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山本一太君 ありがとうございました。
私は、
安倍外交の真髄というのは、やはりリアリストとしての外交だというふうに思っています。
例えば、日韓関係。後で少し河野
外務大臣にもお聞きしたいと思いますけれども、今、戦時中の朝鮮半島出身
労働者の方々、いわゆる元徴用工の問題でぎくしゃくしているわけですけれども、例えば
総理がまとめた慰安婦合意ですね、これも半分ちょっとちゃぶ台返しをされたわけですけれども、これは
総理が相当のリスクを懸けて決断をされたと。これは、やはり国内の保守派の方々の不安とか反発を抑えられたのは
安倍総理が決断したからだということで、私は
安倍外交の真髄はリアリストとしての外交だと思っています。
官邸でも何度か
総理に申し上げました。日本で、いろんな
考え方の人がいていいと思うんですけれども、物すごく右の人とか物すごく左の人というのは一部であって、日
本人の八割、九割は穏健な保守ですから、そこをしっかり見た上で、これまで同様にバランスのある外交を
総理に展開していただきたいというふうに私は思っています。
ずっと地元を回っていて、いろいろ
総理の外交についての意見も聞いているんですけれども、大体私の地元でもそうなんですが、みんな、
国民一般の方々は、
安倍総理よく首脳会談やっているね、とにかく外交は精力的にやっているね、トランプ大統領からの信頼が厚いらしいね、プーチン大統領と仲がいいらしいねと。(
発言する者あり)本当なんですよ、本当なんですよ、
蓮舫さん。
そういう話なんですが、いい機会なので、ちょっとこれ、
国民の皆さんにも知ってもらいたい。この第二次
安倍政権の六年間について、少し長くしゃべらなきゃいけないんで、そのことをまずちょっと
国民の皆さんにもお伝えをしたいと思います。
まず、
総理がこの六年間で訪問した国の数、七十六か国・地域、延べ百五十か国・地域で、これ、歴代
総理の中で一番です。二番は五年半やった小泉元
総理なんですけれども、小泉元
総理が四十九か国、延べ八十一か国ですから、もう倍近い国に行っているということになります。
安倍政権の外国訪問数を調べてみたら、七十六回。これは、福田政権から野田政権の五つの政権、五年三か月の外国訪問数合計四十六を大幅に上回っています。国内外での首脳会談数、約六百六十回。これ、歴代一位です。第二位が五年半やった小泉
総理の三百四十回ということで、なかなかこの記録はもう破れないかもしれないなと思います。
さらに、首脳会談の数をやればいいというものじゃないんですが、大事なことは、いわゆる今、世界が、まさしくメジャープレーヤーの人たちが首脳間のパワーゲームを展開している中で、
総理は、やはりその国際
社会のメジャープレーヤーの人たちと十分に会談を重ねてきたということが大きいんだと思うんですね。電話会談を含めて、トランプ大統領と三十四回です。そして、プーチン大統領と三十二回、ドイツのメルケル首相と二十二回、習近平国家主席と九回。これも過去の
総理に比べたら断トツだと思うんですね。
もう一つ、ちょっと
国民の皆さんにも知っていただきたいんですが、日本の首相として初めて
出席した国際
会議というのがあります。実は、私は
安倍総理の外交というものを
与党の
国会議員としてもしっかりと見てきましたが、最初の二年間は閣僚として身近に目撃をしてまいりました。
二〇一四年に、
総理が、世界経済フォーラムが主催するダボス
会議、世界の政財界の首脳が集まるこのダボス
会議で日本の
総理として初めて基調講演をやった。そのときは、
大臣として、私も科学
技術担当
大臣、IT担当
大臣として呼ばれたのでそこで拝見をさせていただきましたけれども、あの年のダボスはまさに日本のダボスで、アベノミクスへの関心が物すごく高くて、
安倍政権スタートして、GDP成長率が先進国で一番高くて、株も一番上がった。
麻生財務大臣がうなずいておられますけれども。そういうことで、本当に日本のダボスだった。これはすばらしかったと思います。
さらに、これは一五年だったと思いますけれども、二〇一四年で、一五年ですね、毎年五月に行われている、シンガポールのシャングリラホテルで行われているシャングリラ・ダイアローグというのがあって、アジアの
防衛大臣、安全保障の
会議で、これからは党内の安全保障のスペシャリストである岩屋
大臣がずっと行かれることになると思いますが、初めてシャングリラ・ダイアローグに
総理として
出席をされた。私、
大臣の時代に
総理にシャングリラに行ってくださいと何度もお勧めをして、
会議録にも残っていますけれども、このシャングリラ・ダイアローグの
総理のキーノートスピーチは、実はダボスよりも世界のメディアからキャリーされました。あの中国の南シナ海での
活動に注目が集まっていたので、
総理、これ行っていただいてよかったというふうに思っています。
何でわざわざこういうことを言うのかというと、やっぱり
国民の皆さんに分かってもらいたい。日本で見ているよりも、
総理の国際舞台における存在感というのははるかに大きいんですね。これは物すごい日本外交としてのアセットなんです。
あと一分だけしゃべります。
総理が……(
発言する者あり)分かっているんだけど、
蓮舫さん、ちょっと待ってください。
総理がアメリカのいろんな主要誌で表紙になりました。タイム・マガジンの表紙になった日本の首相はほとんどいないと思いますけど、
総理が表紙になった。
驚いたのは、エコノミスト、三回表紙になりました。これ、なかなか世界の首脳でも三回以上という人はいないんですけど、一回目は
総理がスーパーマンのように飛んでいる絵でした。これ、ダボス
会議の前だったと思いますけれども、アベノミクスに注目が集まっていた。二回目は富士山をバックにして
総理がこうやって弓をつがえている姿で、これも経済についての記事でした。三回目は日本の国旗のところに三本の矢が描いてあるやつで、これもアベノミクスの話だったということなんですね。
もう一つ、ちょっと言い忘れましたが、ワシントンで行われたアメリカ議会の上下両院の合同
会議、昔、過去の
総理で下院とか上院で演説した人はいますけれども、上下両院の合同
会議で
発言したのも
総理が初めてでした。これが本当に今、日本外交に対する大きなアセットだということを、私は日本の
国民の皆さんに分かっていただきたいと思います。
そこで、
蓮舫さんに厳しく言われたのでそろそろ質問したいと思いますが、
総理、ここまで六年
総理をやってこられたと。
麻生大臣もよく言っていますけど、やっぱり
政策を実現するためには政権基盤が強いことが大事だと、まさにそのとおりだと思います。少なくとも
総理四、五年ぐらいやらないと本当の首脳外交は展開できないと思いますが、政権が盤石であるということ、つまり政権基盤がしっかりしているということが一国のリーダーにとって外交力の源泉だと、
総理がそういうことをこの六年間で感じられたかどうかということをお聞きしたいと思います。