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青山繁晴君
皆様、おはようございます。自由民主党の
青山繁晴です。
党利党略のためでなく、国益のためにこそ質問いたしたいと思います。
今日は、脱
思い込みということに焦点を絞ってお聞きしたいと思います。
日本は
戦争に負けた
資源のない国であるという
思い込みを私
たちは長年刷り込まれてきました。そのために、
戦争に勝った
アメリカ、特に
メジャーの事実上の
調整を受けて、あるいは仲介を受けて、とても高い
海外の
資源を買ってきたのが
日本の実情であります。ところが、
日本は
海洋国家で、私
たちの海に、海を
中心に
自前資源があるということが最近分かってきました。
恐縮ながら、
資源エネルギー庁も、元々
自前資源の
開発を主としてつくられた省庁ではなくて、やはり
海外のいわゆる
権益を
確保するため、つまり、
海外の油田や
ガス田を
開発するために
日本が税金から
お金を出して、そこから出てきた
資源を高く買い取るということが業務の
中心になってきたと思います。それをできれば今後方針
転換していただきたいという趣旨で今日は質問いたします。
実は、ちょうど一か月前の
資源エネルギー調査会で質問したことも今日あえて重ねてお聞きすることがあります。
調査会において、
磯崎副
大臣を始め
皆様から非常に、
政府参考人の方も含めて非常に誠実な御答弁いただいたんですけれども、ただ、
自前資源の
開発に本腰を入れるとなると、当然政治的な判断あるいは政治的な決断が必要ですから、今日はあえて全ての質問を
大臣に御答弁いただきたく、御負担だと思いますが、よろしくお願いします。
ちょっと実は驚いたことがありまして、最近急逝されました
福岡浩新潟大学教授の奥様が
傍聴席にお見えです。ありがとうございます。ちょっと異例な物言いで、
委員長、恐縮でございますが。
福岡浩先生におかれては、私
たちと長年、
新潟の海を
中心に
メタンハイドレートの
共同研究をしていただきまして、最近、ブータンのために地すべりの
調査に入って、そこで余りにも厳しい登山でありましたから急逝された。その
福岡先生のためにも、今日は良い
質疑をできればいたしたいと思います。
さて、今、
自前資源のことに触れましたけれども、
メタンハイドレートというものが非常に
人口に膾炙するようになって、
皆様によく知られるようになったのは非常に、
研究者、
専門家の端くれとしてもうれしく思っているんですけれども、ただし、かなり上滑りなところがありまして、本当にどうすれば実用化できるかという議論も
取組もまだ非常に不十分であります。まさしく超党派で取り組まれることだと思うんですけれども。
あえて、今日時間ないですけれども、
最初に
メタンハイドレートの簡単な、基本的なことを申しますと、
メタンは
天然ガスの主成分です。
ハイドレートというのは、要はその
メタンが海の底などで水圧を受けて、しかも低温ですと固まって、固まるというのは、ちょっと手元見ていただくと、
メタンの
分子があったら、周りに水の
分子が集まってきて、
水和物、水が和すると書きますけれども、そのようなものになっているわけです。
ハイドレートというのはその
水和物のことなんですが。
私
たちは実に十五年以上前から、十五年前からこの
メタンハイドレートの
実物を、はっきり申しますと
政府が何もやってくれなかったので、自費も含めて、
実物を海の底から取り出してきまして、それはコンビニで皆さんが買うところのシャーベットにそっくりです。真っ白で、もちろん取り出した
最初は泥が付いていますけど、それをただ手で払っただけで真っ白な本体が現れて、要するに氷なんですが、そこに何でもない火近づけただけで、ぼっと青い炎を出して燃えます。いかに
燃焼効率が良いかということであります。これがいわゆる
メタンハイドレートであるんですが。
政府におかれましても、実は
取組自体は比較的早くて、
世界の中でも早くて、ただし、既に
経済発展している
太平洋側の海の中から、しかも深度、つまり海の深さが深いところで、そして
海底まで着いてもまだ
メタンハイドレートがなくて、そこから更に掘っていって、七百メートル以上掘ってようやくたどり着く。しかも、その
状態ですから、砂と混じり合っている。はっきり言うと、これ取り出しても、なかなか
コストの面で
世界で
競争力が小さい。
可能性はもちろん十分ありますけれども、なかなか厳しい。そうすると、
メジャーを始め
世界の
既得権益は、はっきり言って安心して見ているわけです。
その
取組を
政府は長年なさってきましたが、先ほど申しました
新潟大学の
協力もあって、
日本海側で全く違う
タイプの
メタンハイドレートを、私自身も含めて、
研究者は見付けました。それが
海底の、海面じゃなくて、
海底の上に白く露出していたり、あるいは露出していなくても非常に土の浅いところにあるものであります。これを、呼べど叫べど長いこと
政府は取り組んでくれなかったんですけれども、
安倍政権を守るために言うんじゃなくて、実態として
安倍政権になってから
取組が変わりまして、この
表層型も
取組が始まりました。
ところが、これ以外に第三の
タイプというのが実はありまして、
メタンハイドレートは、要は、今申しましたとおり、凍っている
天然ガスにすぎないですから、
比重が軽い。
比重が軽いということは、海中を下から上がってきます。上がってくるときに、言わばつぶつぶ、あるいは気泡の
状態になって、それが柱のようになって
海底から立ち上がるということが確認されています。これを
メタンプルームと言いまして、平均の高さが実に
スカイツリーぐらい、六百五十メートルぐらいあって、これが
日本海の
海底を
中心に林立しているという
地域がまさしく
新潟の
新潟港、
直江津港と佐渡島の間、
つまり目の前です。一番ちっちゃいものでも
東京タワーぐらいあるわけです。
この
メタンプルームを頑張ってやりましょうということを申し上げてきましたが、先ほど申しましたとおり、
資源エネルギー庁の
存在理由そのものが
自前資源の
開発ということに重きを置いてきませんでしたから、どうしても
取組が鈍い間に実は
中国と
アメリカがあっという間に追い付いてきて、今、実は追い越されつつあります。
中国では膨大な
論文が、
国際学会、私も参加したところの
国際学会、目の前で発表され、私
たちの成果も存分に取り入れた
中国の学者による
論文が発表され、さらに、
アメリカですと
ノースカロライナ、
ノースカロライナですから
大西洋に面していますが、その
大西洋のところで
アメリカが発見したものというのは、およそ千年以上の間、少なくとも千年以上の間はずっとこの柱が立ち続けていて、その数は数万本に及ぶと。数万本って、その千年の間じゃなくて、たった今現在に数万本が確認されるということを実は
学会でも発表されました。それから、
ドイツでいいますと、今話題の北極海に
スピッツベルゲンという
ノルウェーの島があるんですけど、これ元々
観光地ですけど、その
観光地の島の前にも大量の
メタンプルームがあって、そこに
ドイツが
お金を出して、
ノルウェー政府と
協力の下、今
開発を行っています。
これを考えますと、
日本はその
太平洋側で多く見付かったところの、今
名前が付いていて、後で付いた
名前ですけど、砂層型と言っています。それから、
日本海側のものを
表層型と言っていて、
日本はこの二
分類になっているわけですけれども、実はその第三の
分類、
メタンプルームというものが
国際学会でも一番強力に発表をされたり取り組まれているようになっています。
ちなみに、おもねて言うわけじゃなくて、
大臣の地元の
和歌山県の沖、
潮岬沖、そこでも
和歌山県との
協力でもう数年間
調査していまして、何と
太平洋側でも
メタンプルームが出ている。しかも、浅いところから出ている。この衝撃が例えば
アメリカに伝わって、
ノースカロライナの目の前のところから、浅い海域からも
メタンプルームを見付けたということになっているわけです。
そうしますと、常に、常にというか、本来は民間の
研究者の間では、国立大学も含めて先頭に立っていたものが、今や、
アメリカ、
ドイツ、それから
中国に我々の成果も吸収されて、後塵を拝するばかりになっています。
したがって、
表層型、砂層型に分けるんじゃなくて、
メタンプルームを加えた三類型で新しい
取組をやっていただきたいと思いますが、
大臣の御見解をお伺いします。