○初鹿
委員 おはようございます。
立憲民主党の初鹿明博です。引き続き
質問をさせていただきます。
きょうは
警察法の一部
改正する
法律案の審議ですけれども、その前に一点、先に、三月六日の参議院の予算
委員会で、立憲民主党会派の小西議員に対して
横畠内閣法制局長官が、声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えていないという答弁をしたことについて
質問をさせていただきたいと思います。
きょうは長官にもお越しいただいております。
この発言、すぐに長官は、
委員会が中断をして、
評価的なことを申し上げたことは越権で、おわびをして撤回させていただくという、謝罪をして撤回をしているわけでありますが、この発言に対して、野党各党、辞職を求める強い批判をしております。また、いろいろな識者の意見でも、かなり批判的な意見も多く出ているわけですね。特に、自民党の中からも、伊吹元議長も、少し思い上がっているんじゃないかという発言をしております。派閥の会合で、安倍総理
大臣の配下にいる人間が国
会議員に対して間違っても言ってはいけない、あり得ないことで、少し思い上がっているのではないか、こういう、与党からも批判が出ているわけであります。
内閣法制局の長官というのは、これはまさに法の番人と呼ばれておりまして、
政府の
活動を行う上で法的な妥当性を担保するという非常に重要な
役割を担っているわけであります。
先ほど
山内先生から、「崩れる政治を立て直す」という、
牧原出さんの、
委員長と同じ名字の
牧原出さんの本を今お借りをいたしたんですが、その中でも、
内閣法制局について、
内閣に属しながらもこれに対して独立性を保ちつつ、法令、条約案を形式面で徹底調査をする
組織が
内閣法制局である、また
政府の憲法解釈について、国会で長官が答弁することで
政府の憲法解釈を確定する
組織でもある、こういう位置づけをしておりまして、憲法解釈は、政権と与野党が国会審議の中で合意を蓄積しつつ確立するのであり、
内閣と国会との実質的な共同作業であった、その際に法律解釈と答弁の能力に関しては、長官は、首相、
内閣はもちろんのこと、野党からの信頼を得ることが不可欠である、こういう記述があるんですね。
さらに、このような
内閣法制局は、その高度な専門
技術によって、行政部内の法令を審査し管理するのみならず、与野党の間に立つ調停者でもある、首相のもとに法令分野でこれを補佐する強力な官僚集団であり、野党との間でも調停者として
機能することが、これは自民党長期政権の安定を生み出す一つの基盤であった、こういう
評価をされているわけです。
つまり、
内閣法制局そしてそのトップである長官というのは、政権の中の一部ではありますけれども、一員でありますけれども、あくまでも野党と政権との間の真ん中にきちんと立って、中立的な立場に立たないといけないというふうに思うわけですね。
その上で、
横畠長官について一言申し上げさせていただければ、戦後一貫して歴代
内閣が引き継いできた集団的自衛権の憲法解釈について、安倍総理が行いたい政策の意図に沿うような形で憲法解釈の変更を行った、そういう張本人なわけです。
先ほども
紹介したこの本にあるとおり、憲法解釈というのは国会の審議の中で与野党が
質問をやりとりする中で積み上げられていくものであるべきなのに、それを、一
内閣、一総理の一存に見合うとおりに解釈の変更をしたというのは非常に問題であるというふうに思います。
そういう背景を持った長官が、これは憲法学者などからも非常に強い批判を受けたわけですよね、立憲主義をないがしろにしているんじゃないか。そういう長官が野党の議員をやゆをするような発言をした、それは非常に私は問題ではないか。
あの前段の
質問で、小西議員は法の支配について
質問をして、法の支配の反対の言葉は何ですかというのを総理に
質問をしておりました。残念ながら、安倍総理、知らなかったみたいなんですが、反対の言葉は人の支配です。つまり、法の支配というのは、法律にのっとって政治が行われる、これが法の支配でありますけれども、人の考えに基づいて政治が行われる、それが人の支配であって、そうなってはならないようにするために
内閣法制局というものがあり、そのトップに長官がいるわけです。ところが、人の支配になっているんじゃないかという疑義が持たれるような憲法解釈の変更をした、その
横畠長官があのような発言をしたというのは私は非常に問題だ、そういうふうに思うわけですね。
まず最初にお
伺いしますけれども、何でこんな発言をしたんですか。わざわざこのようなことを言う必要もなかったと思います、答弁を見る限り。まず、なぜこの発言をしたのか、その真意を教えてください。