○斉木
委員 私は別にSuica愛好者ではございません。
なぜSuicaを取り上げたかといいますと、一番数が多いからなんですよ。当然、東京で使えるのはSuicaありPASMOあり、ICOCAも使えるし、ありとあらゆる交通系のICというのは出ていますよね。Suica単体が七千四百万です。Edyが最大で一億ですね。ICOCA、PASMO等々、
日本のJR各社が発行しているICカードを合わせたら、当然、一億枚は優に超えているわけです。リーディング媒体はどこですか。トップランナーは交通系ICだというのが実態なんですよ。だから、
世耕大臣、そこはしっかり御認識いただかないと、
日本をミスリードしてしまいますので。
別に、Suicaだけじゃなくて、PASMO、ICOCA、全て合わせてトップを走る。私は、それは需要が引っ張ったんだと思いますよ。国民が電車に乗る、都市部においてはどこも電車
社会ですから、
日本は。ですので、JR各社やメトロ、そして各地下鉄会社、私鉄が発行するカードを持っていないと不便だったからこうやって普及してきた。今一番引っ張っているのが、一番発行枚数が多いのが、JR、私鉄等を合わせた交通系のICになっているわけです、
日本が。
なので、そういったバックボーンがない青森、秋田、福井を始めとして、使えない非対応の県はまだまだあるわけですから、やはりそういった需要がないところに幾らキャッシュレス、キャッシュレス、キャッシュレスって補助金をつけて旗を振ったって、それはなかなかうまくいかないんじゃないですかということです。そして、そういったところに住む、非対応の県に住む方々というのは使う機会が少ないから、当然不満が出るでしょうというふうに申し上げているんです。
だから、やはりそういったことに目が行っていないのが、まさに霞が関、永田町思考の政策だと私は申し上げざるを得ませんね。
別に、私がSuicaが好きだからじゃなくて、デジタルというのは、
大臣もよく御認識のとおり、プラットフォームを握ったもの、一番寡占になりやすいんですよ。一番主流になっていったものが勝者総取り的になるのが、GAFAの例じゃないですか。
だから、これだけ引っ張ってきた交通系ICが、なかなか
日本のインフラとして車
社会の地方にはないわけで、非対応なんですよ。じゃ、JRに補助金を出して全部対応させるんですかという、そういうベースをつくるという話にもなってしまうじゃないですか。
やはり、そこは、しっかり……(
世耕国務
大臣「何回言ったら」と呼ぶ)いや、何回言ったら、実態を見てください。だから、単体、一社でですよ、一社でやって七千四百万も発行していて、発行枚数でいくと二位につけているじゃないですか。これでJR東だけですよ。JR西、北海道、そして、全て各社合わせていったら物すごい発行枚数になるし、メトロも合わせたら、PASMOも合わせたら物すごい数になるじゃないですか。だから、そういった実態をやはり見て、政策というのはつくっていただきたいと思います。
あと、もう一つ申し上げたいのが、キャッシュレスの普及が、十月にポイント還元が行われるということで、今、
日本の企業の産業政策にゆがみが生じてきているなと私は感じております。その一つが、駆け込み減資の問題ですね。
四月だったでしょうか、北海道で百貨店の藤丸さんが、四月十六日ですけれども、資本金を九千万円から五千万円に減資をしました。なぜかといいますと、要は、十月一日から施行されるポイント還元
制度の対象企業は資本金が五千万円以下です、それに該当するために、五%ポイント還元を受けないと、ほかの店舗、中小の企業に対抗できないから、わざわざ、九千万あった資本金を減資をしたんですよ。
こういった例が、
日本の中堅の百貨店やスーパーで五十社超、今報告をされております。これは例年のペースを五〇%から一〇〇%上回るペースで、今、駆け込み減資というのが相次いできております。
こういった、五千万円という、要するに、五%ポイント還元を受けるために、わざわざ企業イメージを損ねかねない減資というものまで踏み切って、
日本の企業に、これは私は産業政策をゆがめているんじゃないかと思うんですが、いかがですか。