○
大野泰正君 自民党の
大野泰正でございます。
今日は、
委員長を始め理事の皆さんの御理解をいただきまして質問の時間いただいたことをまずは感謝を申し上げます。また、両
大臣、ありがとうございます。
私は、今も
お話がありましたが、まず、もう本当に年が明けますとラグビーワールドカップ、そして二〇二〇年の
オリンピック、
パラリンピックがもう目の前に迫ってまいります。成功に向けて一層の機運の醸成を図ることはもとより、今回の
オリンピック、
パラリンピックのレガシーとして次の世代への贈物ができるかが問われてきていると思います。
様々な分野で
オリンピックレガシーを伝える努力が既にされていると思いますが、私は、ここで命の源である食について少し考えさせていただきたいと思います。
和食文化は、ユネスコの無形文化遺産、いわゆる世界遺産として全世界で認められ、
日本食ブームを起こし、今日、
日本からの農産品の輸出は右肩上がりであります。
しかしながら、国内に目を向けますと、いわゆるフードロスの問題や食料の持続
可能性に重大な負荷を掛けている
状況があり、これを改善し、持続可能なものにしていかなくてはなりません。
世界の潮流は、皆さん御存じのとおり、二〇一五年に国連でSDGsが採択され、二〇一六年、
政府も
推進本部をつくって現在
推進しているところであります。今日、あらゆる分野において持続
可能性がキーワードになっていると言っても過言ではないと思います。
今日までに私たちは、大量生産、大量消費で限りある資源を消費して生きてきました。持続可能な地球を次の世代に手渡していくために、私たちの意識
改革、そして何よりも行動が必要だと思います。例えば食料も、正確な
知識に基づいた、安心、安全で生産方法も持続可能な食料を消費者が選択して、資源を次世代へつなげていくことが求められています。絶滅危惧種に指定された水産物や違法性が
指摘されている水産物の過剰漁獲や過剰消費を見直すなど、私たちの意識が変わることが大切であります。
ちょうど今参議院でも審議中でありますが、今回の提出されている漁業法の改正では、漁業の持続
可能性の
確保が初めて明記されました。
現行の捕り放題、早い者勝ちの漁業から最大持続生産量に基づく国際水準の資源管理、そして厳格な総漁獲可能量に基づく数量管理へ移行することになります。これは先進国では既にスタンダードとなっていますので、一日も早い成立が望まれています。今回の改正は
日本漁業が持続可能な漁業となるための大変に重要で時代に沿った改正であり、
関係者の御努力に敬意を表するとともに、速やかな成立を心から期待しています。
今回の改正の意義を生かすためにも、
東京オリンピック・
パラリンピックにおいても、ロンドン、リオ大会と同様、持続
可能性に
配慮した組織
委員会の調達コード、基本原則を精査し、水産物であれば国連FAOの責任ある漁業のための行動規範を遵守するとともに、私たちの食を足下から見詰め直す機会とし、ここから
日本の食料調達が真に持続可能な基準となることが
東京オリンピック・
パラリンピックのレガシーとなると思います。
しかしながら、
現状では、水産物においては現在MELがGSSIに本年九月に申請を出したという
状況であり、
現状では国際水準として承認はされていません。また、
調達基準の中に、行政機関による確認を受けたものに基づいて行われる漁業という理解が非常に難しい
規定があるため、現在の調達コードに明快な科学的メソドロジーが不在のため、市場がかえって混乱を起こしています。
野菜の方はグローバルGAPとアジアGAPの認証を進め、先日、アジアGAPがGFSI承認を取得しました。水産物も何とか頑張って世界基準を満たしてほしいと思っています。
この
状況で、私の元にはケータリング会社等から、特に水産物について、
現状の調達コードでは国際的認証のない独自の国内基準も認めてしまっているが、世界の
人々が集う場においては自分たちの責任として国際認証で持続
可能性が確認できたものを使わなくては責任を果たせないという声が届いています。つまり、
現状の東京オリパラの
調達基準では、先ほど申し上げたとおり、世界的には認められていない国内基準も持続
可能性に
配慮した調達コードとして認めてしまっているため、かえってほとんどの国内水産物が持続
可能性を証明できない
状況になっています。本来は全て
日本の食材で世界の方々をお迎えし、おもてなししたいという思いはあっても、
現状では漁獲証明の付いた輸入品に頼らざるを得ないと苦しんでいらっしゃいます。
このような
状況を打開するためにも、今回の漁業法の改正を受けて、国内の水産物が国際基準で承認されるよう
日本の基準を整備し、世界の
人々を安心、安全で持続可能な漁業で捕れた国内水産物でおもてなしできるよう、矛盾を抱えた
現状の
調達基準を早急に見直し、一日も早く国際的に通用するようにすべきです。開会式まで時間はありませんが、
関係者の御努力をお願いしたいと思います。
現在の
調達基準のように、基準を緩和し
現状に合わせるということは本末転倒であります。漁業法の改正を生かし、次世代へ安全、安心で持続可能な食を伝えていく努力は、必ず
東京オリンピック・
パラリンピックのレガシーとなり得ると思います。食料の
調達基準の見直しを含め、
東京オリンピック・
パラリンピックのレガシーをつくり出し、次世代への贈物とする
取組について、櫻田
大臣の御決意を伺いたいと思います。