○玉木雄一郎君
国民民主党代表の玉木雄一郎です。
国民民主党・無所属クラブを代表し、
安倍総理に質問いたします。(拍手)
まず冒頭、一点申し上げます。
この代表質問、タブレット端末を持ち込んでやらせていただきたいとお願いしましたが、認めてもらえませんでした。議場の
皆さん、もう
平成の
時代が終わろうとしています。
国会のペーパーレス化のためにも、こうした古いルールを改めて、ペーパーレス化を進めていこうではありませんか。
さて、私
たち国民民主党は、共生を理念として掲げる改革中道
政党です。「つくろう、新しい答え。」を党のキャッチフレーズに掲げ、新しい
時代へ進む新しい
解決策を提案していきます。また、右か左かといった二元論的な対立を乗り越え、
社会全体を包み込む温かさを持って、野党勢力の結集に尽力してまいります。
質問に入ります。
総理の
演説を聞きましたが、憲法改正は一番最後にたった三行。日ロ
交渉も四行だけで、北方
領土という言葉さえ見当たりません。拉致問題に至ってはたった二行。
安倍総理がことし十一月二十日まで続けば、桂太郎首相を抜いて憲政史上最長との話もありますが、憲法改正にしても、日ロ
交渉にしても、拉致問題にしても、順調に進んでいるようには見えません。
安倍総理、
総理が任期中に一番やりたいことは何ですか。まず伺います。
さまざまな課題が行き詰まっているからこそ、都合のいい数字だけつまみ食いし、時にはかさ上げまでして、都合よく成果を宣伝することばかりに腐心しているように見えます。しかし、庶民に戦後最長の景気回復の実感は全くありません。
例えば、
総理は
子供の
貧困が改善したと胸を張っていますが、依然として、一人
親家庭の相対的
貧困率は五〇%を超えています。
総理、御存じですか。
また、
現役世代の
生活保護世帯が八万世帯減ったと
演説ではありましたが、この間、
生活保護世帯の半数以上を占める
高齢者の受給世帯は増加の一途をたどり、
安倍政権になってから約二十万世帯もふえています。
総理、御存じでしょうか。
働く
現役世代にとっても、五十代以降に
教育費と介護費を同時に
負担しながら
自分の
老後の備えをすることは相当厳しいものになっています。現に、
安倍政権六年間で、年収三百万の世帯で、収入から税などを除いた実質可処分所得は約二十万円減少、年収四百万で、約二十五万円減少しています。
総理、都合のいい数字だけを並べて
国民生活の厳しい現状から目を背けることは、もうやめませんか。
国会は、あなたの自慢話を聞く場ではなく、厳しい
国民生活に向き合い、その
解決策を導き出していく場です。そして、都合のいい数字で飾り立てるために役所のそんたくと不正が招いた結果が、今回の毎月
勤労統計の問題ではないでしょうか。
昨年六月に名目
賃金の伸び率が公表された際、二十一年ぶりの高い伸び率と
報道されましたが、今回の
統計不正が発覚し、再集計では当初発表の三・三%から二・八%に下方修正されました。
さらに、学識経験者から構成される中立の
第三者機関である
総務省統計委員会は、景気指標としては、再集計した二・八%より、同じ企業サンプルを比べた参考値の一・四%の方が実態に近く、重視すべきだとしています。これは、
皆さん、当たり前です。違う人間の身長を比べて背が伸びたと言っているような数字に意味は全くありません。
総理に伺います。
昨年六月に名目
賃金が二十一年五カ月ぶりの高い伸び率だったという主張を撤回しますか。
さらに、物価上昇を差し引いた
実質賃金の伸び率を試算すれば、昨年六月は更に低くなり、〇・六%となります。かつ、六月以外の参考値はマイナスとなります。ということは、同じ企業サンプルを比べたら、つまり同じ人間の身長を比べたら、昨年一月から十一月の期間における
実質賃金の伸び率は、結局マイナスだったのではないですか。昨年一月から十一月までの物価上昇を差し引いた
実質賃金の伸びは、具体的に何%になるのか。少なくとも、プラスなのかマイナスなのか、明確な
答弁を求めます。
二十一年ぶりの高い伸び率と公表された年の
実質賃金の伸びが実はマイナスだったということになれば、
事態は極めて深刻です。これはまさに、
賃金偽装、アベノミクス偽装といった深刻な大問題です。
厚労省による
調査は、
第三者とは名ばかりのお手盛り
調査でした。
根本大臣は、二十四日の
国会で
第三者調査について間違った
答弁をしていたことを昨日認めました。しかも、
根本大臣は、昨年十二月二十日に
報告を受け、徹底
調査を指示したとしていますが、
統計の不正を知りながら、翌二十一日に
予算案の
閣議決定にサインをしたことになります。
安倍総理、
根本大臣を罷免すべきではありませんか。
また、麻生大臣は、上がっていないと感じる人の感性といった言い回しをしましたが、
実質賃金が上がっていないのは感性の問題ではなく、まさに事実そのものだったわけです。
予算の修正を余儀なくされたことも含め、
麻生財務大臣も謝罪すべきではありませんか。
そして、
統計不正によって、雇用保険の失業給付などの支払い不足が発生しています。本来必要な人に支払われるべきお金が支払われていません。
政府は、
追加給付額として約七百億円を計上していますが、
平成十六年から
平成二十三年については、もとの
データが破棄されて、ありません。ですから、本来支払うべき正確な額は不明のままです。
その意味で、
追加給付額には確たる根拠がありません。根拠のない
追加給付額を計上した修正
予算をもとに
議論することはできません。
データを全て探し出して不正の全容を解明するのが先であり、その上で
予算の修正案を提出するべきではありませんか。根拠のない支出を含んだ欠陥
予算案を
国会で審議することはできないはずです。
総理の
見解を求めます。
安倍政権が発足してからもう六年。大規模な金融緩和に頼った
経済政策に限界が来ていることは明らかです。
総理はいまだにデフレは貨幣現象だと信じているんでしょうか。それとも、デフレの原因はほかにもあると考えを変えたのでしょうか。お答えください。
マイナス金利の
導入もあり、地方銀行の収益が極めて悪化しています。地方銀行の収益が悪化すれば、地方
経済にも大きな
影響を与えます。地方銀行の収益悪化の
影響をどのように考えているのか、
総理の
認識をお答えください。
また、企業の内部留保が五百兆円にも上る一方で、企業が生み出した
付加価値を労働者にどれだけ還元しているのかを示す労働分配率は下がっています。働く人にもっと還元されるべきです。
私は、労働分配率を上げた企業の法人税率を引き下げると同時に、必要以上に多額の内部留保を持つにもかかわらず労働分配率が低い企業の法人税率を上げる労働分配促進税制を
導入すべきだと考えますが、
総理の
見解を伺います。
グーグルやアマゾンといったGAFAなど、プラットフォーマーと言われる巨大IT企業のひとり勝ち
状況が進み、一部の企業は、実質的に
日本で上げた収益を他国に移しかえることで、本来
日本で払うべき法人税を払っていません。また、優越的地位の濫用と見られるケースも散見されます。
これら巨大IT企業への課税や独占禁止法の適用をEU並みに厳格化すべきと考えますが、
総理の
見解を伺います。
今、企業には大量の個人
データが集まっています。そんな中、ポイントカード大手のTカードを運営する会社が、裁判所の令状なしに会員情報や利用履歴を捜査当局に提供していたことが明らかになりました。
公文書や
統計データを
改ざんする
信頼できない
政府が、膨大な個人情報を収集し、
国民の思想、信条も含めたプライバシーを監視するという恐ろしい
社会になるのではないか、
危機感を覚えている
国民も多いと思います。
裁判所の令状なく捜査当局が個人情報の提供を受けている企業は、Tカードの運営会社を含め、現在何社あるのか、
総理の明確な
答弁を求めます。
東京オリンピック・パラリンピックの招致に関して、フランス当局から贈賄の容疑がかけられています。
疑惑を払拭し、
世界から祝福される大会にするためにも、
政府としても、
日本オリンピック委員会、JOCの
調査をうのみにせず、JOC竹田会長や電通などの
関係者から事情を聞くなど、全容を解明すべきではありませんか。また、
国内法では必ずしも禁止されていないIOC委員等への贈賄行為を明確に禁止する法改正を行うべきではないでしょうか。
総理の
見解を伺います。
原発については、福島第一
原発事故以降、安全対策
費用が高騰し、イギリス、トルコも断念の方向となり、
原発輸出は事実上全て頓挫しました。
今後、
再生可能エネルギーのコストが低下する中で、輸出に限らず、
国内においても、
民間企業の
経済合理性に基づく民営
原発は難しくなってきているのではないでしょうか。
総理の
認識を伺います。
地方と中央の格差が広がっているのもアベノミクスの弊害です。
安倍総理は、農林水産業が万事うまくいっているように
演説しましたが、地方の実態は違います。
人口減少は底が抜けるように進み、空き家、耕作放棄地、鳥獣対策、この三点セットが加速する一方です。
総理、地方の現状が本当に見えているのでしょうか。
こうした流れに歯どめをかけるため、
国民民主党は、市場原理を重視する産業
政策としての農業だけではなく、農業や農地の持つ多面的
機能を重視する
地域政策としての農業にもっと力を入れてまいります。
具体策として、かつての農業者戸別所得補償
制度を改良し、GAPなど環境や食の安全に配慮した農法を採用する農家には新型の加算
措置を講じ、加えて、
地域ごとの生産コストを踏まえた
地域別の支払い単価を
導入する新たな所得補償
制度を提案いたします。
総理の
見解を伺います。この新たな所得補償
制度の
導入によって、
安心して営農継続できる環境を整え、農村集落の衰退に歯どめをかけていきたいと思います。
また、物流コストの低減を通じて地方
経済の活性化にも資する
政策として、高速道路料金の値下げを提案します。
現在は、やがて無料になることを前提に高い料金設定となっていますが、永久有料
制度とすることにより、その分の安定永続収入が見込まれ、料金値下げの原資ともなります。この永久有料
制度への移行による料金値下げを検討すべきだと考えますが、
総理の
見解を伺います。
地方では、深刻な人手不足が発生しています。しかし、四月に施行される新
制度では、特定技能外国人は転職の自由があります。そのため、給与の高い
地域に人が集中し、結局、地方の人手不足は解消しないとの懸念がありますが、昨年十二月に
閣議決定された
基本方針を見ても、具体策が全くありません。これで給与の高い都会への集中を一体どうやって防ぐのか、具体策について
総理に伺います。
人口減少を国難と呼ぶ割には、
安倍政権の取組はかけ声倒れと矛盾に満ちています。
例えば、
待機児童問題。当初、二〇一七年度中に
待機児童ゼロと言っていたのに、突如、達成期限を三年延ばして二〇二〇年度としたのは記憶に新しいところです。
総理は、
待機児童ゼロの目標は必ず実現いたしますと
演説の中で力を込めて述べましたが、その期限は二〇二〇年度末で変わらないのか、確認したいと思います。
幼児教育の
無償化によって保育ニーズが高まり、むしろ
待機児童問題は悪化するのではないかとの
指摘もあり、更に目標が先送りされる永遠の道半ばになることを心配します。この質問は、大学生からぜひ聞いてほしいと頼まれた質問ですので、はぐらかさずにお答えください。
少子化の原因の一つは、
経済的
理由から
子供を諦めてしまうことですが、その
解決策として、私は、第三子に一千万円給付というコドモノミクスをかねてから主張しています。
金額だけ聞くとびっくりするかもしれませんが、現在の児童手当をベースとして、第一子には月一万円、第二子には月二万円、第三子以降には月四万円を給付すれば、第三子には、十八歳の成人になるまで累計八百六十四万円、約九百万円が
支援されることになります。追加の財源も約一兆円程度で始められます。
我が国最大の課題が少子化、これを乗り越えるのであれば、異次元の金融緩和ではなく、例えば第三子一千万のような異次元の子育て
政策を講じるべきではないでしょうか。
総理の
見解を伺います。
人生百年
時代といいますが、多くの人は百歳まで生きることに不安を感じています。
政府が現在検討しているように、
現役世代を延長し、仮に七十歳まで働き続けるとして、その後の人生がまだ三十年あります。
生活を支える最低限の所得の確保が重要です。来年度から、低所得
年金者向けに、民主党政権
時代に決めた最高月額五千円、年間六万円の福祉給付
制度が始まります。一歩前進ですが、まだまだ不十分だと思います。
私
たち国民民主党は、安定財源の確保を前提に、
年金の最低保障
機能を更に高め、人間としての尊厳ある
生活を全ての
高齢者に保障する、
高齢者向けのベーシックインカムとしての最低保障
年金制度や、
高齢者向け住宅などのベーシックサービスを提供する総合的な
政策を
導入していく
方針です。貯金がゼロでも不安がゼロ、これが私
たち国民民主党が目指す
社会像です。
総理、今からでも間に合います。
軽減税率は撤回しましょう。
混乱しか生み出しません。
軽減税率の適用、不適用の線引きは
国民にとってわかりにくく、また、免税となっている事業者が取引から排除されかねません。
軽減税率は、廃業促進税制となりかねないのです。そして、何より、不公平きわまりない。
具体的に
総理に伺います。
なぜ、宅配の新聞には
軽減税率が適用され八%の一方で、同じ中身の新聞でも、駅売りやコンビニで買えば一〇%、そして電子版を読むと一〇%。意味がわかりません。その
理由を明確にお答えいただきたいと思います。
安倍政権は、五%
ポイント還元や
プレミアム商品券といった小手先の対策ばかりに熱心で、議員定数の削減や税金の無駄遣いの徹底など、本来やるべきことをやっていません。いわゆる逆進性対策も、
軽減税率ではなく、所得税の減税と
年金額の上乗せといった給付の組合せでやることが最もわかりやすく効果があることは、この議場におられる多くの方は理解しているはずです。
しかも、
安倍総理は、今回
消費税を引き上げた分は全部お返しし、更にお釣りが来ると言いましたが、そんなことをするなら増税をやめた方がましです。
二〇一二年に民主党、自民党、公明党で合意をした
社会保障・税の一体改革の精神は、
安倍総理によって完全に踏みにじられてしまいました。残念でなりません。
次に、外交・安全保障
政策について聞きます。
三月にも開始される日米通商
交渉では、
日本から輸出される自動車の数量規制を求めてくる
可能性が高いです。
しかし、数量規制は、最も自由貿易を阻害し、ガット第十一条違反になり得ます。WTO体制を遵守し、自由貿易の旗を高く掲げるというなら、米韓FTAやメキシコ、カナダとの貿易協定においてアメリカから求められた自動車の数量規制だけは絶対に容認しないこと、ここで
総理に明言してもらいたいと思います。これを受け入れてしまえば、
日本の自動車産業はがたがたになってしまいます。
日ロ関係について伺います。
私は、昨年、一つの現実的な
解決策として、一九五六年の
日ソ共同宣言を土台とした
交渉を提案いたしましたが、
交渉がロシアペースになっているように見えます。
そこで、
安倍総理の日ロ
交渉の
基本方針について伺います。
まず、
総理の言う
日ソ共同宣言を
基礎としてという意味は、二島先行返還ではなく、国後島や択捉島は永久に返ってこない、二島のみという意味でしょうか。もしそうなら、それはこれまでの
日本政府の
方針とは大きく異なるものになり、明確に
国民に
説明すべきではないでしょうか。
国後島、択捉島の帰属は
日本にあるのかロシアにあるのか、
総理の考えを明確に示していただきたいと思います。
さらに、
総理が年頭記者会見で、ロシアの住民の方々に、
日本に帰属が変わることについて納得、理解していただくことも必要だと述べたことにロシアが抗議をしましたが、島の帰属がロシアにあることを前提にしたような発言は、
日本国の
総理大臣としては不適切であります。
総理は、色丹島の帰属さえ既にロシアにあると認めて
交渉を継続されているのですか。色丹島の帰属は
日本にあるのかロシアにあるのか、
総理の考えを明確にしていただきたいと思います。
あわせて、歯舞群島の帰属についても、
総理の考えを明確に示していただきたいと思います。
アメリカは、高速大容量の5G
技術で先行するファーウェイ社など中国製品を
米国の息のかかった
経済圏から排除する、いわゆるデカップリング
政策を同盟国に求め、
世界の
経済圏を分断するような
状況になっています。
日本は、安全保障上のリスクを
理由に、情報通信機器の
政府調達からこれらの製品を排除することを決めましたが、ドイツやフランスは必ずしも排除を決めていません。
日本は、何を根拠に中国製品の排除を決めたのでしょうか。情報窃取の
可能性がある機器を特定しているのでしょうか。
日本は中国との
経済的結びつきが強く、また、自由貿易の旗を高く掲げるとした
日本が
米国の
政策に単につき合うだけでいいのか、
安倍政権の戦略を伺いたいと思います。特に、アメリカのデカップリング
政策の
日本経済への
影響、とりわけ日中貿易への
影響をどのように分析しているのか、明確な
答弁を求めます。
いわゆる徴用工判決、火器管制レーダー照射など、
我が国にとっては受け入れがたい問題です。今、日韓関係は大変厳しい
状況にあると
認識しています。だからこそ、
日本の主張をはっきりと伝え、しっかりと対話をすべきではありませんか。
しかし、
総理は
演説で、こうした困難な問題についての言及を避け、なぜ韓国スルーをしたんですか。レーダー照射問題について、問題
解決の
責任があるのは韓国側だと考えますが、
日本政府としては、今後、どのように
対応していく
方針なんでしょうか。もう何もしない
方針なんですか。
総理の
答弁を求めます。
韓国スルーだけではなく、北朝鮮問題
解決に向けた熱意も感じられませんでした。
昨年八月、韓国
政府は、国連禁輸品の北朝鮮産の石炭を韓国に密輸することに加担していたとして、外国籍貨物船四隻の入港を禁止しました。一旦ロシアのサハリン港に寄って、ロシア産として韓国の港に運んだケースです。
しかし、実は、これら四隻の船は、
日本の港には自由に出入りしています。国連制裁違反貨物船舶が、何らの制裁を受けることなく
日本の港に入港しています。
日本には
実効性ある形で取り締まる
国内法がないために、韓国でさえできている国連制裁の執行ができていないのです。なぜ放置したままなのか。
安倍総理、北朝鮮に対して威勢のいいことを言うばかりではなくて、制裁逃れを許さないよう、穴を埋める法整備を急ぐべきではないでしょうか。
総理の
見解を伺います。
先日、一昨年十二月に米軍機からの部品落下事故があった緑ケ丘保育園を訪問しました。そのとき、あるお母さんから、沖縄の
子供たちの命は本土の
子供たちの命より軽いんですか、そう言われました。このお母さんの言葉に対して、私
たち政治家は何と言えばよいのですか。
国民の生命と財産を守るべき
政府はどう応えるべきなのか。胸をえぐられる思いでした。
国民民主党は、昨年十二月二十六日、日米地位協定の改定案を取りまとめました。主権が大幅に制限された、治外法権とも思われる
状況は、主権
国家として一日も早く改めるべきだと提案しています。
そこで、まず、
総理に、在日米軍に対する
国内法の適用に関する原則について伺います。
政府は、本年一月一日、地位協定に関する外務省ホームページ上での
説明を突如
変更しました。
政府は、本年一月一日、これまで
政府が、一般国際法を根拠に、在日米軍には
国内法が適用されないと
説明していましたが、年明けの修正で、この一般国際法という記述を削除し、軍隊の性質に鑑み、免除されるという
説明に変えました。なぜ修正したんですか。また、この修正によって、在日米軍にも、原則、
国内法が適用されることに変わったのか、
総理の明確な
答弁を求めます。
日本の主権を守り、
日本の
子供たちの安全を守るために、単なる運用改善ではなく、地位協定そのものの改定をすべきだと考えますが、日米地位協定改定に向けた
総理の思いを伺います。
新
防衛大綱について伺います。
「いずも」を事実上
空母化し、ヘリコプターのかわりにF35Bを積んだ場合、「いずも」の本来の任務であった対潜水艦の哨戒活動に支障は生じないんでしょうか。
総理の明確な
答弁を求めます。
また、中国やロシアが開発していると言われている、音速の五倍で飛行し、探知と迎撃が困難な極超音速ミサイルは、
イージス・アショアで迎撃できるんですか。
総理の
見解を伺います。
ロシアは今年中にも実戦配備すると言っていますが、
イージス・アショアが無力化することにはなりませんか。そもそも、
イージス・アショアが実際に迎撃できるようになるのはいつなんですか。また、運営費を含めた総コストはどの程度になると考えているのか、
総理の明確な
答弁を求めます。
憲法改正の
国民投票について、
国民民主党は、CM規制を含め、資金力が
国民投票に与える
影響を最小化するための
法案を提出済みです。業界の自主規制ではなく、法律に基づくCM、広告規制を
導入すべきです。憲法審査会で積極的に
議論を進めていきたいと思っています。
国民民主党は、立憲主義の観点に立ち、憲法改正
議論には真摯に向き合っていきますが、自民党の条文イメージにおける九条改憲案では、単に自衛隊を明記するだけではなく、制約のない自衛権の
拡大を認める
内容になっており、こうした案に
国民民主党は反対です。
そもそも、
総理が主張してきた、何も変わらないとする自衛隊明記案と、いわゆる自民党の九条の条文イメージは果たして同じなんですか、違うんですか。明確な
答弁を求めます。
総理は、自民党の条文イメージでも、自衛隊が行使する自衛権の範囲は全く変わらず、
拡大しないと考えているのか、明確な
答弁を求めます。
今上陛下は、昭和五十八年、御自身の五十歳の誕生日の際に、論語の一節を引いて次のように述べられました。
好きな言葉に、忠恕があります。自己の良心に忠実で、人の心を
自分のことのように思いやる精神です。この精神は一人一人にとって非常に大切であり、さらに、
日本国にとっても忠恕の生き方が大切ではないかと感じています。
ことし五月に即位される予定の皇太子殿下も、同じ五十歳の誕生日に、今上天皇のこの言葉を引用されました。
私
たち国
会議員も、この忠恕の精神を持って、
国民の期待に応える論戦を
国会で展開していくことが必要ではないでしょうか。
その意味で、
総理には改めて、正直で誠実な
答弁を、とりわけ、野党の質問の先にも多くの
国民の声があるということに思いをはせて
答弁いただくことを求めたいと思います。
また、野党各党各会派の同僚議員にも、さまざまな思いを乗り越え、自民党にかわるもう一つの選択肢をつくるため、大同団結することを呼びかけたいと思います。
なお、
総理の
答弁が不十分な場合には、再質問、再々質問をさせていただくことを申し添え、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔
内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕