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柳田稔君 頑張ってください。
では次に、複数県にまたがる漂流
ごみに対する
環境省の支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。
海洋の漂流
ごみについては、実は私の選挙区の広島においてもいろいろ問題が起きております。それは、カキの養殖に
使用する
プラスチックパイプが瀬戸内海沿岸に大量に流れ着いているという問題でございます。
なぜカキの養殖が
プラスチックごみに
関係するのかと不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、カキの養殖は、ワイヤーというかロープというか、それにカキ、ホタテガイに稚貝を付けて養殖するわけですが、間隔を取らないと成長しませんよね、ロープにつるしたとしても。その間隔を取るために使われているのが実は
プラスチック。大きさは長さ二十センチ、直径一センチサイズのパイプなんですが、それを付けて貝を付けて、またパイプを付けて貝を付ける、それがずっと並ぶわけですよね。
収穫するときに、皆さん御覧になったことがありますよね、クレーンでつり上げて、ぱちんと切ったらだあっと落ちるという、あの間に付いているのが
プラスチックごみなんですが、五年前も去年も大水害が広島起きたりして、そのたびにカキいかだが壊れるわけですよね、
一つの例ですけれども。壊れてしまうと、この
プラスチックパイプが流出するわけですよ。そうすると、漂流
ごみになってしまう。これが大体、広島県内にカキいかだというのは一万二千台ほどあるそうです。どれぐらい
プラスチックパイプが使われているかというと、推定三億本なんだそうです。大変な量なんです。
さっきも言いましたように、いろんなことがあって
プラスチックパイプが海に流れ出しますと、もう
ごみですよね。どこに流れ着くかというと、瀬戸内海は実は海流が速いもので、そうすると大体、山口県の方に流れていってしまうんだそうです。流れていってしまうと、山口県の海岸に打ち上げられると。これは、山口県としては大変困った問題だと、でも原因は広島県のカキいかだでしょうと、どうにかしてくれといって、広島県の方にいろんな要望があるそうです。まあ当たり前の話ですよね。
ところが、この
プラスチックを放置しておくわけにもいかないし、何とかしないといけない。これは広島県もしっかり考えているわけですけれども、どれぐらいどこから流れ出ているかという
調査もしているそうですし、さらには、この
プラスチックパイプが流出しない養殖法というのはどんなものがあるのかなというのも何か
検討しているそうです。
それにつけても
回収しないといけないということで、広島県のカキ養殖業者は、二〇〇〇年から、市民
団体が海岸清掃で
回収した
プラスチックパイプ、これを買い取るという仕組みをつくって
回収しているそうです。ただ、一袋約五キロだそうですが、買取り価格は、もう一回利用できる再生利用のものについては一袋八百円から千百円、再生利用できないものは二百円だそうです。
ところが、それで集めても、それで済む問題じゃないですよね。最近、汚染
プラスチックという話も出ていますが、そうすると、再利用するために洗わないといけないですよね、今度は。洗うというのもありますし、山口の方から運び込まないといけないという運送費も掛かりますよね。そうすると、この価格じゃ割が合わないなというのが現実なんです。とすると、
回収もままならない、ボランティアにお願いするしかない。ところが、ボランティアも年を取ってきたという問題が起きているそうです。
そこで、こういった問題を
政府もいろいろ考えてもらっておりまして、昨年の通常国会で海岸漂着物
処理推進法の改正が行われまして、「国及び地方公共
団体は、
地域住民の生活又は経済
活動に支障を及ぼす漂流
ごみ等の円滑な
処理の
推進を図るよう努めなければならない。」という規定が追加されました。
漂流
ごみが今回の広島県と山口県のように複数県にまたがるという場合がいろいろありますし、連携も図っていかなければならないと、いろんなことを国として支援をしていかなければならないわけですが、
環境としてどのような支援を行っているか、お答えを願えればと思います。