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和田分科員 もう少しそこのところをかみ砕いて御
説明をしていただきたかったんですけれども。
フィンランドのネウボラの特徴は、子育て家庭が希望する、しないにかかわらず、ネウボラという国家資格を持った人が公権で家庭に入っていきまして、そして、能動的にいろんなチェック、そして
支援をいたします。
行政が親の
相談を待つのではなく、行政が進んで足を運んで、そしてチェックしに行く、拒まれてもちゃんと中に入って現状を把握していく。こういったことが大変大きなネウボラの特徴であり、例えば、今、大変喫緊の
課題となっております
児童虐待の問題もそうですし、また、ありとあらゆる子育て家庭の
課題、こういったところにしっかりと刺さっていくものだというふうに認識をしてございます。
実は、日本の国内でもネウボラの先進事例がございまして、私も訪問したんですけれども、埼玉県の和光市というところがございます。ここは、和光市独自でネウボラの
取組をされております。
まず、母親が妊娠しますと、その妊娠したという事実が
地域の産婦人科から市役所の方にレポートとして入る仕組みになっております。そうしましたら、市役所の担当者又は委託を受けた方が、速やかにその家庭を訪問して、母親の心身の健康状態、また父親の心身の健康状態、また家庭の経済状態、また、おじいちゃん、おばあちゃんがちゃんと家事とか子育てを手伝ってくれそうかどうか、そういったところまで事細かにサポートいたします。そして、そのニーズをしっかりと把握した上で必要な手を打つ、これを和光市はやってございます。
例えば、母子家庭の場合、しかも、小さいお子さんがいて更に新たな命が宿ったといった場合、お母さんの負担というのは相当なものになります。そういったときには、その
状況をしっかりと市が受けとめて、通常でしたら
高齢者の方にしか
支援をしないヘルパーさんをその家庭に送る、こういったこともやってございます。
また、経済的に大変厳しい
状況にある御家庭といった場合には、ハローワークの担当の方が、そこの家庭に出向いていって、そして職探しのお手伝いまでする、そういったこともやっております。
まさに今、本当にこれは大変な御苦労だと思うんですけれども、家庭、家庭の御苦労、そして困難に応じたテーラーメードの
支援体制、これをやっているわけでございまして、埼玉県和光市でできているということは、これは日本全体にとっても
一つの希望の光なのかなというふうに思っております。
子育て家庭を絶対に孤立させない、そして、子育てをしている親を孤立させない、こういった決意を
政府としてもしっかりと持って、そして、アウトリーチ、これはできるだけ、一軒でも多くの家庭でやっていただきたいですし、行く行く、目指すところは全県、全子育て家庭ということを、明確にターゲットを置いて頑張っていただきたいと思います。また、スピード感を持ってやっていただきたいと思っております。
続きまして、
児童虐待に特化した質問をさせていただきたいと思っております。
平成三十年三月、東京都目黒区内で、児童が
虐待により亡くなる大変痛ましい事案がございました。両親は、保護責任者遺棄致死という罪状で逮捕をされてございます。
また、ことしの
平成三十一年一月におきましては、
千葉県
野田市で児童が
虐待によって亡くなったことは記憶に新しいところでございまして、こちらも両親が逮捕をされてございます。
いずれも、
虐待を加えた両親が転居をしてございます。そして、過去の
虐待の情報が、昔住んでいたところから新たに引っ越したところに十分に共有されていなかった、新しく居を構えたところの自治体に共有されていなかった、こういうふうな
状況があったと理解をしております。過去の情報が共有されていなかったら、事態の深刻さというのは当然わかるものではなく、したがって、
対応が後手に回る又は甘くなる、そういったことが間違いなくあったものと
考えております。
また同時に、いずれも児童が亡くなる直前でありますけれども、
児童相談所が家庭の中の
実態を探るチャンスがあったと思っております。
目黒の事案に関しましては、
児童相談所が自宅を訪問したときに中を見ることを拒まれております。児童の安否は確認できておりませんでした。このときに、すぐさま警察に通報して、そして警察が中をチェックしていれば、臨検をしていれば、ひょっとしたら幼い命は救えたかもしれません。
また、
野田市の事案につきましても、父親の方から、
子供も含めて沖縄にいる、
子供は
学校に行けないといった電話があったということでございますけれども、念のため自宅に行ってみる又は沖縄の実家に行ってみる、こういったことだってできたと思います。
救えた命ではなかったのかなと思い、大変残念であります。返す返す、亡くなった児童の苦痛と無念、これを思うと本当に胸の張り裂けそうな思いでございます。
厚労省さんにお
伺いをいたします。
目黒区の
事件も、
野田市の
事件も、適時に警察が臨検をしていれば、両方とも
児童相談所と警察との情報共有が不十分だった、そういうふうな思いがございます。この点について、厚労省さんの御理解、受けとめをお聞かせください。