○足立敏之君 ありがとうございました。
日本の
災害対応能力は世界最高だというふうに思っております。国際協力の観点から、
是非ともその能力を引き続き迅速かつ的確に
活用していただくように、石井
大臣にはお願いしたいと思います。
次に、日本のインフラの
整備水準についてお伺いしたいと思います。
安倍総理の指示に基づきまして
実施した重要インフラの緊急点検を踏まえまして、事業費ベースで七兆円規模の三か年緊急対策が
実施されています。六兆円規模でここ六年程度横ばいを続けてきました公共事業予算の
状況からしますと、三
年間、一兆円以上の上乗せ予算は大変有り難いことであります。
しかし、これからの日本を考えますと、五年前に策定した二〇五〇年を見据えた
国土のグランドデザインはありますが、インフラ
整備について具体的な目標だのが定められているわけではありません。今後、どの程度の水準までインフラ
整備を進めるのか、そのための投資がどの程度必要なのか、しっかりとしたビジョンづくりを行う必要があるというふうに考えております。
さて、我が国のインフラの
整備水準について見ると、後ほど詳しく紹介をさせていただきますが、欧米やアジアの国々と比較しても大変遅れた水準にあると言わざるを得ません。
ところが、財政審では、資料十にお示ししておりますが、高速道路、新幹線、空港、港湾、生活関連施設等の社会資本
整備水準は大きく
向上しており、社会インフラは概成しつつあるというふうに主張しています。しかし、日本のインフラの現状からすると、とても概成などと言えるような
状況ではないというふうに思います。
このような
状況で厳しい国際競争を勝ち抜いていけるんでしょうか。まだまだミッシングリンクがつながっていない
地域の
皆さんや高速道路が走っていない
地域の
皆さんからすると、とんでもないということではないでしょうか。毎年激甚な
災害に見舞われている日本の
状況をどのように考えているんでしょうか。
国土交通委員会の先生方にも
是非、御自分の経験に照らして、日本のインフラの現状についてよくお考えをいただければというふうに思います。
それでは、まず、道路の
整備水準について
指摘をさせていただきます。
昨年一月、タイの首都バンコクに伺いました。その際、驚いたのは、資料十一に写真を載せましたけれども、国際空港からバンコクの中心市街地に移動する際の高速道路が、タイの方は片側四車線、五車線ありました。日本に戻って帰宅する際に乗った首都高は幾ら数えても二車線しかないということでございまして、さらには、今年一月に台北にも伺いましたけれども、あちらの方の高速道路は非常に充実していて、日本のインフラの
整備水準が世界水準から見ると二流、三流の水準に落ち込んでしまっている、そういうふうに感じています。
平成二十九年度の
国土交通白書によりますと、一万台当たり高速道路延長は、ドイツが二・六五キロメートル、フランスが二・九七キロメートル、米国が三・九七キロメートルに対して、日本は一・四七と低い水準になっています。日本はまだまだ高速道路が
整備途上と言えるというふうに思います。
なお、資料十二の方に中国の
状況をお示ししました。
年間七、八千キロと次元の異なるスピードで
整備が進んでおりまして、驚きます。日本の
状況もそこには入っておるんですけれども、全く横ばいでございまして、何とかしなければ国際競争に負けてしまう、そういうふうに強く感じます。
一方、高速道路の車線数を見ますと、資料十三にお示ししてございますが、主要国ではほとんど片側二車線以上を確保していますが、日本は三八%が片側一車線の暫定二車線になっています。資料十四の方にお示ししましたが、韓国も二十年前には四割ぐらい暫定二車線があったそうなんですけれども、既にこの二十
年間で解消されています。その結果、高速道路の事故による死者が大幅に削減されているというふうな情報もありました。
こうしたことが影響しているというふうに考えますが、資料十五にお示ししましたが、都市間の連絡速度というものを見ると、日本はかなり低い水準であります。これでは物流コストが高くなり、
生産性の面でも大いにマイナスです。
産業面の国際競争力という観点からも残念な
状況だというふうに言わざるを得ません。
日本の高速道路の
整備水準について、
大臣は海外にもよく足を運んでおられると思いますけれども、欧米諸国と比較して一流の域にあると考えておられるのか、
大臣のお考えを伺いたいと思います。