○糸数慶子君 今
大臣からるる答弁がございましたが、
入管法改正については、懸念が払拭されないまま、今、
国会で拙速に成立させるのではなく、やはり環境整備が整ってからでも遅くはないということを改めて申し上げたいと思います。
昨年九月、安倍総理は、国難突破解散という大義で総選挙を行いました。会見で、急速に少子高齢化が進むこの国がこれからも本当に成長していけるのか、この漠然とした不安にしっかりと答えを出してまいりますと述べられました。
しかし、安倍総理に答えを出すのは不可能だと確信しています。なぜなら、漠然とした不安と捉えていること
自体、危機感が足りないのではないかと言わざるを得ません。
二〇〇五年の合計特殊出生率が過去最低の一・二六であったことが公表された当時、安倍総理は政権の中枢にいらっしゃいました。多様な家族の否定にも奔走されていました。女性が子供を産まない、産めなかったのは、結婚や出産適齢期である層が経済的に不安定だったことや子供に対する負担感が増大していたことが要因であったにもかかわらず、当時、家族のきずなの再生に奔走されていたのが安倍総理を中心とした方々であったということをここで改めて申し上げておきたいと思います。
次に、
家庭裁判所の充実について
最高裁にお伺いをいたします。
昨年十二月七日の給与法改正と今年四月十日の定員法改正の法案
質疑で、
家庭裁判所の充実について伺いました。
訴訟事件件数の中で家事事件のみが増加傾向にあり、その事件
内容も複雑化し、
当事者やその子供の中には精神的課題を抱えた人も増えており、紛争の自律的解決としての調停合意に向けて困難な状況もあることから、専門性を持つスタッフの果たす役割が大きいと期待されている、家事事件の増加に伴い、
調査官、医務室技官を増員する必要があるのではないかというふうに伺いました。
十二月七日の答弁では、
家庭裁判所全体としての事件動向を見ると、少年事件はこの十年間だけでも約三分の一程度に減少し、家事事件の事件動向を考慮しても、現時点で
家庭裁判所調査官や医師等について、現有人員の有効活用によって全体としては適正迅速な処理を図ることが可能であるというふうに答弁されました。
そこで、四月十日、家事事件は金銭と感情の絡む事件、紛争であり、紛争のポイントを見極めた上で丁寧な事案の進行を行う必要がある、
当事者の納得を得た解決でなければ、事件終了後、履行が確保されない、迅速、合理的な事件処理が紛争解決として必ずしも妥当しないのではないかと
質問したところ、
家庭裁判所におきましては事案に応じてその適正な審理に努めていると答弁をされました。
そこで、改めて伺います。
二〇一七年度でも家事事件は増加し、事件
内容、
当事者も多様化、複雑化しております。その背景には、高齢社会の中で能力、
判断が低下した高齢者の増加による成年後見事件の増加、この成年後見事件だけでなく、既に開始した事件について、後見監督処分、後見人の
報酬請求事件なども含みます。遺産分割事件、相続放棄申立てなど被相続人の高齢化に伴う相続事件の多様化、複雑化を伴う増加、また、離婚、婚姻費用分担事件、未成年の子に関わる養育費、面会交流事件、家族
関係の多様化により夫婦
関係事件では高葛藤事案が含まれ、さらに、子供の
利益を踏まえた紛争解決の
必要性があるなど、
家庭裁判所の役割は増大しています。
そのため、
家庭裁判所としても様々な努力を行っていると伺っていますが、例えば、各
家庭裁判所で親ガイダンスの取組など始まっています。しかしながら、
家庭裁判所の人的、物的充実は十分とは言えません。
そこでお伺いいたしますが、
最高裁に人的な充実についてお伺いします。
家事事件について専門性を有する
調査官を始め、スタッフを充実させる必要があると思いますが、
最高裁の御見解を伺います。