○堀越
委員 ありがとうございます。
吉川大臣から力強い御答弁をいただきました。
私も、このことについては、本当に、ぜひ国が主導を切って、
官民ともに取り組んでいかなければいけない大きな問題だと思いますので、
農林水産の役割というのは非常に大きいと思います。どれも本当に、
食品ロス、リサイクルの概念から重要な御答弁だったというふうに思います。
その
食品リサイクルの件に関して、非常によい
取組をされておられる
方々もたくさん私も
承知をしておりまして、群馬県でありますと、豆腐で有名な相模屋さんから出るおから、これを環境システムズさんが、いわゆる乳酸菌を添加をして発酵させて、それをもとに豚の餌をつくって、そして、その餌をもとに豚を飼育して、そこから肉をとり、さらに、地元の小麦とあわせて、十文字うどんというのをつくったりしているんですね。
こういう一次産業からの六次産業化というか、地域で循環する経済圏をつくっていくためにも、この
食品リサイクル、
食品ロスの削減というのは非常に重要だというふうに思っておりますので、引き続き、この点についても
お願いしたいと思います。
あと、この辺は所感になるんですが、SDGsに対する
農水省の
取組でいえば、この
食品ロス、リサイクルだけではありません。
やはり、ゴールの中の十四、十五、いわゆる海の、海洋の豊かさを守るであるとか、あるいは陸の、森の、山の豊かさを守る、こういったところにも
農水省が取り組んでいかなければいけない大きな
課題が私はあると思っています。持続可能なわけですから、持続可能な
農業をつくっていく、そのためには、当然、自然資本としての十四、十五のゴールを達成するために
農水省も取り組まなければいけない。
その
一つが、今、
世界各国でも注目がされておりますし、この
日本においても注目されてきているのが、やはり農薬の問題でありまして、ネオニコチノイド系の、一九九〇年代から使われている農薬ではやはり昆虫が多く
減少していってしまうというデータがありまして、EUではこれは禁止されている。そして、アメリカや韓国や
中国でも
規制が進んでいる。
我が国日本では、残念ながら、
規制どころか
拡大してしまっている、こういう
状況もあります。
私は環境
委員会なので本当によくわかるんですが、昆虫が激減しているというデータ、これは本当にまさにありまして、二〇一九年の二月には、オーストラリアの研究チームで、これまで発表された七十三件の
調査報告がまとめられて、
世界の全昆虫類の四〇%がここ数十年の間に地球上から姿を消すおそれのあることが公表されています。昆虫の絶滅のスピードというのは、哺乳類あるいは鳥類よりも八倍速いと
指摘されているんですね。
昆虫がいなくなると、当然ですが、持続可能な
農業というのはできません。今、一部では授粉をする小さいロボットなんかも
開発されているようですが、そこに頼るのではなくて、本当に持続可能な
農業ということを考えていくには、昆虫が生きられる、そういう持続可能な自然資本の上に
農業が存在しているんだということをやはり私たちはもう一度しっかり議論しなければいけない、そういう新しい時代に入ってきているんだというふうに思っておりますので、この点につきましても、ぜひまたこの
委員会の中で議論をさせていただければというふうに思います。
次に、野生鳥獣害による
農産物の被害の防止対策について
伺いたいと思います。
私の生まれ故郷はネギとコンニャクで有名な下仁田町でございまして、やはり鳥獣被害が深刻化している中でございます。
少し前になりますけれども、平成二十二年の
段階で、同町、下仁田町における猿の被害対策などの
取組がすぐれた鳥獣被害対策であるとして、
農林水産省の
実施する鳥獣被害対策優良活動表彰で
農林水産大臣賞を受賞するなど、地域一体となった総合的な
取組を展開しております。
そのような効果もあって、群馬県の野生鳥獣による農作物被害金額というのは、平成二十六年度では約四億二千四百万でしたが、それ以降は毎年
減少しておりまして、平成二十九年度は約三億九百万と平成二十六年度の約七三%となったわけですが、しかし一方で、いまだに県内広域で被害報告はありまして、中山間地域から平たん地域へ被害の
拡大傾向が続くなど、引き続き対策が求められます。
私も、国有林野に関する質疑のときにお話しさせていただきましたが、植林のイベントで昨年植えた杉が、本当に新芽の部分だけしっかりと食べられておりまして、非常に悲しい思いもしましたが、こういった被害はまだまだ続いております。
昨年十月の
農水省の報道発表によりますと、鳥獣による平成二十九年度の農作物の被害は、被害金額約百六十九億円で、前年に比べ約八億円
減少するなど、これは平成二十四年度の約二百六十億円から五年連続で
減少しているということで、近年、被害は
減少しているというふうに
承知をしております。
一方で、野生鳥獣による農作物被害は、確かに数字の上では
減少しておりますけれども、
農業者の経済損失のみならず、当然、植えても食べられちゃうだけだったらば、やはり意欲の減退にもつながる大きな問題ですので、継続的な対策が必要であるというふうに考えております。
例えば、
政府が平成二十五年十二月に挙げた、鹿、イノシシの生息頭数を十年後までに半減との
目標の達成
状況、これらがどういう
状況であるのかというのを
伺いたいと思います。また、それとあわせて、野生鳥獣の生息域
拡大と、狩猟者の
高齢化、そして、鳥獣被害対策におけるICTの
活用状況。
さらに、近年、とったものをジビエとして
活用する動きが広がっていることなど、鳥獣害対策を取り巻く
課題は少なくないと思います。これについて、地域の実情を含めた
状況等はどうなっているのか。また、野生鳥獣による農作物被害の防止対策やジビエの利
活用について今後どのような施策を進められていくおつもりなのか、
農水省に
伺いたいと思います。