○田嶋
委員 一個一個の説明を聞くと、悪いとは思わないんですね。
しかし、今、いみじくも大臣もおっしゃいました。私は、焼け石に水が多いと思うんです。やらないよりはやった方がいいかもしれないけれども、補助金だって、やはり予算制約がありますから、その部分だけ見れば効果はあったと言えるかもしれないけれども、だけれども、全体の今抱えている
課題の中で、非常に小さい件数のことが多いじゃないですか、どれぐらい申請件数がありましたかという話も含めて。
補助金よりは、税制によって、固定資産税のような制度改革も行いましたね。それもかなりな反響だといって、去年も、法人に関する固定資産税の話も事務方からも伺いました。
しかし、それはある程度やっているかもしれないけれども、
日本の直面する生産性の問題に真っ向から立ち向かう、私はそういう感じは印象として受けておらないんです。
安倍総理の所信、少子高齢化、「
世界で最も速いスピードで少子高齢化が進む
我が国にあって、もはや、これまでの政策の延長線上では
対応できない。次元の異なる政策が必要です。」この
総理大臣の施政
方針演説でもそのようにうたっておるわけでありますし、なおかつ、昨年の、
世耕大臣のここの場での一年前の所信は、生産性という言葉が四回も出てきている。大分何かトーンダウンしているような印象が私はありますよ。
資料の二をごらんください。
これは先ほど大臣がおっしゃったことでありますが、
経済の成長率というのは人口の増加要因と生産性の要因があるというのはもう当たり前のことでありますが、これを見ると、本当によくぞここまでという感じが私はするんですね。何でこんなに低いんだろうということで、失われた三十年、平成、ずっとそうだということがよく言われるわけでありますが、今や、先ほどから言っている人口減少もいよいよこれから本格化をしてくるということであれば、この生産性の要因、この部分をよほど高めていかなければ、ほかの国並みの成長がないということですね。そうですね。
下のグラフをごらんください。
これも非常に残念でありますけれども、
世耕さん、
課題に直面しているから取り組むんだと言うけれども、もうずっと前からこんな低い生産性なのに、ずっと低いですよ、
日本って。本当にこの間何をやっていたのかなというふうに私は思うんです。
私も十五年間政治家をやっていますが、子ども手当とか高校授業料無償化とか、そういう政策で、人生の早い時期の
支援あるいは教育への
支援、そういうことを私はもっとやれる国に早くから変えていかなければいけなかったと思うんですが、着手するのが非常に遅い。
この二つの表とグラフをごらんいただいて、生産性に関する
取組は弱過ぎると思いませんか。
今回の所信で、
中小企業に関して
三つの点が御
指摘がありましたね。より強固に、この屋台骨をと。今は全然強固じゃないと思いますよ。より強固なんというような甘い状況じゃないですよ。
そういう中で、
一つ目、二つ目、
三つ目。私も
事業承継も大事だと思っていますが、しかし、やはり経産大臣の一番肝心な仕事は、
日本の何十年も続いているこの低い生産性をどうやって上げていくかということ、少し補助金をつけたり、ちょこちょこっとやった結果数字がよくなった、そんなふうに喜んでいる事態じゃだめだと思うんですよ。
ほかの先進国とは違って、人口増による要因はもはや期待ができないんだから、ほかの国とは違う覚悟が求められると思うし、政策も求められると思いますが、
世耕大臣、改めて、この第二の表、資料を見ていただいて、どのようにお感じですか。
それからもう
一つ、次の資料をごらんください。
これは最新の白書から持ってこさせていただきました。小
規模企業に特化した白書があるわけでありますが、その中で特に、よく言われる問題の、いわゆる製造業ではない分野、それから、この
課題というのは、やはりすこぶる
中小企業、小
規模企業の
課題なんですね、生産性の問題は。そして、やはり非製造業の問題なんです。中には、大
企業並みの生産性の小
規模企業は一割ある、左側には書いてありますけれども、しかし、ここ、ちょこっと意欲のあるところに補助金をつけるようなレベルじゃないですよ、
日本。これから本当に、私は奈落の底に落ちるような国になるんじゃないかという危機感を持っているんです。
大臣、その危機感を共有していただいていると思いますが、どう思いますか。