教育
の革新及び新
時代
に
対応
した
高等学校改革
について、
中間報告
を基に、最終的な
提言
の取りまとめに向けて更に議論を進めてまいります。また、これまでの
提言
の進捗についてしっかりとフォローアップを行ってまいります。
学校
における働き方
改革
については、
中央教育審議会答申
を踏まえ、省内に私を
本部長
とする
学校
における働き方
改革推進本部
を設置しました。この場で更に
検討
を進め、
文部科学省
が
学校
と
社会
の
連携
の起点、
つなぎ役
としての役割を前面に立って果たすとともに、勤務時間管理の徹底や
学校
及び
教師
が担う業務の
明確化
、
適正化
、小
学校
における質の高い
英語教育
のための
専科指導等
に必要な
教職員定数
の
改善充実
、
学校
の
運営体制
の
強化
、
部活動指導員等
の
専門スタッフ
や
外部人材
の
配置拡充
などの一体的な
推進
を図るとともに、
教育課程
や
教員免許
などの
教育制度
も必要に応じて大胆に見直す必要があると考えております。 急激な
時代
の変化に
対応
できる
人材育成
が求められている中、
人づくり
を担う
教師
の
資質能力向上
を図ることが必要であり、
教師
の
養成
、採用、研修の
一体的改革
を着実に進めます。
教育
における
ICT活用
の
推進
、質の高い
幼児教育
の提供、
地域
と
学校
の
連携
、
協働
の
推進
、特別の
教科道徳
の
実施
、
いじめ
や不登校への
対応
、
SNS相談体制
の
構築
、フリースクールなど多様な場で学ぶ
子供
への
支援
、
夜間中学
の設置、
充実
、
家庭教育支援
の
充実
、読書・
体験機会
の提供の
推進
、
学校
安全の
推進
などにしっかりと取り組みます。
児童生徒
の
自殺予防
の
取組
や
インターネット
を通じた
トラブル等
を回避するための
取組
、
スクールカウンセラー等
の
配置拡充
などに取り組みます。 また、
指導体制
の
充実
を通じた
学力課題解消
へ向けた
取組
や
福祉機関
との
連携強化
、
地域未来塾
による
学習支援
など
子供
の
貧困対策
を
推進
します。 今後更に加速していく
グローバル社会
を見据え、
外国語教育
や
在外教育施設
における
教育
、
留学生交流
、
日本型教育
の
海外展開
、ユネスコが主導する持続可能な
開発
のための
教育等
の
活動
、
国際バカロレア
などを
推進
します。また、
外国人
に対する
日本語教育
、
外国人児童生徒等
への
教育
の
充実
、
大学等
における
留学生
への
支援等
にしっかりと取り組んでまいります。
学校施設
は、
子供たち
の
学習
、生活の場であり、
災害
時に
避難所
となるなど
国土強靭化
の観点からも重要な
施設
です。このため、
老朽化対策
や
耐震化
、
防災機能
の
強化等
を
推進
します。また、
学校施設等
の
災害復旧
、
ブロック塀
の
安全対策
、
公立小中学校等
への
空調設置等
に取り組みます。
高等教育
については、多様な
卒業者
が
大学等
で修得した
知識
、技能を
社会
で
活用
できるよう、
教育
の質の保証と
情報公表
、多様で柔軟な
教育体制
の
構築
、多様な学生の
受入れ促進等
を通じて、
教育
の質を
向上
してまいります。
リカレント教育
については、抜本的に拡充し、生涯にわたって
学び
続け、チャレンジし続けられる
機会
の
確保
を目指してまいります。
グローバル人材
の
養成
、
指定国立大学法人
による
国際競争力
の
強化
、
地方創生
を担う
人材育成
、
高等専門学校
や
専修学校等
における
教育
の
充実
、
専門職大学等
の
充実
に向けた
取組
を
推進
します。このためにも、
国立大学法人運営費交付金
や
施設整備費補助金
、
私学助成
など
基盤的経費
を安定的に
確保
するとともに、
経営力強化
、
連携統合
の促進や財政
支援
のめり
張り化
を通じて強靭な
大学
への転換を促してまいります。
国立大学
は
社会変革
を先導し、
社会
や
地域
から支えられる存在になることが重要です。
国立大学改革
を後押しすべく、
国立大学改革方針
を年度末目途に策定します。 さらに、
高等学校教育
、
大学教育
及び
大学入学者選抜
を一体的に
改革
する
高大接続改革
に取り組みます。また、
入学者選抜
の公正な
実施
に向けた必要な
対応
を行っていきます。
法科大学院
における
教育
の
充実
を図り、高度の専門的な能力及び優れた資質を有する法曹となる
人材
の
確保
を
推進
するため、今
国会
において
所要
の
法整備
を行うための準備を進めます。
障害者
が一生を通じて自らの
可能性
を追求できるよう、
福祉等
の部局と
連携
した
切れ目
のない
支援体制
の
構築
や、障害のある
子供
の自立と
社会参加
に向けた
特別支援教育
の
充実
、
障害者
の生涯にわたる多様な
学習活動
の
充実
に取り組みます。 これらの
教育再生
に向けた
取組
を着実に
実現
するため、第三期
教育振興基本計画
に基づく
施策
を実行するとともに、必要な財源を
確保
しつつ、
教育投資
の
充実
に努めてまいります。
我が国
が将来にわたって成長と繁栄を遂げるための要は、
科学技術イノベーション
です。国連が定めたSDGsの達成に
科学技術イノベーション
が果たす役割が極めて大きいことは
国際社会
の
共通認識
です。
我が国
の
科学技術イノベーション
の
中核
を担う
文部科学省
として、第五期
科学技術基本計画
に基づき、
世界
で最も
イノベーション
に適した国を目指します。
基本計画
で掲げる
政府研究開発投資目標
の達成に向け、
科学技術予算
の
確保
に努めます。
我が国
の
研究力
の
向上
に向けては、優秀な
若手研究者
への
ポスト
の
重点化
や多様な
キャリアパス
の
確保
などの
研究人材改革
、
若手研究者
への
重点支援
や新興・
融合領域
への
取組強化
などの
研究資金改革
、
研究設備等
の
共用促進
や
研究支援体制
の
強化
などの
研究環境改革
を総合的に進めます。 持続的な
イノベーション
の
創出
には、その源となる
学術研究
、
基礎研究
が極めて重要であり、これを強力に
推進
します。また、将来を担う
人材
の
育成
や
女性研究者
の
支援等
に取り組みます。
次世代放射光施設
など
物質科学等
を支える最先端の
研究基盤
を始めとする
大型研究施設等
の
整備
、共用を促進するとともに、光・
量子技術等
の新たな
価値創造
のコアとなる
分野
の
研究開発
を進めます。加えて、
特定国立研究開発法人
を始めとする
国立研究開発法人
を
中核
として、
世界最高水準
の
研究活動
を進めます。
人材
、
知識
、資金の好
循環システム
の
構築
に向けて、
大学等
の
マネジメント機能強化
や
産学官共創
の場の
構築
による
オープンイノベーション
、
地域
の
イノベーション創出
、
ムーンショット型研究開発
など
ハイリスク
、
ハイインパクト
な
研究開発
を進めます。また、
科学技術
の戦略的な
国際展開
を図ります。
ソサエティー
五・〇の到来を見据え、
人工知能
、
ビッグデータ等
の
研究開発
、
活用
や
ポスト
「京」の
開発
などの
情報科学技術
の
推進
、
我が国
が強みを持つ
ナノテクノロジー
・
材料等
の
研究開発
を進めます。また、
再生医療
や
感染症等
の
研究開発
、地震、津波、火山、
豪雨等
の
防災
・
減災
に関する
研究開発
、
環境
・
エネルギー
に関する
研究開発
、
ITER計画等
の
核融合研究
などを進めます。 さらに、二〇二〇年度に初号機打ち上げを目指したH3
ロケット
の
開発
や、同時期に地球への帰還が予定されている「はやぶさ2」に代表される
宇宙探査
の
推進
など、国内外で大きな期待と関心が寄せられている
宇宙
・
航空分野
の
研究開発
や、海洋・極域、
原子力
に関する
研究開発
など、
国主導
で取り組むべき
基幹技術
を
推進
します。 「
もんじゅ
」については、
廃止措置計画等
に基づき、地元の声にしっかりと向き合いながら、安全、着実かつ計画的に
廃止措置
を進めてまいります。
スポーツ
には、体を動かし楽しむだけでなく、人を夢中にさせ感動させる力があります。また、
文化
は、
我が国
のアイデンティティーを形成する源であり、
世界
に誇る重要な
資源
です。 第二期
スポーツ基本計画
を着実に実行し、全ての人々が
スポーツ
をする、見る、支える
機会
を
確保
し、
スポーツ立国
の
実現
を目指します。
国際競技力向上
や
ドーピング対策
、新
国立競技場
の着実な
整備
など
東京オリンピック
・
パラリンピック等
に向けた
取組
を強力に進めることはもとより、
次世代
に誇れるレガシーを
創出
する視点で、
スポーツ
を通じた
健康増進
、
国際交流
・協力や
地域活性化
、
大学スポーツ
の
振興
、
スポーツ
の
成長産業化
、
障害者スポーツ
の
振興
、
学校体育
の
充実等
に取り組みます。 また、
スポーツ活動
が公正かつ適切に
実施
されるよう、昨年十二月、
スポーツ
・インテグリティの
確保
に向けた
アクションプラン
を策定しました。
関係団体
と
連携
し、
ガバナンス確保
に取り組む
体制
を
構築
するための
円卓会議
を設置したところであり、今後、
スポーツ団体
が遵守すべき原則、規範を定めた
スポーツ団体ガバナンスコード
を制定します。
文化芸術
は、無限の
可能性
を秘めています。
文化
庁の京都への移転を見据え、
地方創生
や観光などの
関連分野
とも
連携
しながら、
文化行政
を総合的に
推進
し、
文化
による本質的、
社会
的、
経済的価値
の
創出
を強力に実行するとともに、
文化芸術基本法
に基づき策定した
文化芸術推進基本計画
や
文化経済戦略
を着実に実行し、
文化芸術立国
の
実現
に取り組んでまいります。
インターネット
における
著作権侵害
の
被害拡大
の
防止等
を図るため、今
国会
において
所要
の
法整備
を行うための準備を進めます。 私としては、
文部科学行政全般
にわたり、信頼の回復に努めつつ、
人づくり
を始めとした諸
課題
の解決に着実に取り組む考えです。引き続き
関係各位
の御
指導
、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
上野通子
4
○
委員長
(
上野通子
君) 次に、
平成
三十一年度
文部科学省関係予算
について、
永岡文部科学
副
大臣
から
説明
を聴取いたします。
永岡文部科学
副
大臣
。
永岡桂子
5
○副
大臣
(
永岡桂子
君)
平成
三十一年度
文部科学省関係予算
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げます。
文部科学省関係予算
は、
一般会計
五兆五千二百八十七億円、
エネルギー対策特別会計
一千九十三億円などとなっております。 第一に、
教育政策推進
のための
基盤
の
整備
として、新
学習指導要領
の円滑な
実施
と
学校
における働き方
改革
に向け、
教職員定数
の
改善
、
教育人材
の
資質能力
の
向上
や
専門スタッフ
、
外部人材
の
配置拡充
、
業務
の
適正化
などを一体的に
推進
します。 また、新しい
評価
、
資源配分
の仕組みの
導入
を通じて
国立大学
における
教育研究
の質の
向上等
を図るとともに、
改革
に取り組む
私立大学
の
支援
など
私学
の
振興
、
国立高等専門学校
の
高度化
、
国際化
を
推進
します。 さらに、
防災
・
減災
、
国土強靱化
のための三か年
緊急対策
を踏まえ、
学校施設等
の
整備
を
推進
します。 第二に、夢と志を持ち、
可能性
に挑戦するために必要となる力の
育成
として、
地域
と
学校
の
連携
、
協働
と
学校安全体制
の
整備
を
推進
します。 また、
教育課程
、
情報教育
、
外国語教育
、
道徳教育
の
充実
を図るほか、
いじめ
・不
登校対応
、
子供
の
体験活動
、
幼児教育
の
振興
、
キャリア教育
、
職業教育
、
学校健康教育
、
高大接続改革等
を
推進
します。 第三に、
社会
の持続的な
発展
を牽引するための多様な力の
育成
のため、
グローバル社会
における
児童生徒
の
教育機会
の
確保
、
充実
、
大学
の
国際化
、
学生
の
双方向交流
の
推進
や、
卓越大学院プログラム
の
拡充
など
大学教育再生
の
推進
を図ります。 また、
専修学校
の
人材養成機能
の
充実強化
を図ります。 また、生涯
学び
活躍
できる
環境
の
整備
として、
リカレント教育等社会人
の
学び直し
の総合的な
充実
のほか、
障害者
の生涯
学習活動
、
特別支援教育
、
女性
の
活躍
の
推進
を図ります。 第四に、誰もが
社会
の担い手となるための
学び
の
セーフティーネット
の
構築
のため、
幼児教育
の
無償化
や、
高校生等
への
修学支援
、
大学等奨学金事業
の
充実等
により、
家庭
の
教育費負担
の
軽減
を図るとともに、総合的な
子供
の
貧困対策
を
推進
します。 また、
外国人受入れ拡大
に向けて、
日本語教育
、
外国人児童生徒等
への
教育
を
充実
します。 第五に、公正に個別最適化された
学び
の
実現
に向けて、
学校教育
において効果的に
活用
できる
先端技術
の
導入実証
など、
ソサエティー
五・〇に向けた
人材
の
育成
に取り組みます。 第六に、
スポーツ立国
の
実現
を目指し、二〇二〇年
東京オリンピック
・
パラリンピック競技大会
や
ラグビーワールドカップ
二〇一九等に向け、
競技力向上
や
ドーピング防止活動等
に取り組むとともに、
大学スポーツ
の
振興
や
スポーツ
の
成長産業化
、
障害者スポーツ
の
振興
、
スポーツ
における
誠実性
、
健全性
、
高潔性
、すなわち
スポーツインテグリティー確保
のための
体制整備等
を
推進
します。 第七に、
文化芸術立国
の
実現
を目指し、
文化資源
の
磨き上げ
による
観光振興
、
地域経済活性化
の好
循環
を
創出
するため、
日本博
を契機とした魅力ある
文化資源コンテンツ
の
創出
、
展開
などを
推進
します。 また、
文化芸術
の
創造
、
発展
と
人材育成
に取り組むとともに、
文化財
の確実な継承に向けた保存、
活用等
を
推進
します。 第八に、
ソサエティー
五・〇を
実現
し
未来
を切り開く
イノベーション
の
創出
とそれを支える
基盤
の
強化
として、
革新
的な
人工知能
、
ビッグデータ
、
ナノテクノロジー
・
材料
や光・
量子技術等
の
先端研究
を
推進
するとともに、
オープンイノベーション
や
地域イノベーション
の
推進
、
ムーンショット型研究開発
を始めとした
ハイリスク
、
ハイインパクト
な
研究開発
の
推進等
に取り組みます。 また、
我が国
の抜本的な
研究力向上
と優秀な
人材
の
育成
のため、
研究力向上加速プラン
として、
科研費
の
充実等
による、
若手研究者
を中心としたリソースの
重点投下
や、
新興
・
融合領域
の開拓、
若手研究者
が
海外
で研さんを積み挑戦するための
支援等
を
実施
するほか、
科学技術イノベーション人材
の
育成
、
確保等
の
推進
に取り組みます。 さらに、
ポスト
「京」や
次世代放射光施設
を始めとした
世界最高水準
の
大型研究施設
の
整備
、
利活用
を図ります。 第九に、国家的・
社会的重要課題
に
対応
するため、
iPS細胞等
の健康・
医療分野
や、
南海トラフ
における新たな
地震
・
津波観測網
の
構築等
の
防災
・
減災分野
、
経済
の好
循環
を生む
環境
・
エネルギー分野
の
研究開発等
に取り組みます。 また、
国家戦略
上重要な
技術
の
研究開発
を
実施
するため、H3
ロケット
や
次世代人工衛星
の
開発等
を始めとした
宇宙
・
航空分野
や、
海洋
・
極域分野
の
研究開発
を
推進
するとともに、
原子力分野
については、
基礎基盤研究
とそれを支える
人材育成
、「
もんじゅ
」や「ふげん」の安全かつ着実な
廃止措置
に係る
取組
などを
推進
します。 以上、
平成
三十一年度
文部科学省関係予算
の
概要
につきまして、御
説明
申し上げました。 なお、これらの
具体
の内容につきましては、お手元に資料をお配りしておりますので、
説明
を省略させていただきます。
上野通子
6
○
委員長
(
上野通子
君) 以上で
所信
及び
予算説明
の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ─────────────
上野通子
7
○
委員長
(
上野通子
君) 次に、先般本
委員会
が行いました
委員派遣
につきまして、
派遣委員
の
報告
を聴取いたします。
神本美恵子
さん。
神本美恵子
8
○
神本美恵子
君 去る二月十八日及び十九日の二日間、
地方
における
教育
、
文化
、
学術
及び
科学技術等
に関する実情を
調査
し、もって
学校教育法等
の一部を改正する
法律案
の審査に資するため、栃木県及び茨城県に
委員派遣
を行いましたので、その
概要
を御
報告
申し上げます。
派遣委員
は、
上野委員長
、
石井理事
、
江島理事
、
吉良理事
、
赤池委員
、
今井委員
、
大野委員
、
大島委員
、
山本委員
、
新妻委員
、
高木委員
、
松沢委員
、そして私、
神本
の十三名でございます。 一日目は、まず、
学校法人TBC学院宇都宮本校
を訪問いたしました。同校では、
日本語教育
や
ITビジネス
、
介護等
に関する
職業教育
が行われており、三百名以上の
留学生
が在籍しております。 敬語及び漢字に関する
日本
語学科の授業や
日本
での生活に関する
留学生
の発表等を拝見するとともに、
留学生
を交えた懇談を行いました。同校への留学動機、留学費用の
準備
、将来希望する進路等について、率直なお話を伺い、将来を見据え勉学に励む
留学生
の実情等について理解を深めることができました。 次に、栃木県及び宇都宮市における文教
施策
に関して、栃木県知事、県議
会議
長及び県
教育
長並びに宇都宮市長及び市
教育
長と意見交換を行いました。
外国人
児童生徒
への
日本語教育
の現状、市が独自に配置している
学校
司書の処遇、少人数
教育
の
充実
に向けた方策、
道徳教育
で自尊感情を育む方法、小中一貫
教育
における
施設
の在り方等について意見交換を行いました。 次に、栃木県立のざわ特別
支援
学校
を訪問いたしました。同校は肢体の不自由な
児童生徒
を対象とし、通学が困難な
児童生徒
のため、寄宿舎を
設置
しております。 小学部の自立
活動
、中学部の美術、高等部の保健体育におけるボッチャの授業を参観いたしました。懸命に学ぶ
児童生徒
の姿に心を打たれるとともに、一人一人の
教育
的ニーズに応じた
支援
や
地域
の
学校
との交流
学習
の必要性、
障害者スポーツ
推進
の重要性を深く感じました。 次に、
国立大学
法人宇都宮
大学
を訪問いたしました。全国に先駆けて文理融合の
地域
デザイン科学部を
設置
するなど、
地域
のニーズに応じた
教育研究
や、
国立大学
法人群馬
大学
との共同
教育
学部の
設置
に向けた
検討
を行うなど、人口減少に
対応
した
大学
の
連携
、統合に係る
取組
を行っております。 自治体や企業等と
連携
した
地域
プロジェクト演習の成果について、
学生
の発表を拝見した後、
イノベーション
ファーム及びロボティクス・工農
技術
研究
所を視察いたしました。独自の
先端技術
である自律走行収穫ロボット等を拝見するとともに、
地域
の特性や
大学
の特徴を生かした
教育研究
、共同
教育
学部の
設置
に向けた
取組
等について意見交換を行いました。 次に、日光市に移動し、同市における文教
施策
、
スポーツ活動
推進
に向けた
取組
、
文化財
の保存、
活用
の現状、増加する
観光
客への
対応
等について、市長、市
教育
長、日光商工
会議
所、同市に本拠を置くプロアイスホッケーチーム、日光アイスバックス及び
世界
文化
遺産日光の社寺を構成する二社一寺の
関係
者等と意見交換を行いました。 二日目は、まず、日光東照宮を訪問いたしました。東照宮では、現在、昭和四十年代以来の大規模な修理事業が行われております。多言語で解説を行う案内板等の
整備
状況、
文化財
修復に係る
材料
及び
人材
の
確保
の重要性、バリアフリー化に向けた
取組
等について
説明
を伺うとともに、
平成
二十九年度に修復が完了した陽明門や、来年度の竣工に向けて作業が行われている本殿の修復現場を視察いたしました。 次に、昨年五月に
日本
遺産の認定を受けた大谷石
文化
関連
施設
を視察いたしました。江戸
時代
に始まった大谷石採掘は、最盛期には年間八十九万トンを出荷する
日本
屈指の採石産業として
発展
しました。大谷石
文化
の
概要
、採石産業の現状等について
説明
を伺うとともに、採石場跡地の地下空間を
活用
した
観光
事業を視察いたしました。 次に、茨城県つくば市に移動し、
国立研究開発法人
防災
科学技術
研究
所を訪問いたしました。同
研究
所の主要
施設
、水・土砂
防災
研究
に係る
取組
等について
説明
を伺うとともに、
地震
観測データセンターを視察いたしました。全国で発生している
地震
をリアルタイムで観測している様子を目の当たりにし、
防災
研究
の重要性について再認識いたしました。 最後に、
国立研究開発法人
宇宙
航空
研究開発
機構筑波
宇宙
センターを視察いたしました。来年のH3
ロケット
試験機打ち上げに向けた
支援
の必要性、人工衛星の
開発
及び打ち上げの状況、「はやぶさ2」のミッションの重要性、諸
外国
との
連携
、
宇宙
飛行士の生活
環境
等について
説明
を伺いました。また、国際
宇宙
ステーションに取り付けられた「きぼう」
日本
実験棟の運用管制室を視察いたしました。 以上、概略を申し述べましたが、おかげさまをもちまして、今回、多くの方々と接し、極めて有意義な意見交換及び視察を行うことができました。
調査
に御協力いただきました
関係機関
の方々に対し、この席を借りまして厚く御礼を申し上げ、派遣
報告
を終わります。 以上です。
上野通子
9
○
委員長
(
上野通子
君) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時三十四分散会