○小野寺
委員 ぜひ、ここまで来ますと、やはりこの問題というのは、国際社会の中でしっかり訴えていくこと、
日本の立場が正しいということをしっかり支えてもらうことが大事ですし、特に中国との事案でつくり上げました海軍間の話合いの場、CUES、この開設を至急お願いをし、そのCUESの場で韓国に対しての抗議、これを行うことが、私は、瀬取りを、安全に各国ができるということ、そして、何より隊員の安全が確保されながら
日本の警戒監視ができるということになりますので、早急に
対応していただきたい、そう思っております。
次にもう
一つ。これはもう
一つの日韓の、今大きな課題でありますが、旧朝鮮半島出身労働者賠償請求問題について触れたいと
思います。
この問題については何度も議論をされておりますので詳細は省きますが、日韓は過去の負の遺産を清算するために、一九六五年に日韓請求権協定を結んで、
日本は五億ドルの資金協力を韓国に行い、さらに、
日本が朝鮮半島に有する資産などを放棄することで、日韓の請求権に関する問題は完全かつ最終的に解決され、両国はいかなる主張もしないと約束をいたしました。
これまでの韓国の司法当局は、韓国の民間人から提訴された
日本企業への賠償請求について、日韓請求権協定を根拠に訴訟を退けてきました。しかし、昨年十月、韓国の大法院は初めて賠償請求を認め、
日本企業に賠償の支払いを命じたということになります。
このことに関して、文大統領は司法の判断と言っておりますが、私が不思議に思うのは、韓国の大法院、
日本でいえば最高裁に当たるところですが、文政権になり、十四名の判事のうち八名が実はかわって、文政権下で判事になりました。過半数以上が実は入れかわったわけです。その判決に注目が集まっていた中で、やはり
日本にとっては承服ができない判決が出された。非常に残念であります。
実は、日韓請求権協定は
日本にとって血の出るような協定でありました。その賠償金、これは賠償金とも言える、資金協力ということで
日本は出しておりますが、有償、無償を合わせて五億ドル、当時の韓国
政府の
予算の一・六倍にも当たる巨額のものであります。この資金について韓国
政府は、韓国の白書の中でも、
日本の支援に大変ありがたいという感謝を表明しております。
そして、当時、特に韓国
政府は製鉄所をつくりたいと考えておりました。その製鉄所をつくりたいという韓国に対して、当時、国際通貨基金や世界銀行などは、韓国
政府にはまだその能力がないということで融資を断りました。そのため、
日本が提供した資金によって浦項製鉄所は建設。そして、ノウハウがないため、その建設の設計、施工やあるいは技術支援に当たったのは、大切な
日本の特許も含めたさまざまな技術支援を惜しげもなく提供したのは、時に
日本の企業であります八幡製鉄所と富士製鉄であります。皮肉なことに、今、賠償請求を出されているのは、この両社が合併した新日鉄であります。
五億ドルの資金提供をしただけではありません。実は、当時、
日本は朝鮮半島に莫大な資産を持っておりました。企業の資産はたくさんありますが、それではなくて、北朝鮮領内には三十万人、韓国領内には五十九万人の民間人がいました。この民間人の
皆さんは、避難するとき、退避するときにこの資産を全て韓国に残して、身
一つで帰ってまいりました。これは、全て個人資産と合わせると五十一億ドルになるという、当時試算が出ております。これは一九四五年のときの数字ですから、いかに莫大な資産を私どもは朝鮮半島に残してきたかということであります。実は、日韓請求権協定でこれも全て放棄をいたしました。
それだけではありません。実は、戦後、韓国側から一方的に
日本の漁船が拿捕されるという悲惨な事案が起きました。韓国は、李承晩ラインというのを一方的に設定。操業する
日本漁船を拿捕し、漁民を監禁、非人道的な扱いをし、四千人の
日本漁民が最長三年半にわたり監禁され、そのうち八名が死亡。射殺された方もいました。実は、この補償は
日本政府が行いました。本来、韓国側が行うべきものであります。
実は、これだけのものをこの賠償請求で
日本は放棄をいたしました。今、もし韓国と同じように
日本の中でこの請求権が出てきた場合、これは大変なことになります。こういう泥仕合はやめましょうということで実は日韓の請求権協定があるということ、この事実、
日本の払ってきたこの努力、これを同じく国際社会にしっかりと訴える、これが大切だと思っております。
最後に、
総理にお伺いしたいと
思います。
日韓においてさまざまな問題が発生しております。私どもとしては、ぜひ、言うべきことは言うという姿勢を貫いていただきたい。そして、困難が続く日韓
関係、これは努力が必要ですが、やはり、
日本の主張を国際社会の中で言う中で、韓国の中に、なるほど、こういうことかというその機運が高まる中で、日韓
関係を解決していただきたい。今後の日韓
関係の方向についてお伺いしたいと
思います。