○中川
委員 引き続き
議論をしていきたいというふうに
思います。
十五年ほど前ですか、この
議論が始まって、
法科大学院、これを設置していくということになったわけですけれども、それ以降、これだけ混乱をして、かつ、最終的に出口が見えないというか、今回もこうした
改正をしたいということなんですが、これがうまくいくかどうかということについてなかなかはっきりとした展望が出てこないということ、なぜこんなことになってきたのかということを一つは振り返って考えてみたいと思うんです。
それは、私から見れば、
文科省がしっかり腹を据えて
ロースクールというのをどう位置づけるかということをちゃんと主張していないからだというふうに思うんです。言いかえれば、
法務省のサイド、特に
司法試験を中心にした
法曹人材をつくっていく過程の
あり方というものに対して、いわゆる
議論が巻き込まれているというか、その都度その都度、向こうの都合のいいように持っていかれてしまって、
教育そのものの
あり方、あるいは
人材を育てていくということについての
あり方そのものが崩されたまま、中途半端にここまで来てしまったということ、ここに
原因があるんだというふうに私は見ています。
その上で、では、最終的に
文科省がどこで頑張ってどのようなシステムをつくっていったらいいのかということ、これが問われるんですけれども、それを聞きたくてそれぞれ
質問をするたびに、これから
議論をしていきます、これからいろいろなことを考えていきますということしか出てこない。これももう一つ問題なんですよ。この
機会に、やはり、最終的に
文科省としてはどういう形で
ロースクールを位置づけていくかということについては、しっかり展望を持って
議論をしないと、いつまでたってもこの
状況は続いていくんだろうというふうに
思います。
最終的な結論から言うとこういうことなんですが、その上で、私なりにどのように位置づけていくかということ、まずそこから先にお話をしたいと思うんです。
法曹界の
人材の量と質、これをしっかり
教育という
分野の中で確立をしていくということであるとすれば、まず、量については、
司法試験の
合格者に絞り込むのではなくて、
法科大学院の定員とそれから
合格者数、これを勘案して、今、
法曹界の必要とする
人材量というのが現状千五百人を展望しているのであれば、一〇〇%に限りなく
法科大学院の定員を近づけていくということ。だから、
司法試験で絞るんじゃなくて、
法科大学院というものの入り口で、ここで絞るということが大事なんだろうというふうに
思います。
それから、その前提は何かといったら、さっきから話が出ています、予備
試験は廃止、
司法試験の
受験資格というのを、JD、
法曹博士ですか、
ロースクールの卒業
資格の取得者としていくということ。ここもはっきりしていかなきゃいけないんだというふうに思うんです。
それから三番目は、
法科大学院の授業料の無償化を目指さなきゃいけないというふうに
思います。時間的にロスがあるとか、あるいはそこにコストがかかるとかというのが大きな理由として今回の
改正の中に挙げてありましたけれども、それを短くするというんじゃなくて、その質を保証しながら、時間的にも保証しながら、そこにコストがかからない形の一つの、いわば目標を立てていくということが必要なんだろうと。授業料無償化を目指した上で、奨学金というのは、
法科大学院協会の方から出ている数字でいきますと、五年後には、
弁護士、
弁護士というか
法曹界の平均の所得というのは一千万を超えてくるというような形で発表されているんです。だからこそ、これは学資
ローンでいいんだと。いわゆる所得連動型の奨学金とすれば、それでリカレントも含めて将来の展望が立ってくる、そういうことなんだと思うんです。
四番目には、
法学部の未修者であるとかあるいはリカレント、これに対してしっかり窓口をつくっておくということ。その窓口をつくるということの中には、さっき申し上げたような形のもの、いわゆるコスト的にも我々が
社会全体でこの
人材をつくっていくよという体制を
文科省としてつくるよという意思を持つということ、これが必要だと思うんです。
時間的な経過については、時間がロスだというのはこれまでいろいろなアンケートの中で大きく出ていた。いわゆる時間がかかるということについては出ていたということなんですが。それはどういう心理かというと、時間をかけて確実に
司法試験が通るんだったらいいけれども、時間をかけたあげく、それが通らないということになると、この時間というのは何なんだろう、余りにも長過ぎるじゃないかというその心理が、この時間的な経過を言っているんですよ。
だけれども、
法科大学院で一つぴしっとそこのところの選択肢をつくって、二年なり三年なりという形で勝負していって、その
合格率は確実に一〇〇%に近い形のものになる、そういうモデルへ向かっていくということ。これを
文科省の意思として示せば、そこの中にこの時間軸の受けとめ方というのも違ったイメージが出てくるんだろうというふうに
思います。
ということをまず冒頭申し上げたいんですけれども、どうですか、
大臣、そんなチャレンジはしませんか。