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2019-05-20 第198回国会 参議院 決算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    令和元年五月二十日(月曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  五月十三日     辞任         補欠選任      難波 奨二君     又市 征治君      浜口  誠君     古賀 之士君      竹内 真二君     杉  久武君  五月十四日     辞任         補欠選任      進藤金日子君     宮本 周司君  五月十五日     辞任         補欠選任      中西 祐介君     野上浩太郎君  五月十六日     辞任         補欠選任      野上浩太郎君     中西 祐介君  五月十七日     辞任         補欠選任      福岡 資麿君     宇都 隆史君      又市 征治君     小西 洋之君      矢田わか子君     浜口  誠君      杉  久武君     熊野 正士君      新妻 秀規君     秋野 公造君      行田 邦子君     浅田  均君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         石井みどり君     理 事                 岩井 茂樹君                 豊田 俊郎君                 西田 昌司君                 伊藤 孝恵君                 竹谷とし子君                 仁比 聡平君     委 員                 石井 浩郎君                 宇都 隆史君                 島村  大君                 そのだ修光君                 中西 祐介君                 二之湯 智君                 馬場 成志君                 藤井 基之君                 藤末 健三君                 古川 俊治君                 松下 新平君                 宮本 周司君                 小川 勝也君                 風間 直樹君                 小西 洋之君                 古賀 之士君                 浜口  誠君                 秋野 公造君                 熊野 正士君                 浅田  均君                 石井 苗子君                 高木かおり君                 吉良よし子君    国務大臣        外務大臣     河野 太郎君        防衛大臣     岩屋  毅君    副大臣        外務大臣    佐藤 正久君        財務大臣    鈴木 馨祐君         ─────        会計検査院長   柳  麻理君         ─────    事務局側        常任委員会専門        員        笹嶋  正君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       清水 茂夫君        内閣大臣官房        審議官      井上 裕之君        内閣大臣官房        審議官      林  伴子君        内閣経済社会        総合研究所総括        政策研究官    丸山 雅章君        法務大臣官房審        議官       筒井 健夫君        外務大臣官房審        議官       加野 幸司君        外務大臣官房審        議官       石川 浩司君        外務大臣官房審        議官       塚田 玉樹君        外務大臣官房審        議官       松浦 博司君        外務大臣官房参        事官       齊藤  純君        財務大臣官房審        議官       山名 規雄君        文部科学大臣官        房審議官     森  晃憲君        国土交通省航空        局長       蝦名 邦晴君        防衛大臣官房長  武田 博史君        防衛大臣官房政        策立案総括審議        官        辰己 昌良君        防衛大臣官房審        議官       宮崎 祥一君        防衛省防衛政策        局長       槌道 明宏君        防衛省整備計画        局長       鈴木 敦夫君        防衛省地方協力        局長       中村 吉利君        防衛省統合幕僚        監部総括官    菅原 隆拓君        防衛装備庁長官  深山 延暁君        防衛装備庁装備        政策部長     土本 英樹君    説明員        会計検査院事務        総局第一局長   三田  啓君        会計検査院事務        総局第二局長   原田 祐平君    参考人        独立行政法人国        際協力機構理事        長        北岡 伸一君        独立行政法人国        際協力機構理事  植嶋 卓巳君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国家財政経理及び国有財産管理に関する調  査  (会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報  告に関する件) ○平成二十九年度一般会計歳入歳出決算平成二  十九年度特別会計歳入歳出決算平成二十九年  度国税収納金整理資金受払計算書平成二十九  年度政府関係機関決算書(第百九十七回国会内  閣提出) ○平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算  書(第百九十七回国会内閣提出) ○平成二十九年度国有財産無償貸付状況計算書  (第百九十七回国会内閣提出)  (外務省防衛省及び独立行政法人国際協力機  構有償資金協力部門の部)     ─────────────
  2. 石井みどり

    委員長石井みどり君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十七日までに、竹内真二君、難波奨二君、進藤金日子君、行田邦子君、新妻秀規君、矢田わか子君及び福岡資麿君が委員辞任され、その補欠として古賀之士君、宮本周司君、小西洋之君、浅田均君、秋野公造君、熊野正士君及び宇都隆史君が選任されました。     ─────────────
  3. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 国家財政経理及び国有財産管理に関する調査のうち、会計検査院法第三十条の二の規定に基づく報告に関する件を議題といたします。  会計検査院から説明を聴取いたします。柳会計検査院長
  4. 柳麻理

    会計検査院長柳麻理君) 会計検査院は、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対して、平成三十一年四月二十四日に「年金特別会計及び年金積立金管理運用独立行政法人管理運用する年金積立金状況等について」の報告書を提出いたしました。その報告書概要を御説明いたします。  検査しましたところ、年金積立金管理運用独立行政法人において、実績連動報酬制が適用されているアクティブ運用ファンドのうち、超過収益を獲得できていないのにパッシブ運用を上回る報酬が支払われているファンドが見受けられたり、運用利回りの低い短期資産ファンド残高平成二十八年度から著しく増加していたり、二十七年度の業務概況書リスク情報として記載されたバリュー・アット・リスクの値が二十四年度以降増加傾向となっていたりなどしていました。  検査状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、三十年度から本格的に適用する新しい実績連動報酬制について超過収益獲得のための動機付けがより働くものとなるよう引き続き努めること、多額の短期資産保有運用リスクについて国民に丁寧に説明することなどに留意して、年金積立金の適切な管理運用に努める必要がある旨記述したところであります。  会計検査院としては、今後とも、年金積立金管理運用運用環境変化等に即して適切に実施されているかなどについて、多角的な観点から引き続き検査していくこととしております。  これをもって報告書概要説明を終わります。
  5. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 以上で説明の聴取は終わりました。     ─────────────
  6. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 平成二十九年度決算外二件を議題といたします。  本日は、外務省防衛省及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門決算について審査を行います。     ─────────────
  7. 石井みどり

    委員長石井みどり君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これら決算概要説明及び決算検査概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  速記を止めてください。    〔速記中止
  9. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 速記を起こしてください。     ─────────────
  10. 石井みどり

    委員長石井みどり君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  11. 松下新平

    松下新平君 自由民主党の松下新平です。  私は、議題のうち、外務省所管について質問をいたします。  新しい元号をいただいてから今日で二十日目となりました。諸外国にはこの令和という言葉をビューティフルハーモニーという意味で紹介をしているとお聞きいたしました。引き続き、地球儀を俯瞰する外交、美しい調和の下でしっかり取り組んでいただきたいと思います。我々は、その力強い外交を後押しをしてまいりたいと思います。  つい先ほど、ニュースが飛び込んでまいりましたので、そのことからお伺いしたいと思います。  旧朝鮮半島労働者問題につきまして、日本政府韓国政府に対して日韓請求権協定に基づく仲裁付託通告したということでありました。  この間、膠着状態が続いていたわけですけれども、ここに来て日本政府通告をした、この考えについて、大臣からまずお考えをお聞きいたします。
  12. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 旧朝鮮半島出身労働者に係る韓国大法院判決に関しましては、一月の九日に日韓請求権協定に基づく協議要請をいたしました。その間、四か月以上になるわけでございます。韓国側では李洛淵総理がこの問題の対応に当たられているということもございましたので、我々としては、協議の申入れから四か月以上になりましたが、この間、李洛淵総理対応策の検討をお待ちをしていたわけでございますが、先般、李洛淵総理から、政府対応には限界があるというような御発言もございました。  日本側としては、韓国政府対応を心待ちにしていたわけでございますけれども、残念ながら、その責任者である李洛淵総理からそのような発言があったということで、また、四か月以上にわたり協議を受けていただけないという状況もあり、こうしたことを総合的に勘案した結果、本日午前中に、この請求権協定に関する仲裁付託韓国通告するに至りました。  今、日韓両国は、国民的な交流は非常に活発でございますので、この両国関係のベースはしっかりしていると思うわけでございますが、この問題に関しては、これはもう国交正常化以来、両国の間の法的基盤を根本から損なうことになってしまいますので、この問題だけはしっかりと韓国政府対応していただく必要がございます。  残念ながら協議要請を受けていただけませんでしたので、この仲裁韓国側が応じていただいて、この問題の解決を図ってまいりたいと思う次第でございます。
  13. 松下新平

    松下新平君 自民党外交部会でも、時間を割いてこの問題を審議してまいりました。李洛淵国務総理、私もこの間、二度、訪韓してお会いしました。大変期待をしておりましたけれども、答弁いただいたように、さじを投げたような発言は大変残念です。今後ですけれども、韓国側に適切な対応をしっかり求めていただきたいというふうに思います。  それでは、通告に従いまして随時質問いたします。  まず、中央アジアについて質問いたします。  先週末、中央アジア五か国プラス日本、今回はゲストアフガニスタン参加されたようですけれども、経済発展を議論する第七回外相会合がタジキスタンで開催されまして、河野外務大臣出席された。今朝未明に帰ってこられたということですけれども、お疲れさまでした。  中央アジアは、北はロシア、東は中国と隣接しております。特に、中国は近年、中央アジアとの深い関わりを強めており、道路やトンネルなどの建設を支援しております。中国巨大経済圏構想一帯一路の出口とも言われる中央アジア日本存在感をアピールしてこられたと思います。  この会合は十五年にわたっているとお伺いしておりますが、今後、中央アジアとの関係をいかに強化していくか、まず伺いたいと思います。
  14. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 中央アジアは、今委員おっしゃいましたような、中国あるいはロシアと接している地政学的な観点からも、またエネルギーの安全保障、そしてアフガニスタンを中心とする麻薬あるいはテロ対策といった観点から非常に重要な地域でございまして、この地域の安定と繁栄というのは国際社会にも大きな影響を及ぼすことになるわけでございます。  日本は、二〇〇四年に中央アジアプラス日本という対話枠組みを世界に先駆けて創立し、この中央アジア地域地域協力が進むように、触媒の役割を果たすべく努めてきたところでございます。  今回の第七回の中央アジアプラス日本対話では、今回は観光分野における地域協力ということ、あるいはこれまでのこの枠組みで議論してきた貿易、投資、あるいは農業、地域安全保障といったことについてしっかりとフォローアップをし、共同声明行動計画を発表することができました。今後、共同声明行動計画に基づいてしっかりフォローアップをしてまいりたいと思います。  また、今回は安全保障のセッションにアフガニスタンラバニ外務大臣ゲスト参加をしていただきまして、アフガニスタン外務大臣を含む各国外務大臣とバイの会談も行うことができました。  残念ながら、トルクメニスタンにつきましては、外務大臣ではなくハジエフ外務次官が御出席ということでございましたが、トルクメニスタンにおける日本の様々なプロジェクトが着実に実施されるよう協力を求めるなど、両国関係の更なる発展のために協力することで一致したところでございます。
  15. 松下新平

    松下新平君 大変お疲れさまでした。  河野外務大臣におかれましては、就任以来、延べ百か国・地域、そして国別でも国連加盟の百九十三か国の三分の一を超える歴訪をされていらっしゃいます。私も、日本トルクメニスタン友好議員連盟事務局長でございますけれども、議員外交もしっかり努めて政府外交を後押ししてまいりたいと思います。  続きまして、ODAについて質問いたします。  参議院は、決算重視ODA調査に取り組んでまいりました。ODA調査につきましては、この十五年間で六十九か国、延べ百二十八か国に及ぶ計算になります。私も、これまで東アジア、アフリカ、そして中南米、三回ほど参加をいたしました。人間安全保障考えに基づき、さらに日本ならでは国際貢献が求められております。  厳しい財政状況の下ではありますが、国益実現のためには、ODAの質と量を確保し、実施体制強化していくべきと考えますが、外交におけるODA重要性についてお伺いいたします。
  16. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) 松下委員指摘のとおり、我が国ODAは、中央アジアを含む開発途上国間で高く評価されており、相手国との関係強化我が国国際社会における主導的な役割、これを果たす上で最も重要な外交手段の一つというふうに認識しております。  これまで多くの国の経済発展に貢献し、貧困の削減を通じまして暴力的過激主義テロ可能性を低減し、さらには途上国成長日本経済成長にも取り込むなど、我が国自身も裨益してきたというふうに考えております。  今後とも、ODAをしっかり活用いたしまして、人間安全保障の理念に基づくSDGs達成などのグローバルな課題への対処や、自由で開かれたインド太平洋具体化を通じ、戦略的な外交を展開していきたいと考えます。
  17. 松下新平

    松下新平君 女性、教育、保健、防災、海洋環境プラスチックごみ生物多様性気候変動等のグローバルな課題を含む持続可能な開発目標SDGs達成に向けた取組推進していただきたいと思います。  続きまして、外国人の受入れについて質問いたします。  近年、日本を訪問する外国人の数はかつてないほど増加しており、大使館及び総領事館ビザ関連業務の負担も増加しているということでありました。本年四月に在留資格特定技能が創設され、今後、訪日者数の更なる増加が見込まれますが、これらを支えるビザ発給業務体制強化が必要です。  現状では、訪日する外国人増加の速度に大使館及び総領事館業務体制が追い付いていないと思われますが、外務省見解をお伺いいたします。
  18. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) 委員指摘のとおり、訪日外国人、これは近年急増しておりまして、昨年の訪日外国人旅行者数、これは約三千百十九万人と過去最高を記録いたしました。これに伴い、昨年のビザ発給数も約六百九十五万件と過去最高となりました。在外公館におけるビザ関連業務は急増しているところであります。  今後も、委員指摘のとおり、訪日外国人増加が見込まれる中、円滑なビザ発給とともに、我が国にとって好ましからざる人物の入国を防止するため、ビザ審査、これも厳格に行うことも重要だというふうに一方では考えます。  外務省といたしましては、業務合理化のほか、可能な範囲で領事関係職員の増員を図るとともに、臨時職員、この採用など、ビザ業務体制強化に尽力していきたいと考えます。
  19. 松下新平

    松下新平君 よろしくお願いいたします。  続きまして、日中関係についてお伺いいたします。  関係者努力もあって、昨年の首脳往来を通じて正常な軌道に戻ったということが確認されました。また、長期的に安定的な方向発展してほしいと願っております。  本年に入っても、ハイレベルで活発な往来が行われています。私も先日、自民党二階幹事長に同行して訪中いたしました。その一週間前には河野外務大臣訪中され、王毅国務委員外務部長日中外相会談を行ったほか、多くの閣僚とともに日中ハイレベル経済対話出席されたと承知しております。  先週は楊潔チ中央政治局委員訪日し、来月のG20大阪サミットには中国習近平国家主席出席されますが、今後の日中関係のこの方向性について考え方をお聞きしたいと思います。
  20. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 昨年の李克強国務院総理訪日、あるいは安倍総理訪中、そしてG20では習近平主席をお迎えをする、こうしたハイレベル相互訪問が続いていく中で、日中関係は正常な軌道に戻りつつあると言ってよろしいかと思います。  首脳間の直接のやり取りを通じて、政治安全保障経済、文化、国民交流、あらゆる分野での交流協力を一層強化し、肩を並べて日中両国地域あるいは国際的な課題に共に取り組む、そういう新しい時代にふさわしい日中関係の在り方を示したいと思っております。  ただ、委員からもお話をいただきました日中ハイレベル経済対話、六名の閣僚日本から出席をいたしましたが、我々が帰国した直後に尖閣諸島領海侵犯が行われるなど、いまだ混在したメッセージが送られてくるということもございます。  日中両国が本当に正常化するためには、この東シナ海、南シナ海での安定というものが必要になってくると思いますので、外交当局としてしっかりとこの日中両国関係正常化に向けて引き続き努力をしてまいりたいと思っております。
  21. 松下新平

    松下新平君 今年は日中で五年間で三万人の青少年交流事業がスタートする年でもあります。更により良い関係構築を期待したいと思います。  今大臣からお話がありました、私もこのことについてただしたいと思います。  日中両国の間には隣国ゆえの難しい問題が存在しております。特に尖閣諸島周辺海域における中国公船領海侵入日中間地理的中間線付近における資源開発の問題は、日本国民の対中国認識に大きな影を落としております。また、中国の不透明な国防費の増大や活発な軍事活動に不安を抱く国民も多いわけで、今後、真の意味での日中友好を実現していくためには日中双方がこうした問題に正面から取り組んでいく必要があると考えますが、大臣の御見解を、さらに、この関連両国国民感情改善に向けた政府取組をお尋ねいたします。
  22. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) お答えいたします。  実は、本日も中国海警局公船四隻が尖閣諸島領海に侵入するなど、御指摘のとおり、日中両国間の間には東シナ海の問題を始め難しい問題も存在しております。現在の関係改善の中でも、こうした問題は避けて通ることがやっぱりできません。むしろ、日中関係全体の雰囲気が改善し、対話交流の機会が増える今だからこそ、こうした問題についても中国改善を求めていきたいというふうに思います。  先日の河野外務大臣訪中におきましても、王毅国務委員外交部長に対しまして、尖閣諸島周辺海域における中国公船活動大型ブイの設置、日本排他的経済水域における中国海洋調査船活動などを取り上げまして、中国側日中関係の真の改善に資する行動を取るように求めたところであります。また、東シナ海資源開発に関する二〇〇八年合意、これにつきましても実施に向けた交渉の再開を改めて求めております。また、安全保障の問題についても率直に議論をいたしました。  同時に、委員指摘のとおり、両国国民、特に若い世代の直接の交流を通じた信頼醸成というものは極めて大事でありまして、両国関係の安定のために極めて重要で、今後とも推進していきたいと思います。特に、本年の日中青少年交流推進年を通じて両国の若い世代交流を後押ししていきたい、その一環として、修学旅行を通じた交流についても強力に推進をしていくことで一致をしたところであります。今後、具体化を進めてまいりたいと思います。  引き続き、主張すべきは主張し、様々な外交上の取組を通じまして、長期的に安定した日中関係構築に向け努力をしていきたいと思います。
  23. 松下新平

    松下新平君 東シナ海における中国による力を背景とした一方的な現状変更の試みは断じて認められず、引き続き、冷静かつ毅然と対応するとともに、東シナ海を平和、協力友好の海とすべく意思疎通強化していただきたいと思います。  それでは、この度のWTO上級委員会報告について質問をいたしたいと思います。  資料をお配りしておりますので、御覧いただきたいと思います。三枚つづりになっています。  韓国による日本水産物等に対する輸入規制措置に関するWTO上級委員会報告書についてお尋ねをいたします。  韓国政府は、平成二十三年の原発事故の後、段階的に規制を強めまして、二十五年に、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉、この八県で水揚げ、加工された全水産物輸入を禁止する措置に踏み切りました。各国輸入規制を緩和する中で韓国のみが規制強化したことに対して、科学的な根拠はないと日本政府WTOに訴えました。しかし、今回の上級委員会報告は、日本にとって大変不本意な結果となりました。  本件におきましては、第一審のパネルでは日本の主張が認められ、韓国措置WTO協定違反であるとの判断がなされましたが、第二審、これは最終審ですけれども、上級委員会は、パネルの法的分析に不備があるとして、韓国措置WTO協定違反であるとのパネルの判断を取り消してしまいました。一方で、上級委員会は、パネルの判断を取り消しておきながら、韓国措置WTO協定違反かどうかの判断を行わず、言わば宙ぶらりんの状態で終えております。  紛争解決制度というのはまさに紛争を解決するために存在するのであって、こうした使命、責任を十分に果たさない今回の上級委員会の判断は非常に問題であり、無責任であると言わざるを得ません。  これに関して、先月行われたWTO会合において、この上級委員会報告書がされた際、日本報告書の内容に異議を唱え、それに対して米国を始めとする各国から支持が表明されたとの報道がありました。  まずはこの点につきまして事実関係外務省にお伺いしたいと思いますが、上級委員会報告書が採択されたWTO会合において、日本からどのような意見表明を行ったのでしょうか。それに対して各国からの反応もお伺いしたいと思います。
  24. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) 事実関係をお答えいたします。  四月二十六日に開催されたWTO紛争解決機関の会合において、我が国からは、上級委員会の判断が紛争解決に資するものになっていないことを強く懸念すること、及び日本産食品の安全性に関するパネルの事実認定については争いがなく、引き続き早期の措置の撤廃を求めていくことなどを発言いたしました。  これに対しまして、アメリカ、EU、カナダ、サウジアラビア、コロンビアなど、十を上回る国から我が国の問題提起について前向きな発言がありました。例えば米国からは、パネルの結論を上級委員会が取り消したことは遺憾であること、また、日本から輸入される水産物が安全でないと結論付けることは不適切である旨の発言がありました。また、サウジアラビアからは、日本に専門家を派遣し、調査した結果、日本産食品の安全性が確認されたため、輸入規制措置を解除している旨の発言がございました。  以上です。
  25. 松下新平

    松下新平君 次に、WTOの改革についてお伺いしたいと思います。  先ほど述べましたように、今回の上級委員会の判断は非常に問題であり、WTOの有用性が問われる事態となっております。  今回の韓国による日本水産物等輸入規制につきましても、WTOに対して申立てを行い、約四年間の時間と労力を掛けた結果がWTO協定違反かどうかは判断しませんというものでは、全く納得できるものではありません。  先週行われました自民党の水産部会・外交部会・水産総合調査会合会議におきましても厳しい意見が続出しました。被災地の浜の方、そして関係者がいらっしゃる中で、今回の上級委員会の判断はおかしい、WTO改革を進めるべきだ、そのような多くの指摘がありました。そういう思いは、浜の皆さんを始め、関係される、また国民の間にも強くあると思います。  WTOの意思決定は全会一致が原則であると聞いております。WTO改革を進めるには高いハードルがあると思いますが、今後、WTO改革、そしてとりわけWTOの紛争解決手続の改革にどのように取り組んでいくべきと考えますか。G20でもテーマにされるということですが、政府のお考えをお伺いいたします。
  26. 佐藤正久

    ○副大臣佐藤正久君) 委員指摘のとおり、今回の韓国による日本水産物等輸入規制措置に関するWTO上級委員会の判断は紛争解決に資さないものでありました。  我が国といたしましては、WTO改革の中でも紛争解決制度の改革を重視しており、また先般の上級委の判断についての問題意識を踏まえまして、四月の十七日、豪州と共同で、WTO上級委員会をめぐる問題について議論すべき論点を示した提案をWTO一般理事会に提出し、後日、チリが共同提案国に加わったところであります。また、そのほかにも、同日、現在の紛争解決制度における問題に対して加盟国間で議論を開始することを要請する文書をWTO紛争解決機関に提出いたしました。  私も、被災地の一つ、福島県の出身でございますので、今回の問題というものをしっかりと深刻に捉えまして、我が国の問題意識に対します加盟国の御理解、これを得ながら、具体的な改革につなげられるよう、今後も議論に積極的に貢献していきたいと思います。
  27. 松下新平

    松下新平君 この問題は、国際社会にしっかり協力を求めるということだと思います。  G20大阪サミットが、国内では最大規模になりますけれども、議長国として大きな役割があると思いますので、外務省としてもしっかりサポートをしていただきたいというふうに思います。  最後に、各国輸入規制措置の撤廃に向けた今後の方針についてお伺いしたいと思います。  今回の上級委員会報告書には、日本にとっては不本意な内容でありましたが、一方で、第一審のパネルが認定した日本産食品の安全性については上級委員会も取り消しておらず、最終的にWTOの判断として日本産食品の安全性は認められたと聞いております。  これは非常に重要な点でありまして、この点を積極的に広報し、各国輸入規制の撤廃につなげていくべきだと考えますが、政府としては、今回の上級委員会の判断を踏まえ、今後、韓国を始めとする各国による輸入規制の撤廃に向けてどのような方針で臨んでいく考えでしょうか。
  28. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 委員からも御指摘をいただきましたように、WTOのパネルで日本産の食品が安全であるという評価、これは上級審でも変わらなかったわけでございます。  こうしたことを踏まえまして、日本政府といたしましては、ハイレベル会談、あるいは在外公館などでの働きかけ、国際会議での様々な場面を利用しての働きかけといったことをしっかりとやって、今二十三の国・地域でまだ輸入規制が残っておりますが、こうした国・地域での輸入規制の早期撤廃を求めていきたいというふうに思っております。
  29. 松下新平

    松下新平君 被災から八年経過して、まだ二十三地域・国が規制をしているということでございます。今まで以上にまたこの問題取り組んでいただきたいと思いますし、その水産物以外の輸入規制の問題もございます。お配りしている資料の三枚目にございますけれども、この問題についてもしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。  まとめに、令和元年はG20サミット、TICADⅦ、ラグビーワールドカップ二〇一九、即位の礼など、大型の国際的な行事が続きます。これは、来年以降も二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、二〇二五年の大阪万博博覧会と続いていきます。これらは日本外交の重要な行事であって、日本の良いところを国際的に発信する絶好の機会とも言えます。  外交政府のみで行われるものではありません。我々も立法機関の中で、議員外交の展開も非常に重要だというふうに思っております。私も現在、自民党外交部会長として、外交の面では政府と与党・自民党の連携、この維持強化に努めるとともに、お話ししました日本トルクメニスタン友好議員連盟事務局長、そして日韓協力委員会の事務総長としてしっかり議員外交を展開してまいりたいと思います。  予定しております通告の内容が終わりましたので、ここで私の質疑を終わります。ありがとうございました。
  30. 宇都隆史

    宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。  決算委員会におきまして質疑の時間を与えていただきましたこと、委員長始め委員の皆様方に心から感謝申し上げたいと思います。  本日は、平成二十九年度の決算について審議を行うわけですけれども、岩屋大臣、もう当然のことでありますけれども、防衛省というのは自衛隊という唯一の実力組織を抱えた官庁でございますので、シビリアンコントロールの観点から、予算の承認に関しても、また執行の審査に関しても、より他省庁よりも厳しい審査の目にさらされると、これはもう当たり前のことでございます。  そういう観点から、防衛省の予算というのは、ちょっと他省庁の単年度予算あるいは執行の審査と違って、これ昨年末にも定めましたけれども、約十年間先を見据えて、今後、どのように我が国が防衛装備あるいはその環境を整えていくかというための防衛大綱というのを先に決めまして、これを閣議決定し、これは大体十年先を見据えますから、前半の五年間と後半の五年間、五か年計画ということで中期防衛力整備計画、この中身において五か年間、総額幾らで大体どういう装備品を購入していくかというのを決めていくわけですよね。これにきちっとのっとって各年度の予算を作っていくわけですから、ある意味、こうやって決算書が出てきても、中期防のとおりここまで来ているんだなということを見るという意味では、他省庁の審査よりも若干、前提として分かっている部分が非常に多いというふうに思います。  今回、特に二十九年度ですから、中期防衛力整備計画の観点からいくと、二十六年度からの五か年計画の四年目ということで、私、是非今度、来年、次の三十年度の決算審議をやるときも質疑に立ちたいと思っているんです。そのときは大綱、中期防を踏まえて、中期の総決算をしながらこの五か年を見直していく、そして同時に、次に防衛省が定めた大綱、中期防というのが、その連結性がしっかりあるのか、実はこういう長期的な視点で防衛省は特に審査をされなければいけないというふうに思っております。これがまず私の今日質問考える前提の一点目ですね。  ただし、もう一点論点がありまして、この決算書の中身から出てくる論点だけではなくて、執行する中において、会計検査院の方からそれぞれ様々な検査を受けた中で指摘を受ける部分があります。恐らく、この会計検査院から受ける指摘というのは、我々が当初考えていたその大綱、中期防に載っからないような部分で、行政執行の中で目をこぼしているところといいますか、ああ、そういうこともあったんだなというところを指摘をしていただくという意味では、ある意味、重大な指摘であると。この会計検査院からいただいた指摘に対して適切にそれを改善するための処置をするというのが行政機関として当然の話なんですけれども、ただ単にそれで終わってしまっては、じゃ、この決算委員会意味がないと私は思っているんです。きっとその会計検査院になされた指摘というものは、目の前にある事象として、これがおかしいですよねと数字的な指摘もありながら、その背景に何らかしらほかの面に向けてもちょっと考え直さなきゃいけない氷山の一角的な部分があるんではないかと。  今日は、会計検査院からこの平成二十九年度に指摘をされた部分のうち、三点ほど私としてちょっと注目をしたいものを抽出しまして、そのことについて政府参考人質疑をしながら、その質疑をお聞きいただいて、大臣に対してこの御認識を聞いていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。  まず一点目なんですけれども、この平成二十九年度決算において会計検査院からの指摘を受けた中で、金額においては防衛省が最も多額の金額指摘を受けているというものがありましたので、この件についてのまず一つ目の質問でございます。  これ、何かといいますと、航空機等に搭載する重要物品、これを、現在額とそれから物品の増減を報告しなきゃいけないんですけれども、この報告漏れがあったと、これが多額の金額であったというものですね。これはどういうような仕組みといいますかルールになっているかというと、航空機に搭載する取得価格、部品等の取得価格が三百万円以上のもの、そういう機器とか器具、こういう重要物品については、防衛装備庁は陸海空の各幕僚長が作成する管理報告書に基づいてちゃんとこれを報告しなきゃいけないと。ところが、平成二十八年度の物品報告書の中では、例えばですけれども、ソーナーと、いわゆる電波を発信して見付けるレーダーのようなものですね、それからプロペラ等四十三品目、物品数にして三千五百五個が計上されておらず、会計検査院から最大の六百十六億千三百七十四万円の金額指摘を受けたと。金額から見て、何でこんなことが起こるんだろうというような、私も正直びっくりをしたんですけれども、まず政府参考人、これ、なぜこういうような大幅な金額が指摘されることになったのか、その理由。  それから、これ、平成二十九年度の指摘ですから、既にもう改善のための対処措置を当然とっているわけですけれども、どのような対処処置をしたのかということについて答弁を願います。
  31. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  本件は、昭和五十五年に策定した物品増減及び現在額報告基準、こういう基準を作ったわけですが、これに基づいてこれまでこうした物品等の報告をしておったんですが、この中では、単体として認識できる程度の大まかな物品の名称を示しておりました。例えばプロペラというような記述で、これに該当するものをちゃんと記述しなさいというようなことでございました。こうした点で、当時はいざ知らず、非常に複雑化している中では統一的な判断が難しい状況になっていたものと考えております。  このために、先ほど委員から御指摘のありましたような総額六百十六億円余りに当たる物品についてきちんと帳簿に書かれていなかったという指摘を受けたところでございます。  このため、昨年八月に策定した新たな基準においては、昭和五十五年当時と比較し、装備品等が多種多様化、システム化などしておりまして、その名称だけでは物品計上に当たっての判断が難しい状態になっていると。こうした状況に鑑みまして、装備品の特性によって細分化された分類区分表を活用いたしまして、分類番号による明確な計上基準により行うように見直しを図ったところでございます。  なお、本件は、装備品等の重要物品に係る書類作成の不備ということで指摘されたものでございます。金額は六百十六億円余りと大変多額になっておりますが、これは国に金銭的な損害を与えたものではないというふうに考えております。  いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、今般の会計検査院からの指摘を受けたことを真摯に受け止めまして、再発防止に万全を期してまいりたいと考えております。
  32. 宇都隆史

    宇都隆史君 委員の皆さん、今の多分理解できなかったと思うんですけれども、私、ちょっと補足で、事前にレクも受けていますのでお話ししたいと思うんですが、要は、最後に言われたポイントは、もう一回私も政府側を代弁してきちんと言っておきましょう。  金額は最多に上ったけれども、別に金額的な損害を与えたとかそういう問題ではないんですよね、ただ書類上の、帳簿上問題があったということで。何がこれ問題だったのかというと、要は、昭和五十五年に、プロペラとかエンジンとかレーダーとか大きなくくりで言っているものなんですけど、陸海空のそれぞれの担当官が見たときに、これ、でもレーダーと書いていないからこれは落としていいんだなとか、要は統一基準が何にも決まっていなかったんですよね。それを検査院が見たときに、いや、これはこれに該当するでしょうということで指摘を受けたのが約六百十六億円に入ったと。その後、これ適正に処理をしなきゃいかぬということで、その帳簿を付けるそれぞれの物品に物品番号を振って、担当者がもう物品番号をきちんと調べれば、計上すべきものか計上しなくていいものか、これをはっきりさせたと。深山長官、そういうことでよろしいですよね。
  33. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 委員指摘のとおりの状況でございます。
  34. 宇都隆史

    宇都隆史君 これはこれで適切なもう処置をしたということで、これはこれでいいんですけれども、先ほど言いましたこういうのは氷山の一角なんじゃないのかという話の部分をちょっと大臣とやり取りをしたいんですけれども。  結局、このかつてのルールにのっとったのが延々と今まで続いているものが中にはきっとあると思います。同時に、今、陸海空統合運用というようなものもしていっていますし、それから、できるだけコスト削減のために装備品も、陸海空で同じような装備品、例えばですけどヘリコプターのUH60シリーズとかですね、こういうものを使っていくと、同じ部品を使ったりしているんですが、その組織によって物品の番号が違ったりあるいは帳簿の付け方が違ったりとかするのもあるかもしれない。  今後、この統合化、それから人はどんどん少なくなっていきますから省人化、そして陸海空で同じような例えば調達であったり、物を管理する補給であったり、あるいは帳簿を付ける会計であったり、こういうのはやっぱり同じような基準でやっていかなければならないんだけど、恐らくこれ氷山の一角で、現下にはまだまだいろいろ統一規格になっていないものがあるんではないかなと。この業務処理をできるだけ簡素化、効率化、そしてまた更に言えば統合的に、これ、これからどんどんお互いに物品のやり取りをしていく頻度も増えてくるわけですから、きちんとこういう統一規格になっているかどうかというのは、やはりこの後方部門から、きちんとこういう指摘を受けたときに見直していって、あのときにこういう会計検査院からの指摘を受けたので自発的にいろいろなことをやってみたら、こういう改善がまだまだ見られるよねということを是非やっていただきたいと思います。大臣の認識を伺います。
  35. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) ただいまの御指摘については宇都委員の御指摘のとおりでございまして、私ども、今般の指摘を受けて改善すべきものをしっかり改善していかなければいけないと。特に、統合運用というものに重点をどんどんと置いていっているというさなかでもございますので、業務の遂行に当たって統一性が確保されている必要があるというふうに考えております。  そこで、防衛大臣の権限に基づいて訓令等の文書を策定することといたしております。大臣から発せられた統一的な業務処理要領に基づいて、加えて各組織の特性なども反映した、各自衛隊は業務処理要領を策定をしているところなんですけれども、今般、会計検査院から指摘を受けた航空機等に搭載する重要物品の計上の仕方においても、既に再発防止に向けた改善措置として、大臣から権限及び事務の委任を受けた防衛装備庁長官から省内全機関に対して統一した業務処理要領を周知徹底をしたところでございます。  他方で、御指摘の省人化、効率化のため、共通した、後方職種における統一した業務処理要領に収れんさせることについては、これを真摯に受け止めて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
  36. 宇都隆史

    宇都隆史君 大臣、ありがとうございました。  大臣からそういう指示の下、前に進めていく上でもう一点是非改善を、実行していく上に当たって頭の片隅に是非置いていただきたいことが、大体こういう改善ってやっていくと、現場が上から指示を受けて、ああ、やっぱりこういう改善しなきゃいけないなと、これ変わってくるんですね。ところが、この現場に今度は人を送る教育機関、そこが今度は遅れるんですよ。ああ、現場はもうそうやって変わっているのか、じゃ、教育もちょっと変えなきゃといって大体半年、一年遅れで。  だから、是非こういう改善やるときは、もう次の人間を育てている教育機関と一緒になって、自衛隊の様々な教育機関あります、初級から中級からいろんな機関ありますけど、こういう教育機関もよく連携をしながら、スムーズな移行が図れるように是非お願いしたいと思います。  二点目なんですけれども、次の指摘なんですが、これまた防衛装備庁の部分です。  防衛装備品、ともすると購入に当たって非常に金額が高くなるケースがありますよね。予算でこの装備品これぐらいの値段になりますからということで予算措置、予算の概算要求をするに当たって、これまでは装備品の調達に関する予定価格、これの算定というのを民間企業の見積資料に依存していたと。  これは問題じゃないかと、もう少し防衛省自身が、装備庁自身がそれぞれの原価計算をしたり、大体これぐらいの価格になるんじゃないかというのをきちんと管理をしなければコスト管理というのはできないですよねと、こういう考えの下に、平成の二十八年度から、この予定価格の基準となり得る計算価格とか製造原価等のコストデータを一元的に管理するパイロットモデルシステム、これを導入したわけですね。この整備に二億三千三百七十三万円を掛けました。  ところが、会計検査院から、このパイロットモデルシステム、機能しておらぬじゃないかという厳しい指摘を受けたわけですね。二点についての指摘を受けております。  一つは、計算価格又は製造価格のいずれか一方しか入力できない仕様となっていたり、分析対象のコストデータがほかのシステムから自動取得される契約金額の総額となっていて、入力したコストデータの分析ができていないこと。要は、きちんとした、入力に伴うアウトプットがきちんとなされていないということですよね。  それからもう一つは、原価調査の実績、これが非常に低調であると。つまり、各企業からこの原価は幾らですよという情報をなかなか取り切れない。ですから、平成二十五年度、平成二十六年度に関してはこの実際の原価の中身を知れた実績というのがゼロ件、二十七年度以降についても平均七件しか取れていない。こんな少ない数では、全体のデータを計算するに当たってパイが少な過ぎて、とてもじゃないけれどもこれはパイロットシステムとして不適切であるという指摘を受けたわけですね。  このそれぞれ二点の指摘に対してまず政府参考人の方から、それぞれこのような形に至った理由、それから現在はどのような改善策を講じているかということについて答弁を願います。
  37. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘のありましたコストデータベースシステムの整備に関しまして、会計検査院からは、御指摘のとおり、入力したコストデータの分析ができていないと、そしてまた、かかるシステムへの入力の対象となるデータを取得する機会が十分に確保されていないという指摘を受けました。  入力したコストデータの分析ができていないとの指摘につきましては、システムの仕様に係る検討が、これをつくった当初の検討が不足していたといったことが原因でございまして、順次改善を進めておりまして、例えば、分析に必要となる二種類のデータのうちいずれか一方しか入力できないといった御指摘がありましたけど、そうした状況につきましては、平成三十年四月以降、改善をいたしました。  また、入力の対象となるデータそのものを取得する機会が十分にないではないかという指摘につきましては、分析に適したデータをどうやって機械に入れる前に我々は取得するのかという仕組みの検討が不足していたということが原因であったと考えておりまして、かかるデータを企業から取得するために企業にインセンティブを与える新たな枠組みづくりを今構築する予定で検討しております。  防衛省としてはこうした指摘を大変重く受け止めておりまして、平成三十年九月以降、防衛装備庁に設置した検討委員会においてデータベースのあるべき姿について議論をしておりまして、かかる議論においてシステムの機能を必要かつ有効なものとすべく要件をきちっと固めまして、これを改修、動くものにしていきたいと考えております。
  38. 宇都隆史

    宇都隆史君 入力がどちらか一方しかできないというシステム上のエラー、これに関しては平成三十年の四月からもう改善できていると。あとは、企業側からきちんとデータ、原価のデータを吸い上げる、これに関してはインセンティブを与えながらこれからやっていくということですけれども、冒頭に言いましたけれども、このパイロットシステムを運用するに当たっての準備が不十分だったと。これは防衛大臣も記者会見の中で明確に反省されて述べられていますよね。  これはやっぱり防衛省としては大きく反省していただきたい。我々国会に予算審議としてお願いして出すに当たって、このシステム、額もすごいじゃないですか、二億三千万近くの額を掛けているこのシステムを、準備不足だったので運用がうまくいっていませんというのは、これはいけませんよ。それだけのお金を国から出してもらってきちんと運用するんだったら、きちんと準備してからやらないと。  これは今後一生懸命運用できるように、まだこれ試験期間ですからいいんですけれども、令和四年度運用開始になっているわけですね。装備庁も装備庁として誕生してからもろもろのやらなきゃいけないことがあって、非常に忙しい中で様々なことをやっているので、いろんなところに少しずつひずみというか、そういうものが出てきていると思うんですけど、そろそろいろんなものをきちんと整えながら、当初、防衛装備庁に期待された方向性にしっかりと動いていかなきゃいけない。それがきっとこの令和四年辺りにはきちんと回っていかなきゃいけないと思うんです。  この件も含めて、今後の装備庁の在り方についても防衛大臣からの見解を求めたいと思います。
  39. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 本件については、昨年、会計検査院から指摘を受けた際に、私からは、これはもう深刻に反省すべきだと、全く準備不足、検討不足だと、厳しく深山装備庁長官に指示をいたしまして、速やかに改善を行うように指示をさせていただいたところでございます。  現在、防衛省において検討委員会を設置の上、議論を着実に進めることができていると思っておりまして、引き続き、令和四年度中の本格運用開始に向けて、今般の反省をしっかり踏まえて必要な議論を進めてまいりたいと思います。
  40. 宇都隆史

    宇都隆史君 ありがとうございます。  防衛省が取り扱う装備品というのは一つ一つのやっぱり単価が高いですね。それから、一つあれば足りるという話ではなくて、物によってはやっぱり複数、ですから総額が非常に大きくなる。総額が大きくなるということは、我々のやはり国会における審議も慎重であるべきですし、その予算が通った以降もやはりその額に対しての国民に対する説明責任というのは非常に大きい、重いものがあると思います。  そういう意味で、必要なものとしてきちんと要求して、これは金額云々ではなくて、ちゃんと機能すれば、それは国民の皆さんに対してきちんと安全、それから平和の維持ということできちんと貢献できるものなわけですから、きちんと運用できるように令和四年に向けて引き続き御努力をお願いいたします。  三点目でございます。ちょっと瑣末な話にはなるんですけれども、防衛省の周辺地域にある国有地、防衛省管理している国の土地、これの財産管理が極めて不適切だという指摘を受けております。  防衛省は、騒音障害防止、つまり、飛行場の周辺とかあるいは演習場の周辺で物すごく音が非常にうるさいと言われている土地で、近隣の住民に迷惑を掛けないように、そういう目的で防衛施設の周辺の土地を購入して管理を行っているわけなんです。  ところが、平成二十九年度末において、検査院により二件の管理地において指摘を受けました。近隣住民が無断でこの防衛省管理土地に、駐車場に使っていたりとか家庭菜園をしていたりとか、もう分かる話なんですよね、使っているというのは。これ、会計検査院指摘を受けるまでこれはやっぱり分からないぐらいの管理体制、これは極めてずさんな管理体制だと思いますよ。  これに関してどういう状況であったのか、それから現在どのような管理をしているのかについて、政府参考人の方からの答弁を求めます。
  41. 中村吉利

    政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  委員指摘の防衛施設周辺における行政財産、いわゆる周辺財産の管理につきましては、本院の指摘に基づき当局において改善措置を講じた事項、処置済みという報告がなされております。  具体的に申し上げますと、会計検査院による検査の結果、周辺財産が近隣住民等により無断使用されていた事態が見受けられたが、防衛本省から全国の地方防衛局等に対して無断使用の改善に向けた措置をとることや境界柵の設置等を指示した通知文書を発出したことで、周辺財産を適切に管理するよう改善措置を講じたとされたところでございます。  また、会計検査院報告の後におきましても、更なる改善を図るため、本年の三月、各地方防衛局等に対しまして、無断使用の防止及び速やかな解消について具体的な方策を盛り込んだ文書を発出をしているところでございます。  いずれにいたしましても、周辺財産の管理が適切に行われなかったということについては、我々反省しなければいけないというように考えております。防衛省といたしましては、周辺財産の適切な管理に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  42. 宇都隆史

    宇都隆史君 現在、財務省は、それぞれ各省庁が管理している土地で必要のないような土地に関しては、できるだけこれを売って、財産を国として手放して非常に厳しい財源に充てるべきではないかという方向で様々多分言われると思うんですね、これは防衛省だけではなくて。この問題は、家庭菜園にしていたとか駐車場にしていたとか、そこの部分の問題ではなくて、防衛省として実は大事な土地がやっぱりあるんじゃないんですか、物によってはですね。これは騒音対策目的ということで必要だし、物によっては、最近、防衛省の周辺の土地を外国資本によって買われている、こんなケースも聞こえてくるわけですよね。  そういうことを考えると、こういうことをきちんとやっていないと、防衛省、もう土地使っていないんだったら返しなさいと、逆に民間にこれは売ってしまいなさいみたいな話になりますよね。でも、逆に遊ばせておいてもこの土地はもったいないということになると思うんですけど、これ、どうしましょう。この土地、遊ばせておいたら無駄になるんだったら、じゃ、どうしたらいいのかと。これは防衛省側に何か知恵はないんですか。
  43. 中村吉利

    政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、遊ばせておくのはもったいないというのは御指摘のとおりかと考えております。現在、防衛省といたしましては、試行的ではございますけれども、この周辺財産の管理に問題のない範囲におきまして、有償で民間等に対して使用を認めるというようなことも推進をしているところでございます。  このような努力を通じて、周辺財産の有効な活用を図ってまいりたいと考えているところでございます。
  44. 宇都隆史

    宇都隆史君 今言われた試験的なことをどんどん進めていってもらう方が私はいいと思います。だから、公共の利にかなうような形であれば、周辺市町村であったり、あるいは公共機関に無償で貸し出すということをどんどんやればいい。あるいは、何か公的なことにもちょっと絡んだような、地域住民の利益に貢献できるような形で、例えば、それは有償になってしまう場合であれば、きちんとその自分たちが持っている目的にたがわない形で有償貸与をして防衛省として管理をする。そっちの方がよっぽど私はいいと思いますよ。そういう管理の仕方をしていないと、やっぱりこういうことになってくる。  だから、一つの大きな前提の問題点としては、その土地をどういうふうに活用するのかというのを、ただ土地を持っていて、ここに家建ったらうるさいと言われてまたお金払わなきゃいけないからと、そういう目的じゃなくて、自分たちが持っているんだったらそれを有効活用してもらおうと、そういう視点をこれからは入れながら、この土地の管理というのもきちんとやっていただきたいと思います。  大臣いらっしゃらないときにもちょっとお話ししましたけれども、やはり今後、防衛施設の周辺土地の管理というのは、防衛省単体の問題ではなくて、国全体の安全保障に関わってくるような問題になるんではないかなという問題意識で質問させていただきました。  それでは、会計検査院から指摘された三点に関しては以上で終わりまして、今日はもう一つ、厳密に言えば予算とか決算にも絡んでくる話なんですけれども、私が今ちょっと注目していて何とか改善をしていただきたいなという一つの問題点について質問させていただきますが、とん税というものについてなんです。  余り聞き慣れない言葉だと思うんですけど、これは、外国の貿易船が、開港、つまり貿易をするために開かれた港に入ったときに、その入港に際して課される税金、租税のことをとん税というんだそうですね。このとん税はとん税法というのに決まっているんですけど、このとん税法という法律の中で、では外国貿易船とは何ですかという定義、これについては関税法の二条で定義されていて、関税法基本通達二の八によると、軍艦及び軍用船、自衛隊に属する艦船、海上保安庁に属する巡視船等は含まれないと定められているわけですね。ところがなんですけれども、ただし書でその後に、これらの船であっても、事実上外国貿易に従事するに至った場合についてはこの当該船舶を外国貿易船とみなしますよということが書いてあるんです。  さて、防衛省の自衛艦、海上自衛隊が保有する船ですね、自衛艦、この船が、こういう開港、自衛隊の基地以外の開かれた港ですね、こういうところに入ったときに一体とん税はどうなるんだろうかという過去の実績を調べてみたところ、平成二十八年度、総額として百五十二万円、平成二十九年度約九万円、三十年度九十八万円、自衛艦、自衛隊の船ですね、とん税をこれ支払っているんですよね。  額に関してはもちろん小さいです、たった数百万円です。恐らく、たった数百万円なんで今まで問題視をしてこなかったと思うんですけど、法律の立て付けからしてこれはおかしいんじゃないのと。何をもってこれ貿易船というふうにしているのと。これは、大臣、実は予算計上もしていないんですよ、額も小さいので。年々、年によってその額も違うからですね。これは、だから、予算の執行という意味からでもちょっとおかしな話だし、ましてや士気に関わる話でしてね。  何で過去このようなケースでとん税を取られているのかということについて、まず防衛省の方からお答えいただけますか。
  45. 土本英樹

    政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。  委員指摘のとん税及び特別とん税につきましては、今委員の方から御説明ございましたように、外国との間を往来する船舶が港に入港した際に、当該船舶に付随する物品以外の貨物を搭載していた場合、外国貿易船に該当するものとして課されることになりますが、自衛隊に所属する艦船につきましては、今委員説明がありましたように、通常課税対象には含まれないこととされておりますが、他方で、自衛隊に所属する艦船であったとしても、国外での共同訓練等の参加の際に海上自衛隊の艦船が陸上自衛隊の装備品等を輸送した場合には、当該船舶に付随する物品以外の貨物を搭載しているということから、外国貿易船に該当するものとしてこれまでとん税及び特別とん税の課税対象とされてきたというところでございます。
  46. 宇都隆史

    宇都隆史君 じゃ、今防衛省が言われました、元々海上自衛隊の船の装備品でないようなもので、海外の演習とかで使ったものの幾つかの部品が載っかっている、あるいは陸上自衛隊のものを載せてきた、これは元々備わっているものではないから貿易じゃないかということで取られているということですね。  じゃ、財務省の関税局にお伺いしますけど、今言ったようなパターンは法で言うところの事実上の外国貿易に当たるという認識でいらっしゃるんですか。
  47. 山名規雄

    政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。  自衛隊の艦船につきましては、外国貿易船の範囲を定めている関税法基本通達の中で基本的には外国貿易船に含まれない取扱いとしておりまして、海上自衛隊が自身の装備品を運搬するような場合には、とん税、特別とん税は課税されない取扱いとなっております。  ただし、自衛隊の艦船であっても、関税法に規定する輸出又は輸入の対象となる外国貨物を輸送する場合には、基本的には外国貿易船に該当するものとして課税を行う取扱いとなっております。そのため、例えば、一般に自衛隊が使用する海外での調達品を海上自衛隊の艦船で日本に輸送するような場合などには課税を行っているところでございます。
  48. 宇都隆史

    宇都隆史君 何か今の答弁だともう一つ聞きたくなりますね。  じゃ、陸上自衛隊のトラックとかそういうのを載せているとき取られているのは、これはどういうふうな対応になるんですか。
  49. 山名規雄

    政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。  繰り返しになりますけれども、自衛隊の艦船であっても、関税法に規定する輸出又は輸入の対象となる外国貨物を輸送する場合には、基本的には外国貿易船に該当するものとして課税を行う取扱いとなっております。  すなわち、海上自衛隊自らが使用する装備品等を運搬するような場合には乗組員の携帯品等に類するものとして外国貨物には該当しないものとして取り扱われる一方、海上自衛隊が海上自衛隊以外の装備品等を運搬する場合には外国貨物に該当するものとして取り扱われることから課税の対象となっているところでございます。
  50. 宇都隆史

    宇都隆史君 いいかげんにしなさいよという感じですね。要は、まあ法律も古いわけですよ。この外国貿易船という定義が、元々備わっているもの以外のものを積んできたときはこれは違うものを積んでいるから貿易とみなしましょうということで、これ結構場所の、地域地域の関税の局、部というのかな、によって対応が随分違うようなんですね。  こういうのってどうなんでしょう。こういうのは政府間の中できちんと話し合って十分改善できるもので、意外とこういう省庁間の縦割りによって自衛官の現場の士気を損なっていたり、本来の法の趣旨とどう考えたって一般国民が見てもこれはおかしいだろうと思うようなことを平然とやっているケースが多いんですね。  防衛省として、これ今後どのように対応するつもりですか。
  51. 土本英樹

    政府参考人(土本英樹君) お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたとおり、自衛隊に所属する艦船であっても、例えば国外における共同訓練等の際に陸上自衛隊の車両等を輸送した場合、外国貿易船に該当するものとしてとん税及び特別とん税の課税対象となることがあり、税金納付のための事務手続とか予算上の負担ということも生じることとなっております。  その上で、自衛隊の活動は極めて公益性の高いものであり、また、国外での共同訓練等の活動増加していくことも考えられるところでございますので、自衛隊に所属する艦船に対するとん税及び特別とん税の課税が免除されるよう、財務省としっかり話合いを進めていきたいと考えているところでございます。
  52. 宇都隆史

    宇都隆史君 大臣、私は、現場でこれ担当している皆さんにもちょっと来ていただいて、いろんなお話も聞きました。基本、この問題はどうにもなりませんという話じゃないんです。ただ、防衛省がやっぱり担当部署なので、きちんと自分たちで、問題があるんだったら問題がある、こういう改正をしていただきたいということを財務省側に出してくれという話なんですね。  ちゃんとその改正要望に、これ関税改正要望になるんではないかというような現場の話ではありますけど、今後調整をしていく中でどうなっていくかは分かりません、分からないですけど、唯一、唯一というかな、お互いの話を聞いていてこれは間違いないなというところは、防衛省が自分たちの問題意識をきちんと認識をした上で自らが動かないと変わらない話ですよ。財務省側さん変えてくださいじゃなくて、古い法律にのっとっていろいろなっているんだから、財務省の中でも恐らくいろんなものを変えなきゃいけないんでしょう。財務省も何もない中で変えるわけにはいかないわけだから、その根拠となるような改正要望をきちんと省庁として取りまとめて早めに上げないと。額は確かに大したことありません。ただ、やっぱりこんなおかしなことをしているのは現場にとって物すごいやっぱり負担、心理的な負担になっていると思います。ですから、これきちんとやっていただきたいと思います。  最後、大臣、済みません、午前中のぎりぎりの質問通告だったので、内容に関しては大臣の認識を伺う程度でさせていただくんですけど、どちらかというと私からの要望、政府・与党としての要望になるかもしれません。  先ほど、松下委員からの質問の中でも、本日、日韓請求権協定に基づいた韓国への仲裁申立て、いわゆる旧朝鮮半島出身労働者問題の件ですね、ありましたという流れの中で、いわゆる慰安婦合意に関してももう破棄されているような現状にありますし、WTOの問題もあって、今、日韓関係、とても冷え切っている状態ですよね。このことが決してベストでもありベターでもあるとは誰も思っていません。これ、どうにかせぬといかぬと思っていますけれども、事問題は、非常に政治的な意味を含んでいるのと韓国の文在寅政権の方針に極めてよるところが大きい部分ありますよね。  週末に、防衛大臣は、何とか改善をしていくべきだと。これはもう当然のことだと思います。この日本の安全を守っていかなきゃいけない危機管理官庁の防衛大臣としては、やはりそういう安全、平和に関わるマイナス分子が一つでもどこかにあるんであれば、それを改善して安定した状況に持っていく努力をするというのは当然のことですね。  ただ、その上で、是非これだけはきちんとやっていただかないと現場は困りますよということを二点ほどお願いしておくんですけど、一つ目は、昨年十月にありました韓国における国際観艦式で、いわゆる国際慣習法上にのっとる軍艦旗、旭日旗、これの掲載に当たって向こうがそれを下ろせということを言う、これ国際ルールにのっとらない話ですね、言ったことによって、我々は一切それは下ろすことはできないということで、これに参加を見送りました。こういうことをやっぱりやられていては問題だと。基本的に、様々な軍事的なものに関してはきちんと国際ルールあるいは慣習法にのっとってやるべきだということをきちんと向こう側にも言わないといけないと思います。  もう一点は更に重要な問題で、去年の十二月にありましたレーダー照射問題ですね。明らかに、いわゆる火器管制用のレーダーを照射する行為というのは、十二か国でしたっけ、海軍の協議の中で決めたCUES違反に当たりますよね。  そして、なおかつ韓国は、現在、この新たな対応に対する指針を現場に出しまして、三マイルですね、三海里以内、約五・五キロ以内ですか、に哨戒機等が入ってきた場合についてはこのレーダー照射をすることによって警戒をするという指針を出したやに聞いております。これは非常に危険なことですね。  こういうのを棚上げにした状態で政治的な何か解決を目指すというのは、これはもうとんでもない論外。これは、私たちは与党としても防衛大臣にそれを求めるものではありません。  関係の修復、あるいは日韓、日米韓の連携というのを図っていくという方向に関しては、我々も一生懸命それは協力しますけれども、かかる現場の自衛官に対して、きちんと対応を行っているにもかかわらずリスクを帯びるような、こういう対応については、これはきちんとやっぱり所管大臣として申し上げた上で日韓関係というのは前に進めていただきたい。これは要望でございます。  日韓関係について大臣から、今後の展望あるいはお気持ちの中、どのようになしていきたいのか、お考えがあれば、最後に答弁を伺いたいと思います。
  53. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどのとん税については、委員指摘のとおり、金額的には小さいものの、やはり士気にも関わる問題だというふうに思っておりますので、財務省さんとしっかり話をして改善を図ってまいりたいというふうに考えております。  ただいまの日韓関係についての御質問でございますけれども、もちろん外交上は日韓の間に様々難しい問題はありますけれども、やはり安全保障、防衛ということからすれば、日米韓、日韓の連携というのは、地域の安定のためにも、我が国の安全のためにも極めて重要だというふうに思っております。したがって、できるだけ早期に関係改善したいと思っておりますが、その際には、今委員から御指摘があった点もしっかり踏まえた上で、できるだけ早く意思疎通の機会を設けたいと、今その努力をしているところでございます。  本来は、観艦式もお互いに気持ちよく行ったり来たりできる関係が望ましいと思いますので、そういう改善につながるようにしっかりと今後も努力をして成果を上げていきたいというふうに思っています。
  54. 宇都隆史

    宇都隆史君 終わります。
  55. 風間直樹

    ○風間直樹君 よろしくお願いします。  まず最初に、防衛省、岩屋大臣にお尋ねをいたします。  今日はFMSによる調達についてお尋ねをします。  この調達を特定防衛調達の対象にした理由について、まずこれは、大臣、御答弁お願いできますでしょうか。
  56. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 特定防衛調達というのは長期契約の対象となる調達ということでございますが、この長期契約の対象となる装備品等の範囲については、中長期的な防衛所要を勘案した上で、確実かつ計画的に調達することが不可欠な装備品でなければならないと。そして、仕様が安定していると見込まれ、かつ長期契約によってコストの縮減効果と調達の安定化が図られるといった要件を満たすものを厳選するということになります。  したがって、これらの要件を満たすものであれば、FMSによる装備品の調達であってもこの長期契約の対象から除外されるものではないというふうに考えておりまして、令和元年度の長期契約の対象となっているE2Dに関しては、このまさにFMSで調達をするわけですが、米側には、その納期を遵守すべく価格情報も含めてしっかりと我が方に提供をしてもらえるように、しっかりと確認が取れているところでございます。
  57. 風間直樹

    ○風間直樹君 このFMSというのは、米国が自らの安全保障政策の一環として同盟国などに米国製の装備品などを有償で提供する制度ということで、価格は見積りであり納期は予定であり米国側から契約解除もできるという、非常に米国にとって有利な契約制度だと、これは防衛省も認めているところであります。  それで、私は日頃、岩屋大臣とも御一緒にいろいろ防衛政策の勉強もさせていただいておりますので、今大臣の御説明はなるほどなと思って拝聴しました。一方で、検査院の検査との関係で、FMS調達の実態について非常に驚くべきことが起きているということで、これはちょっと看過できないと感じています。  例えば、防衛装備品の数多くの不具合、また計算書の誤り、これらについてアメリカに是正要求をする必要があると。しかし、要求をしてみたら米国から却下されたケースがあるということなんですが、これ却下された理由について御答弁をお願いしたいと思います。
  58. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  FMS調達に関しては、会計検査院から防衛省に対しまして、一昨年の十月に、不具合報告書の提出の遅れや計算書と受領検査調書の照合に関し是正措置を求める等の指摘を受けました。  このうち、今委員から御指摘のありました不具合報告書につきましては、不具合報告書をこれは提出する期限が定められております。FMS上の期限がありますが、それを超えて提出したものについて、それはもう所要の期限を、決まった期限を過ぎているので是正報告については受け入れられないという形で却下されたものと承知しております。  これについては、不具合報告を速やかに送付することの重要性について担当官の理解が十分でなかったということであり、これにつきましては、調達関係職員に対する教育や通知文書発出によりまして認識の徹底を図ったところでございます。
  59. 風間直樹

    ○風間直樹君 要は、アメリカから見たときにこの是正要求を受け付ける期限があると。  深山さん、これ、期限というのは一年以内とかそういう期限なんですか、具体的には。
  60. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  期限は一年でございます。御指摘のとおりでございます。
  61. 風間直樹

    ○風間直樹君 そうすると、要は、防衛省の職員がこの期限のことをよく承知していなくて、期限を超えてアメリカに是正要求をしたら、アメリカから、何言っているんだ、おまえ期限過ぎているじゃないか、こんなもの対応できないと、こう言われたという、こういう理解でいいですね。
  62. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  一年以内に、本来であれば、不具合があれば不具合を米国に伝えて是正を求めるべきところであります。  ただ、個別の事情を聞きますと、例えば、実際にその装備品を使用する段階になって不具合が発見されたというのは、もう実は納入してから時間がたっていた例もあったと承知しておりまして、そうした点につきましては、私は必ずしも職員が怠慢であったと思いませんが、ルールの認識が十分でなく、本来であれば期限が来る前に検査をして妥当かどうかを調べなければ不利益になるという点について必ずしも徹底していなかったものと考えております。  今申し上げましたように、これについても非常に重大な問題でありますので、そうしたことがないように徹底をいたしたところでございます。
  63. 風間直樹

    ○風間直樹君 計算書の誤りについてはどうなんですか。これはアメリカからどういう理由で却下されたのか。
  64. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) この計算書につきましては、計算書と受領検査調書との照合で両文書が一致していないということがございました。これは、言わば納入書と出荷証書、こういうものを出荷したという書類と実際に我々が受領したときの受領検査の書類、二種類の書類というものが、当該物品の番号が違うなど等の指摘があったところでございます。  したがって、これで何が不具合が生じるかといいますと、きちんと我々として契約どおりのものが送られてきたのかどうか書類を追ってチェックすることができなくて、確かに、いろいろ我々も他の手段で確認できるものについてはそれをチェックをいたしてやってきたところでございますが、こうした点が不整合があったと、あるということを会計検査院から指摘を受けました。  これに対しては、米国政府に対して確認を求めたところ、その主な原因といいますのが受領検査調書に添付される出荷証書の記載不備。これは具体的に申しますと、アメリカ政府を最終的に通って我々のところへ書類が参りますが、装備品はアメリカの企業が生産し、アメリカの国防省に納め、それがこちらに来るということになります。書類もそうした流れをたどります。そうしますと、アメリカの企業は、装備品につきましては、各種の番号が、それぞれの企業が付けている番号又は国防省が定めている番号、複数の番号が実際存在しているということが明らかになりましたが、我々として照合できない、我々の知らない番号でそのものが付いてくるというようなことがございました。  これにつきましては、本年一月に、私、防衛装備庁長官と米国防安全保障協力庁の長官との間で行われました協議におきましても、米側より、こうした問題について調査結果とこれについての統一を企業にも連絡して図ると、こうした番号の不一致等について解消にするというプレゼンテーションを受けまして、現在、米国がこれについては改善に取り組んでいるものと承知しております。  いずれにいたしましても、我々としては、今後こうした、言わばこの問題は事務的なミスによって書類上の番号と品物の一致が確認できないといったような事態でございますので、こうしたことが起きませんように日米間でより密接に連携を図りましてこの調達の適正化というのを努めてまいりたいと思っております。
  65. 風間直樹

    ○風間直樹君 検査院にお尋ねしますが、今の防衛省説明の内容に関して、特に防衛装備品の数多くの不具合、これが米国側に期限があるためにその期限を過ぎたものについては却下されている。これは、検査院としては防衛省にどういう意見を言っているのか、お尋ねします。
  66. 原田祐平

    説明員(原田祐平君) お答え申し上げます。  防衛装備庁等がアメリカ合衆国から防衛装備品等を調達するFMS調達におきまして、受領検査における防衛装備品の不具合十二件、三千百九十四万円に対する是正措置の要求を合衆国政府に対して速やかに行っていない事態ということが見受けられたということでございました。そのため、防衛装備庁に対しまして是正措置の要求を速やかに行うことを周知徹底するよう是正改善措置を求めたところでございます。
  67. 風間直樹

    ○風間直樹君 そうすると、一つのボトルネックが浮かび上がるわけで、今の答弁で。岩屋大臣、どうなんでしょう、これ。自衛隊にしてみると、アメリカからFMSで買った装備が到着しましたと、これは、言ってみれば武器ですから、使ってみないと、訓練で、練習で、いろいろ不具合があるかどうか分かりませんよね。やはり日頃の訓練の中で操作している中で、ああ、この武器についてはちょっとこの辺がおかしいなというのが分かってくる。これは一年以内に分かるとも限らないんだろうと思います。  そうすると、防衛省として米国国防総省に対してこの一年という期限を少し延長してくれないかという交渉もあってしかるべきと思うんですが、大臣、その辺のお考えいかがでしょうか。
  68. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) まずは、会計検査院の御指摘を受けて、不具合報告の速やかな提出ということが必ずしも十分でなかったということについてはしっかり反省をして改善をしていきたいというふうに思っておりますが、その上で、先生御指摘のように、元々の不具合とその故障というのはちょっと違うとは思いますけれども、運用中に発見されるその不具合について、どういう日米間でやり取りができるかということも含めて、FMS調達の改善の一つの項目というふうに認識をして、しっかり話し合っていきたいというふうに考えております。
  69. 風間直樹

    ○風間直樹君 もう一つ、この装備品などを受領した際の計算書と受領計算調書の照合について、その過程あるいは結果に関する記録、保存を行っていなかった、また極めて多くの記載内容の不一致があったと。これについて防衛省会計検査院説明しているところでは、アメリカに対し説明要請をしたとしても、アメリカ政府から十分な説明を受けられないことが考えられるからこの疑いの解明を十分に行えないんだと、こう説明しているということなんですが、検査院、これはこういう内容でよろしいですか。
  70. 原田祐平

    説明員(原田祐平君) お答え申し上げます。  今お尋ねありました事態につきまして、会計検査院としましては、防衛装備庁に対しまして、照合の過程や結果を書面等に記録及び保存するとともに、記載内容が一致していない根本的な原因を調査し、適切な照合を行うための効果的な方策について検討するよう意見を表示したというところでございます。
  71. 風間直樹

    ○風間直樹君 これ深山さんにお尋ねしますが、この極めて多くの記載内容の不一致があったというのはどういう理由なんでしょう。
  72. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 先ほども御報告いたしたところでございますが、不一致があった最大の理由は、我が方に先方から送られてくる主に出荷証書の記載不備ということになるんですけれども、これは米側の各関係機関が付与する文書番号や部品番号に統一が取れていないということだろうと、一言で申しますとそういうことだと思います。  それについては、先ほど申し上げましたように、改善を図るということを米側も申しておるところでございます。
  73. 風間直樹

    ○風間直樹君 分かりました。  事務方レベル同士でこの改善要請を既に行ったということですから、今後その経過を見守りたいと思います。よろしくお願いします。  次に、外務大臣にお尋ねをしたいと思います。拉致問題についてお尋ねをいたします。  河野大臣、私、新潟の選挙区でございまして、拉致問題とは長らく関わっております。それで、やはり新潟の拉致被害者多数いる中で、横田めぐみさんがいつ帰ってくるのかというのは、地元で座談会などしますと数多くの有権者から必ず出る声です。  それで、今日はちょっと河野大臣のお考えをお尋ねしたいんですけれども、このめぐみさんに関しては、北朝鮮がかつて日本政府に対して、めぐみさんのものとされる遺骨を送ってきました。この遺骨を当時政府が帝京大学とそれから警視庁の科学捜査研究所に鑑定を委託をして、その結果、警視庁の科捜研の方では、判断ができないと、判定不可能という結果が出た、一方、帝京大学の方では、めぐみさんの遺骨と思われるという結果が出たわけであります。  政府は、この帝京大学の結果を採用して、この遺骨がめぐみさんのものではないということで、当時、北朝鮮政府に対しても非常に厳しい抗議を行ったとされています。  それで、私が気になるのは、これ、遺骨とされるものの鑑定ですから、政治の判断ではなく科学の判断ということになります。このときに、日本政府の判断をめぐって、実はイギリスの科学誌ネイチャーが二回にわたって日本政府の判断に対して疑問を投じる記事を掲載しています。大臣も御存じかもしれません。  一回目は、二〇〇五年のネイチャーの二月三日号、記事の題名が、日本と朝鮮が拉致をめぐって衝突している中、DNAが激しく論じられるという題名で、ネイチャーの、当時のだと思いますが、クラシノスキ東京特派員が、帝京大で鑑定を行った吉井富夫氏、当時帝京大の講師に取材をし、それに対し吉井当時講師が、鑑定結果は決定的なものではなく、サンプルが汚染されていた可能性を認めた、そして吉井氏は、これはネイチャーの記事によりますと、骨を扱った誰かの汗や脂がしみ込んでいれば、どうやってもそれを取り除くのは不可能だなどと述べ、調査結果は完全なものではないと認めたとネイチャーは書いている。  もう一つの記事は、同年の三月十七日号の社説ですけれども、吉井氏は明確に骨の汚染の可能性を認めた、日本政府は科学に政治介入しているという批判を掲載した。  そして、アメリカのタイム誌も同年四月、吉井氏が鑑定に用いた遺伝子増幅法はサンプル汚染の危険があると指摘したアメリカ科学者の見解を紹介し、また、六月にはインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙も鑑定の疑問点などを報じたと。  こういうふうに、この鑑定をめぐっては海外のメディアから複数にわたって疑問が提起されています。  今日、私がこのお尋ねを河野大臣にするのは、河野大臣がこのめぐみさんの遺骨とされるものの鑑定に関して、河野大臣個人としてどういう見解を持っておられるかということをお尋ねしたいんですが、河野大臣は非常に国際的な政治家でいらっしゃって、かつて河野大臣の事務所にはインターンでイギリス人の方も働かれていたと聞いています。そのイギリス人の方は、今どうされているか知りませんけれども、その後、イギリス外務省外交官となり、北朝鮮に駐在された期間もあったと。これは、私、河野大臣が発行されているメルマガで直接拝見をしています。  そういう非常に様々な国際的な背景に関して造詣の深い大臣でありますので、この問題についての御見解、御認識をちょっとお尋ねできますでしょうか。
  74. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 個人的なことを申し上げるのは差し控えますが、北朝鮮に拉致をされた被害者に関して申し上げれば、被害者の死亡を証明する物証は何もないというふうに政府として判断しております。
  75. 風間直樹

    ○風間直樹君 ありがとうございます。  物証がないということは、この政府の鑑定もそうだし、今御紹介したネイチャー始め各外国誌の記事を含めても、拉致被害者の安否を証明する材料にはならないという判断をされていると、こういう理解でよろしいですか。
  76. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 政府として、拉致被害者が死亡しているという物証はないというのが今の政府考え方でございます。
  77. 風間直樹

    ○風間直樹君 分かりました。ありがとうございます。  次の質問に移ります。  同じく河野大臣にお尋ねしますが、トランプ大統領が今年、二回にわたって訪日をされます。前回の訪日時、二〇一七年の十一月でありましたけれども、このとき、十一月の五日に日本に到着をし、七日に日本を出発されています。使った空港が羽田空港ではなく横田基地でありました。  このとき、なぜトランプ大統領が横田基地に着陸し、離陸したのか、その理由をまずお尋ねします。
  78. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) トランプ大統領の日程その他、総合的に勘案した結果でございます。
  79. 風間直樹

    ○風間直樹君 当時、国会でも、あるいはマスコミでも、前例がない離発着だったものですから、横田基地から、横田基地へというのは、随分様々な意見が出されました。日本の主権を損なうのではないかという声もありましたけれども、この横田へのトランプ大統領の離発着について、河野大臣日本の主権を損なう可能性があるものとお考えかどうか、お尋ねします。
  80. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) そうは思いません。
  81. 風間直樹

    ○風間直樹君 そうは思わない理由についてお尋ねします。
  82. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 損なうとする理由がありません。
  83. 風間直樹

    ○風間直樹君 今年の来日、二回にわたってこの後見えますけれども、このとき横田基地をまた使いたいというような要請は現在のところアメリカ政府からは来ていますでしょうか。
  84. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 大統領のロジスティックスについては今調整中でございます。
  85. 風間直樹

    ○風間直樹君 そうすると、再び横田を使う可能性もなきにしもあらずという理解でよろしいでしょうか。
  86. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) まだ何も決まっておりません。
  87. 風間直樹

    ○風間直樹君 分かりました。また報道を見ながら引き続きお尋ねをしてまいります。  最後に、会計検査院にお尋ねをしたいと思います。  先週月曜日のこの委員会で検査院長と質疑をいたしました。このときの検査院長の答弁について、私が会計検査院の職員の再就職についてお尋ねをしたところ、検査院長は、職員が検査対象の団体等に再就職しても合法だから防ぎようがないという趣旨の答弁をされました。  私もこれちょっと後で考えてみたんですが、この答弁は、憲法第七十三条第一項の法律の誠実な執行という観点から非常に重大な問題を含んでいるんじゃないかと、そう考えているところです。検査院の職員が、先週の私の指摘では、検査対象の団体などに再就職する事例が後を絶たないと、こういう調査をお示ししたわけですけれども、これ常識的に、検査院と当該団体などとの癒着を疑わせるに十分じゃないんでしょうか。会計検査に対する国民の信頼を著しく損なう可能性があると感じます。明らかに公共の利益を検査院自らが害する行為と言われても仕方がないんだろうと思います。  国家公務員法の第九十六条の第一項というのがありまして、そこに「服務の根本基準」というのが次のように定められています。第九十六条、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と。  院長、この規定の精神からしますと、この検査院職員の再就職に関する規定というのはやはり国家公務員、国家公務員の再就職に関する規定というのは、利害関係団体などとの癒着の防止を基本として運用しなければならないという、こういう理解になるんだと思うんですが、これ、院長の見解はいかがでしょうか。
  88. 柳麻理

    会計検査院長柳麻理君) 会計検査院の職員は、一般職の国家公務員として国家公務員法の適用を受けておりまして、その再就職についても同法の退職管理に係る規定の適用をもちろん受けております。このため、会計検査院としては、当然のことでありますけれども、職員の再就職について、この国家公務員法の退職管理の諸規定を遵守しているところでございます。  会計検査院は、先日も申し上げましたとおり、大変大きな任務を負っております。会計検査院法の第二十条の第三項に規定しておりますとおり、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性の観点を持って、国費、国の会計経理について厳正に検査をしているところであります。  事務総局における審議、そして検査会議における審議において厳正に対処しているところであり、委員指摘のような点も十分に注意しながら、留意しながら、国民の負託に応えていきたいと、努めていくことに、努めてまいりたいと考えております。
  89. 風間直樹

    ○風間直樹君 そうしますと、先日の御答弁の、検査院職員が検査対象の団体などに再就職しても合法だからこれは防ぎようがないという、これは今の述べられたお考えと矛盾するんじゃないですか。  やはり、今述べられたのがそのとおりだとすれば、検査対象の団体等に再就職することについては、例えばですけれども、その経緯について詳細な聞き取りを行い、間違っても国公法の趣旨あるいは憲法第七十三条の趣旨に反することがないよう十分配慮するとか、そういった答弁が望ましいと思いますが、院長、いかがでしょう。
  90. 柳麻理

    会計検査院長柳麻理君) 委員指摘のとおり、会計検査院といたしましては、国家公務員法の規制を遵守した上で検査対象の団体等に再就職する場合、その退職管理規定を遵守した上で行っておりますので、国家公務員法の規定を、委員おっしゃるとおりに、やめさせるということは法律上難しいと考えております。  会計検査院は、元職員が在籍する検査対象の団体等であっても厳正な検査実施して、不適切な事態があれば指摘をして検査報告に掲記しているところでございます。  検査に影響を及ぼすことがないように厳格に検査実施してまいりたいと、努めてまいる所存でございます。
  91. 風間直樹

    ○風間直樹君 こういう検査院長の答弁が出てきますと、我々としてはやっぱり会計検査院法というのを見直さざるを得ないのかなという気もします。つまり、今、柳院長は国会同意人事で選ばれていらっしゃる、ですから、同意人事の方なので、当然待遇、報酬もそれなりのものを得ていらっしゃる。検査院法には実は検査官の任命規定というのが具体的に書いていないんですね。ですので、やはり、検査官はこういう方が望ましいと、そういう方を国会同意人事で選ぶという規定変更しなきゃいけないというのが今の御答弁を聞いた一つ目の考え。  それから、職員の再就職に関する経緯も届出事項とすることが必要なのかという、そういう認識を持ちました。  これ、非常に重要な答弁を今日と先週と院長されましたので、この点、引き続き質疑をさせていただきます。  ありがとうございました。
  92. 小西洋之

    小西洋之君 立憲民主党・民友会・希望の会の小西洋之でございます。  私は、辺野古基地建設の問題について質問をさせていただきます。  まず、防衛省に伺いますけれども、この配付資料の一ページ目でございますけれども、埋立工事において、資材の岩ズリの単価が、護岸工事単価、これは上に日時がありますけれども、平成二十七年の一月でございますけれども、当時千八百七十円から、下の埋立工事の方は、平成三十年三月でございますけれども、この時点では約三倍の五千三百七十円になっていますけれども、防衛省説明では、資材価格調査において一社の申告のみによる価格のみによってこれを決定したということでありますけれども、これは極めて不適切な決め方ではないでしょうか。
  93. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) お答え申し上げます。  護岸に用いられている岩ズリと埋立工事に用いられている岩ズリ、この単価は異なっております。その理由として、一般に資材の単価は需給のバランス等から時期により変動し得るものでございまして、今般の岩ズリの単価に関しましては、二十七年度から、平成でございますが、二十七年度から平成二十九年度の間に岩ズリを大量に用いることとなる同種の埋立大型工事、那覇空港でございますけれども、これが本格化して、二十九年度開始した埋立工事の前までに岩ズリの需要が増加したことなどが影響したのではないかと考えております。  岩ズリの単価については、契約図書に基づき、実際の支払状況を確認の上、精算されるものでございます。防衛省としては、各年度予算の段階において所要の額を精査しつつ、適切かつ厳格な予算執行、経費抑制に努めてまいりたいと思っています。  岩ズリの単価につきましては、「物価資料」等に掲載されていない単価であることから、信頼の置ける調査機関において資材価格等の調査を行い、その結果に基づいたものであり、当省の土木工事積算価格算定要領に基づき適正に実施していると考えています。
  94. 小西洋之

    小西洋之君 私は、その価格の決め方がおかしいんじゃないかと。聞いたことだけに答えてください。  今、最後おっしゃった資材価格調査において、一社ですね、一社の申告のみによって決めていることがおかしいんじゃないかと。私もかつて役所にいましたけれども、その調査会社が複数の会社に当たって、また沖縄だけで調達する必要がないわけですから、一社の申告のみで決めたのは不適切じゃないか、それだけを答えてください。
  95. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) この調査機関におきましては、最初十三社に対して見積り依頼を行っております。その結果として、回答があったのが一社ということでございまして、それを採用しているのだと考えております。
  96. 小西洋之

    小西洋之君 いや、私が確認したところでは、防衛省のその調査会社の聞き方が、この辺野古の基地の埋立てに必要とする岩ズリのその総量を示して、総量出せますかと。そんな総量出せるところ、一社だけでできるところって、そうあるわけじゃないと思うわけですよ。複数の会社が各量を出し合って、一定の価格の下で事業というのは普通行うべきであると思いますので。  会計検査院に、今ちょっと指摘したように、極めて不適切な方法によってこの価格、まあ初めから工事ありき、後でどんどん追及していきますけど、工事ありきでどんどんおかしなことを進めているんですが、会計検査院としてこの契約が適正かどうか等について検査して国会報告することを求めます。
  97. 柳麻理

    会計検査院長柳麻理君) 会計検査院は、会計検査院法規定に基づき、国の収入支出の決算検査を行うほか、法律に定める会計の検査を行っております。また、検査においては、合規性、経済性等の多角的な観点から検査を行っております。  本件工事に係る会計経理につきましては、国会の議論を踏まえまして、引き続き検査実施してまいりたいと考えております。
  98. 小西洋之

    小西洋之君 その最後の結論だけでよろしかったかと思うんですが。  次、じゃ、防衛省に重ねて聞きます。  今、この資料一枚目です、この紙なんですが、実は、初め契約した契約を後でこれ変更している変更の調書でございます。一番上のものは七回にわたって変更し、下は三回。一番上のものは当初百四十一億の契約額が、これ護岸工事ですけれども、百八十六億に跳ね上がっております。下は六十九億が百二億に跳ね上がっているところでございます。  防衛省に聞きます。  平成三十一年三月までのこの辺野古基地建設に係る契約の件数とその総額は幾らでしょうか。また、そのうち契約変更があった件数が幾つで、かつ、そのために増額した総額は幾らになるでしょうか。
  99. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) 普天間の移設、代替施設建設事業に関する建設工事等につきまして、平成二十六年度以降、平成三十一年三月までにおいて、沖縄防衛局で七十七件の契約をし、当初契約額は千五十八億でございます。そのうち六十六件について契約変更を行い、契約変更の、それは増額及び減額ございますが、差引きすると二百四十七億円の増額となっております。
  100. 小西洋之

    小西洋之君 差引きしないで純粋の増額を答えてください、数字を。
  101. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) もう少し丁寧に御説明しますと、三百六十八億円の増額契約があり、約百二十一億円の減額変更があり、そうすると、ネットでいいますと二百四十七億円の増額となっているということを申し上げています。
  102. 小西洋之

    小西洋之君 減額した分はどうせまた後年度等で工事するんです。だから増額の分だけ聞いているんですよ。そういうふうに通告しているんだから、質問妨害しないでください。極めて不適切です。  では、今、皆さん、委員の先生方お聞きいただいたように、実は七十七件のうち六十六件で契約変更、これ率にすると八六%です。しかも、当初千五十八億の契約が、今三百六十八と言いましたけど、足すと千四百二十六億円。約四割増えているんですね、増えている。これ実は、この工事予算全体が三千五百億で、次のページ、二ページ、資料めくっていただきますと、この三千五百からシュワブの再編を引いた、下の六百億という段がありますけど、これを除いた二千九百億について今議論をしているんですけれども、防衛省に伺いますが、三千五百のうちの二千九百における千五十八億で約四割近くの契約の増があるわけですから、もう防衛省、この辺野古の工事の費用は三千五百又は二千九百でできると言っていますけれども、それは破綻しているという認識でよろしいですね。
  103. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) お答え申し上げます。  普天間飛行場の移設事業に係る平成十八年度から平成二十九年度までの支出額はこれ確定しておりまして千二百七十億円でございますが、お手元に平成三十年度までの支出見込額、これ今、出納整理期間中のため見込額ではございますが、それを含めると千四百七十一ということでございます。その上で、普天間移設事業に係る経費というものにつきましては、この平成二十一年度に約三千五百億円以上という全体の見積りを出しましたが、現時点でその全体見積りのまだ五割の経費について入札や予算要求を行っていないという不確定要素がございます。  ですから、そうした中において、全体の半分、今申し上げたように約半分の経費が不確定な状況の中で将来の支出額を正確に把握することは困難でございまして、防衛省といたしましては、これまでどおり、各年度の予算要求の段階における所要額を精査しつつ、適切な予算執行に努めてまいりたいということでございます。
  104. 小西洋之

    小西洋之君 いや、防衛省、今の答弁は、今五割ぐらいを額で契約していると、で、その残りがまだどうするか分からないから分からないという答弁なんですが、私の指摘は、その五割に適切に該当するかどうかはさておき、千五十八億のうち約四割増えて千四百二十六億に達しているんだから、もう当然この三千五百というのは砂上の楼閣であるという指摘をさせていただいているわけでございます。  防衛省に聞きますが、先ほどの契約変更、七十七件ありましたですね。この七十七件のうち、いわゆる予算の付け替えと言われるもの、当初、財政法に基づいて財務省との間で約束した実施計画の項目に収まらずに別の項目から予算を引っ張ってきた例。先生方、二ページの資料の一番上の環境影響評価等に関する経費、これサンゴを移す費用等々なんですが、これ御覧いただくように百億円が既に二百十三億円、これもう足りなくなってしまっているんですね。この足りなくなってくるのは当然ほかから持ってくるしかないわけですが、七十七のうち、こういう付け替えを行ったケースは何件ありますか。
  105. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) 防衛省においては付け替えという概念はございませんで、支出負担行為の実施計画、これ全て、全て手続を取って、財務の承認を得てこれらの増額契約、増額は行っているところでございます。
  106. 小西洋之

    小西洋之君 防衛省の官僚の皆さんを批判するわけじゃないですけど、立派な部下の方をですね、部下の方から、付け替え、私、流用と国会で言うよと言ったら、いや、それは付け替えでお願いしますと言われたので付け替えと申し上げておりますが、分かりやすく言うと、今言ったとおり、項目に収まらずに、財務省の承認を得て予算の、別のところから予算を引っ張ってきたケースが七十七件のうちの十四件、約二〇%あるわけでございます。  つまり、今申し上げたように、この辺野古の予算執行、どういうことが言えるかといいますと、三千五百以上という言い方をしますけれども、我々国会や沖縄県民あるいは国民に対して三千五百億以上ぐらいだという数字を言いながら、実はもうその執行を分析すると、とてもその枠で収まらないような状況。で、その実態というのは契約変更の連発。まあとにかく工事を、この表を見たら分かります、もう一か月後に契約変更している例もたくさんあるんですね。契約変更を重ね、かつ予算の、これ何と言ったらいいんですか、付け替えですか、別のところから予算を引っ張ってくる、そういうようなことを繰り返しているわけでございます。  防衛省にまとめて聞きますが、まず質問一、そうした予算執行の在り方が不適切ではないのか、これが一つ。もう一つ、これは先ほど申し上げましたように、国会や沖縄県民を含む国民に対して言っていることとやっていることが違うわけでございます。この財政民主主義の観点から不適切ではないですか。その二点を答えてください。
  107. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) この経費につきましては、先ほども申したとおり、執行に当たりましては、国会の議決を経た予算の範囲内で、財政法三十四条二の規定に基づいて、当該予算の支出負担行為の実施計画、この手続を経た上で行っているものでございます。
  108. 小西洋之

    小西洋之君 私は、その国会の議決を、我々国会議員は三千五百ぐらいの数字というので国会審議をしているわけですよ。違うじゃないですか、執行の運用見たら。  会計検査院検査要請ですが、今申し上げたような予算執行の観点あるいは財政民主主義の観点会計検査院法二十条の求める全ての観点を総合して検査要請をして、国会報告をいただくように求めます。簡潔に。
  109. 柳麻理

    会計検査院長柳麻理君) 本件工事に係る会計経理につきましては、国会の議論を踏まえまして、会計検査院法規定に基づき適切に検査実施してまいりたいと考えております。
  110. 小西洋之

    小西洋之君 ありがとうございました。  この辺野古の問題なんですが、報道等あるいは国会でも予算委員会等で審議されたもう一つ大きな問題がございます。軟弱地盤というものが見付かったわけでございます。九十メートルまで要検討対象とされる軟弱地盤があるというのが、防衛省のですね、要検討対象の地盤があるということは、防衛省報告書概要に、報告書にも明記されているところでございます。  防衛省に伺いますけれども、軟弱地盤に対する地盤改良工事の実施による沖縄県への変更承認申請が必要となりますけれども、そのための事業全体の計画、これは、いわゆるその事業計画あるいはその資金ですね、資金計画等が含まれるわけですけれども、それはいつまで行うんでしょうか。この夏の概算要求の時期までか、あるいは来年度の予算査定、すなわち本年の十二月ぐらいまでに行うんでしょうか。防衛省、お答えください。
  111. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 普天間飛行場代替施設建設事業における地盤改良に係る具体的な設計等の検討に当たりましては、より合理的な設計、施工が普天間飛行場の早期返還にも資することから、十分な検討を行うこととしており、今般、沖縄防衛局においてその設計業務の発注に向けた公告をしております。この設計業務は、各護岸等や地盤改良に係る基本設計、施工計画の検討のほか、公有水面埋立法に基づきます変更承認申請に係る業務を行うこととしております。  現時点では、変更承認の申請時期について確たることを申し上げることは困難でございますが、十分な検討を行った上でできるだけ早く申請したいというふうに考えてございます。
  112. 小西洋之

    小西洋之君 普天間の移設のために一日も早くと言っている政府において信じられない答弁ですけれども、この概算要求まで、あるいはこの十二月までにやるというふうに明示的に答えられないんですか。それだけを答えてください、時間がないので。
  113. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 今申し上げましたように、沖縄防衛局におきまして、地盤改良に係る具体的な設計等、検討を行うこととしておりまして、そうした今業務を継続しておるというものでございます。  変更承認申請については、沖縄県知事の承認が得られるよう十分に精査し、できる限り早く申請したいと考えてございますが、現時点で、設計業務の公告を開始した段階でございまして、どのタイミングで、地盤改良工事の追加に伴う経費等の予算要求等とかですね、この予算要求との関係について云々するような段階ではございません。
  114. 小西洋之

    小西洋之君 時期は答えられない。  じゃ、伺いますけれども、沖縄県が変更承認、申請をしない限り辺野古の工事はできないわけでございます。そうすると、沖縄県が当該承認をしない限り、政府においては地盤改良工事追加に伴う予算は国会提出しないということでよろしいですね、沖縄県は承認しない場合は。
  115. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、変更承認申請については、沖縄県知事の承認が得られるよう十分に精査し、できる限り早く申請したいと考えてございますが、今申し上げましたとおり、現段階ではこの設計業務の公告を開始したばかりの段階でございまして、どのタイミングで、地盤改良工事の追加に伴う経費、こうしたものについて予算要求を行うのかは予断を持ってお答えできる段階ではございません。  以上でございます。
  116. 小西洋之

    小西洋之君 沖縄が承認しない限りは国会に当然予算を出さない、出せないはずじゃないかと聞いたんですが、答えられませんでした。  重ねて聞きますけれども、先ほど御指摘したように、三千五百億の執行自体がおかしい。現時点で一・四倍に膨れ上がっている部分があると。二千九百掛ける一・四は、それだけで四千六十なんですね。六百億を足すと約四千七百億ぐらいになるわけでございますけれども、三千五百と言っている部分がですね。そうすると、こうした三千五百億円の執行状況を鑑みると、今、今度、政府は地盤改良に伴う新しい計画を作るわけですが、その計画は、単にこの軟弱地盤の地盤改良に係る部分だけではなくて、今の三千五百億のその予算計画あるいは事業計画そのものも全体としてセットで見直す必要があるんではないですか。財政民主主義あるいは予算の適正執行の観点から必要があるんじゃないでしょうか。防衛省
  117. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 今後の、今申し上げたとおり、地盤改良を含めまして、今この必要な変更承認の申請の中身を詰めておるというところでございますけれども、こうした経費も含めまして必要となりますところの全体の経費というものにつきましては、今後、沖縄防衛局による地盤改良に係る具体的な設計等の検討も含めて全体として十分な検討を行い、しかるべき時期にしっかりと御説明をさせていただきたいというふうに考えてございます。
  118. 小西洋之

    小西洋之君 正直、何も答えないですけれども。  続けて聞きますが、先生方、四ページに新聞報道がございますけれども、軟弱地盤ですね、九十メートルまで要検討対象地層があるというふうに防衛省報告書で明記しています、B27地点というんですけれども。ところが、防衛省に確認すると、その九十メートルのB27地点のコーン貫入試験という補助的な試験なんですけれども、地層の強度試験はなされていない、地層の強度を測る試験ではこれはないというふうに言っています。  しかし、その近くの、新聞記事ありますけれども、百五十メートルあるいは七百五十メートル離れた地点の土層性状などの強度調査によってこの九十メートル、B27地点も強度を持っているというふうな判断したということですけれども、この七十メートルまでの工事というのは日本は経験がない。世界的にも韓国があるだけである。しかも、これは日本政府がアメリカに基地を提供する、そのための工事であるわけですけれども、そのような事業の実態等々に照らした場合に、この強度試験もせずに大丈夫だという判断を行うこと自体が極めて不適切ではありませんか。  簡潔に答えてください、時間がありませんので。
  119. 辰己昌良

    政府参考人(辰己昌良君) まず、その土の層の分布というのを我々としては把握をしております。これは、ボーリング調査の際に採取した土の物理試験、音波探査等によって行っております。  そして、このB27地点では今御指摘のようにコーン貫入試験を行いましたが、その際に土の物理試験を行っておりまして、その結果と音波探査の結果、粘性土であるということ、そして、これを見たときに、水深七十メートルより深い部分については上部と違って土の物理的な性質が違うということで、これをAvf―c2層と呼んでおりますが、これと同じ層がS3、S20、B58で確認されており、そこでの力学試験、強度試験、これと同じものであるというふうに認識をしているところでございます。
  120. 小西洋之

    小西洋之君 いや、もうそれについては、いわゆる建築の専門家の学者の方も様々異を唱えられているところでございます。  ちょっと時間が押してしまいましたので、ちょっと会計検査院検査要請をしたいと思うんですが、先ほどの質問なんですけれども、この軟弱地盤について、政府は計画を作り直す、予算、資金計画を作り直すと言っているんですが、それは当然、私が指摘したように、三千五百億の当初のものについてもしっかりと、この検討を踏まえた、そういう全体であるべきだというふうに考える、そうでなければ、辺野古の基地建設という工事の計画として、あるいは資金計画として一貫しないわけでございますけれども、そうした資金計画、事業計画としてなるように、会計検査院としてしっかり検査して国会報告していただくことを求めます。
  121. 柳麻理

    会計検査院長柳麻理君) 本件工事の会計経理につきましては、国会の御議論も踏まえまして、会計検査院法規定に基づき適切に検査実施してまいりたいと考えております。
  122. 小西洋之

    小西洋之君 この九十メートルの問題はもう二つぐらい質問を重ねたかったんですが、防衛省が答弁拒否を連発しますのでできなかったので、もう会計検査院にまた最後要請させていただきますが、先ほどのこの九十メートルですね、ここにちゃんとした強度試験を行わなくていいのかというのが今大きな国民の関心事項となり、国会でも予算委員会等々で大きな論点となっています。  会計検査院として、もう防衛省、これはやらないという判断しておりますので、それが会計検査院法二十条に定める観点から適正かどうか調査検査をして国会報告していただくことをまず要請いたします。  ちょっと簡潔に答えてください、あと一問ありますので。
  123. 柳麻理

    会計検査院長柳麻理君) 繰り返しで恐縮でございますが、国会での御議論を踏まえまして、会計検査院法規定に基づき適切に検査実施してまいりたいと考えております。
  124. 小西洋之

    小西洋之君 もう時間なのでまとめますけれども、委員長にお願いなんですが、今ちょっと短い時間ですけれども明らかにさせていただきましたように、この辺野古の基地建設なんですが、我々国会が毎年度承認しているその予算の執行、在り方についても、もうほかの公共事業ではあり得ないようなことが連発されているところでございます。  また、軟弱地盤が見付かって、世界のどこも経験したことがない工事を行うんだけれども、それを実行するに当たっての科学的な、合理的な根拠等々についても国会内外で大きな疑念が示されているところでございます。  是非、この辺野古基地建設の全体につきまして、その事業の実施状況について、国会法百五条に基づく本委員会からの会計検査院に対する検査要請をお願いいたします。
  125. 石井みどり

    委員長石井みどり君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
  126. 小西洋之

    小西洋之君 もう時間です。終わります。
  127. 古賀之士

    古賀之士君 国民民主党・新緑風会の古賀之士です。  まず、日韓関係についてお尋ねをさせていただきます。岩屋防衛大臣にお尋ねをいたします。  韓国海軍の駆逐艦によるレーダー照射の事案におきまして、日本側が一月の二十一日、最終見解におきまして、韓国側に対し、この事実を認め再発防止を徹底すること求めますとしましたが、韓国側はその後どのような対応を取ったのでしょうか。また、この本件の現状認識について、現状を改めてお伺いをいたします。
  128. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 本件についての私どもの最終見解は一月二十一日に公表をしたところでございますが、その翌日に韓国側は反論を公表をしております。また、一月二十三日から二十四日にかけて、自衛隊機が韓国艦艇に低空脅威飛行を行ったという写真を公開するなどしておりますが、私どもの見解はさきに公表した最終見解のとおりでございまして、韓国側にはこの事実を受け止めて再発防止を是非徹底してもらいたいというふうに思っております。  そもそも、私どもが韓国艦艇に脅威を与える飛行を行っておりませんし、脅威を与える意図も理由もないわけでございますので、是非冷静かつ適切な対応韓国側には取っていただきたいというふうに思っております。  その上で、日韓、日米韓の防衛協力は、先般も申し上げましたとおり、非常に地域の安定にとって重要でございますし、先般の北朝鮮の短距離ミサイル発射という事案を見てもそのことは再認識されたものというふうに思っておりますので、是非、引き続き、日韓、日米韓の防衛協力の継続に向けて、私どもとしては真摯に努力していきたいというふうに思っております。
  129. 古賀之士

    古賀之士君 そういった日韓関係重要性を改めて認識した上で、今度は河野外務大臣にお伺いをいたします。  先ほども質問があったかと思いますが、これについては通告をしていない、今日の出来事でございますが、報道によりますと、韓国最高裁の日本企業に徴用工への賠償を命じた判決をめぐって、一九六五年の日韓請求権協定に基づいての仲裁委員会の設置を求める方針という報道がなされておりますけれども、現状での見通し、そして見解を、是非、河野外務大臣からお願いします。
  130. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 一月に請求権協定に基づく協議の申入れをいたしました。それから四か月たつわけでございますが、韓国側李洛淵総理がこの問題の責任者として対応を検討されているということでございましたので、我々としては、韓国側が何らかの対応をしっかりしてくれる、そういうふうにも考えていたわけでございます。しかし、先般、李洛淵総理が、政府対応には限界があるというような御発言がありましたものですから、我が方としては、残念ながら、請求権協定に基づく仲裁に進まなければならないという判断をした次第でございまして、今日の午前中に仲裁付託をしたことの通告韓国側にしたところでございます。  この問題は日韓両国の言わば国交の法的基盤でございますので、それを損なうことがないように、韓国側としてはこの仲裁にしっかり応じていただきたいというふうに思っているところでございます。
  131. 古賀之士

    古賀之士君 引き続き、河野外務大臣にお伺いをいたします。  それこそ六月にはG20、そしてそのほかの機会もあるかと思いますが、日韓首脳会談及び日韓外相会談を今後行う予定や見通しというのはおありになるんでしょうか。
  132. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 韓国の康京和外交部長官とは、私、外務大臣に就任以来、電話会談等を含め最も多くコミュニケーションを取ってきた外務大臣でございますので、なるべくしっかりと外相会談やらせていただきたいと思っておりますが、現時点でまだ次の外相会談の予定が決まったものはございません。  また、G20は、G20と言いますが二十七か国の首脳がいらっしゃることになるわけでございまして、総理は議長を務めるなどバイ会談のスロットも限られていることから、まだ首脳会談について決まっているものはございません。
  133. 古賀之士

    古賀之士君 それでは、河野外務大臣、先ほどの別の委員質問に対して、日中関係については正常な関係に戻りつつあるという認識を示されましたが、日韓関係については今どのような認識をお持ちでしょうか。
  134. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 政府間では非常に難しい問題を抱えておりますが、昨年一年間、韓国から七百五十万人の方が訪日され、日本からは二百五十万人以上が韓国を訪れ、両国国民間の交流は一千万人を超えているわけでございまして、これは二千年近い両国の歴史の中でも最も交流が活発な時期でございます。そういうしっかりとした両国国民交流に支えられて、政府間の難しい問題もきちんと解決をして、未来志向の日韓両国関係をつくってまいりたいと考えております。
  135. 古賀之士

    古賀之士君 それでは次は、外務省への会計検査院指摘についてお話を伺います。  エチオピアのアディスアベバの助産院機材整備計画について、機材が開業基準に満たしているかエチオピア大使館検査していなかった問題が指摘をされています。同様に、ガーナのサクモノ州の産科診療所において、ガーナ大使館関係当局との折衝を十分に行っていなかった問題が指摘をされております。  この二つの問題について、どのような対応と処分を行ったのか、外務省参考人に伺います。
  136. 松浦博司

    政府参考人(松浦博司君) お答え申し上げます。  ただいま御指摘いただきました二件の草の根・人間安全保障無償資金協力案件でございます。  まず、エチオピアでございますが、既に存在しております既存の婦人科に対して、より高水準の治療を行うことができる助産院として改めて開業をする、そのために必要な医療機材を整備するものとして供与したものでございます。この供与しました整備機材のうち麻酔機、これについて、いまだ、助産院としての開業基準が満たされていないということがあったために、助産のときに使う道具である麻酔機については使用されていないというのが事実でございます。  会計検査院からいただきました指摘を踏まえまして、大使館の方から事業実施機関に対してこれまで累次働きかけを行ってきたところでございます。現在までに、助産院としての開業に必要な認可の手続は進められているところであるというふうに承知しております。
  137. 古賀之士

    古賀之士君 こういった種類の問題がほかの大使館でも発生しているかどうかを調査されましたでしょうか。また、再発の防止策というのは現状どのようになっていますでしょうか。
  138. 松浦博司

    政府参考人(松浦博司君) お答え申し上げます。  今回の事案につきましては、事業実施機関側の対応の遅れによりまして事業の効果が一部発現されていなかったという事実がございますけれども、それが外務省員の処分に該当するというような行為ではなかったというふうに認識しているところでございます。  また、他の事例でございますけれども、例年、合計百二十か国以上を対象に年間九百件ほど実施しているところでございますが、これまで調査した限り、医療施設としての開業基準を満たさないような問題を有するような案件というのは確認されていないところでございます。  今後とも、審査段階での確認を一層入念に行う、それからモニタリングをより注意深く行うということを通じまして、今回のような事案がないように、一層運用の改善に取り組んでまいりたいというふうにしております。
  139. 古賀之士

    古賀之士君 信用、信頼を損なわないように、是非対応をお願いいたします。  では、防衛省への会計検査院指摘そのほかについてお伺いをいたします。  先ほど宇都委員からもお話がありましたコストデータベースシステム、いわゆるCDBシステムに関する件です。  まず、そのシステムの概要と適用される装備品の範囲について教えてください。
  140. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  防衛省におきましては、市場価格のない装備品の価格算定において、企業が見積もった材料費や加工費等の必要な費用を基準として算定する原価計算方式を用いているところでございます。  コストデータベースは、こうした装備品の価格算定をより精緻で適正に行うため、過去の契約に係るコストデータを蓄積し、企業の見積資料の妥当性の確認、過去の契約実績や類似品との比較、分析等を行うことを目的とする情報システムでございます。  その適用範囲ですけれども、現在、御指摘も既にございましたが、会計検査院からの指摘を受けておりますが、費用対効果を踏まえまして、主要な装備品から優先的に適用していこうというふうに考えているところでございます。
  141. 古賀之士

    古賀之士君 確かに特殊なものが非常に多くて、またその価格についてはよく分かりづらいところもありますので、こういったシステムを導入していくという有用性についてはあると思いますが、そのコストのデータについて、先ほども御指摘がありましたけれども、入力するデータそのものがきちんとしたものでなければ余り逆に役に立たないと。もっと平たく言うと、元々高い価格で入力してしまえば、せっかくの原価計算そのものも揺るぎかねないという状況にもなるかと思います。  そこで、どこまでそういった適正価格の分析を行っていらっしゃるのか。それから、既存契約のデータをもしそのまま入力しているとすれば、このCDBシステムにおける参照指標そのものにも問題が含まれているという可能性も否定はできないと思われますが、その辺についてどのようにお考えでしょうか。
  142. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  コストデータベースは、今答弁で申し上げましたが、過去の契約に係るコストデータを蓄積して企業の見積資料の妥当性の確認などを行いたいというものでございます。したがいまして、そこに蓄積されているデータは正しいものであるというのは当然の前提になっております。  防衛省では、装備品の調達に当たりましては、企業から取得した見積りを精査して、今も、データベースはありませんけれども、我々も、これまでの経験で精査を行っていることに加えまして、企業から提出される資料の適正性を確認するための調整を行っておるところでございます。したがいまして、これから、ちょっとシステムは今直しているところでございますけれども、データベースに入力するデータについても、こうした精査及び調整を行っているデータということになります。  したがいまして、入力されるデータの適正性は確保されていると考えておりまして、入力データによってデータベースの意義が失われるというようなことはないと考えております。
  143. 古賀之士

    古賀之士君 先ほどの宇都委員からの御指摘もありましたけれども、企業がちゃんと協力をして、その原価計算に対して協力をするというのが非常に今少ないというお話があったかと思います。なぜ少ないんですか。  それからもう一点は、インセンティブという方式を採用するから上がるだろうという見通しも話が出ましたけれども、これ、そもそもインセンティブの方式というのは具体的にどういうことで企業からの原価計算をより取得しやすくする方法なんでしょうか。教えてください。
  144. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) ちょっと一般論になりますけれども、企業は、見積りを行う際にはそれなりの、当然のことながらそれなりの手間を掛けて資料を作成し、我が方に提出をするということを、これは毎年毎年繰り返しているところでございます。  したがいまして、それに更に我々から求めた調整を行う、あるいは我々のチェックを受けるということは、彼らにとりますとコスト増加要因になることは当然考えられますので、そうした点では、率直に言って、企業からいうと要するに一回で済んだものを二回やらされるというようなことになる可能性はあると考えております。  インセンティブを与えることを検討しているということを御答弁申し上げましたけれども、やはりそうした協力に対して、彼らがやはりそれが、これはちょっとまだ検討途中でございますので、何らかの形でそれが彼らの利潤にも一部つながるというような形がもしあればそれはインセンティブになり得るのではないかということを我々としても考えて、適正な、何といいますか、企業の利益にもなり我々の利益にもなるという方式を編み出して企業の協力を更に求めていくということを考えているところでございます。
  145. 古賀之士

    古賀之士君 今御質問させていただいているものは、いわゆるCDBシステム、コストデータベースのもういわゆる根幹に関わる、非常に価格決定の大事な部分ですので、是非その辺はしっかり今後、説明責任と透明性を果たしていただければと思っております。よろしくお願いいたします。  このCDBシステムの本格運用は三年後とされておりますけれども、予定どおり稼働する見込みと考えてよろしいですか。
  146. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  このコストデータベースにつきましては、先ほど宇都委員質問の際に岩屋大臣からも御答弁申し上げましたが、昨年の指摘以来、大臣からも大変厳しく指導をいただいているところでございます。  我々といたしましては、現在、これが令和四年に稼働ができるようにということで努力をいたしておるところでございますけれども、これは急ぐとともに、我々としては、こうした、はっきり言いまして上手にできなかったわけですから、こうしたことの失敗の轍を踏まないように、きちんと仕様を検討してやりたいと思っておりましてこうした見積りをしておりますので、これには決して遅れることがないよう、大臣の御指導もいただきながら進めてまいりたいと考えております。
  147. 古賀之士

    古賀之士君 もう言うまでもないことですけれども、私も二十四時間体制で活躍をされている自衛隊の皆様方に日頃から敬意と感謝を申し上げております。その上で、しっかりとした、こういった物品の購入についてはきちっとした対応で更に国民の皆様方の理解を得る、信頼を得ていくということでの重要な要素の一つだと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  では、続きまして、用途廃止における部品の採取についてお話を伺います。  戦車などの用途廃止に伴う部品の採取について、マニュアルの不備が会計検査院から指摘をされております。航空機や船舶など、ほかの防衛装備品において同様の問題が生じていることはありませんでしょうか。それから、戦車以外の防衛装備品の部品採取についてどこまで点検を行っているのでしょうか、お願いします。
  148. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、戦車等の用途廃止に伴う部品採取につきましてマニュアルの不備が指摘されました。  陸上自衛隊では、戦車、装甲車などの車両につきましては、原則、製造後二十年を経過し、二回目のオーバーホールの時期に達する場合において、部品等の状態を検査した上で廃棄するかどうかという判断を行うこととしております。  会計検査院からは、この検査に係る情報が後に部隊等で行う部品等の取得において効果的に活用されていなかったなどの指摘がございました。これにつきましては、既に陸上自衛隊において規則等を改正し、改善を図っております。  すなわち、陸上自衛隊の戦車、装甲車などにつきましては、それを使わないと判断をして部品を取るというようなことは行われておったということがございます。  一方、陸上自衛隊の車両とは異なり、飛行時間や運用期間等に応じて廃棄することとしている航空機や船舶につきましては、廃棄時に使えるかどうかというような判断はまあこれは特に行わずに、そして時間を基準としてやっておることから、このような今回御指摘をいただいたような問題は生じておりません。  一方で、部品取りに関する問題全般ということについてどれだけチェックしているかということでございますけれども、今、率直に申しまして、もう資源は最大限、最後まで有効に活用するという観点から部品取りは非常に広範に行われております。私どもといたしましては、こうしたことを行う際に、装備品の効率的な運用や可動率の向上のためにもちろんこれ役に立つんですけれども、無駄とか使える部品が活用できないというようなことがないように、引き続き更に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  149. 古賀之士

    古賀之士君 ありがとうございました。  では、続いてAI兵器についてお尋ねをいたします。  レベル4の自動運転ですとかドローンの宅配利用など、民間分野における技術革新が急速に進んでおりますが、我が国は、AI兵器につきまして、完全自律型を現時点では否定をしまして、人間の関与が必要としております。  しかし、例えばレベル4の自動運転が実用化された場合、ドライバーの運転ミスによる交通事故が減少するとも見込まれております。同様に、完全自律型兵器が実用された場合に誤射や誤爆が減少する可能性もありますけれども、この点をどのようにまず考えていらっしゃるでしょうか。お願いします。
  150. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 私どもは、現在、この問題につきましては、国際的な話合いの中でどうしていくかということを考えております。具体的には、自律型致死兵器システム、LAWSと申しますけれども、これについては、現在、CCW、特定通常兵器使用禁止制限条約の枠組みにおいて国際的な議論が行われているところでございます。  我が国といたしましては、委員の御指摘とも重なりますけれども、完全自律型の致死性を有する兵器を開発しないという立場を取るとともに、意味のある形での人間の関与が確保された自律型兵器システムについては、ヒューマンエラーの減少や省力化、省人化といった安全保障上の意義があるとの考えを取っておるところでございます。  防衛省・自衛隊といたしましては、人口減少と少子高齢化の急速な進展は喫緊の課題であると認識しておりまして、防衛力の持続性、強靱性の観点からも、人工知能等の技術革新の成果を活用した無人化、省人化を推進することは重要であると考えております。このため、国内外の関係機関との技術交流、あるいは関係府省との連携の強化等を通じまして、防衛にも応用可能な先進的な民生技術の積極的な活用に努めることにより、人工知能等の民生技術の進展に対応してまいりたいと考えております。  委員が自動運転が普及すれば事故は減るという可能性について御指摘されましたが、この答弁の中で申し上げましたけれども、やはり意味のある人間の関与が確保されたものであればそうしたヒューマンエラーの減少等につながるのではないかとは考えております。しかし、兵器でございますので、現在のところでは、やはりそうした人間の関与ということについて我々は重視しながら検討しているところでございます。
  151. 古賀之士

    古賀之士君 時間がないので、ちょっとまとめて質問させていただきます。  ですので、例えば国際的にこれから共同の作戦を行ったりする場合に、片や無人、片や有人、こういうところで大丈夫なのかなという、そういう思いもしたりするわけです。それからあと、例えばの話ですが、政府機関が他国からサイバー攻撃を受けた場合、自動的に反撃するシステムとかはこれ完全自律型に当たるのかなとか、様々なやはりこれケースを想定しながらやっていく必要もあるかと思います。  なので、現時点で完全自律型に当たるということには対応しないんでしょうけれども、今後の見通しも含めて現状をもう一度確認の上で、最後の質問とさせていただきます。どうぞ。
  152. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) この自律型の兵器につきましては、先ほど装備庁長官から説明いたさせましたように、国際的な議論が続いているところでございまして、委員指摘のように、やはり国際社会として共通の認識を得るということが必要だと思います。各国がばらばらでは非常にたくさんの問題を惹起するおそれがあるというふうに思っております。  一方で、省人化あるいは効率化のためにそういう無人の装備というものが有用であるという側面もあろうかと思います。私どもとしては、国際社会が共通の認識を持つ、そしてその意味は、人間意味のある形の関与、ちょっと直訳的で分かりにくいんですけど、例えば判断、選択、決定というような人間の関与というものがしっかりある形での自律型の装備については、これは開発又は運用していっていいと思っておりますが、完全自律型致死兵器と言われるものについてはやはりネガティブな考え方を持っております。  これからも議論を続けて、共通の国際社会の認識をつくっていきたいというふうに思っております。
  153. 古賀之士

    古賀之士君 時間になりました。引き続き、また議論させていただきます。  ありがとうございました。
  154. 浜口誠

    浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠でございます。今日は、河野大臣、よろしくお願いしたいと思います。  まず、景気及び通商課題についてちょっと質問させていただきたいと思います。  内閣府は、先週の月曜日、ちょうど一週間前に景気動向指数を公表されました。現状の景気の動向を示す一致指数というのがあるんですが、このポイントが九九・六と前月に比べて〇・九ポイント低下をして、景気の基調判断、六年二か月ぶりに政府として悪化に下方修正をしたというのが先週の十三日です。  この一致指数、なぜ低下したのか、政府としてどのような分析をされているのか。あと、今後の日本の景気についてどのような状況になる見込みなのか、どういう想定をされているのか。その二点、まずは伺いたいと思います。
  155. 丸山雅章

    政府参考人(丸山雅章君) お答え申し上げます。  まず、景気動向指数、CIでございますけれども、生産や雇用など景気に関する経済指標を統合して指数化したものでございまして、その一致指数の基調判断につきましては、指数の動向をあらかじめ決められた表現に機械的に当てはめて公表いたしております。  本年三月の景気動向指数、CI、一致指数につきましては、その内訳となる鉱工業生産指数や投資財出荷指数などが低下いたしましたことにより、一致指数の前月差がマイナス、かつ一致指数の三か月移動平均が三か月以上連続して低下ということになりまして、これを機械的な基調判断に当てはめると悪化という判断になったということでございます。
  156. 浜口誠

    浜口誠君 機械的なということなので、まだ分析が十分に行われていないということを御答弁されたのかなというふうに感じましたけれども、今月末には月例経済報告も出されるということなので、その判断を待ちたいなと思いますけれども。  一方で、この景気の悪化に対しては、やはりこれまでの経済政策、アベノミクスがやっぱりうまくいっていない、失敗なんじゃないかというような指摘もあります。この点に関して政府としての見解がありましたらお答えください。
  157. 井上裕之

    政府参考人(井上裕之君) お答え申し上げます。  アベノミクスでございますけれども、その結果、六年間で名目GDPが過去最大、企業収益も過去最高水準となっております。雇用環境も大幅に改善をしているところでございます。  景気に関しましては、引き続き十分注視はするわけでございますけれども、二〇一八年度まで四年度連続で名目、実質共にプラスの成長になっているという状況にはございます。当然ながら、中国経済の減速等で輸出の伸びが鈍化して一部の業種の生産活動等々の弱さは続いていますけれども、内需を支えるファンダメンタルズは我々としましてはしっかりしていると考えておりまして、引き続き世界の動向をよく注視しながら経済運営に万全を期したいと、かように考えております。
  158. 浜口誠

    浜口誠君 六年二か月ぶりに景気の基調判断を下方修正したということはやっぱり重く受け止めないといけないと思いますし、その上で、やはり現状分析だとか要因分析、これを誤ると次の打つ手がやっぱり違う手を打ってしまうということになりますから、これしっかり要因分析をして、その上で正しい次の政策を考えていくというのがこれ極めて重要だというふうに思っておりますので、是非政府におかれては、どうして今のような状況になっているのか、この要因分析と、それに対する次の一手、これはやっぱりしっかりと検討していただくことを改めて求めておきたいなというふうに思っております。  次に、米中の関税の応酬合戦というような状況が続いております。五月に入っても第三弾の両国の追加関税の応酬戦が続いておりますが、アメリカの方は来月の下旬に今度第四弾をもう準備していると。この第四弾の中には、非常にこれまでやっぱり影響が大きいから避けてきた携帯電話とかパソコンとか、こういった非常に影響の大きな製品についても追加関税やるぞということの今準備を米国側は進めていると。  これによって、やはり日本経済、どういった影響が生じるのか、これちゃんと注視しておく必要があると思います。また、携帯電話とかパソコンとか、こういった製品は日本から部品を持っていったり、あるいは日本の現地の日系企業がその部品を作っているということになりますから、これ製造業に対しても大きなインパクトがあるんではないかなというふうに非常に懸念をしております。こういった点に関して政府としてどのような今分析なり見通しを持たれているのか、答弁いただきたいと思います。
  159. 林伴子

    政府参考人(林伴子君) 米中貿易摩擦の日本経済への影響についての御質問ということで承りました。  米中の協議自体は現在引き続き行われているものと承知しておりますので、その動向を引き続き注視してまいりたいと思いますが、通商問題が日本経済を含め世界経済全体に与える影響といたしましては三つのルートがあるというふうに考えております。  一つは、追加関税措置が対象となっている財の貿易を下押しをして、当事国、まあ今回の場合米中でございますが、米中の経済を減速させると、それによって影響を受けるということが一つ。  二つ目といたしまして、当事国の輸出財の生産が減少した場合、それがサプライチェーンを通じて日本を始めその財の生産に必要な部品等を供給している国・地域にも影響を及ぼす可能性ということで、先ほど委員指摘のスマートフォンやパソコンなどもサプライチェーンを通じた影響というのも懸念されるところでございます。  そして、三つ目のルートといたしましては、通商問題の先行きの展開が不透明な中で貿易や経済動向の先行きに関する不確実性が高まることによりまして、企業活動が慎重化したり、あるいは金融資本市場の変動が高まる、こういった可能性考えられるわけでございまして、引き続きその動向はしっかりと見てまいりたいと考えております。
  160. 浜口誠

    浜口誠君 是非、三つのルート、本当まさに御説明あったとおりだと思います。それぞれで本当にどういった影響があるのかというのは、やはり国民の皆さんにも関心高い項目だと思いますし、政府としてしっかりウオッチを引き続きやっていただきたいなというふうに思っております。  あわせて、日米も通商交渉、これから本格化すると。先週末に、米国政府については、日本、あとEUも含めてですけれども、自動車についての追加関税、これは百八十日以内に合意が得られなければ新たな行動に移ると、こういう基本スタンスを発表したと報道されております。これ、正式に米国政府から日本政府にこの自動車等についての追加関税についてどのような内容が伝えられているのか、正式なルートでの報告内容をまず確認したいというふうに思っております。  あわせてですけれども、今後の日米の通商問題において、とりわけ自動車ですけれども、米国政府の中には日本からアメリカに輸出する自動車に関して台数制限、台数規制をやったらどうかと、こんなような動きもあるというようなことも報道では言われていますけれども、この台数規制、台数制限に対して日本政府としてどのように対応しようと考えているのか、この二点について答弁いただきたいと思います。
  161. 塚田玉樹

    政府参考人(塚田玉樹君) お答えいたします。  まず、米国政府から日本政府にどのような内容が伝えられているのかという点につきましてでございますが、トランプ大統領が、通商拡大法第二百三十二条に基づきまして、自動車等の輸入に関しまして我が国その他の国との交渉を追求して、百八十日以内に交渉結果について報告するということを指示したというふうに承知しております。  一方で、昨年九月の日米首脳会談におきまして、安倍総理大臣とトランプ大統領との間のやり取りを含めまして、貿易交渉の協議が行われている間は共同声明の精神に反する行動を取らないこと、自動車及び同部品につきまして、二百三十二条に基づく措置がとられることはないということをアメリカ側には直接確認してきているところでございます。  また、我が国として自由で公正な貿易を歪曲する措置につきましては反対であるということをアメリカ側には繰り返し伝えておりまして、アメリカ側からは、日本に対してそのような措置を求めることはないということを改めて確認しているところでございます。
  162. 清水茂夫

    政府参考人(清水茂夫君) お答えいたします。  台数規制につきましては、ただいま外務省から御答弁がありましたとおり、昨年九月の日米共同声明におきまして、協議が行われている間、本共同声明の精神に反する行動を取らないと明記されておりまして、これは、二百三十二条に基づく措置を発動しないという趣旨であるということは、昨年、安倍総理からトランプ大統領にも確認しているところでございます。  また、日本といたしましては、輸出の数量規制を含む自由で公正な貿易を歪曲する措置については反対である旨を米国には繰り返し伝えておりまして、米国からは、日本に対しそのような措置を求めることはないということを今回改めて確認しているところでございます。
  163. 浜口誠

    浜口誠君 ありがとうございます。  しっかりと合意内容を踏まえて今後の交渉を進めていっていただきたいなというふうに思います。  河野大臣、ちょっと通告していないんですけど、今のやり取り聞いていただいて、今回の日米の通商交渉、担当大臣ということでは茂木大臣かというふうに思っておりますけれども、一方で、外務大臣としていろんな米国の閣僚ともお話しする機会があるというふうに思っておりますが、今回の日米通商交渉に対して大臣として基本的に臨むお考え、姿勢を確認させていただきたいなというふうに思っておりますけれども、どういった基本姿勢で今回の日米の通商交渉に対して外務大臣のお立場で対応されようと考えておられるのか、その点について御答弁いただきたいと思います。
  164. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) この日米通商交渉は、茂木大臣が担当でライトハイザー通商代表とやるものでございますので、外務大臣並びに外務省としてはしっかりサポートできるようにしてまいりたいと思います。
  165. 浜口誠

    浜口誠君 ありがとうございます。  是非、外務省のお立場でも、この交渉、我が国の、日本政府の立場をしっかりといろんなチャネルで米国側にもお伝えいただきたいなというふうに思っております。  続きまして、消費税の関連に関して少しお伺いしたいと思います。  これまで、消費税の引上げについては、リーマン・ショック級の状況にならない限り消費税の引上げは予定どおり行うということで政府側から答弁がされております。  じゃ、リーマン・ショック級の状況というのは具体的にどういう状況なのかと、その一言で何かくくられて、どういう状況なのかというのが具体的なイメージとして湧かないんですけれども、まず、そのリーマン・ショック級というのはどういう状況を具体的に言うのかということをまず確認をさせていただきたいと思います。
  166. 鈴木馨祐

    ○副大臣鈴木馨祐君) お答え申し上げます。  リーマン・ショック級の事態ということにつきましては、例えば世界的な経済危機あるいは大震災等といった状況考えられるところでありますけれども、いずれにいたしましても、引上げが困難と判断される事態ということでありまして、予断を持って申し上げるということはできないということでございます。
  167. 浜口誠

    浜口誠君 具体的な、何か経済指標としてGDPがどれだけ落ち込んだらとか、何かそういった指標があるのかないのか。今のお話でも、何か……(発言する者あり)まあ、西田委員から具体的な解説がありましたけれども。  じゃ、今ですね、今、米中も関税の応酬やっています。さらに、日米でもこれ、通商交渉やってアメリカから追加関税が発動をされたと、こういった状況が起こったとき、これは、じゃ、リーマン・ショック級の状況に当たるのか当たらないのか、それはどうなんですか。
  168. 鈴木馨祐

    ○副大臣鈴木馨祐君) 世界経済ということで申し上げれば、今、米国を中心に全体として緩やかな回復基調を続けているというふうな、そうした認識でおります。  米中の通商問題ということによりましてそのような事態に発展するとは考えておりませんけれども、いずれにいたしましても、引き続きしっかりと、海外経済の動向ということについてもしっかりと十分注視をしながら、経済財政運営に万全を期してまいりたいと思っております。
  169. 浜口誠

    浜口誠君 今の御答弁を聞いても、やっぱり何がどうなのかというのがよく分からないですね。  やっぱりこの辺、国民の皆さんもリーマン・ショック級って経験はしたことはありますけれども、それが、じゃ次はどういうことなんだということは政府としてしっかりこれ説明責任はあると思いますから、いざそういう消費税を延期する、凍結するといった場合はちゃんとした説明をこれやっていただく必要があると思いますよ。これは改めて指摘しておきたいなというふうに思います。  その上でなんですけれども、報道なんかでは、十月の消費税、延期だ凍結だと、こんな話があります。そうなった場合というのは、これは消費税が凍結なり延期にされれば、当然、軽減税率だとかキャッシュレスのポイント還元、こういった政策も延期だと、やらないということになるんだろうなと、私は個人的にはそう思っているんですが、そういう理解でいいのかどうか。  それと、実際、消費税が凍結なり延期されれば、税収、その分落ち込みますよね。百二兆円というもう予算、今年度組んでいますけれども、その予算の補填は具体的にどうやっていくのか、もうそのまま税収減でやるのかどうか、その辺も含めてお伺いしたいと思います。
  170. 鈴木馨祐

    ○副大臣鈴木馨祐君) 今御質問いただいた話でお答えをさせていただきますと、軽減税率制度、これは消費税率の引上げに伴って所得の低い方々への配慮ということで実施をするということとされているものであります。ということで考えれば、当然、税率の引上げということがなければ、軽減税率についてはそれは行わないという判断になろうかと思いますけれども、いずれにしても、政府といたしましてはしっかりと運営に万全を期してまいりたいと思っております。  キャッシュレスポイント還元の事業につきましては、これも同じく消費税率の引上げに伴う需要変動への対応として実施をするということとされているものでありまして、いずれにいたしましても、この点についてもしっかりと経済財政運営に万全を期してまいるということでございます。
  171. 浜口誠

    浜口誠君 最後の、税に穴が空く対応というのはどうされるんですか。
  172. 鈴木馨祐

    ○副大臣鈴木馨祐君) 先ほどからの繰り返しにもなりますけれども、私どもとしては、リーマン・ショック級のことがない限りは、しっかりと法律に定められたとおり本年の十月に一〇%に引き上げていくということでございまして、しっかりと経済財政は万全を期してまいるということでございます。
  173. 浜口誠

    浜口誠君 まあどうなるかまだ分からないので、なかなかすっきりと御答弁できないお立場がにじみ出ておりましたが、やっぱりしっかりとこれ検討していく必要があると思いますし、予算も百二兆円という大規模な予算を組んでいるんですから、その実態というのをちゃんと踏まえて、いろんな判断を的確に正確に慎重にやっていただきたいなというふうに思っております。  続きまして、元徴用工の件に。  今日、僕、元々しようと思っていたんですよ。しようと思っていて、で、今日のニュース、うちの古賀委員もそうですし、松下委員の方からも徴用工の仲裁委員会の設置と。僕の質問の中にも、第三者、第三国を入れた仲裁の場を設ける次の一手を打つ必要があるんじゃないかということを聞こうと思ったら、その答えがもう今日の外務省の動きの中で出てきたということなので、そこの点はあえて聞きませんけれども。  そもそも論ですけれども、この韓国の旧徴用工の皆さんの最高裁判決、一九六五年に日韓の請求権協定が締結されて、この請求権協定に対してのやっぱり締結内容を覆す、そういう判決だというふうに私は理解しているんですけれども、日本政府見解と、なぜ韓国がこういった、最高裁の判決とはいえ判決に至ったのか、そのことを韓国政府はどう受け止めているのか、この辺の両政府見解についてまずはお伺いしたいと思います。
  174. 石川浩司

    政府参考人(石川浩司君) お答え申し上げます。  委員指摘の、昨年の韓国大法院による一連の判決は、日韓請求権協定に明らかに反しまして、日本企業に対し不当な不利益を負わせるものであるばかりか、一九六五年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係法的基盤を根本から覆すものというふうに認識しております。  これらの判決に対する韓国政府見解についてお尋ねでございますが、我が国として韓国政府見解について有権的に説明する立場にはございませんが、我が国としては、韓国政府に対して、国際法違反の状態を是正することを含め適切な措置を講ずることを求めてまいりたいと思っております。
  175. 浜口誠

    浜口誠君 一方で、韓国の原告代理人は、韓国国内の訴えられている日本企業の資産を差押えをして、それを現金化する手続にもう既に入っていると。そういう背景もあって、仲裁委員会を今回設置しないといけないという、そういう御判断にも至っているのではないかなというふうには思っておりますけれども、実際訴えられている日本側の企業に対しての実害とか不利益、これ生ずる可能性があるというふうに認識しておいた方がいいんでしょうか。その点はいかがですか。
  176. 石川浩司

    政府参考人(石川浩司君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、現在、本件につきまして原告側による差押え等の動きが進んでいるというのはそのとおりでございまして、また、先般、五月一日でございますが、原告側が発表のとおり、今後、差押資産の売却に向けた手続が進められ、日本企業の資産が不当に売却される事態となれば、我が国として断じて受け入れられず、政府としては事態を一層深刻に捉えております。  その上で、日本企業への実害の具体的内容について現時点で予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
  177. 浜口誠

    浜口誠君 ちょっとこれは、今から聞くのは、先週の木曜日の段階では今日の仲裁委員会を要請するということは分かっていなかったので聞きますけれども、今度、仲裁委員会を韓国側に今日開催を要請したということですけれども、この仲裁委員会が設けられれば、日本企業への実害、不利益、これは回避ができるという認識でよろしいでしょうか。これは、大臣、いかがですか。
  178. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) この旧朝鮮半島出身労働者に関する韓国大法院判決というのは、日韓両国国交正常化以来の最も根本的な法的基盤を著しく損傷する、ダメージを与えるものでございますから、韓国政府も当然にそうしたことは認識をされているというふうに考えております。  我々としては、韓国政府が責任を持って日本企業に対する実害が及ばないような対策を取ってくれると信じてきたわけでございますが、先般、その責任者でありました李洛淵総理政府対応に限界があるというような発言をされたことに我々は大変驚いておりまして、今まで協議要請してずっと待ってきたわけでございますが、ここできちんと仲裁のプロセスに入っていきたいというふうに思っておりますので、こうした仲裁のプロセス、あるいは必要ならば国際的な手法に訴えて、日本企業に対する実害が及ばないようにきちんと対応を取っていきたいというふうに考えているところでございます。
  179. 浜口誠

    浜口誠君 是非、最後に河野大臣言われましたけれども、日本企業に実害が及ばないように、これはもう政府としてしっかりとした対応をやっていただくのはこれ当然だというふうに思っておりますので、韓国との間でしっかりそういう和解のプロセスが図られるように全力を尽くしていただくことをお願い申し上げ、質問を終わります。  ありがとうございました。
  180. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 外務省に伺います。  資料一に示されていますように、国連の持続可能な開発目標SDGsの一つとして、食料の損失、廃棄の削減が目標に位置付けられております。日本としても、食品ロス削減に向けた取組国民運動として総合的に推進するための法律案が先週衆議院で可決し、今週参議院で採決される予定です。  よく話題になっているコンビニ以上に実は食品ロスは様々な場面で発生をしておりますが、外食において莫大な食品ロスが発生をしております。外務省が担当いたしました直近の国際会議や国際イベント等において、関係者やメディアセンターなど食事提供を行っていると思いますが、食品ロスを削減させる取組というのは行っていますでしょうか。
  181. 塚田玉樹

    政府参考人(塚田玉樹君) お答えいたします。  食品ロスの対策はSDGsの目標の一つにも掲げられる国際的に非常に重要な課題であるというふうに私どもも認識しております。  ということで、外務省としても、国際会議等を主催する際には、過去の類似の行事の運営経験等を踏まえ、あらかじめ見込まれる来場者数等から必要と考えられる食事数を可能な限り正確に把握し、必要最低限の分量を調達することなどにより、食品ロスを可能な限り削減すべく取り組んできているところでございます。  これに加えまして、外務省として、食品ロスの削減をテーマにした国際セミナーの開催等も最近積極的に取り組んでおりまして、例えば、国際的課題としての食品ロス問題に関するセミナーを最近もあべ外務大臣がFAOと共催で開催をさせていただいたということがございます。  こうした実績を基に、今後外務省としても食品のロス削減にしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えております。
  182. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 次に、河野外務大臣に伺います。  資料の二を御覧いただきたいと思います。  こちらは、日本の有名なリゾートグループのビュッフェレストランにおける取組例でございます。ロスGメンによるチェックやタパススタイルなど料理の提供の仕方を工夫することで、見た目も美しくスマートに、顧客満足も食品ロスの削減も両立をさせているということでございます。  その次の資料を御覧いただきたいと思います。  こちらは、日本の一流ホテルの総料理長クラスの方々が食品ロスを減らすために作った美しい料理の数々の中から、一例をちょっと御紹介をさせていただいております。バナナの皮ごと一週間コンフィにした料理、また、下の方は大根の葉も皮も使ったユズ風味のサラダということでございますけれども、もったいないということだけではなくて、美しく、そしておいしくできるということでございます。単にもったいないという言葉も大事ですけれども、クールでもったいない、クールもったいないということが日本の料理人の腕によりますと可能になるということでございます。  来月行われるG20期間中の関係者への食事提供の際、こうした日本の先進的な食品ロスの削減の取組などを参考に日本SDGs取組の一つとして発信していただきたいと考えますが、準備状況はいかがでしょうか。
  183. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 外務大臣として各国を訪問いたしますと、先方から昼食会あるいは夕食会にお招きをいただくことが大変多いわけでございますけれども、もう絶対に食べ切れないという量の料理を出してくださるところも結構ございまして、最初のうちは真面目に食べていたんですけれども、それはもう胃腸がとてももちませんので、しかもこれは全部食べることを前提とどうもされていないというようなことも伺ったものですから、少し胃腸と相談しながらやっておりますが、この食品ロスを全世界的に減らすというのは、これはかなり全世界的な取組がカルチャーの面からも必要になってくるなと思います。  そういう中で、日本が率先してこの食品ロスの問題を発信をするというのは非常に意義深いことだと思っておりまして、先般のG20の農林大臣会合などでは、市場に出荷する規格に外れたイチゴ、これは味としては非常においしいんですが、規格外だから出荷できないようなものを提供して、プレスを始め皆さんに食べていただいて大変好評であったり、お菓子なんかも持ち帰りができるような形で提供したりということもやらせていただきました。  今度のG20のサミットでは、これはなかなか難しいんですけれども、代表団とかプレスの、何というんでしょうか、食事に関しては、果たしてどれぐらいの人数の方がいらっしゃるのか、あるいはどれぐらいの量を食べられるのか、きちんと見込みをしながらかなり精密にやろうというふうに思っておりまして、そこは日本の腕の見せどころかなというふうに思っているところでございます。  今、世界各国で、和食あるいは日本の食に対する評価、非常に高いものもありますので、そういう味の面と食品ロスの面と両方から世界に向けて発信をきちんとやってまいりたいと思います。
  184. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 ありがとうございます。大臣が非常に食品ロスに理解をしていただいているということが分かって心強く思います。  今、日本の食、味と食品ロスというお話ございましたけれども、料理人の方々が食品ロスの削減に協力をして取り組んでおられるわけですが、ふだんはライバル同士なんですが、この問題については協力をし合ってボランティアベースで本当に様々な取組をされております。  例えば、ラーメンというのは日本の大事な食文化だというふうに私は思っておりますけれども、新鮮な魚のあら、これはもう捨てられることが多いんですけど、それを使った「あら~麺」というものを開発をされて、本当おいしいそうなんです。まだ食べてないんです、私。これから食べさせていただきたいと思っているんですけど……(発言する者あり)はい、そうですね、一緒に行こうというお声をいただきましたので、是非。  それから、日本酒を造る過程で米を削っていくと、その粉が、米粉が、飼料などにしているんですけれども、それを使った、あるいは酒かす、搾った後の酒かすを使ったお菓子をテーマにそのプロの方々が競い合うというようなこともされていたり、お金は余り掛からないんだけれども、日本の新しい文化、SDGsの目標である食品ロスにも配慮した令和の時代のクールな日本の食文化というものが今どんどん出てきておりますので、大臣の発信力を生かして世界に広げていっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。  続いて、ODAコンサルタント等の契約について伺いたいと思います。  まず、ODA役割と質向上の重要性について、河野大臣の御認識を伺います。
  185. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 日本ODA、これまでも世界各国で非常に高い評価を頂戴をしていると思います。貧困の削減、あるいは様々、人材の育成といったことで、日本に対する信頼の高さ、その大きな要因が日本が行ってきたこのODAの質の高さというところに直結しているんだろうと思います。  昨今の日本財政状況考え、今後の財政再建ということを考えると、日本ODAが量的にこれから増えるということは考えにくいわけでございますので、これまで信頼を得てきたような質の高さで勝負をしなければならないと思っております。  また、ODAについては、その金額の大きさを誇るのではなくて、あるいは何をやるかを誇るのではなくて、どういう成果が実際現地で上がっていくのか、その現地で一体何をどういうふうに改善するのか、きちんと数値目標を立てて、それを達成できるようなODAをやってまいりたいというふうに考えております。
  186. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 ODAの質の高さで勝負していくというお話がございました。私も全く同感でございます。ODAの事業の中にODAコンサルタント等契約というものがありますけれども、これは特に誰がやっても同じものができるというようなものではありません。企画の内容、質、これが非常に重要でございますが、質を決める最も重要な要素というのが人材の質であると思っております。これを価格を下げるということは、プロジェクトの質の低下とともに、長期的なODAに関わるコンサルタントの人材の質の低下にも直結をしていくことになります。最終的には、日本の国益を大きく損なうことになるというふうに思います。  日本ODAの質を向上させていくためには、このODAコンサルタント等契約において総合評価落札方式の導入は慎重にすべきであると考えます。仮に導入する場合にも価格に係る評点は極力小さくすべきと考えますが、いかがでしょうか。
  187. 植嶋卓巳

    参考人(植嶋卓巳君) お答えいたします。  御指摘のとおり、ODAプロジェクトにおけるコンサルティング業務は、リスクの高い開発途上地域で高度な専門性が求められる業務でございます。したがって、企画提案の内容や実際に業務に従事する人材の質を基準に評価することが大変重要だと思っております。  こうした認識の下、JICAでは価格をより適切に加味した選定方式の導入を検討してまいりました。現在、国際開発金融機関等で採用されている選定方式を参考に新しい選定方式を順次導入中でございます。この方式におきましては、基本的に技術評価と価格評価の割合を八〇対二〇としており、提案内容の質を重視して評価していく予定でございます。  ありがとうございます。
  188. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 続きまして、この契約の精算手続、伺いたいと思います。  経費の精算手続が煩雑過ぎます。発展途上国では、領収書等の証憑の取得をすることも本当に苦労をいたします。日本と全く文化が違うところで、なおかつ都市部ではなくて農村地域やまた森林の中だったり、そういったところで証憑を入手するというのは大変なことでございます。現地における本来業務に掛けるべき時間も、この証憑を取得するために圧迫をするということもあります。生産性を低下させてコンサルタント側の持ち出しになっていることもあるというのが現状でございます。精算業務を簡素化するとともに、精算業務に係る工数も適切に契約額に含めるべきであると考えます。  また、次の質問も併せて行わせていただきます。  長期契約の場合に、あるいは長期の業務が、契約が分かれていても業務が継続をして長い期間が掛かる場合、物価や為替レートの変動、あるいはカウンターパートが変わったり、合意形成を図るための相手方とのアポがなかなか取れなかったり、現地情勢の変化などで必要となる経費額が変わってくる場合がございます。それをコンサルタント側に負担をさせないように配慮をしてこの事業の質を向上させるという努力をしていただきたいというふうに思っております。いかがでしょうか。
  189. 植嶋卓巳

    参考人(植嶋卓巳君) お答えいたします。  JICAのコンサルタント契約は、開発途上地域で行う業務が多くて、リスクそれから不確実性が大きいことから、契約締結時点で価格の総額を決めることが非常に困難でございます。そのため、直接経費の多くについては、領収書等の証憑書類に基づく実費で精算を行ってまいりました。ただ、御指摘のとおり、この精算手続には大変労力が掛かり、合理化、簡素化が不可欠であると思っております。  本年度から価格をより適切に加味する新しい選定方式の導入に合わせまして、契約締結時に合意単価を設定できる経費項目を大幅に拡大し、航空賃、通信費、車両関連費等も含めることといたしました。合意単価を設定した場合には領収書による実費精算が不要になることから、相当程度精算手続の合理化、簡素化につながると認識しております。それから、精算業務に係る費用は契約に含めているという理解でございます。  また、長期業務の場合の物価や為替の変動に伴うコストの変化というのは当然ございますので、必要に応じて適切に契約変更を行っていきたいと思います。
  190. 竹谷とし子

    竹谷とし子君 終わります。
  191. 秋野公造

    秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしてまいりたいと思います。  まず、平成二十五年十一月に風速百メートルを超える台風ヨランダがフィリピンを襲いました。被災したレイテ島、サマール島に、公明党は河野義博参議院議員、そして私を派遣をいたしまして、山口代表も義援金をすぐに届けました。  現地におきましては、オナ元保健大臣あるいは大使館の皆様、JICAの現地事務所の皆様とも議論をいたしまして、産むことができない、そういう環境はまず克服すべきだろうということで、国立東ビサヤ病院の建て替えを御提案をさせていただきまして、無償資金協力にて再建がなされたことを大変感謝を申し上げたいと思います。  当時、はしかが蔓延をしておりまして、フィリピンで、それがそのまま日本に入ってきまして、日本ははしかの大流行を起こしました。急性感染症が国境を越えて入ってくるならば慢性感染症も入ってくる可能性があるということで、結核の対策を御提案をいたしまして、顕微鏡の供与もいただいたところでありますが、この結核予防の観点から、我が国にはTBLAMP法といった優れた結核検査の技術があります。こういったものを、東ビサヤ病院、カルテも全て失われて、どの薬を飲んでいたかも分からない状況になっておりました。その意味では、耐性菌の発生など、我が国と共有しながら取組を行うべきだと思います。  改めて、こういった我が国の優れた技術を国立東ビサヤ病院に支援を行ってはどうかと考えますが、外務大臣見解をお伺いしたいと思います。
  192. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) フィリピンでは、二〇一九年二月にTBLAMP法を用いた結核診断方法に関するガイドラインが定められました。今、マニラ市の病院にこのTBLAMP法により結核菌の有無を調べる装置を試験的に供与したところでございますので、今後のそうした状況を見たいというふうに考えております。
  193. 秋野公造

    秋野公造君 台風は大型化をしておりまして、感染症は簡単に国境を越えます。日頃からお互いさまの関係をつくる災害協力は、安全保障の大きな役割を果たすと思います。どうかよろしくお願いをしたいと思います。    〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕  日中関係改善をしているということで、大変うれしいことであります。国民の願うところであり、更なる真の関係改善を願って質問するわけでありますけれども、我が国安全保障の第一線、それはまさに尖閣諸島周辺の海空域と言っても過言ではないと思います。この尖閣諸島をめぐっては、関係改善とは一方で、例えば国連海洋法条約といった海洋法秩序とは相入れない独自の主張に基づき、力による一方的な現状の変更といったようなこともあるというのは先ほどの御答弁からもあったところであります。  まずは、中国公船の尖閣周辺での接続水域、領海への侵入状況中国の軍艦艇の尖閣周辺における動向についてお伺いをしたいと思います。
  194. 槌道明宏

    政府参考人槌道明宏君) 東シナ海におきましては、中国公船が海の荒れた日などを除きほぼ毎日尖閣諸島周辺の接続水域を航行しておりまして、我が国の強い抗議にもかかわらず、月に二回ないし三回の頻度で尖閣諸島周辺の我が国領海への侵入を繰り返しております。また、その運用体制は着実に強化されているものと考えられまして、具体的には、近年、公船の大型化が図られるとともに、機関砲と見られる武器を搭載した公船が侵入するようになってきております。  そうした状況の下、中国海軍艦艇も尖閣諸島周辺海域で恒常的に活動しております。昨年一月には、潜没潜水艦及び水上艦艇が尖閣諸島周辺の我が国接続水域を同日に航行するなど活動の一方的なエスカレーションも見られております。さらに、近年、中国海空戦力による太平洋への進出が高い頻度で行われており、その活動は質的な向上を見せています。  例えば、二〇一七年八月には爆撃機が沖縄本島と宮古島の間の空域を通過後、初めて紀伊半島沖まで進出をし、さらに、昨年四月には太平洋上で空母遼寧からの艦載戦闘機と見られる飛行が初めて確認をされているところでございます。
  195. 秋野公造

    秋野公造君 極めて不安定な状況ということでありますけれども、尖閣諸島中国本土の方が沖縄本島よりも近いといったことも留意しておかなくてはならないかと思います。  資料の五ページ目を見ながら一般論として質問をいたしますが、我が国の島嶼部に対した攻撃があった場合、まずは海上優勢、航空優勢を確保するということが前提かと考えますが、防衛省見解、そして取組についてお伺いをします。
  196. 菅原隆拓

    政府参考人(菅原隆拓君) お答え申し上げます。  一般論として申し上げれば、我が国の島嶼部への攻撃に対しては、平素からの常時継続的な情報収集、警戒監視などにより兆候を早期に察知し、海上・航空優勢を確保することが極めて重要でございます。また、事前に兆候を得た場合には、島嶼を確実に守り抜けるよう、攻撃が予想される地域に迅速に部隊を展開、集中させて、侵攻部隊の艦艇、航空機を排除して海上・航空優勢を確保し、侵攻部隊の接近、上陸を阻止することが極めて重要となります。  防衛省では、こうした考え方の下、いかなる事態においても海上・航空優勢を確保できるよう、例えば新型護衛艦FFMや潜水艦の建造のほか、F35A戦闘機の更なる取得や現有のF15戦闘機の改修などの取組を進めていくこととしております。また、侵攻部隊のミサイルなどの射程外からも発射できるスタンドオフミサイルなどを新たに整備して、海上・航空優勢の確保が困難な状況になった場合であっても隊員の安全を確保しつつ島嶼部への攻撃を阻止できる体制を整備していくこととしておるところでございます。
  197. 秋野公造

    秋野公造君 お伺いをしたいと思いますが、この海上・航空優勢とは、早く現地に到着をして一度確保できたら維持できるものと考えてよろしいでしょうか。
  198. 菅原隆拓

    政府参考人(菅原隆拓君) お答え申し上げます。  海上優勢とは、一定の海域で相手の海上戦力より優勢で、相手方から大きな損害を受けることなく諸作戦を遂行できる状態であると解されております。また、航空優勢とは、航空部隊が敵から大きな妨害を受けることなく一定の空域で諸作戦を遂行できる状態と解されているところでございます。  この優劣の程度は、一定の海空域における双方の艦艇や航空機等の質や量に応じて相対的に比較されるものでございまして、例えば艦艇や航空機等が失われたり、部隊が現場を離れて基地に戻ったり、あるいは相手方が増援を送り込むなど、個々の戦闘の中における様々な状況によって常に流動的に変化し得るものだと考えております。
  199. 秋野公造

    秋野公造君 そうなりますと、島嶼防衛については、海上優勢そして航空優勢の確保は前提であるとしても、例えば我が国の島嶼を最終的に守り抜くためには地上部隊の存在が不可欠ということになりましょうか。防衛省見解取組についてお伺いをします。
  200. 菅原隆拓

    政府参考人(菅原隆拓君) お答え申し上げます。  我が国の島嶼部への攻撃に対しては、先ほども申し上げたとおり、攻撃が予想される地域に迅速に陸上自衛隊の部隊等も展開、配備いたしまして侵攻部隊の接近、上陸を阻止するほか、万が一にも島嶼が占拠された場合には、侵攻部隊の艦艇、航空機を排除して海上・航空優勢を確保し、また島を占拠している陸上部隊を無力化した上で上陸、奪還することが一般的でございます。このため、委員指摘のとおり、我が国の島嶼を最終的に守り抜くためには、艦艇や航空機はもとより、地上部隊の存在が不可欠であると考えております。  こうしたことから、防衛省では、適切な地域で所要の部隊が平素から常時継続的に活動するとともに、状況に応じた機動展開を行うことが重要であるとの考え方の下、水陸両用作戦能力や統合輸送能力などを強化していくこととしております。具体的には、自衛隊配備の空白地域となっている南西諸島への部隊配備の取組の継続、新たな輸送船舶の導入による機動展開能力の強化などを進めていく考えでございます。
  201. 秋野公造

    秋野公造君 今、南西諸島の話も出ましたけれども、有事の際には陸上部隊、艦艇、航空機、こういったものが速やかに現場に進出をして速やかに奪回をするという御説明でありました。  沖縄から先島諸島までの主な装備品の所要時間、どの程度あるかということ、そして九州から尖閣までの主な装備品の所要時間がどの程度か、御答弁をお願いしたいと思います。
  202. 菅原隆拓

    政府参考人(菅原隆拓君) お答え申し上げます。  お尋ねの所要時間につきましては、出発前の整備、点検に要する時間、隊員等の搭乗に要する時間、飛行経路、気象状況など、個別の状況に応じて変わり得るため、一概に申し上げるというのはなかなか困難ではございますけれども、あくまでも一定の仮定を置いた機械的な試算として一例を申し上げれば、例えばCH47JA輸送ヘリの場合、那覇から与那国島までの飛行時間は約二時間、また、佐世保の崎辺から尖閣諸島までは、航続距離の関係上、途中で給油を行うと仮定いたしまして約九時間と見積もられるところでございます。  また、佐賀空港への配備を計画しているオスプレイの場合、那覇から与那国島までの飛行時間は約一時間、佐賀空港から尖閣諸島までは約二時間半と見積もられます。  このほか、戦闘機の場合、那覇から与那国島までの飛行時間は約三十分、九州にございます築城基地から尖閣諸島までは約一時間と見積もられるところでございます。  さらに、護衛艦や輸送艦の場合、那覇港から与那国島までの航行時間は約十四時間、佐世保から尖閣諸島までは約二十八時間と見積もられるところでございます。
  203. 秋野公造

    秋野公造君 かなり時間が掛かるということであります。  こうした時間が掛かることを考えると、平素からのこの陸上部隊のプレゼンスを維持するということの重要性を感じざるを得ません。  こうした観点で、在沖海兵隊の役割、その意義について分かりやすく説明をお願いしたいと思います。
  204. 槌道明宏

    政府参考人槌道明宏君) 在沖海兵隊の役割、意義について御説明させていただきます。  沖縄は南西諸島に位置をしております。特に沖縄本島は南西諸島全体を含むエリアのほぼ中心部にあり、さらには我が国のシーレーンにも近いなど、安全保障上極めて重要な位置にございます。我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさと不確実性を増す中、特に南西諸島の防衛の観点からは、沖縄はほかでは代替できない安全保障上の地理的優位性を有しているところでございます。  その沖縄を拠点として、優れた機動性、即応性を有する海兵隊がプレゼンスを維持し、さらに、大規模作戦が必要となる場合には来援する部隊の基盤となることによってあらゆる事態に対して迅速かつ柔軟な対応が可能になる、このことが日米同盟の抑止力の中核となっております。    〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕  米国が策定いたしました国家安全保障戦略では、インド太平洋地域への米軍の前方展開によるプレゼンスを維持する方針は明確に示されております。そして、日米の外交・防衛当局間におきましても、沖縄における海兵隊の駐留を含む在日米軍のプレゼンスの必要性について認識の一致を見ている点について付言させていただきます。
  205. 秋野公造

    秋野公造君 よく分かりました。  来援の基盤ということで海兵隊についても御説明がありましたが、私たちの領土はやっぱり私たちの力で守り抜かなくてはならないということであります。  防衛省は陸自の南西諸島配備を進めていますが、まず、その進捗状況につきましてお伺いをします。そして、この駐屯地を開設する際には、地元の経済振興の観点から、地元企業の受注機会の拡大も必要と私は考えます。どのような取組を行っているか、併せて御説明をお願いします。
  206. 鈴木敦夫

    政府参考人鈴木敦夫君) 南西地域につきましては、その全長が約千二百キロにも及ぶ広大な地域でございます。平素から警戒監視を含めて必要な体制を保持している一方、沖縄本島以外に陸上自衛隊の部隊が配置されてきていませんでした。  こうした南西地域の陸上部隊の空白状況を解消すべく、与那国島には平成二十八年三月に沿岸監視隊等を、奄美大島には本年三月に警備部隊、地対艦誘導弾部隊、地対空誘導弾部隊を、宮古島には同じく本年三月に警備部隊を配備することができました。  現在、この取組を更に進めるべく、宮古島への地対艦誘導弾部隊、地対空誘導弾部隊の配備、石垣島への警備部隊、地対艦誘導弾部隊、地対空誘導弾部隊の配備に向けて事業を進めているところでございます。  こうした事業を進めるに当たりまして、委員指摘のとおり、地元企業の受注機会の拡大に努めることは重要であると考えてございます。  具体的には、建設工事は一般競争入札における落札方式として総合評価落札方式、これを採用する中で、地元精通度、地域貢献度について評価をすること、それから、地元企業を含む中小企業の受注機会の拡大のため、競争性を確保しつつも適切な発注規模を設定すること、さらには、建設業界等を対象といたします説明会を開催するなど地元企業への情報提供を行うことなどの取組を行ってございます。  南西地域においても、部隊配備等のため、与那国島、奄美大島、宮古島及び石垣島におきまして建設工事を発注しておりますが、あくまでも適正な競争入札の結果として最近の工事の件数ベースでの受注実績を申し上げれば、つまり、これらの島の地元企業が受注している件数ということでございますけれども、平成二十八年度は三十件の工事のうち十六件を、平成二十九年度は八十七件の工事のうち三十四件を、平成三十年度は五十八件中二十二件をそれぞれ島の地元企業が受注しております。  このような取組なども通じまして、引き続き地元の皆様の御理解を得ながら、陸上自衛隊の部隊の南西諸島配備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  207. 秋野公造

    秋野公造君 岩屋大臣にお伺いをしたいと思います。本日も四隻の公船の侵入があったと伺いました。中国による活動の活発化についての所感、そして南西諸島を守り抜くことについて御決意をお伺いをしたいと思います。
  208. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 今ほど事務方から中国の動向については説明をさせていただきましたが、非常に高い水準で国防費増加させつつ、この東シナ海を始めとする海空域において非常に活動を活発化させていると。こういう動向は、国防政策や軍事力の不透明性ということとも相まって、我が国を含む地域国際社会安全保障上の懸念になっているということは事実だと思います。  我が国としては、尖閣諸島を含めて我が国の領空、領海、領土を断固守り抜くために、警戒監視、情報収集に全力を尽くすとともに、新たな大綱の下に、機動展開能力を含む自主的な防衛力の強化をしっかり進めると。同時に、日米同盟の抑止力や対処力の強化を米国としっかり緊密に連携して図っていきたいと、抑止力はしっかりと維持して、維持向上させていきたいというふうに思っております。
  209. 秋野公造

    秋野公造君 日中関係は一方で大事であります。この日中関係重要性ということを踏まえると、有事を避ける努力、不測の衝突を回避するといったような取組は大変重要なことかと思います。併せて大臣に御見解をお伺いしたいと思います。
  210. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) それは先生御指摘のとおりでございまして、日中関係は重要な二国間関係でございますし、現在、日中関係改善の途上にもございます。したがいまして、防衛当局間においても多層的な対話交流をしっかりやって、信頼醸成も図っていかなくてはいけないというふうに思っております。  このような観点から、既に日中防衛当局間の海空連絡メカニズムという仕組みをスタートさせておりますが、これに加えて、ホットラインも開設すべく今調整をしているところでございます。  先ほど申し上げたような抑止力の維持をしっかりと行いながら、防衛当局間の相互理解、信頼関係も増進をして、中国インド太平洋地域において平和と安定のために責任ある建設的な役割を果たしてもらえるように促していきたいというふうに思っております。
  211. 秋野公造

    秋野公造君 大臣対話が本当に重要だと思います。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。  今、日米同盟の重要性ということについても岩屋大臣から触れていただいたわけであります。だからこそこういった議論をするわけでありますけれども、公明党は、昨年、日米地位協定検討ワーキングチーム、五項目から成る提言、これを官房長官に提言をしました。そして、今年の一月末には河野義博参議院議員も訪米をいたしまして、日米地位協定などの改定を求めて関係者要請活動を行いまして、河野外務大臣には二月の予算委員会でお願いをしているところであります。  その中には、事故が起きたときの立入りについて、こういった事項も上がっているわけでありますけれども、私自身は、地位協定には関係がなく、例えば事故が起きたときには、例えば安全が確認をされるまでは、県民あるいは要人にかかわらず、差別なく立ち入ることは困難なこともあろうかと思いますし、また機密の観点からも立入りが制限されるということは一般論としてあるかと思っておりますが、ただし、昨年の高江で起こったCH53の墜落につきましては、立入りまで六日間もかかっております。このことをなかなか合理的に説明をするということは非常に難しいのではないかと思っています。こういったことは繰り返さないように、河野外務大臣にはお願いをしたいと思います。  この立入りの確保につきまして、大臣の御見解、決意をお伺いしたいと思います。
  212. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 公明党の検討ワーキングチームから頂戴をいたしました五項目につきましては、政府としても重く受け止めております。  迅速な立入りということについての重要性政府も思いを共有しているところでございまして、今御指摘をいただきました高江の事故の際の迅速な立入りができなかったことは誠に遺憾でございます。その後、日米の協議をしっかりやりまして、その後の迅速な立入りは確保されているところでございますが、それをもう少し明確にガイドラインの中で規定をしてまいりたいというふうに考えておりまして、今、日米で協議を続けているところでございます。しっかりやってまいりたいと思います。
  213. 秋野公造

    秋野公造君 どうかよろしくお願いをしたいと思います。  それでは、資料の一枚目、二枚目でありますけれども、長春、中国長春の東北師範大学の中には、中国日本国留学生予備学校がございます。我が国へ留学を志す中国人学生の進学に必要な日本語能力を身に付けていただいて、国費留学生として送っていただくと、非常に息の長い取組であります。かつては森元総理も足を運んでいただき、近年では馳元大臣にも足を運んでいただきました。  一枚目の右上にピロリ菌の本を載せてございますが、これは浅香正博北海道医療大学長とともに出版をいたしました「胃がんは「ピロリ菌除菌」でなくせる」と、その本が中国語訳をされまして、東北師範大学でテキストとして、そして赴日においてもテキストとして活用をされましたが、この赴日予備校については日本語で講義が行われました。入学をしてたった半年で日本の健康に関わる情報を学ぶことができる学生の質は、私は極めて高いと思っておりまして、講義が終わった後に学生に取り囲まれている、多くの質問攻めに遭っているその写真の一枚を載せさせていただいているところであります。  こういった現地における日本語教育の拠点、これ極めて日中友好観点からも相互理解の観点からも重要でありまして、私は、例えば私費留学生向けにもこの予備学校を活用してもらうなど、この促進を図るべきだと考えますが、まず文科省の見解をお伺いしたいと思います。
  214. 森晃憲

    政府参考人(森晃憲君) 文部科学省では、現在、日中教育交流五か年計画に基づきまして、優秀な中国人学生百十名を毎年国費留学生として我が国の大学の博士課程に受け入れるとともに、今お話ございました東北師範大学内に付設された中国日本国留学生予備学校に教員団を派遣し、これらの留学生に対する日本留学に必要な基礎日本語及び専門日本語教育の支援を行っているところでございます。文部科学省といたしましては、同予備学校は中国における日本留学のための日本語教育の拠点として重要な役割を果たしているものと承知をしております。  留学生事業全体におけるバランス等を踏まえることが必要ではございますけれども、本年は日中青少年交流推進年でございまして、中国日本国留学生事業などの日中の留学生交流の促進に取り組みつつ、議員御指摘の点も踏まえて検討してまいりたいと考えております。
  215. 秋野公造

    秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。  河野大臣にお伺いをしたいと思います。  先ほども、昨年十月、日中首脳間で本年を日中青少年交流推進年とするということで合意をしたということでありました。大臣として、今後この日中青少年交流をどう進めていくのかということをお伺いをするとともに、この東北師範大学の中にある中国日本留学生予備学校のような、私費留学生に対して、中国国内で日本語の予備教育を行う予備校を積極的に活用すべきではないかと御提案を申し上げたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
  216. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 委員のこの資料の最初に、青少年交流推進年の開幕式、私と王毅外務大臣と写っている写真を載せていただいておりますが、誠にありがとうございます。  今後の日中関係の安定的な発展考えたときに、やはり若い世代に、お互いの国を訪問し、実際に見て触れ合って交流していただくことは非常に大事だと思っておりますので、今後五年間で三万人の青少年交流を進めていこうというのがこの推進年でございますが、それに限らず、何というんでしょう、日中間の修学旅行をお互いに進めていきたいというふうにも思っているところでございます。  御提案のいただきました中国国内の日本語教育機関というのは、そういう中で極めて重要な役割を果たし得るものというふうに思っております。しっかりと次世代交流が進むように努力してまいりたいと思います。ありがとうございます。
  217. 秋野公造

    秋野公造君 日中友好、そして近隣諸国との友好、平和を心から念願をして、質疑を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  218. 浅田均

    浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  まず、これ僕も通告していないんですけど、河野大臣に徴用工問題についてお尋ねしたいと思います。  実は、覚えておられると思いますけれども、先週の木曜日に同じ質問をさせていただいております。私の質問は、外務大臣は徴用工問題についてこれから解決に向けてどのように話を持っていかれようとされているのかお尋ねいたしました。それで河野大臣からは、この協議を受け入れて速やかに協議を始めることができるのではないかと期待をしているところでございますが、この問題は韓国側韓国政府が責任を持って対応されるべきものというふうに考えておりますので、日本企業に実害が出ないように韓国政府対応するものと考えております、万が一そうでない場合には日本政府として必要な措置をとらざるを得ないというふうに考えているところでございますというふうに答弁された上で、先日の李洛淵首相の発言ですね、政府が対策を立てることには限界があるという発言に対して、河野大臣が、私としては、これはもう日韓両国の国交の法的基盤を損ないかねない事態でございますから、韓国政府責任者としてそのようなことに発展しないようにしっかりと対応してくださるものと信じておりますというふうにお答えになっているわけですね。  今日、それから四日後です。だから、信頼を傷つける、あるいは信頼を損ねるかもしれないということがこの四日間に起きたんではないかと私は思ってしまうわけでありますが、何があったんですか。
  219. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) この問題に関しましては、一月に日韓請求権協定に基づく協議要請韓国にいたしました。それから四か月以上がたつわけでございますが、我々としては、韓国政府の中で李洛淵総理責任者となって韓国側対応の取りまとめをされているというふうに伺っておりましたので、我々としては、なるべく波静かな中で李洛淵総理対応を検討し、実行できるように努めてきたつもりでございますが、先般、その責任者たる李洛淵総理政府対応には限界があるというような御発言をされまして、それは我々からしてみると大変な驚きであったわけでございまして、日本政府としてその発言を受けて検討をしてきたわけでございますが、今日の午前中に請求権協定仲裁付託通告をするに至ったわけでございます。  先般の質問のときにはまだ実際に付託の通告ができていなかったものでございますから、そのように申し上げることはできませんでしたが、政府としてこの仲裁のプロセスの中で、あるいは必要とあれば国際的な司法のプロセスの中で、日本企業に実害が及ばないようなしっかりとした取組をやってまいりたいというふうに考えております。
  220. 浅田均

    浅田均君 はい、よく分かりました。  常々、国家の役割は何かって聞くと、国民の生命、財産を守ることであるというふうに答弁されます。まさしくこれ、国民の財産、財産権の侵害が起きようとしている非常に重要な案件だと私どもも思っておりますので、今後の御対応、よろしくお願い申し上げます。  それで、あとは通告に従って質問をさせていただきます。  河野大臣は、今週、OECDの閣僚理事会に御参加いただけると伺っております。それで、このOECDのDAC、開発援助委員ハイレベル会合コミュニケというのが、これ一昨年のものでありますけれども、コミュニケが発せられておりまして、今年のコミュニケの中にそういう内容が入るのかどうか分かりませんけれども、各国それぞれのODAコミットメント、すなわちこれ、GNIの〇・七%をODA資金とし、GNIの〇・一五から〇・二%を後発開発途上国、LDCsですかね、へのODA支援とすることを含む、を再確認し、実現するための努力を継続するとコミュニケの中に書かれてあります。  これは、言わばその参加、DAC加盟国の首脳間でなされた国際公約というか国際約束の一つであると思うんですが、これ平成二十九年度の支援額は、全体、それから後発開発途上国への支援額はそれぞれ幾らになるのか。また、過去十年間、どういうふうに推移しているのか。お尋ねいたします。
  221. 松浦博司

    政府参考人(松浦博司君) お答えを申し上げます。  平成二十九年でまずございますけれども、ODA全体の支出純額は米ドルで申し上げまして百十四・六億米ドルとなってございます。このうち、LDCに振り向けられましたものは二〇一七年におきまして五十億米ドルとなってございます。  以上が平成二十九年、二〇一七年でございますが、過去十年間、すなわち平成二十年から平成二十九年で申し上げますと、この十年間のODA全体の支出純額は基本的に横ばいとなってございます。この期間中、最も額が多かったのは平成二十五年でございますが、百十四・七億米ドルとなってございまして、最も額が少なかったのは平成二十七年でございますが、これが二十九・〇億米ドルとなってございます。
  222. 浅田均

    浅田均君 今ドル建てで御説明いただきましたので、ちょっと円としては把握しづらいところがあるんですが、GNIですね、GNIの〇・一五から〇・二%ということは、これ大体幾らになるんですかね。七千五百億円から一兆円ぐらいになると思います。だから、GNP、即GNIが増えたらODA額も増えると、パーセントですからね。逆に、GNIが減ったらODA額も減るということでありますが。我が国はこの過去二十年間GDPが増えておりません。今のお話ですと、二十年から二十九年は横ばいということであります。一番多いときがたしか一兆円ちょっとですよね、で、五千億台に減ってしまっていると、半分になってしまっているということでありまして、LDCに関しては横ばいで余り減っていないというふうなお話だろうと思うんですけれども、増えないということは、現状維持の理由にはなるけれども、減る理由にはならないと思うんですね。  だから、一兆円、一番多いときは一兆円を超えていて、それが五千億円台に減ってしまっていると、こういう現状、減少傾向に関してどういうふうな御認識をお持ちなのか、お尋ねいたします。
  223. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 我が国の厳しい財政状況考えれば、ODAの減少はやむを得ないというふうに思っております。最盛期から、委員指摘のとおり、ODAはピーク時から比べると半減いたしました。今後、さらに、財政再建ということを考えれば、今後もODAの金額が増えるということは考えにくい、更に減少することもあるかもしれませんが、そういう中で、日本としてきちんと優先順位を付けて丁寧なODAをやってまいりたいというふうに思っております。  今、日本に対する信頼の源泉の大きな柱の一つは、これまでの日本ODAが、本当に相手の身になって、きめ細かく丁寧にきちんと約束したことをやってきた。そういう日本ODAに対する信頼が日本という国に対する信頼に直結しているというのを外務大臣として肌身で感じてきているところでございますので、そういう信頼を崩すことがないように、金額が減ってもきちんと優先順位を付けてやっていきたいと思っておりますし、金額を誇るのではなく、実際に現地で何を達成をするのか、数値目標をきちんと立てて、それを着実に実行できるような、そういうODAをやってまいりたいというふうに考えております。
  224. 浅田均

    浅田均君 日本の信頼を崩すことがないようなODAをやっていきたいと、まさにおっしゃるとおりだと思うんですが、その信頼を崩すことがないというところで、私はちょっと行き過ぎがあるのではないかなという点を御指摘させていただきたいと思います。  インフラ輸出戦略という、これ経産省のペーパーですかね、ペーパーがありまして、読みました。質の高いインフラの国際スタンダード化という項目がありました。国際スタンダード化というのは私も必要だと思いますけれども、質の高いというところに問題があるのではないかと思っております。  例えば、失礼な話でありますけれども、例えばインドと日本とでは国民の価値観が全然違うと。だから、日本が思っている新幹線の信頼性、質の高さというのとインドの方々が考えられる新幹線に対する信頼性、質の高さというのは必ずしも同じではないというふうに思います。したがって、日本ほどでなくても、これは別に失礼な話でも何でもないと思うんですけれども、日本ほどでなくても質の高さというのは保証できると思うんです。  だから、これからそういうインフラ輸出に関してどういうふうな方向性考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
  225. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 今、途上国を中心に、インフラに対する需要は極めて大きいものがございます。その需要に対する供給がむしろ限りがあるという現状の中で、ここで言っているその質の高さというのは、プロジェクトの一つ一つの、何というんでしょうか、信頼性というものよりは、例えば、スリランカのハンバントタという港の開発が行われたときに、そのスリランカの政府の債務の持続可能性を全く考慮せずに巨額な融資が行われた結果、スリランカはその債務の返済ができなくなって、このハンバントタの港の運営権を九十九年間にわたって中国に譲り渡さなければならないという状況になりました。  今、世界の各地でこうした債務の持続性を考えない無謀なインフラ開発というのが行われておりまして、むしろ受け手の経済ですとか社会開発を阻害する要因になりかねない、そういう状況があちこちで散見されるわけでございます。  今我が国が提起をしております質の高いインフラというのは、造られるインフラが、例えば港にすれば、どの国の船舶に対しても公開をされる、あるいはこのインフラのプロジェクトが非常に透明性高く実施をされる、あるいはライフサイクルにわたって経済性が高く維持される、その初期投資は少ないけれども後の維持コストに莫大な金額が掛かるというインフラも散見されるわけでございますから、ライフサイクルにわたっての経済性。そしてもう一つは、受け手の、被援助国の債務の健全性、こうしたものをきちんと見て、それぞれについてきちんと国際スタンダードを決めて、それに合致するものを質の高いインフラというふうに今、日本としては呼ぶように呼びかけて、多くの国から賛同を得ているところでございますので、この途上国の旺盛な需要に対して、供給する側がきちんとその質を維持した資金提供をやり、インフラ開発をする、そういう方向に持っていきたいというふうに思っているところでございます。
  226. 浅田均

    浅田均君 ODAの在り方について、今その債務の健全性という観点から逆に外務大臣の方からお話がありまして、そのODAの在り方、今債務の話をしていただきましたけれども、私は人材育成というところで質問させていただきたいんですが、実はアフリカにいてる友人からこれ聞いた話であります。  リベリアの首都モンロビア、リベリアというのは、御承知のようにアメリカの解放奴隷がつくった国で、エチオピアに次いで歴史の古い国であります。そのモンロビアで道路と橋梁に関する無償資金協力があって、これが非常に高く評価されていると。どうして評価されているのかというと、評価されているがゆえに、通りの名前をジャパン・フリーウエーと変えたということであります。  案件を実施している日本企業の仕事について、もちろんその道路や橋のクオリティー、質の高さだけでなしに、現地の人の人材育成の面で非常に高く評価されていると。こういう話を委員会におられる委員の先生方にも知っていただきたいと思って取り上げさせていただいたんですが、まあアフリカのことなんてほとんど話題にもなりませんので、そういう人材育成の面で日本ODAがアフリカで非常に評価されているというお話であります。  この人材育成のベースになっているのが、日本の某企業が始めたカイゼンという運動であるらしいです。日本のメーカーの経営方針が、これ、もうカイゼンというと外国語で定着している、いっとき日本のギョーセイシドーという言葉が全然日本語を知らない西洋人でも使っていたことがありますけれども、そういうふうにこのカイゼンという言葉がなりつつあるならば非常にうれしいと思っておりますけれども、これこそソフトパワーだと私は思います。  これを進められてはいかがかなというふうに思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  227. 松浦博司

    政府参考人(松浦博司君) 代わってお答えさせていただきます。  委員おっしゃいましたとおり、日本の援助におきましては、ハードのみならずソフトを組み合わせる、それによって日本のノウハウや技術移転を含めて供与していくという考え方を取っております。それによりまして、開発途上国の自助努力を後押しし、自立的な発展を目指すという考え方でございます。まさに、質の高いインフラ整備及び質の高いインフラ輸出拡大におきましてもその考え方を踏襲しておるところでございます。  御指摘いただきましたリベリアの案件でございますけれども、道路の改修支援というのがハードの支援に当たりまして、これに加えまして、維持管理及び道路行政に関する本邦研修を行うことによってソフト面の支援、すなわち人材育成の支援も実施したところでございます。  以上がリベリアに関する事情でございますけれども、委員から御指摘いただきましたとおり、アフリカにおきまして日本のカイゼンを自国にも取り入れようという動きが広がっております。エチオピア、ザンビア等二十五か国で既にJICAによるカイゼンの支援が行われております。品質、生産性の向上手法としてのカイゼンの普及を既に支援しているところでございまして、このようにアフリカにおいてカイゼンの考え方が広がっていることにつきましては歓迎しているものでございます。  今後ともODAを戦略的に活用しながら質の高い支援を促進していきたいと、そのように考えております。
  228. 浅田均

    浅田均君 今、道路とか橋梁の面でODAをいかに活用していくかというところでお答えをいただきました。  次に、道路とか橋梁と同様に、重要性が高いと思われる水について質問させていただきたいと思います。  かつて、水ビジネスというのは世界で百十兆円の市場規模があるんだということが言われておりました。加えて、国内では特に下水道事業で人手不足が言われて久しい。官民協働が必要だということで、いろいろ意見ありましたけれども、水道法の改正等も行われたものであると私どもは認識をしております。他方、これからアフリカなんかの国におきますと、飲料水の確保、それが飲料水と保健衛生の面から、水ビジネスの需要がますます高まるものと考えられます。  そこで、上下水道事業を展開している、日本国内でいうと都道府県あるいは市町村ですよね、その地方自治体の協力がますます必要になると考えられますが、そこで伺いたいのは、上下水道整備事業に関して、地方自治体とJICA、実際どういうふうな協力関係を築いておられるのか、質問いたします。
  229. 松浦博司

    政府参考人(松浦博司君) お答えいたします。  委員から御指摘いただきましたとおり、途上国においては、都市人口が増加することに伴って上下水道に対するニーズが非常に高まっております。そういう中で、日本の地方自治体の優れた知見が活用できるという観点から、地方自治体とJICAの連携、これを通じました、支援案件を通じて地元企業の海外展開にもつなげていきたいということで、従来から連携を進めております。  具体例を申し上げますと、例えば北九州市が地元企業の技術を活用いたしまして、カンボジアの上下水道拡張を実施した無償資金協力がございます。また、横浜市も海外展開を進めておりますが、横浜市がフィリピンのメトロセブ水道区で、これは上水供給の改善事業を行っております。これに対してJICAが技術協力の形で支援を行ったと、こういう例もございます。  これらの協力を通じまして、地方自治体の国際協力への参画を是非とも進めたいと考えてございます。これを通じまして、国際協力の担い手が地方に拡大し、またグローバル人材も地方に拡大していくと、それを通じて地元企業の海外展開を後押しし、地域経済の活性化にも貢献できるということを期待しているものでございます。  今後も、地方自治体とJICAの連携の仕組みについては積極的に推進したいと思ってございます。
  230. 浅田均

    浅田均君 私どもは大阪の選出で、神奈川は県域一水道とか実現しているんですけれども、大阪は府域一水道というのは実現していないと、市営水道と広域水道事業団、二つあるというところで、JICAと協力して海外展開するためにもこれが一つになる必要があるなと思って今いろいろ活動をしているわけでございます。  それで、次に、新たなJICAの役割といいますか、新たな在留資格が創設されまして、これから外国人労働者が増えていくと考えられます。この人たちが働くのは、現場があるのはほとんどが地方です。  ところで、海外協力隊は、海外に出て、現地の方々と接触の経験とかその蓄積があるわけですから、逆に、そういう海外で経験して蓄積を持っておられて日本に帰ってこられている、そういう方々、そういう方々が今度逆に、新たに日本に来る外国人労働者とのインターフェースとしては最適かなと思うんですが、JICAの海外協力隊を拡大される外国人受入れ窓口というふうなお考えはないでしょうか。
  231. 松浦博司

    政府参考人(松浦博司君) お答えを申し上げます。  JICAの海外協力隊事業は、ボランティア経験の社会還元ということを目的の一つとして掲げておるところでございます。実際に、帰国した協力隊員の中には、現地での活動を通じて得た経験、語学力、それから高いコミュニケーション能力、こういうものを生かして地方の国際化支援、地方創生の担い手として参加してくださっている方が少なからずいるということを承知しております。  そういう事実がございますので、今回新たに創設された特定技能外国人材を始め外国人材の受入れが拡大する中で、定住化支援等の場面においても、これら協力隊のOB隊員の活躍の場が広がって貢献していくことが期待されるものでございます。
  232. 浅田均

    浅田均君 是非よろしくお願い申し上げます。  それでは、防衛大臣にお尋ねいたします。  決算書を見ました。弾薬購入費とか歳出の予算が千七十三億円、支出済歳出額は千五十八億円と。購入弾薬の内訳を私は知りたいんですが、購入弾薬の内訳と、ACSA等対象も拡大して広がってきているんですが、一年間で購入した弾薬の何割ぐらいを使用されるのか、また今年購入された弾薬を何年間保存されるのか、具体的に教えてください。
  233. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。  弾薬購入費の内訳でございますけれども、一千七十三億円という御指摘がございました。その内訳は、陸上自衛隊においては小火器、小火器というのは小さい火器の意味の小火器でございますけれども、戦車、りゅう弾砲などの弾薬のために四百五十二億円、海上自衛隊においては艦船搭載用の弾薬等のために三百六十三億円、航空自衛隊においては戦闘機用の弾薬等のために二百三十九億円を支出しております。  また、一年間で使用する弾薬の割合、保存する期間についてもお尋ねがございましたが、これらにつきましては、自衛隊の能力を類推させるおそれがあることから、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  234. 浅田均

    浅田均君 じゃ、どれだけ、何年間保存というのは言えます。
  235. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 何年間保存するかということにつきましても、実はそれから消費量というのが分かってしまいますので、これにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
  236. 浅田均

    浅田均君 何か全然、これ何ぼ使うて何ぼ残っているから何ぼ買うというのは分かるんですけど、何かずっと買い続けていたら増えていくばっかりでしょう。だから、何か無駄な弾を持ち過ぎているのではないかということを思ってしまうわけですけれども、これだけ弾薬が必要だというのはどこで判断されるんですか。
  237. 深山延暁

    政府参考人(深山延暁君) 弾薬は、購入いたしまして、その撃つ量が多いか少ないかという問題はあるにせよ、我々は演習等で実際に消費をしているものもございます。それとともに、弾薬はやはり万が一の場合、要するに有事に備えまして、一定量の備蓄はどうしても必要でございます。こうした観点から、我々は必要量を勘案して、予算の全体量もありますけれども、その中で弾薬購入費を割り当てて毎年調達をしているということになっております。
  238. 浅田均

    浅田均君 しつこいですけど、一定量必要だというのは認めます。そのとおりだと思います。  一回買ったやつを何年間保存できるのか。一トン爆弾とか第二次大戦の爆弾が発見されて、危ないからって退避せよとかいうことありますよね。また、だから七十年間たってもまだ使えるというふうなことだと思うんです。だから、どれぐらい置いておいて、これ新しいものと替えていく必要があるのか、そういうことを知りたいわけですが、それはあきませんか。
  239. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 先生は弾が足らないんじゃないかと心配してくれるのかなと思っていたんですけれども、今も長官から答弁いたさせましたように、もちろん演習にも使いますし、一定の備蓄がなければ抑止力も維持できないということでございまして、また様々な種類のものがございますので一概にはちょっと申し上げられませんし、そういうことを公表すれば我が方の能力というものを類推されるおそれがありますので、そこは控えさせていただきたいと思います。
  240. 浅田均

    浅田均君 時間なので終わらせていただきますけれども、例えば警視庁なんか、警察なんかは何発持っているかというのは分かりますよね。  また次回、次の機会に質問させていただきます。ありがとうございました。
  241. 石井苗子

    石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。  本日は、通告しておりますものの順番を変えまして質問させていただきます。七番からやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。  先ほど自民党宇都議員からも質問がちょっと出ましたけれども、余り重要じゃないという御発言だったんですが、私は一般の国民としまして安全保障意味におきまして大変気になることがございましたので、今日はそれを中心に、その一点について御質問させていただきます。  防衛施設の周辺の土地に関する所有者をめぐる調査というのをやっておりまして、これについてよろしくお願いいたします。  これは政府実施している調査なんですけれども、その防衛施設の周辺の土地というのは、施設の土地に隣接している土地、つまり施設の土地の境界線にくっついている土地だけを意味するということで、私、最初分かりませんで、境界線にくっついている土地の半径何メートルを調査していただけるんでしょうかと質問したら、いえ、ですから、境界線にくっついて、へりがくっついている土地だけを調査しますので、その土地が小さければその隣の土地は調査いたしませんと、こういうことなんですね。隣の土地がどんなに広くても、そこは調査しないということがルールでございます。  この隣接している土地に関しては、所有状況政府調査を行っていますと。さらに、登記簿から名前と住所を調べて、外国に住所を有する人あるいは名前から外国人であると推測される所有者を見付け出すために調査をしておりますという、この事実関係を確認させていただきたいんですが、現段階で全国の防衛施設は幾つありますか。そのうちの何か所でこの調査を何年置きに実施しているのか、現在どのくらい外国の方の所有となっているのか、これ防衛大臣に御質問させていただきます。
  242. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 防衛施設周辺における外国人外国資本による土地の取得に関しましては、国の安全保障に関わる重要な課題と認識をしておりまして、今先生おっしゃっていただいたように、防衛省としては、平成二十五年十二月に策定された国家安全保障戦略に従って、防衛施設に隣接する土地所有の状況について計画的に把握するための調査を行っております。法務局において公図を確認の上に、土地登記簿謄本等の交付を受けまして名義人の氏名、住所を確認するなど行っておりまして、住所が外国に所在し、氏名から外国人と類推される方の土地かどうかは確認をしておりますが、国籍までは確認をいたしておりません。  そして、その外国人の土地所有につきまして、あっ、まず、本調査は、約六百五十施設、隣接地約五万六千筆の防衛施設について平成二十九年度までに一巡目の調査を終えました。引き続き二巡目の調査を行っております。この結果、住所が外国に所在し、氏名からも外国人と類推される方の土地が東京都区内においては五筆確認されております。なお、現時点までに、その土地所有の態様によりまして自衛隊や米軍の運用等に支障が出ているという事実は確認をされておりません。  引き続き、状況把握に努めていきたいというふうに思っております。
  243. 石井苗子

    石井苗子君 五筆という数え方が、この筆という字を書くという大変特有なものなんですけど、これ東京都内で所有者が外国の方と推測される土地が五筆あったと。これは、安全保障上の問題はないという結論が出ているということでよろしいですか、確認でございますが。
  244. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 結論が出ているというよりも、今そのような問題は発生していないと認識しているということでございます。
  245. 石井苗子

    石井苗子君 先ほどの質問させていただいて、何回やっていらっしゃいますかというお答えとしては、今一巡目が終わって、今二巡目になって、二回目のをやっているということで、これまでの調査のうち東京都内の情報として、今いただいたような記録といいますか、現状が発表されているわけなんですが。  今年の三月に新しい防衛施設が奄美大島で開庁されました。奄美駐屯地と瀬戸内分屯地というこの二つの施設だそうですが、新しい防衛施設であるという状況の下で、目的不明の土地取引が行われているという報道がございまして、二〇一六年の九月、これ三年前ですが、奄美大島の東側、東部の高台にある町所有の土地で六千九百三十七平方メートルが香港資本の総合商社に払い下げられておりまして、所有者であるその商社の会長の方は日本人なんですけれども、御結婚された方の家族がアジアの海運王と呼ばれる香港経済界の重鎮でいらっしゃいまして、同じ土地の高台に既に一万二千三百六十平方メートルを買い進めているという内容の報道でございます。  これ一般報道なんですけれども、こうしたニュースがあって、報道が実際に行われたときに、防衛省としては、確認ですが、何らかの調査をするということはあるのでしょうか。それとも、施設の境界線に隣接していない、先ほどのことですけど、べったりくっついていなければ何もしないということなんでしょうか。よろしくお願いします。
  246. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 報道は承知しておりますが、先ほど申し上げましたように、自衛隊施設の周辺、隣接している土地につきましては常に関心を払い、また調査も行い、状況の把握に努めているところですが、外国人外国資本による土地の取得の実態について網羅的に調査を行って詳細を把握することは必ずしも容易ではございません。  防衛省としては、防衛施設の安全保障上の重要性に鑑みまして、引き続き、土地所有の状況把握に努めるとともに、もししっかり調べる必要が更にあるということであれば関係省庁と連携を図ってまいりたいというふうに思っております。
  247. 石井苗子

    石井苗子君 ありがとうございます。  ただ、登記簿を取り寄せて調べるということは私でもできるんですね。時間掛かりますし、何百円かはお金も掛かるんですが、一般の人間でもできるわけなんですけれども、調査しようと思えばできるということなんです、おやりになっていることは。  ただいまのお答えですと、そんなような報道があったぐらいでは、事実上、防衛省が何か調査をするに至ることはないというように私は理解したんですけれども、何か支障がない限り、何かの支障がない限り調査することはないということでよろしいでしょうか。私どもとしてはちょっと不安なんですけれども、いかがですか。
  248. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 例えば安全保障上の懸念が生じるというような場合に立ち至れば関係省庁と連携して調査をするということはあり得るかなというふうに思いますけれども、しないと断定しているわけではありませんけれども、やはりそういう兆候なり懸念なりがない段階で網羅的に調べるというのはなかなか困難なものがございます。
  249. 石井苗子

    石井苗子君 私も、普通の常識からいって買ったから何だというんだという、そういう一般常識は持っているんですけれども、その隣接している施設のその土地だけ、それも登記簿、誰でもできるような登記簿を取り寄せて調べるとなると、ちょっと安全保障上不安が出てくる。もし問題があると推測される土地取引があったとしても、こちらは把握に至らない、ちょっとその把握に至らないということなんです。先ほどのような広大な土地の買占めについて、なぜそこまで買うのかというその真意を確かめるというぐらいのことはしていただけないのかなと思うんですが、先ほどはまあしないと。  じゃ、次の質問。どのようなケースに至ったら防衛省として調べていただけるのか。例えば自衛隊がどうだとか、そういう具体的なことを教えていただけると有り難いんですが、いかがでしょう。
  250. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) それは、その状況に応じて判断をせざるを得ないということで、あらかじめ一概に申し上げることは難しいかと思います。  先生御指摘の、奄美に所在する航空自衛隊の奄美大島分屯基地また海上自衛隊の奄美基地分遣隊及び分遣隊瀬相連絡所については、二回にわたって隣接の土地などの調査を行って、所有者も確認をしております。報道にあるような土地の所有者の確認は行っておりませんが、そういった調査を適切にこれからも行っていきたいというふうに考えております。
  251. 石井苗子

    石井苗子君 私どもは、その隣接したところだけだと、安全保障上そこに、隣の広いところに高いマンションができたら見えちゃうのかなとか、そんなような素人考えなんですけれども、何か起きたときから、じゃ、すわ、やりましょうというと、ちょっとそれは遅過ぎるんじゃないかなという不安があるということなんですね。  国民の皆さんも、安全保障というのだから、とことん防衛省に期待したいところもある。何か野放しになっているんじゃないかなというような気がするのではないかというところで、外国の方との土地取引については、私ども維新ですけど、維新だけではなく他党の議員の皆さんからも土地取引法の法案を出すという議員立法の動きもこれまでありました。防衛省のお立場からすれば、今まで御答弁いただきましたように、大臣から御答弁いただきましたように、それほど危険でもない状態であるのに議員立法を出してきているのかなというようなお考えなのか。ただ、むしろ、もっと言いますと、それほど騒ぐこともないじゃないかと思って、ただ騒いでいるのかというふうに思っていらっしゃるのか。ちょっと大臣の御感想をお伺いしたいと思います。
  252. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 先ほど申し上げておりますように、もちろん重大な関心を払っているわけでございますけれども、外国人外国資本による土地の取得の制限に関しましては、国会での御議論も注視しながら、制限の必要性、あるいは個人の財産権の保護の観点、国際約束との整合性などの諸事情を総合的に勘案した上で必要な施策を検討していく必要があるというふうに思っております。  御党におかれましてもそういう検討をしていただいていると承知をしておりますし、与党においても、これまでの議論を踏まえて、安全保障上の支障が生じるおそれがある土地等の調査に関する法制化の議論が行われていると、与党の中でも、と承知をしております。  私どもとしては、国会における御議論、各党の御議論の状況も注視しながら、国家安全保障戦略の下で、防衛施設周辺については常に関心を払い、引き続き土地所有の状況把握に努めてまいりたいというふうに思っております。
  253. 石井苗子

    石井苗子君 ちょっとそこを更に突っ込んで、私もやみくもに申し上げているわけではないんでね。  法務省所管の法律に外国人土地法というのがございます。これは国会で何度も取り上げられてきておりますが、その法律の中の第四条に、国防上必要なる地区においては勅令をもって外国人又は外国法人の土地に関する権利の取得につき禁止をなす、又は条件又は制限を付するということを得と明記されているんですが、これが大正十四年にできた法律で、つまり戦前の陸海空軍が存在していた時代の法律であるから、しかも政令に包括的に白紙委任をしてきた法律であるので、令和の時代に外国人土地取引にはこの法律はそぐわない、規制もできないと、そのように私も考えるんでございますが、防衛大臣におかれましては、この法律の改正あるいは立法を検討するということをお考えでございましょうか。
  254. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 今先生が挙げられた法律の存在は私どもも承知をしておりますけれども、先ほども申し上げましたように、今、与党の中においても議論が行われておりますし、御党でも案をお持ちだというふうにも承知をしておりますので、今後の国会での御議論を注視をさせていただいて、必要な検討を行っていきたいというふうに考えております。
  255. 石井苗子

    石井苗子君 ありがとうございます。  日本維新の会としましても、議員立法として、安全保障上重要な土地取引の規制法案というのを提出しております。安全保障上支障があるという、土地取引のその意味におきまして最小限の規制を持っていくような形にも是非していってほしいなと。私どもは、この土地取引の規制ということに関しては、できるだけ早く取りかかって、どんなものがいいか決めていった方がよろしいかと考えております。  最後の、ちょっと一分ほどありますので。  先ほどの、決算でございますので、防衛施設周辺の地域のその概要で、不当に使われていたというのが先ほども御質問が出ました。フェンスで囲うということだったんですけれども、これからも駐車場にしたり菜園にしたりということがないようにしていきますという御答弁あったんですが、私、見に行ったんですけれども、フェンスで囲っていなかったとかで、フェンスで囲う、これ非常に景色として殺伐としておりまして、フェンスで囲うということ。なので、入って菜園にしたり駐車場にしちゃったりするということなんですが、許可を取るとか許可を取らないということの問題のほかに、フェンスで囲う代わりに、そこに何かほかの、例えばですけれども、花を植えるとかですね、そのようにして、ここはもうどういった土地なんだというような、ほかのフェンス以外のことを考えているということはございませんでしょうか。お答えいただけますか、最後にしますので。
  256. 中村吉利

    政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  委員指摘のとおり、防衛施設の周辺の財産について適切に管理していかなければいけないというのは、これは当然のことであろうかと考えております。  ただ、周辺の地域の方々とこれは調和した形で管理をしていかなければいけないというのも我々ども非常にまた重要なことであるというように認識しておりますので、地域の方々の御意見を伺いながら、また場合によっては民間の方へ有償で貸出しをするですとかいったこともありますし、自治体の方々に使っていただくということもあり得ることであろうと思いますので、様々な方策でより良い形を検討してまいりたいというように考えております。
  257. 石井苗子

    石井苗子君 レクを受けたときに、一、二、三と、こうありますですよね、地域のがね。是非、地元の方とお話合いをして、土地の利用も少し考え方のイノベーションをしていただきたいと思います。  質問を終わります。ありがとうございました。
  258. 吉良よし子

    吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  今日は、米軍横田基地における米軍の訓練について伺いたいと思います。  そもそも、ここ東京都にある米軍横田基地ですが、日本の首都の中の広大な空間を米軍が占拠しており、世界の中でも首都に他国の軍事基地があるというのはここ東京横田だけなわけで、このことだけをもっても異常だと言わざるを得ない状況だと思うわけです。その米軍横田基地にCV22オスプレイを配備する計画が昨年四月三日に発表され、昨年十月に正式配備をされました。  ということで、この訓練の中身について伺いたいと思うわけですけれども、まず、ちょっと順番を変えまして、騒音の話から聞きたいと思います。  このCV22の配備以降、確実に横田基地周辺での騒音被害というのは増えております。福生市が行っている航空機騒音調査によりますと、二〇一八年、七十デシベル以上で三秒間継続した場合を一カウントと数えた場合、熊川千五百七十一番地先、誘導灯付近での騒音の発生回数というのは一万二千三百十三回になるわけです。十五年前の二〇〇四年にはこれ九千九百二十九回であり、直近の二〇一七年度では一万二百五十回だったことを踏まえれば、一万二千三百十三回、これはCV22が飛来、配備された二〇一八年度に急増しているということになると思うんです。そして、過去十五年の中でも最悪のレベルだと思うんですけど、防衛大臣、このCV22の飛来後、明らかに騒音被害が深刻化しており、住民生活に大きな影響を与えている、このことを問題だと思いませんか。
  259. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 防衛省は、横田飛行場周辺の十三か所に航空機騒音の自動測定装置を設置しておりまして、常時CV22を含む航空機の騒音発生回数等を把握しているところでございます。  CV22が横田に配備された平成三十年度と平成二十九年度の騒音発生回数を比較いたしますと、測定地点によりまして回数が上下はしておりますけれども、総じて増加傾向にございます。しかし、航空機の騒音発生回数は飛行場の運用状況や天候等の影響によっても上下をいたしますので、この測定結果をもってこれが全てCV22の配備による影響だと断定することは適当ではないと考えております。  いずれにしても、周辺住民の方にとっては深刻な問題であると我々も認識しておりますので、今後とも、できる限りこの騒音の影響を軽減できるように防衛省としても努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  260. 吉良よし子

    吉良よし子君 深刻な問題であればやはり対策しなきゃいけないし、CV22配備以降に騒音が増加していることは認められたわけですよ。となれば、やはりCV22の影響によるというのはもう明らかなわけですから、これ本当に問題だということで言いたいと。  特に、その周辺に住む住民がどんな思いでいるかと。騒音によって眠れない、病気が発症するかもしれないという不安もあるわけなんです。家の上を飛ぶたびに、CVが、窓ガラスが揺れて安心して生活できない、家の中で会話ができない、電話中も飛行機が行き過ぎるのを待って会話しないと聞き取れない。これが実態なわけです。  こういう激しい騒音にさらされる下で、平和に生きる権利が侵害されたという裁判も起こされており、司法の場では、うるささ指数七十五以上の住民は受忍限度を超える騒音被害が生じているとして、賠償を認める地裁判決まで出ているわけなんです。これを本当に問題視していただきたいと強く求めたいと思うんです。  今日言いたいのは、この騒音だけの問題ではないんです。このCV22のオスプレイというのは、この間、低空飛行、騒音、無灯火、また夜間で飛んでいるときに、その無灯火で夜間飛んでいるときに突然市民に対してサーチライトで照らすなどの住民生活を脅かす余りにひどい訓練を繰り返しているわけなんですが、ここで改めて聞きたいと思います。  この横田基地及び横田基地周辺でCV22というのはどのような訓練をするというふうに説明をされているのでしょう。参考人、お答えください。
  261. 中村吉利

    政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  CV22の横田飛行場周辺における訓練につきましては、離着陸訓練、人員降下訓練、物料投下訓練、編隊飛行訓練及び夜間飛行訓練を行うことを想定している旨、米側から説明を受けているところでございます。  その詳細について防衛省として全て把握しているわけではございませんけれども、米軍は全く自由に飛行運用を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動をするものであると承知をしているところでございます。
  262. 吉良よし子

    吉良よし子君 全く自由ではないと言いますけれども、もうそういう無灯火なんかで飛ばれているわけですよ。もうこれ本当に住民にとっては恐怖なんです。離着陸訓練なんて言いますけど、それはもう低空飛行も伴うわけですし、もう夜間そうやって無灯火で飛ばれたら本当にとんでもない話なんです。  それにとどまらず、住民に不安と恐怖を与えている訓練もしている実態があるということを私、住民の皆さんから聞いているわけです。それがお配りした資料一、御覧いただきたいと思うんですけれども、このCV22が機関銃の銃口を出して下に向けて、その薬きょうの排出口も出して飛行しているという写真です。これ、資料二でもお示ししましたけれども、写真で撮って確認されただけでも、二〇一八年の六月以降、十八回にわたってこうしたような形で銃口を出した飛行をしていることが確認されています。これは、基地の真上だけではない、周辺住宅の上空でもこうした銃口を下に向けた状態で飛んでいることが分かっているわけです。  これ、先ほど御説明された五つの訓練の中に当てはまらない訓練だと思うんですけれども、防衛大臣、いかがですか。
  263. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) CV22のその飛行運用の詳細について把握しているわけではありませんけれども、その飛行運用に関しましては、地域住民に十分に配慮し、最大限の安全対策を取るとしておりまして、公共の安全に妥当な考慮を払って活動しているものと思っております。  私どもとしては、周辺住民の皆様の生活への配慮が非常に重要でございますので、今後とも、米側に対して、安全面への最大限の配慮、そして地元の皆様に与える影響の最小化をしっかり求めてまいりたいと思います。
  264. 吉良よし子

    吉良よし子君 いや、説明になっていないんですよね。詳細把握されていないわけですよね。最大限の安全の配慮と言いますけど、横田基地というのは射撃訓練場ではないはずなんですよ。その周辺はもちろんのことですよ。なのに、銃身を下に向けて訓練を行っていると。おかしいと思いませんか。  何よりも、そういう銃口が向けられている状態なわけですけれども、じゃ、そこの中で実弾は装填されているのかどうか、そのことも確認していないということなんですか。
  265. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 先ほど申し上げたとおり、飛行運用の詳細について承知しておりませんが、射撃訓練をやっていたわけではないと思います。
  266. 吉良よし子

    吉良よし子君 いや、射撃訓練じゃないって、どうしてそれが分かるんですか。だって、この写真見れば、確実に銃口が住宅地に向けられているわけですよ。それで、実弾が入っているかどうかも確認していないのに、どうしてそうじゃないと言えるんですか。
  267. 中村吉利

    政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  先ほど大臣から御答弁を申し上げましたとおり、CV22の飛行運用の詳細につきまして防衛省として全て把握しているわけでございませんが、委員指摘の事案が発生しました際に米側に確認を行いましたところ、米側からは、この写真に撮られている内容につきましては米側としても詳細について確認はできませんけれども、オスプレイの標準的な機内配備がこのようになっているというような説明を受けております。また、銃は機体に固定をされていて、銃弾は込められていないというような説明を受けているところでございます。
  268. 吉良よし子

    吉良よし子君 標準的な配備と言いますけど、これ開けたり閉めたりできるわけですよね。閉めて飛ぶこともできるのに、わざわざ開けて飛んでいるというのが問題じゃないかと言っているわけなんですけれども。  こういうことを許していて、どうして最大限の安全の配慮ができるというんですか。大臣、いかがですか。
  269. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 最大限に住民の安全に配慮をするようにこれまでも申し入れてまいりましたが、これからもしっかり申し入れてまいります。
  270. 吉良よし子

    吉良よし子君 申し出ても、米軍自体も何かよく分からないうちにこういう状態で、日本国民の上空を、普通に暮らしている国民の上空を飛んでいるというのは本当に大問題なわけなんです。  大体、何でこんな訓練が行われているのか。それは、やっぱりこのCV22というのが輸送するのは米軍の特殊部隊だからじゃないのか。この特殊部隊というのは何なのかといえば、イラク戦争などでイラクに潜入してフセイン政権の要人の身柄の拘束等の作戦を展開する、こういう特殊部隊を輸送するのがCV22なわけですよ。暗闇に紛れて敵地に深く侵入して軍事作戦を展開する、そういう特殊部隊の訓練だから、CV22はこうした銃身を住宅街に向ける訓練まで行っているというのではないですか。大臣、いかがですか。
  271. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 先生の説明聞いていると何かおどろおどろしい感じに聞こえるんですけれども、非常に能力の高いこのCV22が配備をされているということは、我が国の安全にとっても非常に意味のあることだと私どもは思っております。  住宅地の上を先生おっしゃるような訓練のために飛ぶということはないものと承知をしておりますが、引き続き、住民の皆さんの安全への最大限の配慮を米側に申し入れてまいりたいというふうに思っております。
  272. 吉良よし子

    吉良よし子君 特殊部隊の主たる任務というのは日本の防衛ではないはずなんですよ。ないでしょう。特殊部隊の主たる任務は日本の防衛なんですか。違いますよね。
  273. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中にありまして、高い性能を有するCV22オスプレイが我が国に配備されることは、米国のアジア太平洋地域へのコミットメント及び即応態勢整備の観点から、日米同盟の抑止力、対処力を向上させ、我が国の防衛及びアジア太平洋地域の安定にも資するものと考えております。
  274. 吉良よし子

    吉良よし子君 いやいや、この間、防衛大臣が答えられているんです。特殊部隊というのは、通常の部隊でアクセス困難な地域に行って隠密裏に侵出し、戦略上、戦術上の重要な情報を収集するなどの任務を負った部隊なんだと。だから、日本の防衛が主たる目的ではないわけです。  そして、先ほど、米軍が詳細にこの訓練について把握していないという御答弁がありましたけど、これ本当に重大なわけですから、この実態について詳細に把握して報告するよう求めるべきと思いますが、いかがですか。
  275. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 米軍の運用の詳細について、一々その情報提供を求めるということはいたしませんけれども、何度も申し上げておりますように、住民の皆さんの安全面に最大限の配慮をこれからも求めてまいりたいと思います。
  276. 吉良よし子

    吉良よし子君 実態把握せずにどうして住民の安全面が最大限配慮できるというのでしょうか。  住民の皆さんからは不安の声が上がっているわけです。配備時のときは輸送機だと言っていたのに、なぜこんな訓練、銃身を下に向けるような訓練するのか、約束が違うじゃないか。まるで自分たちが狙われているようで怖いんだ、我々を標的にした訓練をしているのかとしか思えず、怒りが込み上げると。万一、実弾や薬きょうが落ちてきたらどうするのかと。  こういう不安の声に応えるためにも、きちんとこの訓練の実態について米軍に詳細を聞き、把握し、報告求めるべきではないですか。それぐらいのことやってください。
  277. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 我が国に配備されている、いや、駐留している米軍、またその装備あるいは部隊が我が国国民を標的にするようなことはあり得ないことでございます。  いずれにしても、安全な運用に最大限の配慮をこれからも米側にしっかり求めてまいります。
  278. 吉良よし子

    吉良よし子君 あり得ないとおっしゃいましたけど、事実こうやって銃身を住宅地に向けて軍用機が飛んでいるわけですよ。これは、住民にとっては恐怖でしかないのは明らかなんです。こういう特殊部隊による危険な訓練を日本の上空で、また首都東京の上空で行っているのは、もう絶対に許し難い問題です。  もう、すぐにでもこうした訓練をやめさせる、何よりCV22オスプレイ、配備撤回すべきと思いますが、大臣、いかがですか。
  279. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) CV22の配備についての意義については先ほど申し上げたとおりでございます。  ただ、住民の皆さんに不安を与えることがないように、安全面で最大限の配慮を米側にしてもらうべく、これからもしっかりと申入れをしてまいります。
  280. 吉良よし子

    吉良よし子君 何の配慮もしていませんよ。こうした銃身を下に向けられている、これが配慮しているということだったら、日本の住民はもうずっと米軍から危険にさらされている状態が容認されている、日本政府はそれに対して何も言わないということだということになるわけですよ。これを配慮しているとは私は絶対に言わないと。  先ほども申し上げましたとおり、特殊部隊CV22の任務というのは、アフガニスタン侵攻とかイラク戦争などで特殊作戦を担うような、そういう部隊なんです。そうした危険な任務を負っているからこそ、CV22の事故率だって高いわけです。世界を見渡してみれば、米軍のこのCV22をアメリカ以外の国に配備をしている、その拠点というのは、ここ日本の横田基地以外にはないわけです。改めて、この米軍のCV22、横田基地への配備撤回を強く求めたいと思います。  そしてもう一点、横田基地で行われた訓練、看過できない訓練がパラシュートの降下訓練なわけです。これも事故が相次いでいる訓練です。  この間、米軍からはパラシュート降下訓練をする際に関係自治体へ事前通告をしていたはずなんですが、それが今、小規模なものについては通告されていない、大規模なものにしか事前通告されていない状況だと伺っています。  事故の危険も伴うようなこうしたパラシュート訓練を行うにもかかわらず、規模が小さいからといって周辺自治体に事前通告しないなんて、とんでもないことだと思いますが、問題だと思いませんか、防衛大臣
  281. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 横田飛行場においては、米軍が部隊の練度維持のために、また即応態勢を整える観点から必要なパラシュート降下訓練を実施しているものと承知をしております。基本的には事前の通報をしてもらうということになっておりますけれども、通報なく実施される場合もあるということは承知をしております。  防衛省としては、地域住民の不安を軽減する上でも事前の通報は重要と考えておりまして、米側に対し、事前の情報提供などについて求めてきているところでございます。今後とも、米側に対し、最大限の配慮を申し入れてまいりたいと思います。
  282. 吉良よし子

    吉良よし子君 求めていても、ちゃんと通告がされなければ意味がないわけですよ。  実際、もう通報なく実施されている訓練があると今お答えになったわけですけれども、横田基地周辺市町基地対策連絡会は、こうした無通告のパラシュート降下訓練について事前の情報提供を再三要請している。これは防衛大臣も御存じのはずです。一歩間違えれば人命に関わる重大な事故につながりかねない危険な訓練だからこそ、事前通告を求めているわけです。  もう絶対に、規模の大小にかかわらず、必ず事前通告させるよう徹底するべきじゃないですか。大臣、いかがでしょう。
  283. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) 時に一名とか二名ということで降下訓練がされております。運用上の理由があるんだと思いますけれども、いずれにしても事前に通報をいただくように、これからもしっかり申し入れてまいります。
  284. 吉良よし子

    吉良よし子君 一、二名だから問題ない、事故が起きないという確証はないはずです。どんな規模の訓練であっても事故の危険は伴うわけですから、事前通告をしないなんということは許されません。  実際に、この間、横田基地の中で米軍パラシュート降下訓練に伴う事故というのは繰り返されているわけです。昨年の四月十日には、米軍のパラシュートの一部が羽村第三中学校に落下するという事故が起きております。さらに、その事故の後、今年一月八日、九日、二日連続で同じようにパラシュート降下中の事故が起きていると。  一月九日の事故では、メーンパラシュートについては基地の中に落下しましたけれども、そのときに同時に切り離された予備パラシュートを収納しているディプロイメントバッグという袋、これが風に流されてしまって、いまだにそれが回収できていない、どこに飛んでいったか分からない状態だと聞いております。  こういう事故が繰り返されているにもかかわらず、その一月の事故、九日の事故から一週間もたたない一月十四日に米軍はこのパラシュート降下訓練を横田基地で再開をしております。とんでもない話だと思うんですけど、なぜ再開したのか。一月の事故の原因分析、そして再発防止対策、できていたと言えるのですか。お答えください。
  285. 中村吉利

    政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  昨年四月に発生しました事案は、訓練中に降下隊員が誤ってメーンと予備の両方のパラシュートを展開をしたために、この隊員は定められた手順に従ってメーンパラシュートを切離しをして、予備パラシュートにより施設内に降下をしたものでございます。  また、今年一月に発生をしました事案は、整備士がパラシュートの畳み方を誤ったことによって訓練中にメーンパラシュートが展開せずに、予備パラシュートにより施設内に降下したものであるということでございます。この予備パラシュートを展開、開いた場合にはその一部が分離するように設計をされておりまして、その分離した部分が風に流されて施設・区域外などに落下をしたものであるというように承知をしております。  こうした事案の発生を受けまして、米側からは、それぞれ関係する隊員の教育を徹底をするということとともに、二つの事案で使用されたパラシュートについては安全性が確認されるまで使用しないといったような安全対策を講じた上で訓練を再開したと、こういった説明を受けているところでございます。  いずれにいたしましても、米軍の運用に当たっては安全の確保が大前提であり、こういった事案はあってはならないものと考えております。引き続き、米側に対しては安全確保に万全を期すよう求めてまいりたいと考えております。
  286. 吉良よし子

    吉良よし子君 事故を起こしたパラシュートを安全が確認されるまで使わないとおっしゃいましたけれども、じゃ、何で一月十四日にパラシュート降下訓練が再開できているんですか。もう一度お答えください。
  287. 中村吉利

    政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、事案を起こしましたパラシュートについては、整備士がパラシュートの畳み方を誤ったということでございます。現在使用しているパラシュートについては、この事案を起こしたパラシュートとは別のもので実施をしているというように承知をしております。
  288. 吉良よし子

    吉良よし子君 別のものというのは、物が違うんですか、それとも型が違うんですか。そこをはっきりとお答えください。
  289. 中村吉利

    政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  型の違うものを使用しているというように承知をしております。
  290. 吉良よし子

    吉良よし子君 そうですよね。事前のレクではそのように聞いていました。  ただ、先ほど、事故が起きた原因についてお話をされました。昨年四月の分は、訓練中に米兵御自身がメーンと予備と両方一緒に開こうとしたために、うまく開かなくて事故が起きましたと。今年一月については、畳み方が不適切だったからうまく開かなかったんですと。別の型のパラシュートを一月十四日以降は使っているから再開を認めたということなんですけど、これはパラシュートの型の問題なのかということなんです。違うんじゃないですか。  じゃ、その違う型のパラシュートは両方一緒に開いてしまうような誤作動を起こさないようなパラシュートになっているのか、若しくは畳み方を間違えたとしてもちゃんと開くパラシュートになっているのか、その点は御確認されたんですか。
  291. 中村吉利

    政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。  米軍の装備について細部まで承知をしているわけではございませんが、この事案の発生を受けまして、先ほども申し上げましたとおり、別の型のものを使用して安全の確保を図るということとともに、隊員の教育を徹底をしているというように承知をしているところでございます。
  292. 吉良よし子

    吉良よし子君 つまり、別の型のパラシュートだからといって、事故を起こさない確実な保証はどこにもないということですよね。  実際、周辺の自治体からも、この別の型のパラシュート使用で訓練を再開することについて極めて遺憾だと要請が出ているわけです。実際に文書を読みますと、昨年四月以降、同様のパラシュート落下事故が相次いで発生しているにもかかわらず、異なる型のパラシュートを使用するとはいえ、事故の原因究明が十分になされないまま事故発生後数日で訓練を再開することは、周辺住民の不安をより増大させるものであり、極めて遺憾である。  大臣、やはりこうした危険なパラシュート訓練はやめさせるべきではありませんか。いかがですか。
  293. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) このパラシュート降下訓練については、先ほどもお答えしましたが、やはり米軍の部隊の練度維持向上を図る、そして即応態勢を整えるという観点から必要な訓練の一環として実施をされていると承知をしております。  しかし、その運用、訓練は安全に行われることが大前提でございますので、先ほども、事故を起こした型のパラシュートは使わないということで今運用されていると承知をしておりますけれども、今後ともこの訓練の実施に際しては、安全確保はもとより、周辺住民の皆様への生活への最大限の配慮を米側にしっかり求めてまいります。
  294. 吉良よし子

    吉良よし子君 しっかり求めても、事故を防ぐことは訓練をやめる以外にはできないんじゃないですか。練度維持だとか言いますけれども、このパラシュート降下訓練、本当に危険な訓練なわけですよ。  これ、実際に中学校にも部品が落下した事故が起きたと言いましたけれども、これ、パラシュートを切り離したら、本当にどこに飛んでいくか責任は持てないわけでしょう、米軍だって。それがもし落ちた場所が道路だったら、鉄道だったら、走っている車の上だったら、重大事故になるじゃないですか。人命だって危険にさらされかねないわけですよ。  こうした危険な訓練は、どんなに配慮したって防げるものじゃないわけですから、訓練そのものをやめさせる、これしかないんじゃないですか。大臣、もう一度いかがですか。
  295. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) この種の訓練は、米軍が行おうとも自衛隊が行おうとも、やはり安全に行われなければいけないというふうに考えております。  しかし、練度の向上、即応態勢の維持というのは極めて重要なことでございますから、これからも、自衛隊についてはもとよりでございますけれども、米軍のこのパラシュート降下訓練についても最大限安全面への配慮、地域住民への配慮をしっかり米側に求めてまいります。
  296. 吉良よし子

    吉良よし子君 自衛隊であれ米軍であれ安全に配慮とおっしゃいましたけど、自衛隊の場合は、こんな横田基地のような、周辺に住宅地が密集しているような場所でこうしたパラシュート降下訓練はやっていないと聞いております。海の上だとかそうしたところでやっていると。  だけれども、米軍だけなぜこうした住宅密集地、首都東京の上空でこうしたパラシュート降下訓練をやっているのか。これは認めるべきではないんじゃないですか。大臣、もう一度いかがですか。
  297. 岩屋毅

    国務大臣(岩屋毅君) やはり米軍の練度の維持向上、即応態勢の維持というのは我が国安全保障観点からも重要でございまして、必要な訓練であるというふうに思います。  しかしながら、安全でなければならないということはもう言うまでもないことでございますので、こういった訓練が安全に実施されるように、防衛省としても全力を尽くしてまいりたいと思います。
  298. 吉良よし子

    吉良よし子君 安全保障、即応態勢の維持などとおっしゃいますけれども、この間、アメリカの民間機関、ナショナル・セキュリティー・アーカイブが入手し公開した米国防衛省の一九六八年付けの極秘文書の中では、日本と沖縄の基地というのは朝鮮半島有事や南西アジア防衛のためだと述べて、日本防衛のための基地は一つもない、そう書いているわけです。  つまり、横田基地での米軍の訓練というのは、日本の防衛のためのものではないんですよ。むしろ日本国民に重大な危険を与えているだけであり、直ちに訓練をやめさせるべきだということを強く申し上げたいと思います。  その上でもう一つ、この横田基地周辺の地域含めて、日本の首都である東京の上空等でこうした米軍機が傍若無人に我が物顔で飛んでこうした安全を脅かす訓練ができている背景には、横田空域の問題もあるわけです。  資料三を見ていただきたいと思うんですけど、このいわゆる横田空域、東京、埼玉、神奈川のほか、新潟、静岡、福島の一部など、一都九県に及ぶエリアのことで、ここの航空管制業務、つまり飛行機が安全かつ円滑に運航できるよう地上からの指示や情報を航空機に与える業務というのは、全て米軍が担っているわけです。この空域では常に米軍の軍用機が優先されて、民間機は米軍の許可なしに空域内を通過することができない、もうこれ本当異常な事態だと思うんですけど、国交省に聞きたいと思います。  航空管制の在り方ということでいえば、航空管制というのはやはり日本が一元的に、日本の航空管制は日本が一元的に管理すべき、これは大前提ですよね。いかがでしょう。
  299. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。  委員の御指摘のございましたいわゆる横田空域におきましては、これまで過去八回にわたりまして横田空域の削減を実施をし、直近では羽田空港の再拡張事業に合わせて大幅な削減をしていただいたところでございます。  国土交通省といたしましては、我が国の空域を一元的に管制する観点から、今後とも、関係省庁と協力しながら、米軍と調整してまいりたいと考えております。
  300. 吉良よし子

    吉良よし子君 もう一度聞きます。  やっていることとか今後やることは今聞いていないんですね。航空管制の在り方としては、基本的には一元管理日本が一元的に管理すると、これが基本ですよね。これ、イエスかノーかでお答えください。
  301. 蝦名邦晴

    政府参考人(蝦名邦晴君) 国土交通省といたしましては、我が国の空域を一元的に管制することが望ましいというふうに考えております。
  302. 吉良よし子

    吉良よし子君 ということは、やはりこのいわゆる横田空域というのは、これは日本の主権の及ばない空域であり、これは本当に異常な事態だと言わざるを得ないわけです。だから、これをちゃんと返還を求めるべきと思いますが、外務大臣、いかがですか。
  303. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 我が国の空域を一元的に管制する観点から、関係省庁と協力しながら米軍と調整をしてまいりたいと思います。
  304. 吉良よし子

    吉良よし子君 調整と言いましたが、これは返還させるということですか。完全に横田空域返還させる、その動きを進めていくと、これでよろしいんですか。
  305. 河野太郎

    国務大臣河野太郎君) 我が国の空域を一元的に管制するという観点から、関係省庁と協力し、米軍と調整してまいりたいと思います。(発言する者あり)
  306. 吉良よし子

    吉良よし子君 方向性ということを言いましたけど、この間様々返還などが進んでいる等々言われていますけど、いや、もうこういう日本の空の主権侵害というのは絶対に許されないものなんです。  こういう横田空域があるからこそ、横田空域という民間機が簡単に入れない巨大な壁で囲んだエリアがあって、それがあるからこそ、米軍機はこの首都上空も含めて縦横無尽に住民の安全を脅かす訓練ができているんだと。この返還は待ったなしです。  その上で、その根拠となっている日米地位協定のことも、日米地位協定そのものも見直すべきであると、このことを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
  307. 石井みどり

    委員長石井みどり君) 他に御発言もないようですから、外務省防衛省及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門決算についての審査はこの程度といたします。  次回は来る二十二日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時一分散会