○中川
委員 次に、大学なんですが、これも今、地方の、特に私立の大学が非常に経営的に困難な
状況に陥っているということ、これも少子化の現状なんですが、それ以上に、恐らく都市部へ向いて学生が出ていくということからくるんだと思うんです。
にもかかわらず、今回の
授業料無償化に、大学の経営
状況を基準として、
状況の悪いところに対しては無償化を入れない、そういう基準をつくりました。これは恐らく地方の私立の大学にとっては、非常に大きな問題といいますか課題になってくる可能性があります。
そこのところを、これでいいのかということを
指摘しておきたいのと、それから、地方創生という形で地方大学に照準を当てると、産学官の共同体系ということで、地域の企業と組んでさまざまなプロジェクトをやっていこうということなんですが、具体的にはなかなか現実のものになってこないという形があります。なぜならば、実態としては、研究開発プロジェクトの巨大化で、旧帝大国立大学と早稲田、慶応などの主要大学に資金が偏って、地方大学では具体的な事業形成と民間資金の活用が行われていない、こういう実態があるんですね。これについて改めて
見直していく必要があるのではないかということ、これを
指摘しておきたいと思うんです。
同時に、民間から入れてくる資金というのは、研究者個人のプロジェクトの分野であって、必ずしもその地域でということではない、全国ベースで連携をしていこうというふうにするわけですよ。企業はそういう形でやりますから、地方大学がその地域をベースに産学連携の絵を描いても、国の助成を求めても、その地域で根差したようなプロジェクトにはなっていかない、そこに矛盾が
一つあるということ、これも
指摘をしておきたいというふうに思います。
もう一方で、地方大学というのは、
教育や医師なんかを中心に、地域の高度な人材育成の中心機関として
役割を担ってきました。本来はこの分野の産学官の連携が生まれなきゃいけないんですが、実態は、どれだけの大学が医師をちゃんと地元に供給している、そういう
状況になっているのかどうかということ。
これはもう前から
指摘がされていますけれども、
教育学部等々を含めても、その地域の
教育体系であるとか、あるいはいろいろな、さまざまなプロジェクトをいわゆる地域の行政と一緒に組んでいくような形であるとか、そんなところにどれだけコミットをして、そしてそういう意味での地域創生を担っているかということになると、ここのところに関心を持っていっていないんですよ。
文科省のメニューというのは、そういう形でこれを評価するわけではなくて、研究開発をいわゆる地方創生で刺激をしていこう、そういう分野に、いわば派手な分野に偏ってしまって、実際に、その地域の高度人材と、それからベースになるものをその大学が地道に供給をしていく、あるいは
役割を果たしていくということに対しての視点というのが私は欠けているように思うんです。
そういう意味で、もう一回、地域の大学の
あり方というのを、それこそ、地域の活性化を具体的にそこから支えていく
役割として、どういうふうに持っていったらいいのかということは考え直していかなきゃいけないだろうというふうに思います。
そういう点を
指摘させていただいて、もう時間が来ている……(
柴山国務大臣「あと五分あります」と呼ぶ)もうちょっとありますね。では、どうぞ。