○小川勝也君 私は、この面的
集積という物理的なことよりも、今御答弁をいただきました、あるいは私からも提案をさせていただきましたけれども、ソフト面、この集約された大きな
農地を誰がやるかというよりも、そこをサポートする、それ以外の
農地で
地域の集落の収益をどう上げていくのかということが一番大事なところだというふうに思います。集約をしたところの経営効率が上がるのはこれ当たり前のことでありますので、そこだけに着目すれば人いなくなる。だから、そのプラスアルファの部分をどう育てていくのかというのがこの
法律や制度の成功の鍵だというふうに思いますので、そこには
農林水産省は、この
法律を変えたというだけではなくて、まだまだ働かなきゃならない点がたくさんあるんだろうというふうに思います。
そして、進藤
委員から有意義な提案がありました。それは
農業生産にとどまる必要はないんですよ。例えば、これから御提案があるでありましょう、例えば棚田の美しさを見に来てくださいと、蛍もいますよ、それから工芸品がこの
地域にはありますよ、あるいは、当然のことながら、六次産業化で加工されたものもお土産で買っていってください、そしてお祭りも面白いですよ、あるいはギターの工房があるので見ていってください、もう何でもいいんですよ。だから、
農業にとどまらず、その
地域の魅力を最大限に発揮していく、その中心に集約された効率的な経営ができる
農地があると、これがあるべき姿なんだろうというふうに思います。
ソフト面というのは
農林水産省が最も苦手にしてきた分野でありますけれども、せっかく、人がいない、そして、これは、この言い方は余りしたくありませんけれども、他分野、他業種との人口、人の取り合いですから、
農業分野、
農村地域はこんなにも面白いんだと、こういう戦いに
農林水産省は旗を立てて私は参画をしていただきたいというふうに思います。我々は少なくとも、ここに
境界線はありますけれども、全員
農村の応援団です。
農村が元気になるためなら、みんないろんなことにお手伝いをしたいというふうに思います。
一番難しいのは、先ほども議論がありましたように、
農地の問題であります。北海道はいわゆる、私の言葉で言うと、トーナメント。どんどんどんどん
農業が進歩していく中で、経営効率の悪い人、ノウハウがうまく発揮できない人、そして、だらしない人、ばくちに手出す人がどんどんどんどん離農していって周りの人がその
農地を確保していくという、順繰り順繰りのトーナメントをやってきました。今、その
農地のいわゆる受渡し方法は、基本、売買でありました。売買で、結局
農家をやめる人は、
農地を隣の人に売って金銭をもらって、清算をして、その集落から出ていく、これが北海道の方式のメジャーな例でありました。
これがいい悪いは別にして、ですから私は、この
農地制度の中で門外漢、部外者としてずっとずうずうしい失礼な意見を申し上げてきました。なぜ
農家をやらない人が
農地を持っているんですかと、ずっと議論をしてきたことであります。いわゆる戦後の
農地解放の
意味するあの出来事は何だったんですか。
農地を所有するだけで耕作しない人が持っていたらおかしいじゃないかと、だから今耕作している人に持たせなさいというのが
農地解放でありました。しかし、今やその理念は、いわゆる耕作者主義がなくなって、いつまでも持つことが可能です。ですので、今
集積された
農地は何筆になっているのか。
地域のいろんな人たちの所有している
農地を、いわゆる
担い手が耕作をするという
状況であります。
そして、私は、現行民法に問題ありというふうにずっと思っておりますが、それは何かというと、現行民法におきましては、全てのものに
価値がある、全てのものは有
価値であるという前提にのっとっているので、そごが出てきているわけであります。ですから、建築物、この廃屋どうしようか、土地も
評価がないし建物も誰も住まない、むしろ除却するのに金が掛かる、これが民法の想定外の出来事でありました。そして今、
農地についても同じ
状況が起きています。誰もやる人がいないので持ちたくない、これは当然予想された帰結であります。
政府が省庁横断的に議論に取りかかっていることは私は承知をいたしております。ですので、
農地であるか宅地であるかは別にして、自分が所有や相続を放棄する、したいという方に対するお答えをどうしていくのか、
政府はしっかり解を求めていかなければならないというふうに思っています。
そして、現行民法は、いわゆる相続人が奥さんと子供であればその分け方をきれいに決めています。家族の
話合いで別な結果が出ることもありますけれども、いわゆる家族で相続をするということになると、また筆がどんどん分かれます。そして、所有される方、登記される方の所在地もまちまちになってまいります。そして、時系列的に申し上げますと、時間がたてばたつほど
農地一枚当たりの筆数がどんどんどんどん増えていくことになります。
そのことにいつまで我々は許容するのかということであります。ですから、
政府の議論がスタートした今こそ、革命的な、しっかりと将来に責任の持てる
農地制度、私は
農林水産省は提案すべきだろうというふうに思います。一気に取り上げてしまえということは言いませんけれども、責務を果たさない人は所有しない、このぐらいのことはあってもいいんじゃないかと私は思います。
例えば、
地域に住んでいない、神社のお祭りに来ない、草刈りに参加をしない、あるいは所有をしていてそういう行事に参加できなければ、私は、地代をもらって、耕作者、すなわち
担い手に耕作をしてもらうんじゃなくて、逆に金を払うぐらいの方が現代にとっては適切なんではないかというふうにずっと申し上げてまいりました。
今の相続、登記、あるいは耕作者主義がどう変質するのか、あるいは荒廃
農地を所有する人たちにはどういう罰則がふさわしいのか、そして、相続に対してはどういう形になっていけばいいのか、
政府全体で議論している最中というふうには伺っておりますけれども、
農地に関して
農林水産省はどういう立場で議論に参加をするおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。