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池田(真)
委員 立憲民主党・無所属フォーラムの
池田真紀です。よろしくお願いします。
質問に入る前になんですが、先ほど、十一時六分だったでしょうか、十六名しかこの部屋にいなかった。野党はそのうち五人、場外二人というような形で、今回、重要広範議案ということで、安倍総理入りの
児童虐待防止法を選んだのではないでしょうか。
結愛ちゃん、
心愛ちゃんの問題、この国会でしっかりと前向きに、一歩でも二歩でも前に進めなければいけない本当に重要な
法案だと私は思っています。与党対野党だけではなくて、中身を充実させなければいけないこの審議において、本当にだらけていると私は思います。
まず、このことを今この会場にいらっしゃる皆さんが受けとめていただいて、そしてきちっと、もちろん与党だけではないかもしれませんが、でも、与党というのは閣法を出しているわけですから、もっと責任は重大だと思います。
今回は本当にこの
法案を前に進めるという強い覚悟で私は
質問して向かってまいりたいと思いますので、全
委員の皆さんにもお願いしていきたいと思います。
それでは、
質問に入らせていただきます。
法案の中身というよりは、
法案の前というか、
法案全体の構図といいますか、これからの
児童福祉においてどういう
取組を行っていくのか、考え方そのもの、全体的なものを、きょうは
大臣に考え方をお
伺いしたいというふうに思っています。
まず、資料二枚目といいますか、ぺらっとめくっていただいたところでございますけれども、こちらですが、
児童福祉法、高齢者福祉法そして障害者福祉法と、過去、長い歴史の中での福祉法がありました。この変遷については
大臣も御存じかと思いますのでこれは割愛いたしまして、
児童虐待防止法が始まってからの三つの
虐待防止法に関連して、
虐待という観点からこの
法律をちょっと見てまいりたいというふうに思っています。
こちらは、まず、一番左にあります
児童虐待防止法でございますけれども、二〇〇〇年の十一月に
施行ということであります。さかのぼってみますと、一九五九年の国連の
児童の権利条約といったものが採択をされてから三十年もたってからの日本の発効ということで、非常に遅い。
この中で、
虐待防止法が成立をする、
施行をする前の段階でございますが、ここに私は着目をしています。一番下になりますが、保育園の
入所でございます。一九九七年の
児童福祉法改正によって、この条文は今読みませんけれども、二十四条が改正をされました。保育に欠くというところから利用契約制度、
措置入所からの利用契約制度に変わったということの中で、多くの人たちが、
児童福祉の中で保育といったものが、少しでも
社会化に一歩近づいてきたのではないかというふうに思われていたところであります。
しかし、現実は、保育園がいっぱいで、選ぶどころか、まだまだ選びようがない
状況の中で、妥協しながらの保育
入所ということに変わりはないわけではありますけれども。
そういう中で、まず、高齢者の
虐待防止法も行われました。こちらの方は、二〇〇六年ということで
虐待防止法が制定をされています。
しかし、こちらの方をごらんいただきますと、前段、やはり、この一番下の方ですけれども、介護保険法が二〇〇〇年ということでありました。二〇〇〇年の
施行であります。この二〇〇〇年の
施行のときに、介護保険法、今までの
措置といったものから保険制度に変わった。普遍的に、多くの
方々が利用ができる制度に移行したということではあります。
この中で、法は
家庭に入らずという原則を否定して、この
虐待防止法といったものが一歩ずつ
家庭内等に入っていったということではありますけれども、ここで一歩、高齢者においてはもう一歩進んだんですね。
これは、
施設内の
虐待についても、
家庭内だけではなくて
施設内といったものも
対象にし、そして、身体、性、心理的な
虐待だけではなく、経済的な
虐待も
対象としました。そして、養護者の介護のストレスを解決しない限り高齢者に対する
虐待を
防止することはできないという認識のもと、加害者である養護者に対する
支援を盛り込んだ総合的な
虐待防止法制がここで始まったというふうに受けとめられるかと思います。
こういう中で、もう一歩進んだのが、介護保険法の改正、こちらが二〇〇五年ですが、ここで何が起きたかといいますと、
地域包括
支援センターですね、それまでは在宅介護
支援センターだったものが
地域包括
支援センターということで、介護
予防といった概念が盛り込まれてきたということになります。これでまず高齢者。
そして、障害者の
虐待防止法に目を向けますと、そこからまた更におくれるわけではありますけれども、障害者制度の方においては、二〇一一年の十月の
施行でございますけれども、その前に、福祉制度をさかのぼりますと、
支援費制度、これは短い制度でありましたので余り文献もなかったり御存じない方も多いんですが、
支援費制度が行われて、
措置から契約というような利用契約制度が実行されたわけであります。その中で、その後、
自立支援法になって、そして総合
支援法というような
経緯になりました。
あわせて、権利条約の方はどうなるかということでございますが、権利条約の批准がまだだったんですね。このときの
虐待防止法の成立に向けては、与野党それぞれが、私は現場の人間でおりましたけれども、国会の中では与野党の障害者の
虐待防止法が衆議院に
提出をされたと思います。二〇〇九年の七月にそれぞれ
提出をした上で、国会の方が解散ということで廃案になって、また改めてのものだったと思われます。
そのときに、
議論がなされていた中身というものが、与党案では、高齢者
虐待防止法と同時に、
虐待通報義務があるということは、身体と生命に重大な危険が生じている場合に限定しているのに対して、野党案については限定していないという違いがありました。また、野党案では、
虐待の定義の中に、正当な理由のない身体的拘束を含めているなどの違いもあったわけであります。
しかし、先ほど申しました障害者の権利条約の批准という政治的な要請が
急務であったということから、野党案をベースに修正を加えて、
議員立法によって今般の障害者
虐待防止法が成立したというふうに私も承知をしておるところであります。
こういう中におきまして、いろいろな時代背景がある中で、
大臣、ごらんになってどう思われますでしょうか。
タイトル名をきちんと読みますと、高齢者
虐待防止法、上の方の欄ですけれども、下線を引いておりますが、正式な
法案名になりますが、高齢者
虐待防止、高齢者養護者に対する
支援等に関する
法律と、
法律名から養護者に対する
支援というのがきちんと盛り込まれているのが、障害者、高齢者にあります。
そして、ここの中には入っていないんですが、この間にDVの
防止法も
施行されたわけであります。DV
防止法はこの高齢者の前でありましたけれども、DV
防止法の正式な名称といいますものは、配偶者からの暴力の
防止及び被害者の
保護に関する
法律ということで、
防止と同時に
保護という言葉が盛り込まれています。
この三つの
虐待防止法を並べる限りにおいて、
児童虐待防止法、足りないものはありませんでしょうか。
大臣はどう受けとめていらっしゃいますでしょうか。