○藤野
委員 そうしたことを進めていくということと、一方で、やはり真の
所有者の保護というものも大事だということで、そのバランスの問題だと思います。
本
法案の四条では、利害関係人の意見又は
資料の
提出とありますけれども、この実効性をどう図っていくのか。あるいは、二十一条の関係では、裁判所の許可を得れば、保存行為を超える行為もできる。つまり、保存を超えて、
売買といったようなものもできてしまうということですので、やはり、その
手続の適正さをどう担保するのかといった問題はしっかりとやっていく必要があるというふうに思います。
いずれにしろ、そうした今回の
所有者の確定の問題と真の
所有者の保護、そのバランスを実現していくというのは、結局、今お話あったような、現場の
法務局や
探索委員の、働く方々になってくるわけで、問題はその体制が十分なのかということが問われてくると思います。
この間、さまざまな増員というのは行われてきておりますが、現場の全
法務労働組合の皆さんからお話を聞くと、やはりまだまだ足りないというお話でありました。本人からの申請が今あった場合に作業をされているわけですけれども、その場合でも、先ほど二百六十万筆とありましたが、一筆の
土地を、
所有者を
探索するのに二週間から三週間、場合によっては一カ月かかる。必要な
記載がないわけですよね。ない場合は、やはり、公的な
資料を探したり、歴史的な文献を
調査したりされるそうであります。その他、
土地の経緯を知る近隣住民から聞き取りをしたり、非常に地道な作業が必要と。他方で、最近は、そういう
歴史的資料が散逸したり、あるいは
地域の
コミュニティーも衰退したりしておりまして、ますます困難さが増しているという話もお聞きしました。現場の方に言わせますと、
表題部所有不明
土地の
探索は、
登記官の
業務の中でも最も困難だというふうにおっしゃっておりました。
配付
資料の一を見ていただきたいんですけれども、これは全
法務労働組合がつくられた
資料なんですが、例えば、二〇一七年度、
平成二十九年度は、増員数、1という一番左のやつが百八十二人なんですけれども、そのうち、法定
相続情報証明
制度の導入というので百五十五人、八五%を占めているんですね。二〇一八年度は、増員査定数が二百二十五名ですけれども、そのうち、長期
相続登記未了
土地の
解消のための人員が二百二十三名、ほぼ一〇〇%。二〇一九年度は、二百三十五名の増員査定数のうち、今回の
所有者不明土地解消が二百二十一名ということで、それぞれ、こういう形で増員はされてきているんです。一番左とその右にあるようにですね。
ただ、2にありますように、それを上回るような定員削減が行われておりまして、結局、二〇一七年でいくと四十二人マイナス、二〇一八年でいくと一人マイナス、今年度はようやくゼロなんですけれども。結局、全体として
法務局の人員を見ますと、これはもう、むしろずっと減ってきている、傾向としては減ってきているということで、現場のお話を聞くと、もう大変だということなんです。
大臣にお聞きしたいんですが、今の答弁でも、やはり、
土地家屋
調査士さんや
自治体のOBにももちろんお願いするんだけれども、それで足りない部分は、
法務局の方やあるいは地方
法務局の人も手伝って、もう総動員でやるんだというお話です。しかし、それが減ってきているということでありますから。今後もこうした
所有不明
土地の問題の
解消というのは必要な
業務であります。ですから、それを着実に進めていくためにも、やはり必要な要員の確保が必要だと思うんですが、
大臣、いかがでしょうか。