○副
大臣(
城内実君)
環境副
大臣の
城内実でございます。
座って御
説明させていただきます。
早速ですが、
資料の一
ページ目を
御覧になってください。
今回は三年目となりますが、これまでの総まとめということで、一年目、二年目の
テーマについて改めて御
説明しながら、今回、三年目の
テーマであります
地球温暖化関連政策の
概要、
各国の
温室効果ガス排出削減目標等、
温室効果ガス削減に向けた
日本の
対外アプローチの在り方、そして
温室効果ガス削減のための
研究開発の
現状、これらについて
資料に沿って
説明いたします。
まずは、一ポツ、
地球温暖化関連政策の
概要についてでございます。
三
ページ目、そして四
ページ目を
御覧になってください。
我が国の現在の
地球温暖化対策を
説明するに当たりまして欠かせないのが
パリ協定であります。二〇一五年十二月、COP21におきまして
パリ協定が採択された次第でございます。この
パリ協定は、
先進国も
途上国も参加する公平な合意であります。
次に、四
ページを
御覧ください。
パリ協定のポイントは、
産業革命前からの気温の
上昇幅を二度以内に抑え、それとともに一・五度に抑える努力を継続することであります。そして、その結果、今世紀後半に
温室効果ガスの
排出量と
吸収量を均衡させ、
温室効果ガス排出をネットで、実質でゼロを目指すものであります。
次に、五
ページ目を
御覧になってください。
世界的な脱
炭素化の
流れの中で、
我が国も、
地球温暖化対策計画、いわゆる温対
計画、これに基づきまして
対策を進めているところでございます。この温対
計画におきましては、二〇三〇年度に二〇一三年度比二六%を
削減するという
目標を掲げるとともに、その先には二〇五〇年に八〇%
削減を目指すとしており、そのための
対策、
施策を位置付けているものであります。
次に、六
ページでありますが、
削減目標をこちらグラフで
示しておりますが、二〇三〇年度二六%減に向け、温対
計画に基づきまして、再
エネの
最大限の
導入拡大、徹底した
省エネの
推進などに取り組んでいるところでございます。
そしてさらに、二〇五〇年八〇%減の
長期目標につきましては、従来の
取組の
延長では
達成が困難であり、非
連続な
イノベーションを通じた
環境と
成長の好循環の
実現が重要であります。そのため、
世界の
エネルギー転換、脱
炭素化を牽引するとの決意の下、
成長戦略としての長期戦略をできる限り早期に
策定できるよう取り組んでいる最中であります。
次に、八
ページ、
御覧になっていただきたいと思います。
長期戦略の検討
状況でありますが、安倍総理の御指示に基づきまして、これまでの常識にとらわれない新たなビジョンを
策定すべく、昨年八月より金融界、経済界、学界などの各界の有識者から成る懇談会において議論を行ってきたところでございます。今月二日、有識者懇談会の提言が安倍総理に手交されたところであります。今提言を踏まえまして、現在
政府案を作成中であります。昨日、中央
環境審議会及び産業構造審議会の合同会合にて原案をかけたところであります。
次に、九
ページでございます。
提言のポイントとしては三つございます。今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会の
実現を目指し、二〇五〇年までに八〇%の
温室効果ガス排出削減に大胆に取り組むと、これが一点目。二点目は、一・五度の努力
目標を含む
パリ協定の
長期目標の
実現に向けた
我が国の、
日本の貢献を示す。三点目が、気候
変動問題の解決には
世界全体での
取組と非
連続な
イノベーションが不可欠であり、ビジネス主導の
環境と
成長の好循環を
実現する長期戦略を
策定すべきというものであります。
また、提言には、この後の十
ページも
御覧になっていただきたいんですが、気候
変動に関わる
情勢の変化と長期戦略
策定に当たっての視点、また水素社会の
実現やCCUの商用化
技術の
確立、CCS及びCCUの実用化といった各分野のビジョンと政策の方向性、また、三つの主な政策として、第一に
イノベーション、第二にグリーンファイナンス、第三にビジネス主導の国際展開、国際協力などが盛り込まれているところでございます。昨日の先ほど述べました中央
環境審議会、産業構造審議会の合同会合にかけた
政府原案におきましても、この提言のポイントを踏まえたものとなっているものであります。
今後は、今回の懇談会における総理の御指示を受けまして、本年六月のG20までに
政府としての長期戦略を
策定すべく、作業を加速していく所存でございます。
次に、十一
ページでございます。
続いて、脱
炭素化の鍵となる再
エネ施策についてでございます。
再生可能エネルギーは、言うまでもなく、災害時にも強く、また
地域経済の
活性化に好影響を及ぼすものであります。
この十一
ページには三つの事例が紹介してありますが、特にこの上半分の長崎県五島市沖の浮体式
洋上風力発電につきましては、私自身、昨年十月に車座ふるさとトークとして
再生可能エネルギーによる島づくりを
テーマに対話を行った際に、陸からこの浮体式
洋上風力発電を視察させていただきました。特に、遠浅の海底地形が少ない
我が国で重要な
技術であるということが特筆すべきものであります。また、巨大台風にも耐え、災害にも強く、
我が国が
世界に誇れる
技術であります。また、
環境省では低
コスト化に向けました
技術開発実証を
実施中であり、この浮体式
洋上風力発電事業につきましては、漁業を始めとする地元関係者と協調が図られ、また、この浮体式の洋上風力自体が魚が集まる魚礁
効果もあるということでありました。
このような
地域におけます
再生可能エネルギーの
取組につきましては、それぞれの
地域がその特性を生かして強みを発揮することで、
地域ごとに異なる
資源が循環する自立した分散型社会を形成し、
地域固有の特性に応じました共生や近隣
地域と交流する
地域循環共生圏の創造にも寄与するものであります。
続きまして、十三
ページから十五
ページにかけまして、
石炭火力について御
説明させていただきます。
石炭
火力発電につきましては、最新鋭の
技術のものでありましても、
LNG火力発電の約二倍の排出係数であります。国内におきましても、金融や
エネルギーを始めとする各部門におきまして脱
石炭火力の
流れが出てきているところでございます。
環境省といたしましては、
環境アセスメント等を通じて厳しく
対応していく所存であり、また、長期戦略におきましても、先ほど述べましたように、CCUSの早期
開発、普及を図っていくことが重要であると認識しております。これは、
我が国はもとより、
世界の
温室効果ガス排出削減にも大きく貢献し得るものと考えております。
次に、十六
ページでございますが、カーボンプライシングであります。
環境省におきましては、カーボンプライシングの
可能性につきまして、平成三十年六月に設置されました中央
環境審議会小
委員会において議論中であります。
次に、二ポツ、十七
ページ、
各国の
温室効果ガス排出削減目標等についてであります。
おめくりいただいて十八
ページでありますが、二〇一六年十一月に発効しました
パリ協定につきまして、昨年のCOP24で
実施指針が採択されたところでございます。この
実施指針は、
パリ協定の精神にのっとり、
先進国、
途上国の二分論によることなく、全ての国に共通に適用されるものとなった次第であります。
米国のトランプ大統領は、二〇一七年六月、
パリ協定脱退を表明いたしました。しかしながら、これを受けても、
世界各国及びアメリカ国内の脱
炭素化への
流れはとどまっておりません。
具体的には、
米国以外のG20
各国は、
米国脱退直後の二〇一七年七月、ドイツのハンブルクで開催されましたG20サミットにおいて、
パリ協定に対する強いコミットメントを再確認したものであります。さらに、
米国内でも、州
政府や企業など現場レベルでは積極的な気候
変動対策をすることを表明されておりまして、また、ウイ・アー・スティル・イン、我々はまだ残っているという運動がございまして、その参加メンバーは二千七百を超えております。現場では脱炭素社会への
流れは変わらないものと言えると思います。
次に、二十
ページを
御覧になっていただきたいと思います。
こうした
流れの中で、主要
各国におきましても長期的な
削減目標を設定しております。
各国共に大幅
削減に向けた政策の枠組み、
取組の
基本方針を示すものであり、それぞれが二〇五〇年
目標を位置付けております。
我が国の長期戦略は、現在、
策定に向けて検討中であります。先ほど述べましたように、先日、安倍総理に手交されました有識者懇談会の提言におきましては、一・五度努力
目標も含めた
パリ協定目標への
我が国の貢献がうたわれており、この提言も踏まえまして、戦略の
策定作業を
加速化していくものであります。
次に、二十一
ページですが、これ
再生可能エネルギーにつきましては、
世界ではビジネスとして成立する域に達していると言うことができると思います。
国際
再生可能エネルギー機関、IRENAが
世界の
再生可能エネルギー発電コストをまとめた報告書では、二〇一〇年と二〇一七年の
発電コストを比較しますと、
太陽光では三分の一にまで
コストが低下しており、さらに、現在商用化されている
再生可能エネルギー発電は、二〇二〇年までに
化石燃料の
火力発電の
コストと競争する域に達し、多くが
化石燃料コストの下限やそれ未満になると予測されております。
一方、
我が国でも
導入量が多い
太陽光発電の
コストは、左の下の図のとおり、他国に比較し高い水準にございます。
右下の図におきましては、
世界の
再生可能エネルギーの
導入量を
示しておりますが、
世界的に
再生可能エネルギーの割合は
拡大を続けていることがこの表から分かると思います。
次に、おめくりいただいて、二十二
ページですが、
環境、社会、ガバナンスの要素を考慮いたしましたESG金融のうち、特にESG投資は
世界で
拡大しております。企業の気候
変動対策が資金
獲得にもつながり、
環境への
取組はビジネスに直結しております。
我が国におけますESG投資の伸び代は大きいと言えると思います。左下の図で
御覧になっていただけますとおり、二年で
日本は四・二倍増ということになっております。脱炭素社会の
実現に向けまして、ESG金融の更なる普及
拡大に取り組んでいるところであります。
金融業界の主要プレーヤーを集めましたESG金融懇談会が昨年七月に取りまとめた提言を踏まえまして、更なる議論、行動の場としてESG金融ハイレベルパネルを開催したところでございます。
環境情報等を企業、投資家の間で共有し、直接システム上で対話できるESG対話プラットフォームを
整備しております。
このような
取組を通じまして、ESG金融を
促進し、持続可能社会の構築に向けたお金の
流れをつくり出しているところであります。
次に、二十四
ページですが、
温室効果ガス削減に向けた
日本の
対外アプローチの在り方について御
説明いたします。
気候
変動対策は、
我が国のみならず、国際協調が極めて重要であります。
我が国の質の高い
技術を
輸出し、
世界の
温室効果ガス大幅
削減に
最大限貢献してまいりたいと思います。
環境省におきましても、二国間クレジット制度、JCMを
活用した
技術輸出に関する補助金で企業の
海外展開を後押ししております。企業のビジネス
拡大と
温室効果ガス排出削減を同時に
達成することが重要であります。相手国と
我が国の協働を通じて、共に利益が得られる
イノベーションを創出していく、いわゆるコ・
イノベーションを
推進することが不可欠であります。
次に、おめくりいただいて、二十五
ページでございますが、「いぶき」、GOSAT二号です。昨年十月に打ち上げに成功いたしました
温室効果ガス観測
技術衛星いぶき二号によりまして、
世界の
排出量把握の
透明性向上などを通じて
世界の
排出削減に引き続き積極的に貢献してまいります。
最後に、四ポツ、
温室効果ガス削減のための
研究開発の
現状についてでございますが、二十七
ページを
御覧になっていただきたいと思います。
二〇三〇年二六%
削減や脱炭素社会構築等に向けまして、
環境基本計画などを踏まえ、
イノベーションの創出と
環境、経済、社会の
課題の同時解決を
実現させる必要がございます。
このため、
環境省といたしましては、
エネルギー対策特別会計を
活用いたしまして、脱炭素インフラやシステム構築を牽引し、社会変革を促す事業等を
実施しているところでございます。
次の二十八
ページ、おめくりいただきたいと思います。
こうした予算を
活用いたしまして、左の方の図にございますが、洋上風力やあ
るいは再
エネ由来の水素、下に行っていただいて、さらにその下のZEH、ZEBといった
地域の強靱化にも資する再
エネの
最大限の普及、あ
るいは真ん中にございますCCS、CCUや蓄電池といった
技術の
開発及び早期社会実装、そして左側にございますように、窒化ガリウムやセルロースナノファイバーといった将来性のある新素材の社会実装、普及、そして左、済みません、
右側でした、失礼しました、
右側の下の部分でございますが、行動科学等の理論に基づくアプローチ等で行動変容を促すナッジなど、AIやIoTを
活用した
エネルギー利用の最適化などを進めまして、脱
炭素化に向けた
イノベーションを
推進し、
環境と
成長の好循環を
実現していく考えであります。
最後に、二十九
ページ以降でございますが、その他、一年目で
テーマに挙げられました
資源エネルギーの
開発に伴う
環境対策及び循環型社会形成に向けた
取組につきましては、二十九
ページ以降に
参考資料として付けております。
以上をもちまして、私からの
説明を終了させていただきたいと思います。