○杉本
委員 維新の杉本でございます。どうぞよろしくお願いします。
きょう朝からの
質疑は、ちょっと私、いろいろ準備があって部屋で拝聴していることが多かったんですが、全体として、今も
東京一極集中の
質疑というか、あるいはマクロというか、大串先生あたりはマクロとミクロと予算だとかそういうお話をされておられました。
マクロは極めて大事ですし、今の熱い、厳しい
質疑も意義が大きい、敬意を表したいと
思いますけれども、その一方で、私は、やはりミクロを積み上げていくことが
日本再興につながるのではないかというふうに思っています。
ちょっと先の話をして恐縮ですが、やはり私は、
日本の財政が行き詰まっていく
リスクというものを非常に感じていまして、「レ・ミゼラブル」、「ああ無情」ということを、私の父は九十三になりますが、よく言うんですけれども、その主人公のストーリーのような
展開が
日本国に起きないというか、いわゆる米騒動だとか、そういった暴動とか、そういったことは全く今イメージできない
日本国なんですけれども、本当に長い先行きを
考えると、歴史というものはやはりまた起きてしまうという可能性をはらんでいるという気がいたしますので、そういった意味で、この
地方創生ということは本当に大切だという認識を私は持たせていただいています。
それで、私はテレビっ子でして、最近、BSの番組をよく見ていまして、幾つか非常にいい例だなというのがあったので、きょうは挙げさせていただきたいと
思いますが、そんなことは私知っていますということで
大臣はおっしゃるかもしれませんし、
委員長も、地元のことをちらっと申し上げますので、わかっているよということかもしれないんですけれども、あえてやはり取り上げてみたいと思っています。
それで、またテレビっ子で申しわけないんですけれども、きのう、おとといだったか、長崎の五島列島の福江島の西の方にある浜窄小学校というのが、五人の生徒しかいないんですけれども、これがカウントダウンに入っていて、今年度末で廃校ということで、東側の小学校に統合されて、五人の在校生、高学年の子が多かったかと
思いますけれども、なくなってしまうというのが、本当に、都内の廃校というのもありますけれども、五島列島に象徴されるような
日本の動きだと
思います。
そんな意味で、私がちょっと幾つか例示したいのは、やはり
地方、
地域には働く場が必要だということが一点と、もう一点は、やはり
事業承継とか、平さんあたりはよく研究されていらっしゃると思うんですけれども、そういった点についての解みたいな例示が私は必要ではないかと思っています。別によいしょしているわけじゃなくて、建設的な意味で議論したいということで私は思っております。
時間があれば、ちょっと
地方分権の中核市とか道州制の問題も
質疑させていただきたいんですが、まずは、具体的な成功例として、これは
委員長の地元、選挙区ではないかもしれないんですが、千葉県の佐倉に大きな農場を持っている
若者たちがいて、お店の名前は、場所的には代々木上原に代表的なお店があって、あと恵比寿、麻布十番、渋谷、赤坂といったところにお店を出しているウイ・アー・ザ・ファームという、高級とは思わないんですが、ここは、第一次
産業を世界一誇れる仕事にしたいという
若者たちが集って、それで、経営している方ももちろんなんですけれども、社員がいるんですけれども、それに加えてアルバイトも全員が
農業に携わって、土をいじって、その産物を結局最終的にはレストランで出すというようなことをしているところが、ウイ・アー・ザ・ファームという店名ですけれども、会社の名前はオールファーム・カンパニーリミテッドというところがあります。
たまたま私、偶然、野菜を食べたいということで仲間が予約してくれて、決してそんなに高くはなかったけれども、安くもないと
思います。
彼らは固定種というのにこだわっていまして、固定種というのは、例えば、長崎県の黒田五寸ニンジンだとか、京都の万願寺トウガラシ、金沢の打木源助大根、ちょっと読み方が違っていたらお許しいただきたいんですが、これがいわゆる固定種という
考え方で、形はでこぼこだけれども、本当に
農家が丹精込めて実は原種というのをつくって、そういったものを出していきたいというような心がけでお店を
展開して、非常に人気が出てきていると思っています。
このいわゆる固定種じゃないものはF1種といって、ファースト・フィリアル・ジェネレーションの略で、いわゆる一代雑種で、常に品質がそろえられて、生育が早く、生産
農家にとっては栽培
計画が立てやすいというような品種だそうですけれども、こういったこだわりを持つ中で、五十人弱ぐらいの数ですけれども、
若者たちが五年前にベンチャーとして創業して、農場は千葉県の佐倉市に、二百種類の固定種の野菜を栽培することをやっていて、無農薬、露地栽培、約六ヘクタールの農場で行っていて、これは拡大していっていまして、兵庫県淡路の方にも二〇一七年からタマネギ等の生産を始めているというようなことがありました。
業態として、レストランだけではなくて、スタンド・バイ・ファームというのを銀座に、いわゆるバルというんですか、そういった種類だとか、池袋の百貨店の地下のいわゆる食品街とかにケールという野菜の一種を中心に商品を出すというようなことで、これは日経が、新聞社名を言って恐縮ですけれども、去年の五月二十日のザ・スタイルという特集のところで報道をしていらっしゃいます。こういった成功例が一つあります。
済みません、ちょっと時間がなくなってきちゃうんですけれども、もう一つ二つ、ささっと行きますけれども、これは
大臣の元衆議院のときの地元静岡で、ゾーホージャパンというのを御存じですかね。
これはもともと、インドのチェンナイといって、インドの半島の南東側、海岸線のところに本社を置くところですけれども、ここが川根本町という静岡市からちょっと北西に行ったあたりのところに
サテライトオフィスをつくって、この
事業はIT企業であって、クラウドサービスを提供する会社である。
それで、いわゆるコンピュータープログラマー的な
人たちを養成していかなきゃいけないんだけれども、人は雇ってもやめていっちゃう、だから
日本的な教育の仕方が極めて大事だということを、CEOのシュリダー・ベンブさんという方がおっしゃっておられます。
松下さんだとか
本田さん、井深さん、盛田さんあたりをいわゆる師と仰いでいらっしゃるような方ですけれども、この方が、一ついいのは、まず、インド人をたくさんこの町に連れてきてオフィスをつくっているというのが一つですね。それに加えて、地元の高校生を雇って、その高校生をインターンみたいな形で預かって、その子をインドに一回留学させて、インドのいわゆる会社の研修校みたいなところで勉強をさせて、最終的に就職を川根本町にしてもらうというようなことで、やはり
学生が地元に帰ってくる、しかも外資の力というか、
日本の経営を評価している方がやっていらっしゃること。
そのCEOが言うには、大事な
ポイントは二つで、いわゆるストレスが少ないような、自然が豊かでストレスがない環境が一つ、もう一つが光ケーブル回線がつながる環境、この二点ということで、この川根本町に白羽の矢を立てて、地元の高校生が地元に就職することができたというお話がございました。これが二つ目の例ですね。
事業承継の話をもう一つだけしておきたいんです。
石川県金沢のたくみやさんというところが、持ち株会社制にして、OEM生産で土産の和菓子とかそういったものを企画、製造していた会社さんが、いわゆる
事業承継の問題が各
地方地方にあるので、しかし、本当にいいものをつくっていらっしゃるところと手を組みたいということで、いわゆるMアンドA的なんですけれども、持ち株会社制にするんですけれども、基本的には横並びで、仲間
たちと一緒に持ち株会社を、声かけ人がやって、その傘下でデパートとの出店交渉とかそういったことをするということで、地元石川のみつばちの詩工房というところと、時間がなくなってきましたけれども、あと、京都の龍安寺の老舗の和菓子屋さん、笹屋昌園さんというところかな、こういうところと組んで、いわゆる
事業承継並びに
地域の本当に名店を生かしていくというような持ち株会社方式を
展開されているという例がありまして、この三つをちょっと申し上げたんです。
もう
大臣はわかっているということかもしれないんですが、私は、こういうミクロを本当に例示していくことによって、
若者たちが成功例を、じゃ、私もやってみようということで生かしてくださるのではないかというふうに思っておりますけれども、担当
大臣として、今、
地方創生の成功
事例をいかに把握され、いかに紹介し、また今後
展開していくのか。横
展開といっても、金
太郎あめをつくっても仕方がないと
思いますけれども、やはり情報収集力は
政府にあるわけですから、発信力も含めて、この
状況を、私が御紹介した点を、感想も含めて現状を教えていただきたいし、今後の展望を教えていただきたいと
思います。
〔
委員長退席、
義家委員長代理着席〕