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二之湯武史君 今も非常に率直な御答弁をいただきましたので、よろしくお願いいたします。
何回も申し上げますが、この
ESG社会の実現に向けてのドライブをどこがエンジンを踏むのかということについては、やはりそれぞれの国の民意なり、また
社会の構造、
文化というのはあると
思いますが、やっぱり
日本の場合は
民間が弱いなというふうに率直に
思います。ですので、この
政治、特に
大臣の個人的な
リーダーシップというのは非常にやっぱり
日本の場合は重要だと
思いますので、重ね重ねそこについてお願いを申し上げたいと
思います。
先日もこうした
ESGについて、
日本では
旗振り役をしていただいている
GPIFの水野さんとも定期的に
意見を交換させていただく機会を持っているんですけれ
ども、先日こういう話をされていました。よく国際的な
会議に出て、それぞれの
政府の代表であったり、また今、
GPIFのような非常に大きなアセットオーナーが
意見を表明する場があると。そういう際に、
日本の
政府なりそうした
機関投資家というのは非常に現実的、
目標が全然野心的じゃないと。これは
国内的にも、非常に我々現実的な民族ですから、ともすれば、何年に何をします、何年に何割やります、何年に何%
削減しますみたいなことを言うとそれはもうコミットメントになっちゃって、それは本当にできるのかみたいな現実的な追跡が始まっちゃうと。
どうしてもそうした大きな夢を描いて
ビジョンを発表するというような
文化がなかなかないというのは多少考慮しなきゃいけませんが、彼がいわく、
トリップと
ジャーニーの違いだということを言うわけですね。
トリップというのは、もう全部の行程が決まっているわけです。何月何日、何時何分ののぞみ何号で東京駅を出て、何時何分に
京都駅着、そこから徒歩何分で
京都駅八条口から何とか
観光バスに乗ってとか、そういう
世界がこれ
トリップだと。一方で、
ジャーニーというのはもう少し漠としたもので、例えば二週間バリに行きますみたいな
感じでその先はもう、要は、そこ行ってからどういうことが起こるか分からないし、何が起こるか分からないし、それはそのときに決めてみようと。よく
英語圏の人がホワッツ・ゴーイング・オンと言いますけど、何が起こるか見てみようじゃないかと、こういう
世界だというふうに私は思っています。
やはり
国際会議においては、この
ジャーニーを示さないと野心的な
目標にならないと
思います。それは、二〇三〇年、四〇年に例えば八〇
パー削減しますと言われても、じゃ、今どういう技術で例えばその資金の裏付けはとか言われると、それはないんです。ないのかもしれませんが、しかし、
世界における野心的な
目標というのはそういうものだと私は思っております。
ですので、これは官民問わずですけれ
ども、
日本のリーダーというのは、やっぱり
トリップの発想で非常に具体的な工程を示したがると。これについてはやはりなかなか
日本が
世界から評価されない
部分の
一つ。やはり夢や
ビジョンを描くことがこの三十年
国内でないのはそういう
部分も実はあって、そうした
国内の
社会状況、
政治状況の
影響で余りにもそういうことを、
影響を
政治家が受け過ぎて、海外に行っても全くその
トリップの話をしてしまうというようなことを彼は指摘をしておりました。私も全くそのとおりだなというふうに
思います。
特に、この
CO2の
排出でありますとか、若しくはこういう
ESGの問題でありますとか、この
RE一〇〇とかいうのも、これはなかなか、今の技術とかそういうものを考えれば、それは、これだけ一〇〇
パーですよとか言うことはそれは
日本の
企業からしたら言いにくいでしょうけれ
ども、こうした
部分をややおおらかに、そして野心的にそういうものを発表していくという
文化も、これはやっぱり政が、官じゃないです、
政治が
リーダーシップを持ってそういうメッセージを積極的に発信していくと。
突っ込まれれば、今みたいに、いや、そういう、
世界では要は
ジャーニー的発想で、それはまずゴールを決めるんだと、ゴールを決めてから、じゃ、それについてどうしていくかということは考えるんだと、こういうコミュニケーションをしていただいて、何かそういう
日本の
社会から
世界に対して夢のある、また非常に野心的な
目標を出すというのは非常に僕は重要だというふうに思うんですけれ
ども、
大臣、いかがお考えですか。