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内閣総理大臣(安倍晋三君) 玉木雄一郎議員にお答えをいたします。
まず最初に、
総理大臣として一番したいことは何かとのお尋ねがありました。
自分がやりたい仕事だけをやるという姿勢では、
国民の負託に応えることはできません。内政、外交にわたる幅広い
政策課題に、いかに困難であろうとも真正面から取り組むことが、
総理大臣としての、また
責任ある
政党のリーダーとしての私の職責であると考えます。
少子高齢化、激動する国際情勢、山積する全ての課題に対し、引き続き、
我が国の未来をしっかりと見据えながら、この議場にいる自民党、公明党の同僚議員とともに全力で取り組む決意であります。
毎月
勤労統計の
実質賃金についてお尋ねがありました。
毎月
勤労統計について、不適切な
調査が行われ、雇用保険、労災保険といったセーフティーネットへの
信頼を損なう
事態を招いたことについて、
国民の皆様におわびを申し上げます。
今回の再集計により下方修正となった
平成三十年の毎月
勤労統計の各月の伸び率の数値のみをお示ししてアベノミクスの成果であると強調したことはこれまでなく、したがって、昨年六月の数値について、私が二十一年五カ月ぶりの高い伸び率との主張を行ったことはありません。
また、議員御
指摘の
平成三十年の参考値については、今回の再集計でそれほど大きな
影響を受けていないものと承知しており、そのことがこれまでの
賃金動向に関する
判断に
影響を与えるとは考えていません。
なお、参考値をベースとした
実質賃金の算出が可能かどうかについては、担当省庁において検討を行っているものと承知しています。
いずれにしても、連合の
調査においては、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが継続しており、
現時点において、所得環境は着実に改善しているとの
判断に
変更はありません。
毎月
勤労統計の事案に関する
根本大臣の
責任についてお尋ねがありました。
根本大臣は、十二月二十日に事実を把握した後、必要な指示を行いつつ、全力で対応に当たってきたものと
認識しております。
また、
厚生労働省の
答弁に一部誤りがありましたが、
国会における御審議においては、常に緊張感を持って正確な
答弁を心がけるべきと
認識しています。
根本大臣には、引き続き、不足した給付の速やかな支払いや今回の事案の徹底した検証、再発防止の先頭に立って全力で取り組んでいただきたいと考えています。
毎月
勤労統計事案により行う追加給付を含む
予算案についてお尋ねがありました。
不適切な
調査が行われた期間の
追加給付額の算定に当たっては、再集計された毎月
勤労統計の
データを
基礎として行うことを原則としていますが、必要な
データの一部の存在が確認できていない期間についても給付を行う必要があります。
この期間については、残された
データから給付のための推計値を計算し、不足分の給付を行うこととしています。
三十一年度
予算においては、そのための
予算を計上したところですので、何とぞ速やかに御審議いただくことをお願い申し上げます。
追加給付については、できる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるよう、万全を期して必要な対策を講じてまいります。
デフレの
認識についてお尋ねがありました。
従来から申し上げているとおり、デフレはさまざまな原因があるものの、基本的には貨幣現象であり、デフレ脱却において金融
政策が大きな手段であるという考えに変わりはありません。
政権交代後、デフレ脱却に向けて、金融
政策を含めたアベノミクスの三本の矢で取り組み、
名目GDPは一割以上成長し、もはやデフレではないという状況をつくり出しました。
経済の好循環は着実に回り始めており、民需主導の力強い
経済成長が実現し、デフレ脱却への道筋を確実に進んでいます。
引き続き、
政府、
日本銀行で緊密に連携しながら、あらゆる
政策を総動員して、デフレ脱却、そして力強い成長を目指してまいります。
地域銀行の収益悪化の
影響についてお尋ねがありました。
現時点において、
地域銀行の資本
基盤は充実しておりますが、その経営環境は、低金利環境の継続や
人口減少等の
影響により、年々厳しさを増しています。
政府としては、
地域経済において重要な役割を担っている
地域銀行が、将来にわたる健全性を確保し、金融仲介
機能を継続的に発揮することを通じて
地域経済に貢献し続けるよう促してまいります。
企業に対する法人課税についてお尋ねがありました。
安倍政権においては、企業の収益力
拡大に向けた前向きな投資や継続的な賃上げが可能な体質への転換を促すため、課税ベースを
拡大しつつ税率を引き下げるとの
考え方のもと、法人税改革を行ってまいりました。
さらに、
平成三十年度税制改正において、過去最高の企業収益をしっかりと賃上げや設備投資につなげていくため、賃上げ等に積極的な企業の税
負担を引き下げる一方、収益が
拡大しているにもかかわらず賃上げや投資に消極的な企業には研究開発税制などの適用を停止するなど、めり張りをつけた見直しを行ってきたところであります。
政府としては、こうした改正を既に行ってきており、企業の積極的な賃上げや投資等が行われ、
経済の好循環に寄与することを期待しているところです。
巨大IT企業への課税や独占禁止法の適用についてお尋ねがありました。
経済の電子化に伴う課税上の課題については、二〇二〇年までにグローバルな
解決策を取りまとめるべく、OECDを中心として国際的に
議論を進めているところです。
我が国は、G20
議長国として、
解決策の合意に向けた国際的な
議論に貢献していくとともに、
国内においても、他国の動向を注視しつつ、適切な対応を検討してまいります。
また、独占禁止法の運用については、昨年十二月に、プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備のために、関係省庁が基本原則を定め、公表しており、現在、これに沿って具体策の検討を進めているところです。
捜査機関による捜査情報の収集についてお尋ねがありました。
政府としては、捜査機関が刑事訴訟法に基づいて行った照会結果を把握する
立場にはなく、お尋ねの企業数をお答えすることは困難です。
なお、捜査機関においては、法令に基づき適切に職務を遂行しているものと承知しております。
オリンピック・パラリンピック
東京大会の招致をめぐる問題についてお尋ねがありました。
東京大会の招致活動に関し、当時、招致委員会の理事長であったJOC竹田会長からは、昨年末、フランスの担当判事からヒアリングを受けたが、不正なことは何もしていない旨
説明したとのコメントが示されているものと承知しています。
当時の招致活動の具体的な
内容については、招致委員会の主体となっているJOCと
東京都が
説明責任を果たしていく必要があると考えています。
政府としては、引き続き、フランス当局による司法手続などの動向を注視することとし、仮に今後、何らかの対応が必要となった場合には適切に対処してまいります。
また、御
指摘のIOC委員等への贈賄行為については、国際スポーツ界において、IOCの倫理規程により禁止されており、違反した場合には制裁
措置が科されることとなります。さらに、
国内法によって処罰の
対象とするか否かについては、他の刑罰とのバランスなど、慎重な検討を要するものと考えます。
原発の
経済合理性についてお尋ねがありました。
経済合理性があらゆるプロジェクトの大前提であることは言うまでもありませんが、
原発の建設などに伴うコストは、各国の立地環境や
国内制度、
経済情勢などによって異なるものであり、一概に申し上げることはできません。
その上で、
我が国においては、現在、多くの
原発が停止している中で、震災前に比べ、一般家庭では平均で約一六%電気代が上昇し、
国民の
皆さんに
経済的に大きな御
負担をいただいている現実があります。
資源に乏しい
我が国にとって、こうした
経済的なコストに加え、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度を考えれば、原子力
技術という選択肢を手放すことは
責任あるエネルギー
政策とは言えません。
当然、
原発については、いかなる事情よりも安全性が最優先です。高い独立性を有する原子力規制委員会が、科学的、
技術的に審査し、
世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた
原発のみ、その
判断を尊重し、地元の理解を得ながら再
稼働を進めるというのが
政府の一貫した
方針です。
農業者戸別所得補償
制度についてお尋ねがありました。
旧戸別所得補償
制度については、全ての販売農家を
対象に交付金を支払うものであったことから、担い手への農地の集積ペースをおくらせる面があったと考えています。
また、十分な国境
措置がある米については、交付金を交付することは、他の農産物の生産者や他産業、納税者の理解を得がたい等の課題があります。
そして、何よりも、主食用の米は需要が年々減少しています。旧戸別所得補償
制度のように米への助成を基本にするのであれば、仮に加算
措置や
地域別の支払い単価を
導入したとしても、米の過剰作付を招き、需要のある作物への転換は進みません。それでは農家の所得
向上にはつながりません。
このため、
安倍内閣では、旧戸別所得補償
制度は廃止し、麦、大豆、飼料用米といった需要のある作物の生産振興による農地のフル活用など、前向きな
政策を強化してまいりました。同時に、
日本型直接支払
制度を創設し、中山間
地域に対する直接支払いなど、
地域を元気にする施策を展開しています。
これにより、生産農業所得は三年連続して増加して九千億円も
拡大するなど、着実に成果があらわれ始めています。
安倍内閣では、引き続き、農林漁業者の皆様と真摯に向き合い、改革の成果も丁寧に
説明しながら、強い農林水産業と美しく
活力ある農山漁村の実現に向けた施策を強力に展開してまいります。
高速道路の永久有料
制度についてお尋ねがありました。
我が国の高速道路は、その建設や維持
管理に要する
費用を利用者からの料金収入で賄い、債務の償還満了後は無料開放することを原則としています。
この債務の償還に関し、
平成二十六年の道路法改正時の附帯決議においては、償還期間の短縮や償還満了後の利用者
負担のあり方などを検討することとされています。
現在、国土交通省において、これらの課題について検討しているところであり、利用者の理解といった点にも留意しながら
議論を深めてまいります。
新たな外国人材の大都市圏等への集中防止策についてお尋ねがありました。
新たな受入れ
制度の運用に当たっては、人材が不足している地方の状況に配慮することが極めて重要であると
認識しています。
こうした観点から、
政府としては、地方で就労するメリットの外国人への周知、外国人の地方定着を促進する優良事例の受入れ機関や
地方自治体への紹介、
地方自治体の外国人受入れに係る先導的な取組に対する地方創生推進交付金による
支援などの取組を行ってまいります。
また、受入れ機関が参加する分野別の協議会を設け、
地域ごとの外国人の就労状況を把握するとともに、過度な集中が認められた場合には、受入れ機関に対して受入れ自粛の要請を行うなどの
措置を講じることにより、大都市圏等に外国人が過度に集中することを防止してまいります。
待機児童ゼロの目標の期限についてお尋ねがありました。
待機児童の解消は待ったなしの課題であり、最優先で取り組んでいきます。
二〇一八年四月
時点の
待機児童は、前年より約六千人の減少となり、十年ぶりに二万人を下回りました。
子育て
安心プランによる必要な保育の受皿三十二万人分については、二十五歳から四十四歳までの
女性の就業率が二〇二二年度末に他の
先進国並みの八割まで上昇することを想定して、必要な整備量を推計したものです。
したがって、今後、さまざまな要因によって保育ニーズの増大があったとしても、十分対応可能なものとなっています。
引き続き、子育て
安心プランに基づき、二〇二〇年度末までに
待機児童を解消するために全力で取り組んでまいります。
少子化対策についてお尋ねがありました。
世界で最も速いスピードで進む
少子高齢化を克服するためには、もはや、これまでの
政策の延長線では対応できない。次元の異なる
政策が必要です。
そのため、我々は、
消費税率引上げ分の使い道を
変更し、年間約八千億円を投じ、本年十月より、三歳から五歳までの全ての
子供たちの
幼児教育の
無償化をすることとしました。
これは、子育てや
教育に係る
費用負担の軽減を図るという少子化対策と、生涯にわたる人格形成の
基礎やその後の義務
教育の
基礎を培う
幼児教育、保育の
重要性に鑑み行うもので、小学校、中学校九年間の普通
教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革であります。
こうした次元の異なる
政策を実行することにより、
子供たちの
教育に係る
負担を大幅に軽減し、
日本を、
子供たちを産み育てやすい国へと大きく転換をしていく、そのことによって希望出生率一・八の実現を目指します。
軽減税率制度についてお尋ねがありました。
定期購読契約に基づく新聞については、日常
生活における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれていること、この結果、新聞の購読料に係る
消費税負担は逆進的になっていること等の事情を総合勘案し、
軽減税率の適用
対象としたところです。
他方、駅売りの新聞については、必ずしも日々の
生活の中で幅広い層に読まれているとは言えないこと、さらに、電子版の新聞については、他のインターネット上の情報提供サイトとの間で合理的かつ明確な線引きが困難であること等から、
軽減税率の適用
対象とはしなかったところです。
いずれにせよ、具体的な税率の適用の事例も含め、
軽減税率制度の周知、広報等に全力を尽くし、円滑に実施できるようにしてまいります。
日米通商
交渉と自動車の数量規制についてお尋ねがありました。
日本としては、いかなる協定もWTOルールに整合的であるべきと考えます。自由で公正な貿易を歪曲する、
管理貿易につながりかねない
措置については反対であり、その旨は、昨年の日米共同声明に向けた協議の中で、茂木大臣からライトハイザー通商代表に明確に伝えているところです。
いずれにせよ、
我が国として、国益に反するような合意を行うつもりはありません。
北方
領土問題についてお尋ねがありました。
北方
領土は、
我が国が主権を有する島々です。この
立場には変わりはありません。
日ロ間では、これまで、多くの諸
文書や諸合意が作成されてきており、これらの諸
文書や諸合意を踏まえた
交渉を行ってきています。
その中でも、一九五六年の
日ソ共同宣言は、両国の立法府が承認し、両国が批准した唯一の
文書であり、現在も効力を有しています。
一九五六年の
共同宣言の第九項は、平和条約
交渉が継続されること及び
平和条約締結後に歯舞群島、色丹島が
日本に引き渡されることを規定しています。
従来から
政府が
説明してきているとおり、
日本側は、ここに言う平和条約
交渉の
対象は四島の帰属の問題であるとの一貫した
立場です。
その上で、
交渉内容にかかわることや
我が国の
交渉方針、
考え方については、
交渉に悪
影響を与えないためにも、お答えすることは差し控えます。
いずれにせよ、
政府として、
領土問題を
解決して平和条約を
解決するとの基本
方針のもと、引き続き粘り強く
交渉してまいります。
情報通信機器の
政府調達についてお尋ねがありました。
サイバーセキュリティーを確保する上では、悪意のある
機能が組み込まれた機器を調達しないようにすることが極めて重要です。
昨年十二月、
政府は
政府調達に関する申合せを行いましたが、これは各府省庁において特に防護すべきシステムとその調達手段を定めたものであり、特定の企業や機器あるいは特定の国を排除することを目的としたものではなく、他国
政府の要請によるものでもありません。
米国による特定の
政策が
日本経済や日中貿易等にいかなる
影響を与えるかについては、グローバルなサプライチェーンが複雑に絡み合う中で、一概に申し上げることは困難ですが、
政府としては、引き続き、米中間での
事態の推移及び
日本も含めた他国への
影響について注視していきます。
日韓関係についてお尋ねがありました。
旧朝鮮半島出身労働者の問題を始め、これまで日韓両国が築き上げてきた関係の前提すら否定するような動きが続いていることは大変遺憾です。
政府としては、国際法に基づき毅然として対応していく考えであり、
我が国の一貫した
立場に基づき、主張すべきは主張し、韓国側に適切な対応を強く求めていきます。
その上で、今般の
施政方針演説では、非難合戦のようになることは適切ではないと考え、韓国についての言及は、北朝鮮問題に関する連携のみにとどめました。
韓国軍艦によるレーダー照射事案等については、専門的、
技術的観点から防衛当局間で協議が行われたところであり、この事案等に関する
認識及び今後の対応については、これまで岩屋防衛大臣や防衛省が累次明らかにしているとおりです。
対北朝鮮
措置についてお尋ねがありました。
御
指摘の四隻の船舶が
我が国の港に入港した際には、関係法令に基づき関係省庁が立入検査を実施してきており、これまでに、北朝鮮産石炭の運搬や
国内法令に違反する事実は確認されていません。
その上で申し上げれば、
我が国は、国連安保理の決議等で制裁
措置の
対象となっている船舶に加え、北朝鮮籍船舶及び北朝鮮に寄港歴のある船舶に対しても入港禁止
措置を講じてきているところでありますが、今後とも、安保理決議の完全な履行及び
実効性の観点から、
我が国における対北朝鮮
措置のあり方について不断の検討を続けてまいります。
日米地位協定についてお尋ねがありました。
御
指摘の外務省ホームページについては、日米地位協定について
国民の皆様によりよく理解していただけるよう、今般書きぶりを改定したものであり、この改定の前後で趣旨が異なるものではないと承知しています。
日米地位協定は大きな法的枠組みであり、
政府として、事案に応じ、最も適切な取組を通じ、具体的な問題に対応してきています。
安倍政権のもとでは、環境及び軍属に関する二つの補足協定の策定が実現しました。国際約束の形式で得たこの成果は、日米地位協定の締結から半世紀を経て初めてのものです。
また、例えば、
日本側に第一次裁判権がある犯罪の被疑者たる
米国人、軍属の拘禁についても、日米合意に基づき、実際に起訴前に
日本側への移転が行われてきています。
今後とも、このような目に見える取組を一つ一つ積み上げていくことにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいります。
「いずも」型
護衛艦の改修と
イージス・アショアについてお尋ねがありました。
「いずも」型
護衛艦は、ヘリコプターの運用
機能、対潜水艦作戦
機能、指揮中枢
機能、人員や車両の輸送
機能、医療
機能等を兼ね備えた多
機能な
護衛艦であります。
改修後は航空機の運用
機能が加わることになりますが、航空機の運用は、有事における航空攻撃への対処、警戒監視、訓練、災害対処など、必要な場合に行うこととしています。
「いずも」型
護衛艦については、今後とも、対潜水艦作戦を含め、さまざまな
事態に応じて、保有する
機能を十全に発揮できるよう、適切に運用していく考えです。
御
指摘の極超音速ミサイルに対する
イージス・アショアの対処能力については、装備品の個別具体的な性能に関する
内容であり、
我が国の手のうちを明らかにすることになるため、お答えは差し控えたいと思います。
イージス・アショアの運用開始時期については、来年度から五年間でシステム本体を製造し、その後、性能確認の試験や設置等の作業をできる限り速やかに行うべく
米国と調整中である旨、防衛省から
報告を受けています。
また、同様に、
現時点で判明している経費は、取得経費に維持運用経費等を加え、約四千億円であり、今後、施設整備費その他の経費も含めた、いわゆるライフサイクルコストを確定させ、適切な時期に公表する考えであると
報告を受けています。
憲法九条改正に関する自衛隊明記案と自民党の条文イメージについてお尋ねがありました。
憲法改正の
内容について、
内閣総理大臣としてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
その上で、お尋ねですので、私が自民党総裁として一石を投じた
考え方についてあえて申し上げれば、現行の憲法第九条第一項及び第二項の規定を残した上で、自衛隊の存在を憲法に明記することであり、これによって自衛隊の任務や権限に
変更が生じることはないものと考えています。
他方、御
指摘の条文イメージを含め、現在、自民党の党内において行われている憲法改正をめぐる
議論の状況や方向性についてお答えすることは差し控えたいと思います。
この案について当然
議論したい、こう考えておられるのであれば、憲法審査会について自民党の議員とぜひ
議論を交わしていただければ、このように思料いたします。
なお、自民党として、さきの総
選挙で公約として掲げたのはあくまでも自衛隊の明記であり、御
指摘のような自衛権の範囲の
拡大を公約してはいないということは申し上げておきたいと思います。
憲法改正は、
国会が発議し、
国民投票により決められるものです。
国会の憲法審査会の場において各党の
議論が深められることを期待いたします。
残余の質問につきましては、関係大臣から
答弁させます。(拍手)
〔
国務大臣麻生太郎君登壇〕