○紙智子君 そうだとはしても、これ、
北方四島は
日本に帰属すると、主権に関わる大事な
政府の認識を書いているものだと思うんですよ。それを削ったということは、これ、外交青書だとしても、まあ白書のようなものだと思うんですけれども、非常に大きな問題ではないのかなというふうに思うんです。
それで、新潟大学の袴田茂樹教授が新聞紙上でこう言っているんですね。プーチン大統領は、初めから二島さえも
返還するつもりはないと断言すると。それはなぜかというと、プーチン大統領自身が二島の引渡しというのは主権の引渡しを
意味しないんだと語っていると。プーチン大統領がそういうことで語っているのに、安倍総理は、これまで一ミリも進まなかったということで新しいアプローチの
経済協力を提案したというのは、これはロシア側に誤ったシグナルを送ったことになるんじゃないかと言っているんですね。
安倍総理は、正義だけをお互いに言っても
解決しないと、原則論だけ言っても進まないんだということを言ってきたわけだけれども、そもそもこの原則論、原則って一体何なんだということですよ。
これ、領土問題の根本というのは、やっぱり領土不拡大という、あのさきの大戦の戦後処理の大原則を踏みにじって、当時、アメリカとロシア、当時はソ連ですかね、イギリスがヤルタで協定を、秘密協定をやったと。その中で千島の引渡しを決めたと、
日本抜きに勝手に決めたわけですよね。それを押し付けてきて、サンフランシスコ平和条約に盛り込んで、それを、
日本政府として、当時、千島列島の放棄を
日本自身が宣言をすることになったと。
この、やっぱり、本来守らなければいけなかった領土不拡大の原則を破ったという、この不公正を正して、国際社会全体を納得させる論立てで正面から交渉を行うということがやっぱり大事なんじゃないかと。一体、これまで
政府はその正面からの議論をどれだけやってきたのかということを私は常々疑問に思っているんですね。過去のいろいろ
議事録見ても、国会の中でやり取りすると、一体どういう交渉をやってきたんだというふうに言っても、ここに関わる
部分というのはないんですよ。こういうやっぱり問題の根本のところを正面からやるという点でどうなのかということを私は問いたいと思うんですけれども、しかしながらちょっと時間が、次の問題もあるので、これはここにとどめて、また引き続きということでやりたいと
思います。
それで、もう
一つお聞きしたいことなんです。これ、ちょっと漁業に関わる問題であります。
先日、我が党の畠山和也前
衆議院議員が根室を始めとした隣接
地域を訪ねて、いろいろ懇談してきました。その話を伝えてくれたんですけれども、
平成三十一年、二〇一九年の日ロサケ・マス漁業交渉も行われたと。
平成二十八年、二〇一六年のロシア二百海里水域、ここでのサケ・マス流し網漁が禁止されたことに伴って、今代替漁法を検討してやっているわけです。その
取組の
現状と、今年も含めて今後どのようにするつもりなのかということについて、水産庁からちょっと
説明いただきたいと
思います。