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福田(達)
委員 自由民主党、
福田達夫でございます。
本国会から、
国土交通委員会の仲間にさせていただきまして、初めての
質問の
機会をいただきまして、ありがとうございます。
国土交通委員会というのは、本当に、数ある
委員会の中でも最も雄大な
議論ができる
委員会だというふうに思っています。何しろ、国家を構成する三
要素、領土、国民、主権でありますけれども、この三
要素の
一つについて
議論ができる場所というのはほかの
委員会にはございません。
ぜひ、きょう、ちょっと大きな
議論になるかもしれませんけれども、我が国の
国土計画について
議論させていただきたいというふうに思っております。
高度成長期前から
平成の中期にかけまして
国土開発の
指導的立場にありました
下河辺淳さん、この方も、
国土計画というのは時の
政府の
国土に対する夢であるというふうに語っております。そういう
視点から、ちょっと大き目な話でございますけれども、させていただきたいというふうにきょうは思っております。
私がまだ
民間、商社の
調査部というところにいたとき、また、この
永田町に参ったころも、
国土構造の
視点から、
統治体制から考えるような大きな
議論というものが、
永田町を問わず
一般でもされていたというふうに記憶しております。例えば、道州制だとか
遷都論、国内での
地域経済論、若しくは
アジアの活力を取り込むような国際的な
地域経済構想、こういう話があったというふうにありますが、最近ではこういう話はほとんど聞かなくなってしまったなというふうに思っています。
きょう、
資料をお配りさせていただいておりますけれども、この
資料一、横紙でございますが、これは、先ほど申し上げました
下河辺氏が整理しました
国土計画の
三つの
視点であります。
国土計画というものは、左側に書いてあります
国土構造論、
国土構成論、そして
国土利用、
管理、この
三つの
視点から策定もされますし、常にこれはチェックをこの
三つの
視点からされるべきである、こういうふうに
下河辺さんは言っていたわけでありますけれども、以前は、
国土全体でも語るべき必要があるという視座があったというふうに思います。その一方で、個別の
課題もされてきたというふうに思っております。
すなわち、この一個目の
視点と二個目の
視点、この
クロスの中で
国土というものが語られてきたというような気がしますが、最近は、どちらかというと、個別の
課題に対する個別の
政策を各個に語っていく、そういう
視点が大変に多くて、全体観を共有する場というものがちょっと少なくなっているんじゃないかな、そういうふうに思います。また、
社会全体について想起しながら個別の
課題について
議論する場、これも少なくなっているのではないかという気がしています。
地方創生ということが語られてもうしばらくたちますけれども、これも、
基本が、千七百の
自治体、この
基礎自治体がそれぞれ頑張るというミクロの
視点はありますけれども、では、全体像として、例えば、今、
地方に対して、
総合計画をつくってもらっています。
人口計画をつくっているわけでありますけれども、これを全部足し上げると日本の
人口をはるかに超えます。
では、
地方の努力を本当に是とするのであれば、この
地方が出している
計画の
人口の総和と実際にある
人口の差、これをしっかりと
国政が受けとめる、これが実際
国政の
立場としてはあるべきなのかと思いますけれども、そういう
議論が余りされる場がないというのが
現状かなというふうに思っております。
国土全体をどうマネージするのか、そういう
視点を語るという
機会がなくなってきているかなという気がしているんですが、確かに、
国土計画というものが古いという考え方もあると思います。ただ、以前よりも今の方がよほど構造的に語らなければいけない、
構造変化というものについてはそのころよりも随分とふえているのかなと。
少子高齢化でありますとか、いわゆる
東京一極集中、これが更に加速をしている、その反面、
地方は疲弊をしていくという
状況。
また、余り
グローバル化の中でもって
国土の話が語られることはないんですけれども、実は、この国というのは、
東京は世界でも誇れます、しかし、
地域の力というのは、国際的に見たときに、
アジアの
都市よりも最近は
経済成長という
意味では落ちている。このことを踏まえた上で
議論していかないといけないのであります。
また一方で、
技術進歩、これが、ソサエティー五・〇という話も出てまいりました、
社会実装が実現化する、そういう時代にある中、又は、
温暖化の
進行等で、住環境とか若しくは
農林水産業関係、この
変化でありますとか、若しくは
自然災害の頻発、
激甚化、さまざまな形で、昔よりも更に構造的に考えなければいけない、国全体で考えなければいけないということがふえているように私には思えるのでありますけれども、なかなかこれを国民とも共有しながら
議論する場というものは減っているのではないかというふうに思っています。
実は、
国交省におきましては、二〇一一年に、
国土審議会の長期展望
委員会の「
国土の長期展望」の中間取りまとめで、さまざまな
構造変化というものを既に提案していただいております。
ただ、この中で、
地方自治体が一部でもって減少していくというリスクにつきましても、増田寛也さんの「
地方消滅」が上梓される三年前に既に
指摘していて、
地方公共団体の方からも、これはある
意味大きな反響を得ているわけでありますが、この
議論というのが、東日本大震災を経てしまって、なかなかこれが盛り上がってこなかったというのも事実であると思っています。
この中間報告の流れを受けた形で四年前に第二次
国土形成
計画がつくられたわけでありますけれども、これらの構造
課題に対してどのような認識を持ち
国土形成
計画をつくられたのか、そのことについて方針を教えてください。