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岸田委員 総理の強い
思いを聞かせていただきました。私も全く同感です。ぜひ引き続き、
国民の
皆様方にこの
意義は丁寧に、繰り返し
説明をしていかなければならないと
思います。
そして、この
消費税の
引上げ、もちろん重要なことだと
思いますが、この
引上げをぜひ円滑に行うこと、
日本の国として、
消費税の
引上げを円滑に行って、
引上げの
成功体験をしっかり実感すること、これは大変重要なことだと
思います。
なぜならば、これから
日本の将来を考えた場合に、さまざまな
財源が求められます。
今
総理からも
説明がありました
社会保障、今後、
少子高齢化、
人口減少が進む中で、ますます大きな負担が予想されます。それ以外にも、災害の多発の中で、国土強靱化、これも昨年から随分大きな
議論になってきました。また、昭和四十年代を中心に整備されたインフラの更新、これもこれから大きな
課題として突きつけられます。
そして、その上で、
我が国は、引き続きしっかり成長を続けるために投資を考えていかなければいけない。
日本の活力、未来を考える場合に、やはり大きな
財源を考えていかなければなりません。
一方で、先進国最悪と言われている
財政状況、
財政の再建、こういったことを考えますと、もちろん、お金が出ていく、国としてお金を出していく、これを徹底的に吟味をして、そして厳選をし、そして削っていく、こういった努力は引き続き続けなければなりませんが、今言った大きな
課題を考えた場合に、出す方を絞り続けるというだけで賄うことができるのか。やはり、我々は、今言った
日本の将来を考えた場合に、入る方、
国民の皆さんに負担をお願いする、こういったことも誠実に向き合っていかなければいけないのではないか、こんな
時代が来るのではないか、このように
思います。
国民の皆さんに負担をお願いする、
日本の
政治は、こうした負担のお願いについてはずっと及び腰になってきました。特に、
消費税の
引上げ、これはトラウマになってきた、選挙との絡みでずっと及び腰になってきた、こういった
時代が続いてきました。
しかし、今言ったようなこれからの
日本を考えた場合に、やはり、負担をお願いする、こういったことに
日本の
政治は真っ正面から向き合う勇気を持たなければならないのではないか、こんな
問題意識を持っています。
そのためには、まずは、
政治の側の説得力ですとか
説明能力、さらには誠実さ、こういったものが求められるんだと
思いますし、また、そういった意味から、今回、
消費税を引き上げる、ぜひ、この
引上げを円滑に行うことによって、
引上げの
成功体験を
国民の皆さんとともに実感し、未来を考える、こういったことの意味は大変大きいのではないか、このように
思います。
だから、今
総理の
説明の中にもありました、さまざまな臨時特別な
対策を用意して、しっかりと円滑な
引上げに備える、こういったことなんだと
思います。
ただ、ぜひこれは茂木
大臣にお願いしたいんですが、
政府は、円滑な
引上げに向けて臨時特別な措置、かなりいろいろなメニューを用意しておられます。キャッシュレス取引におけるポイント
制度ですとか、あるいはプレミアム商品券ですとか、軽減税率ですとか、マイナンバー
制度を使ったポイント
制度ですとか、さらには、自動車、住宅、大型の耐久消費財、この
引上げ後における優遇ですとか、本当にさまざまな
対策を用意しています。
ただ、これをずらっと並べると、いかにもばらまきではないか、そもそも何のために増税するのか、こういった批判につながっていくわけですが、ただ、このさまざまな
対策、これは、目的、対象、あるいは期間、タイミング、それぞれ異なる、微妙な組合せになっている。この工夫についてしっかり
説明しないと
国民の理解は得られないのではないかと
思います。
対象、目的についても、対象は、中小企業、零細企業者なのか、低所得者なのか、目的についても、痛税感の緩和なのか、あるいは
駆け込み需要、
反動減対策なのか、あるいは中小企業
対策なのか。いろいろな目的が用意されている、対象がそれぞれ異なっている。だからこそ、これだけたくさんメニューを用意しているんだと
思います。
さらには、従来から、
消費税引上げに当たって
駆け込み需要、
反動減、この大きな変動が問題だという
指摘があったわけですが、こういった
対策を一斉に始めて一斉に終わったならば、これは新たな駆け込み
反動減を生ずるだけだということになりかねません。だからこそ、期間をそれぞれ定め、そしてタイミングも考えて組合せが用意されている、こういったことなんだと
思います。
ぜひ、これだけ多くのメニューを用意したわけですから、それぞれの意味、そして全体としてどんなものを考えているのか、こういったことについてしっかりと
説明をしないと、この臨時特別な策、このことを
国民からも理解されないし、活用もされないし、批判されるということだけに終わってしまいかねません。ぜひ、これはしっかりとした整理をした
説明をお願いしたい。これは要望であります。
その上で、茂木
大臣にお伺いしたいのは、こうした臨時特別な措置、もちろん重要です。ただ、そもそも、
日本の
経済自体が未来に向けて安定して順調に発展していく、こういった基本的な
部分、これについてもしっかりと方策を講じて努力をしていかなければいけない、こういったことなんだと
思います。
こうした
観点から
日本の
経済を考えますときに、今日まで
安倍政権の
経済政策、アベノミクスを進める中にあって、企業収益の拡大ですとか
雇用の増加ですとか、あるいは、もはや
デフレではない、こういった状態が実現できたとか、さまざまな成果が
指摘されるわけですが、それでは次の
課題は何かということを考えた場合に、私は、やはり
賃金を上げて、そして消費を拡大する、成長、分配、そして消費、
経済の好循環、これをしっかり完成させる、これが大きな
課題だと
思います。労働生産性を上げて、そして
賃金を引き上げて、そして消費を拡大する、そして
経済の好循環を完成する、こういった努力をしていかなければなりません。
その際に、人的資本投資、これが不可欠だということを強く感じます。なぜならば、
賃金、これは、上げろ上げろと叫んでいるだけではなかなか上がらないわけです。企業としても、一人一人の労働生産性が上がってこそ
賃金を上げることができる。一人一人の労働生産性を上げるためにも、人的な資本投資をしっかりと行わなければいけない、こういった理屈なんだと
思います。
この点に関して、
政府は、人づくり革命ですとか、幼児教育の無償化ですとか、
高等教育の充実、
改革ですとか、さまざまな
取組を進めています。しかしながら、民間の企業ということで見てみますと、人的投資、人材投資、これは極めて低水準な状況が続いています。
英国あるいは米国、こういった国々においては、企業が生み出す付加価値のうち約八%前後、人材の投資に回されている、こういった
指摘があります。
日本の場合は、その半分以下、四%以下という
指摘があります。
日本の企業、この内部留保は四百四十六兆円、これは六年連続過去最高だと言われています。配当あるいは設備投資ということを見ますと、これは着実に
回復している、伸びている、こうしたことであります。
それでは、何で企業の成長の果実、これが人的投資に回らないのか、これについて、
経済の好循環を完成させる意味から、私たちはいま一度考えなければいけないのではないか、こういった
問題意識です。
私は、この
一つの理由、さまざまな理由はあるんですが、
一つの理由、大きな理由として、人材投資、これが何らBS、貸借対照表に計上されない、このことがあるのではないかと
思います。設備、従業員、これらは全て、利益を生み出すために必ず必要となる財産であるにかかわらず、人材が評価されていない、人材投資はBSに残らないコストになってしまっている、この点について真っ正面から取り組んでもよいのではないか、こういった
問題意識を持っています。
例えば、貸借対照表の参考として、人材投資額、これを併記する、こういったことも考えられないのだろうか、こういったことも含めまして、ぜひ企業の人材投資促進ということについて、茂木
大臣のお考えをお聞かせいただきたいと
思います。