○山井
委員 三十分間、
女性活躍支援に関連して
質問をさせていただきたいと思います。
女性活躍支援法といいますけれども、私、日本の現状は、逆に危機的な
状況になっているんではないかと思います。
例えば、きょうの朝日新聞の朝刊でも、「性暴力 無罪判決続き疑問」「娘の同意なく性交—「抵抗著しく困難」否定」「酔って抵抗不能「許容」と誤解—故意認めず」「憤る虐待被害者」と。そして、この抗議のミー・トゥー運動の活動も十一日にあったということであります。
もちろん
女性の
活躍支援は重要で、私たちも大賛成ですけれども、一方では、このような深刻な事態が広がっているのではないかと私は思います。
また、伊藤詩織さんの事件もありまして、きょうの配付資料でもお配りをさせていただきましたけれども、きょうの配付資料の中にありますように、十三ページ、「「性被害者 救済の仕組みを」 伊藤詩織さんが手記、会見」という記事がございます。
そういう中で、ここに書いてありますように、伊藤さんは二〇一五年、就職
相談のため記者の
男性と都内で飲食した際に、意識を失い望まない性行為をされたとして警察に告訴、準強姦容疑で捜査されたが、嫌疑不十分で不起訴処分となった。それで、会見で伊藤さんは、日本では七月に
改正刑法が
施行されたが、強制性交罪も、被害者が抵抗できないほどの暴行、脅迫を受けたと証明できないと罪に問えないことは変わらない、三年後の
見直しでさらなる議論が必要だと述べた。また、さらに、記者会見では、被害を公にしてからバッシングを受けて、前のように生活できなくなった、しかし、隠れなければならないのは被害者ではない、話すことでよい
方向に変えていきたいと話したということです。
こういう性暴力の被害者が、勇気を持って、本当に悩みながら
公表、告発しても、逆に第二次の被害を受けて、この伊藤詩織さんも、日本に住みづらくなって、今、イギリスに住んでおられる、そういう
状況にすらなっております。
配付資料の十四ページ。そういうことに関して、このたび、伊藤詩織さん
支援の会も発足しましたし、また、伊藤詩織さんがカルバン・クラインのキャンペーンにも起用されております。
こういうふうに、本当に
女性を取り巻く
環境というのは逆に深刻化して、こういう性暴力被害などで不起訴の案件が逆にふえているのではないか、そういう恐ろしい危機感を私は持っております。
さらに、その次の配付資料にもありますように、十七ページ、睡眠薬を使った性犯罪の急増、就活OB訪問の女子大生に大林組社員がわいせつ行為、さらに、その横の記事にありますように、就活生にわいせつ、これも不起訴。結局、不起訴になるわけですね。
本当にこういうことでいいのかということを私は思わざるを得ませんし、このことについて、何とか党派を超えて、こういう現状というのは国際的にも恥ずかしいし、こういう被害者の方を守るのが国会の
責務であるので、この
女性活躍支援法の中でもこういう審議をしっかりとせねばと思っております。
さらに、後半で触れますけれども、来年の通常国会で、早ければ、
介護保険法の
改正で二割
負担への自己
負担増とか、あるいは、要
介護一、二の生活援助サービスを
介護保険から外して地域
支援事業にする、
介護者支援を後退させる、こういう法
改正も
検討されていると聞いております。こういうのも
女性の
活躍支援に逆行していると思います。
そこでなんですが、きょう、具体的に、外務省にもお越しをいただいておりますが、日本の政府、役所がどう
対応しているのかという問題、具体例をお聞きしたいと思います。
毎日新聞四月十三日、「元駐イラン大使セクハラ 公邸で
職員にキス 外務省が注意」「退職後 交流協会会長に」という記事がございます。
簡単に、この話はどういう話かというのをお話ししたいと思います。
二〇一二年の十月、今から七年ぐらい前に、この元大使の方が、イランを去る前日の晩に、二人きりで食事をしたいと誘って、食事の後、二人きりの執務室に誘ったということですね。それで、報道されるとおりで言いますと、結局、キスしたり体をさわったり、まあ、読み上げることもはばかられるような強烈なセクハラ行為をしたということであります。
それで、このことについてなんですけれども、被害者の
女性は外務省にこの被害の三カ月後に訴えたけれども、処分も何もなし。おまけに、退職後、この方は、イランとの交流協会会長にもなっておられる。結局、被害を訴えたのに握り潰されたのではないか。
このことに関して、河野
大臣は昨日、外務省としてはこれまで被害者に寄り添った
対応をしてきた、セクハラ行為があったと
認定された場合には外務省として厳しい処分で臨むことになると思いますとおっしゃっているんですね。
個別のことではありますけれども、こういう
法案審議の中で元大使のこういうセクハラが明らかになって、外務省が十分な
対応をしていない、これは非常に深刻な問題だと思っております。これは現在進行形の問題です。
ついては、外務省の官房長、お越しをいただいておりますが、これはどういうふうな経緯であったのか、そしてどういう
対応をしたのか、報告をお願いします。