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堀越委員 ありがとうございます。
城内副
大臣におきましては、元外交官、そしてさらに外務副
大臣を務められた前職を生かしていただいて、ぜひ交渉力を発揮していただければと思いますので、今後とも、国際
会議に臨まれて、引き続きの御活躍をお願い申し上げます。
続いて、今回の
自然環境保全法の
改正案は
沖合域の海底における
生態系の
保全を図るものでありますが、やはり
陸域の
生態系保全も、当然のことながら非常に重要だと私は
認識しております。
森は海の恋人という言葉もあるとおり、
海域の
生態系は陸地の
生態系の大きな影響下にあり、つながっているということであります。豊かな森がなければ豊かな海というものは全く育っていかない、そう言わざるを得ない
状況であると思います。
陸域においては、原生的な自然と都市との中間に位置し、人間の働きかけを通じて、多様な野生
生物が暮らす良好な
環境が形成、維持されてきました、それが里地里山であると思います。
里地里山には多くの絶滅危惧種が
生息し、また、食材や木材などの自然
資源の供給、良好な景観、文化の伝承の
観点からも重要な
地域であると思います。
環境省では、里地里山を重要な
自然環境の一つであると位置づけて、
生物多様性保全上重要な里地里山を五百カ所選定しております。
この五百カ所選定されているうち、私の生まれ故郷であります群馬県甘楽郡秋畑那須という
地域がございまして、ここに「ちぃじがき」という里があるんですが、これも非常にすぐれた里山でございます。
そしてもう一点、私の今現在の選挙区でございますけれども、桐生の鳴神山にも、重要な里地里山の一つとして選定をされております。この鳴神山は、以前私も登ったことがあるんですが、レッドリストにも登載されているカッコソウという植物がございまして、
日本全体でここにしか存在しない、そういった植物がある、非常に貴重な場所でございます。
さきに挙げました秋畑那須の集落というのは、「ちぃじがき」と呼ばれる、小さい石を組み合わせた石垣で囲まれた段々畑が非常に美しい里山なんですが、もともとここではソバをたくさんつくられていたんですね。しかし、当然、時代の流れと、そして専業農家さんがどんどんどんどん少なくなっていって、里山の景観を
保全するのが難しくなってきたということで、若い人たちや
地域の皆さん
協力をし合って、知恵を出し合って、今、現在、荒れた段々畑をよみがえらせてソバをつくっております。
ぜひ、
大臣、「ちぃじがき」、行っていただければと思いますので、そばはおいしいので、よろしくお願いします。
そして、こうしたいわゆる自然の景観を守る里地里山のように、人の手が入っているからそれが守られる、そういう
地域というものも当然多いということがここで挙げられるというふうに思います。
自然環境保全法というものは、いわゆる人為の影響をほとんど受けていない
自然環境の適正な
保全を図る
法律であります。しかし、先ほど「ちぃじがき」の例にも挙げさせていただいたように、人手が加わることによって
環境が形成、維持されてきた、こうした里地里山というものもありますので、これを同法に組み合わせることによって、
生物多様性をより一層
保全することが私はできるというふうに思っております。
そこで、里地里山における
生態系の一層の
保全を図るために、人の手が入ることで保たれる
自然環境の
保全を
目的とした
保護区を新たに創設する必要があるのではないかと考えておりますが、
環境省の見解を伺いたいと思います。