○野田(佳)
委員 おはようございます。きょうもよろしくお願いいたします。
今週の火曜日、関税定率法の質疑をやっている一番最後に、G20で経常収支を議題として取り上げる意味とその立ち位置について
麻生大臣にお尋ねをいたしましたが、きょうもちょっと再確認という意味で質問させていただきたいというふうに思います。
というのは、今審議しているこの世銀への増資法案、日切れ扱い法案ということなんですが、その日切れ扱いの理由というのが、四月十二日から始まるワシントンのG20の
財務大臣・中央
銀行総裁
会議と、世銀、IMFの春季会合もございますよね、その会合にこの法案が成立をしているように間に合わせるためという扱いというふうに聞いていますので、そのG20についてもう一回改めてお聞きをしたいと思うんです。
経常収支がG20の主要な議題になるというのは九年ぶりのことなんです。ちょうど九年前というのが、二〇一〇年の秋、韓国の慶州で開かれたG20の
会議で、そのときは私、
財務大臣で
出席をしているんです。
そのとき、
アメリカが、多分中国が、人民元がドルにペッグしている感じで、経常黒字を為替を通じて調整できないといういら立ちがあったと思うんですけれども、経常収支の話をテーマとして、しかも具体的な提案があったんです。初日に、会合で、二〇一五年までに、経常収支の、黒字でも赤字でも、その幅を対GDP比の四%以内におさめようという提案を、
アメリカのガイトナー当時の
財務長官と議長国の韓国が共同提案をする形でそういう提案をしてきたんですね。
そのときに私が主張したのは、この間もちょっと申し上げましたけれども、経常収支というのは、それは民間のセクターも含めてさまざまな主体がかかわっていることであって、その結果出てくる
数字ですよね、政府がコントロールできるものではないということを基本的に申し上げました。しかも、経常収支の中で、特に
アメリカは貿易収支を中心に考えているんでしょうけれども、所得収支とか
サービス収支もあって、
日本の場合は、経常の黒字の九割は、もう当時から、
日本企業の
海外の子会社からの配当などによる所得収支が大きく貢献して、多分九割ぐらい占めていたと思いますよね。そういう事情なども言って、コントロールできるものではないということを申し上げて、ドイツであるとか一部の新興国なども同様の意見を言って、結局、数値目標が見送られたという経緯があったんですね。
そういう
議論がまた今回九年ぶりに持ち上がってきたというのは、思うところに、やはり米中の貿易摩擦が世界経済の減速の大きな要因になってきました。
アメリカの、貿易収支ばかり考えて、しかも二国間の問題で捉えようとする姿勢に対して、マルチの舞台で冷静な
議論をしようよというところに意義が多分あるんだろうと思うんです。
さっき申し上げたように、二国間の問題じゃないよ、あるいは、経常収支の中には
サービス収支とか所得収支もあるよ、そういうのをちゃんと
分析しようよとか、あるいは、貯蓄そして投資のバランスの問題、それぞれの固有の問題もあるじゃないか、これも
影響しているだろうと。
アメリカは貯蓄不足じゃないかとストレートに言うかは別として、そういうものを冷静に、ある意味経済学のゼミナールみたいになっちゃうかもしれませんけれども、マルチのところで冷静な
議論をしていこうというところに私は今回のG20で取り上げる意味があると思うんですよね。
余り、
アメリカだけ追いやって一対十九の構図で追い詰めるのではなくて、冷静に
アメリカにも問題意識を共有してもらうというところに主眼があるのではないかと思いますけれども、ぜひ御見解をお伺いしたいと思います。