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麻生国務大臣 初日のぶら下がりでしたか、何かいろいろな話の御
質問の中でそれに
お答えを申し上げたんだと記憶しますけれ
ども。
一番肝心の、どれくらいかかるかという話ですけれ
ども、野田先生、短期的には、選挙がありますので、そこそこの形でまとめたという成果を持って本選挙に来年臨んでいくというのが、これは常識的に、選挙のない国を相手に選挙のある国が交渉しているんですから、明らかにこっちの方が条件悪いですから、そういった
意味では、アメリカとしては、そこそこの形でこの秋までにして、大体一年は選挙にかかるというのが、あそこの国の通常だと思っております。
他方、これが完全に解決するかといえば、日本とアメリカとの間の貿易摩擦というのは、一番最初は多分、佐藤内閣のときのいわゆる日米繊維交渉、田中通産
大臣、あれが最初だったと思いますが、あれから今日に至るまでずっと、どれくらい長くかかってきたかといえば、間違いなく六十年近くかかっているんですけれ
ども。
今、アメリカとの
関係で、少なくとも、一九九〇年のいわゆる冷戦が崩壊したあの後、これまで約三十年かかっておりますが、この三十年間の間、日本とアメリカとの間は極めて厳しい貿易交渉、経済交渉をやり続けてきて今日まで来たんだと思いますが、結果として、日本は、自動車の輸出を、四百万台ぐらいあったものが、今、四百万台をアメリカ国内で製造して、残り百何十万台を日本から輸出しているというふうに、明らかに経済
構造というものを大きく変えてのけたのは、これは間違いなく大きな成果であって、結果として、日米間の貿易赤字は、四八%ぐらいだったものがただの八%、九%まで下げるということに成功するまでには、実に三十年を要しておりますので。
そういった
意味では、中国が、五二%の対中貿易赤字をアメリカが解消するのに、お手並み拝見かねと僕はいつも中国人に言うんですけれ
ども、俺たちみたいにやれるかと言うと、みんな嫌な顔をしますよ、はっきり言って。嫌な顔をすることは事実ですけれ
ども、私
どもとして、向こうで物をつくってそこでやってのけるなんということは今の中国にできますかねという話を、日本の自動車工業会と比べたら全然違うんじゃないですかという話を中国の人にはよく個別にはするんですけれ
ども。
そういった
意味では、今回の米中摩擦というのは長く時間がかかるであろう、根本的に解決するには。
おまけに、争っているところが特許権とか一番核なところなので、これは正直、中国側としてはなかなか譲る当てがないような話だ、これは長期にかかるであろうなという感じが率直な実感でありますので。
それが、しかし、アメリカに、世界経済にどんな
影響を与えるかということになりますと、そこそこのところは解決する
部分も出てくるんだと思いますね、大豆を輸入するとかいろいろやっておりますから、そういった
意味でそこそこのものは解決していくんだとは思いますけれ
ども、根本的なところが解決するかと言われれば、これはなかなか、自由主義経済とは違う形の経済体制でもありますので、長期間かかるということはある程度覚悟しておかねばならぬものだと思っております。