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2018-11-13 第197回国会 参議院 農林水産委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
平成
三十年十一月十三日(火曜日) 午後一時八分開会 ─────────────
委員氏名
委員長
岩井
茂樹
君 理 事
中泉
松司
君 理 事
田名部匡代
君 理 事 紙
智子
君
礒崎
陽輔君
上月
良祐君
進藤金日子
君 堂故 茂君
野村
哲郎
君
平野
達男
君
藤木
眞也君
山田
俊男
君
谷合
正明
君
横山
信一
君
小川
勝也
君
鉢呂
吉雄
君
徳永
エリ
君
舟山
康江
君
儀間
光男
君 森
ゆうこ
君 ─────────────
委員長
の
異動
十月二十四日
岩井茂樹
君
委員長辞任
につき、そ の
補欠
として堂故茂君を議院において
委員長
に
選任
した。 ─────────────
委員
の
異動
十月二十四日
辞任
補欠選任
中泉
松司
君
高野光二郎
君
谷合
正明
君
佐々木さやか
君
横山
信一
君
里見
隆治
君
舟山
康江
君
藤田
幸久
君 十一月十二日
辞任
補欠選任
藤田
幸久
君
森本
真治
君 十一月十三日
辞任
補欠選任
山田
俊男
君
今井絵理子
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
堂故 茂君 理 事
上月
良祐君
藤木
眞也君
田名部匡代
君 紙
智子
君 委 員
礒崎
陽輔君
今井絵理子
君
岩井
茂樹
君
進藤金日子
君
高野光二郎
君
野村
哲郎
君
平野
達男
君
佐々木さやか
君
里見
隆治
君
小川
勝也
君
鉢呂
吉雄
君
徳永
エリ
君
森本
真治
君
儀間
光男
君 森
ゆうこ
君
国務大臣
農林水産大臣
吉川
貴盛君 副
大臣
農林水産
副
大臣
小里
泰弘
君
農林水産
副
大臣
高鳥
修一
君
大臣政務官
農林水産大臣政
務官
濱村
進君
農林水産大臣政
務官
高野光二郎
君
事務局側
常任委員会専門
員 大川
昭隆
君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
国政調査
に関する件 ○
農林水産
に関する
調査
(
派遣委員
の
報告
) ─────────────
堂故茂
1
○
委員長
(堂故茂君) ただいまから
農林水産委員会
を開会いたします。 議事に先立ち、
一言
御
挨拶
を申し上げます。 去る十月二十四日の本
会議
におきまして
農林水産委員長
に
選任
されました堂故茂でございます。 本
委員会
の運営につきましては、
理事
を始め
委員各位
の格別の御
指導
、御
協力
をいただきまして、公正かつ円満に行ってまいりたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) ─────────────
堂故茂
2
○
委員長
(堂故茂君)
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 昨日までに、
川田龍平
君、
舞立昇治
君、
横山信一
君、
谷合正明
君、
舟山康江
君及び
中泉松司
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
鉢呂吉雄
君、
里見隆治
君、
佐々木さやか
君、
高野光二郎
君、
森本真治
君及び私、堂故茂が
選任
されました。 また、本日、
山田俊男
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
今井絵理子
君が
選任
されました。 ─────────────
堂故茂
3
○
委員長
(堂故茂君)
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が二名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
委員長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堂故茂
4
○
委員長
(堂故茂君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
上月良祐
君及び
藤木眞也君
を指名いたします。 ─────────────
堂故茂
5
○
委員長
(堂故茂君)
国政調査
に関する件についてお諮りいたします。 本
委員会
は、
今期国会
におきましても、
農林水産
に関する
調査
を行いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堂故茂
6
○
委員長
(堂故茂君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
堂故茂
7
○
委員長
(堂故茂君) この際、
吉川農林水産大臣
、
小里農林水産
副
大臣
、
高鳥農林水産
副
大臣
、
濱村農林水産大臣政務官
及び
高野農林水産大臣政務官
から
発言
を求められておりますので、順次これを許します。
吉川農林水産大臣
。
吉川貴盛
8
○
国務大臣
(
吉川貴盛
君)
農林水産委員会
の開催に当たりまして、
所管大臣
として
考え方
の一端を申し述べます。 この度、第四次
安倍改造内閣
の発足に当たりまして、
農林水産大臣
を拝命いたしました。
委員
の
皆様
の御
指導
を賜りながら、
大臣
としての
職責
を果たしてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 冒頭、
大阪北部地震
、本年七月の
豪雨
、
台風
二十一号、
北海道胆振東部地震
などの度重なる
災害
によりお亡くなりになった
方々
に心からお悔やみ申し上げるとともに、
被災
された全ての
方々
にお見舞い申し上げます。 私は、
大臣就任
直後から、大阪府、和歌山県、
北海道
、愛媛県、
広島
県及び
岡山
県を訪問し、今般の
被災
の
状況
をこの目で確認してきました。
経営再開
に向けて、ひたむきに取り組む
皆様
と言葉を交わし、
農林水産業
をなりわいとして取り戻していただくために万全の対応を取らなければならないと痛感しました。
被災
された
農林漁業者
の
方々
が一日も早く
経営
再建できるよう、
全力
で取り組むとともに、
災害
に強くしなやかな国の
実現
に向け、
治山
、
ため池
の
改修
など、防災・
減災
、
国土強靱化
のための
緊急対策
を今後三年間で集中的に実施いたします。 以下、
農林水産行政
に関して、私の基本的な
考え方
について申し述べます。
農林水産業
は国の基であり、国民に食料を安定的に供給するとともに、
地域
の経済を支え、活力ある
地域社会
を維持するために大きな役割を果たしています。先人の
方々
が厳しい
自然環境
の中で苦労を重ね、創意工夫しながら営々と続けてきた
農林水産業
こそが、現在の
農山漁村
をつくり上げてきました。こうして築き上げられた
我が国
の誇るべき
農林水産業
、
農山漁村
を
次世代
に継承することは、今を生きる我々の責務です。 一方、
我が国
の
農林水産業
は、
人口減少
に伴うマーケットの縮小や、
農林漁業者
の
減少
、
高齢化
の進行など、厳しい
状況
に直面しています。このような中で
農林水産業
を将来にわたって維持し、更に発展させるためには、
世界
に評価される和食や美しい
農山漁村
の風景など、
農林水産業
の有する
潜在力
を最大限引き出し、
若者
が夢や
希望
を託すことができる魅力ある
成長産業
にしていかなければなりません。 このため、
安倍内閣
においては、
農林水産業全般
にわたる
改革
を
推進
してきており、
農林水産物
・
食品
の
輸出額
が五年連続で過去
最高
を更新し、
生産農業所得
は過去十八年で
最高
に達するなど、これまでの
改革
の
成果
が着実に現れ始めています。 引き続き、
改革
の
取組
を確実に前進させるとともに、それが
農林漁業者
の
所得向上
につながるよう
全力
で取り組んでまいります。 以下、具体的な施策を申し述べます。 まず、
農業
についてです。
農業
を持続的に発展させるためには、何よりも
次世代
の
担い手
を
育成
、
確保
していく必要があります。就農の
検討
・
準備段階
から
経営
を確立するまでの総合的な
支援
や、営農しながら
経営ノウハウ
を学ぶ
農業経営塾
の
活用等
により、
若者
や女性を始め多様な人材の
育成
、
確保
を進めます。
担い手
への
農地集積
、
集約化
の切り札として創設した
農地集積バンク
については、
農地集積
、
集約化
のスピードを更に加速していくため、
農地中間管理機構法施行
後五年
見直し
の中で、人・
農地プラン等
の
地域協議
の
活性化
、
機構
の手続の
簡素化
、他の
農地集積手法
の
見直し等
の
検討
を進めます。
農業
の
競争力強化
や
農村地域
の
国土強靱化
を
実現
するためには、
生産基盤
を強化する必要があります。
農地
の大
区画化
、
汎用化
、
農業水利施設
の
長寿命化
や
ため池等
の
豪雨
・
耐震化対策
を
推進
します。
農業者
の
努力
で解決できない構造的な問題を解決するため、引き続き、
生産資材業界
や
流通加工業界
の再編、参入を促進するとともに、
各種法制度
の点検を
推進
します。
行政
による
生産数量目標
の配分を廃止した
米政策
については、米の需給及び価格の安定を図っていくため、需要に応じた
生産
、販売を促していく必要があります。引き続き、
水田フル活用
に向けた
支援
、きめ細かい
情報提供等
を行います。 五年間の
農協改革集中推進期間
の期限が残り一年を切りました。
農林水産省
としても、
農業者
の
所得向上
に
全力
投球できる農協を
実現
するため、
JAグループ
が
自己改革
の
取組
を着実に進め、具体的な
成果
を上げるよう、継続的にフォローアップし、
改革
に
協力
してまいります。 ロボット、AI、IoT、ド
ローン等
の
先端技術
は、
農業
の
生産性
を飛躍的に高めるための
起爆剤
となります。
世界トップレベル
の
スマート農業
を
実現
するため、新
技術
の開発や実証、実装を強力に
推進
します。
先端技術
を
生産
から出荷まで一貫した体系として導入することや、
経営分析等
を行うとともに、新
技術
の
現場
での速やかな普及を図るなど、総合的に
推進
してまいります。
人口減少
が進む中、
我が国
の
農林水産業
は、国内の一億人だけではなく、
世界
の七十五億人を見据えた
輸出産業
への転換が必要です。
平成
三十一年の
輸出額
一兆円目標の達成、そして、更なる
輸出
の飛躍に向け、海外の
規制
やニーズに対応した
産地づくり
や
輸出業者
とのマッチングへの
支援
、
輸出先国
による
規制
の撤廃、緩和に向けた
働きかけ等
を行ってまいります。
農山漁村
は、
都市
に先駆けて
人口減少
、
高齢化
が進行しており、その
活性化
は待ったなしの
課題
です。中
山間地域
を始め
農山漁村
に住む皆さんの元気が出るよう、
地域
で受け継がれてきた豊かな
資源
を
活用
した六次
産業化
の展開、農泊を
中心
とした
都市
と
農山漁村
の交流の
推進
、
鳥獣被害対策
や安全で良質なジビエの
利活用
など、
地域
の特色を生かした多様な
取組
を総合的に
推進
いたします。 食の安全と
消費者
の信頼を
確保
するため、引き続き、
科学的根拠
に基づく
食品
の
安全性確保
と正確な
情報伝達
による
消費者
の
信頼確保
に取り組みます。本年九月に岐阜県で
豚コレラ
が発生しましたが、患畜等の迅速な処分や
野生動物
の農場への
侵入防止
の
徹底等
により、蔓延を防止しました。今後も、動植物の
防疫措置等
に万全を期してまいります。
TPP
11
協定
や
日EU
・
EPA
については、総合的な
TPP等関連政策大綱
に基づき、これまでの実績の検証を踏まえた所要の
見直し
を行いながら、
体質強化対策
を実施するとともに、
協定発効
に合わせて
経営安定対策
を実施してまいります。また、
日EU
・
EPA
の締結に必要な
法整備
として、
特定農林水産物等
の名称の保護に関する法律の一部を改正する
法律案
を今
国会
に提出いたしましたので、御
審議
をお願いいたします。 本年九月に
交渉開始
が合意された
日米物品貿易協定
については、
農林水産品
について、過去の
経済連携
で約束した
市場アクセス
の
譲許内容
が最大限であるという
日本側
の立場を尊重するとの
日米共同声明
を踏まえて、
我が国
の
農林水産業
の
維持発展
を旨として、
関係
府省と
連携
し、交渉に臨みます。
林業
と
水産業
についても、海や山の
潜在力
を十分に引き出し、
地域
の
活力向上
につなげるための抜本的な
改革
を実行に移します。
林業
については、戦後造成された
人工林
が本格的な
利用期
を迎える中、
林業
の
成長産業化
と
森林資源
の適切な
管理
を図るためには、
国産材
の
安定供給体制
の構築と
木材需要
の拡大を促進することが必要です。 このため、新たな
森林管理システム
を着実に実施するとともに、川上、川中、川下の
事業者
の
連携
による木材の
生産流通構造改革
を
推進
してまいります。また、
国有林野
については、
一定区域
において、
国有林野
の有する
公益的機能
を維持しつつ、
民間事業者
が長期、大ロットで立木を伐採、販売できる仕組みの整備に向けて
検討
を進めます。
水産業
については、
水産資源
の適切な
管理
と
水産業
の
成長産業化
を両立させ、
漁業者
の
所得向上
と
年齢バランス
の取れた
漁業就業構造
を確立するため、本年六月に決定された「
水産政策
の
改革
について」に即して、
改革
を
推進
いたします。 具体的には、国際的に見て遜色のない新たな
資源管理システム
を構築するとともに、
産地市場
の
統合等
により
競争力
のある
流通構造
を確立いたします。また、
漁獲量
による
資源管理
の導入に併せ、
トン数制限
の
規制
から転換します。
大型化
を可能とすることで漁船の
安全性
、
居住性等
を向上させ、
若者
に魅力ある
生産性
の高い
漁業
を
実現
します。さらに、
海面利用制度
を
見直し
、
漁業権付与
のプロセスの
透明化
や漁場の適切、有効な
活用
の
促進等
を図ります。 これらの
改革
を確実に
推進
するため、
関連法案
を今
国会
に提出いたしましたので、御
審議
をお願いいたします。
大臣就任
後の初めての
訪問先
は福島県でした。
原発事故
により避難を強いられた中でも、
共同
で先進的な
経営
に取り組む
畜産農家
の
方々
に話を伺い、
復興
に向けて確実に前進していると実感しました。
東日本大震災
、
熊本地震
を始めとした
地震
や、重なる
豪雨
、
台風災害
で
被災
されても、諦めることなく、前向きに取り組む
農林漁業者
の
方々
を後押しするため、
地域ごと
の多様な
課題
に対応したきめ細かな
支援
を行います。
被災者
の
方々
の気持ちに寄り添い、単なる
復旧
にとどまらない、将来を見据えた
復興
、創生を
実現
できるよう
全力
で取り組んでまいります。 以上、
農林水産行政
に関する基本的な
考え方
を申し上げました。 豊かな
食生活
とそれを支える
農山漁村
を
次世代
に引き継ぐため、攻めの
農林水産業
を展開し、強い
農林水産業
と美しく活力ある
農山漁村
を
実現
する。そのことを通じて、
食料自給率
を向上させ、
食料安全保障
の
確保
を図ります。 堂故
委員長
を始め
委員各位
に、重ねて御
指導
、御
鞭撻
を賜りますようお願い申し上げます。 ありがとうございました。
堂故茂
9
○
委員長
(堂故茂君)
小里農林水産
副
大臣
。
小里泰弘
10
○副
大臣
(
小里泰弘
君) この度、
農林水産
副
大臣
を拝命いたしました
小里泰弘
でございます。
吉川大臣
の下に、
高鳥
副
大臣
、
濱村大臣政務官
、
高野大臣政務官
とともに、特に
若者
が将来へ向けて夢と
希望
の持てる、そんな
農林水産業
の
実現
に力を尽くしてまいります。 堂故
委員長
を始め
委員各位
の御
指導
、御
鞭撻
のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
堂故茂
11
○
委員長
(堂故茂君)
高鳥農林水産
副
大臣
。
高鳥修一
12
○副
大臣
(
高鳥修一
君) この度、
農林水産
副
大臣
を拝命いたしました
高鳥修一
でございます。
吉川大臣
をお支えし、
小里
副
大臣
、
濱村政務官
、
高野政務官
と力を合わせ、
農林水産業
の
潜在力
を引き出し、
地域
の
活力向上
につながるよう
努力
をいたしてまいります。 堂故
委員長
を始め
委員各位
におかれましては、御
指導
、御
鞭撻
を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
堂故茂
13
○
委員長
(堂故茂君)
濱村農林水産大臣政務官
。
濱村進
14
○
大臣政務官
(
濱村進
君) この度、
農林水産大臣政務官
を拝命いたしました
濱村進
でございます。
吉川大臣
の下、
小里
副
大臣
、
高鳥
副
大臣
、
高野大臣政務官
と一丸となって、豊かな
食生活
、それを支える
農山漁村
を次の世代に受け継ぐために、
農林水産業
、
農山漁村
の
活性化
に誠心誠意努めてまいります。 堂故
委員長
を始め
理事
、
委員各位
の御
指導
、御
鞭撻
賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
堂故茂
15
○
委員長
(堂故茂君)
高野農林水産大臣政務官
。
高野光二郎
16
○
大臣政務官
(
高野光二郎
君)
農林水産大臣政務官
を拝命いたしました
高野光二郎
でございます。
吉川貴盛大臣
の下、
小里
副
大臣
、
高鳥
副
大臣
、
濱村大臣政務官
と一致
協力
して、
農林水産業
に
活力
を取り戻し、魅力ある
成長産業
にすることができるよう、精いっぱい
努力
をしてまいります。 堂故
茂委員長
を始め
委員
の
先生方
、御
指導
、御
鞭撻
のほど、何とぞよろしくお頼み申し上げます。
堂故茂
17
○
委員長
(堂故茂君)
大臣
、副
大臣
及び
大臣政務官
は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
堂故茂
18
○
委員長
(堂故茂君)
農林水産
に関する
調査
を議題とし、
派遣委員
の
報告
を聴取いたします。
岩井茂樹
君。
岩井茂樹
19
○
岩井茂樹
君
報告
に先立ち、
一言
御
挨拶
を申し上げます。
委員長在任
中は、
理事
及び
委員
の
皆様方
の御
協力
によりまして、その
職責
を全うすることができました。心から御礼を申し上げます。 なお、引き続き本
委員会
に籍を置くことになりました。今後とも、是非ともよろしくお願いいたします。 本年は、
平成
三十年七月
豪雨
、
台風
、
地震
と、大きな
災害
が相次いで発生しております。まずもって、
災害
の犠牲となられました
方々
の御冥福をお祈り申し上げますとともに、
被災者
の
皆様
に心よりお見舞いを申し上げます。
委員派遣
の御
報告
を申し上げます。 去る八月二十九日、
広島
、
岡山
の両県におきまして、
平成
三十年七月
豪雨
による
農林水産関係被害
の
状況等
に関する実情を
調査
してまいりました。
派遣委員
は、当時の
中泉理事
、
舞立理事
、
田名部理事
、
紙理事
、
進藤委員
、
野村委員
、
平野委員
、
山田委員
、
横山委員
、
徳永委員
、
小川委員
、
川田委員
、
儀間委員
、
森委員
及び私、
岩井
の十五名であります。
平成
三十年七月
豪雨
は、西日本を
中心
に、
全国
で生命、財産に大きな
被害
をもたらしました。特に、
広島
、
岡山
の両県での
被害
は甚大であります。
全国
の
農林水産関係被害額
は、九月末時点で三千億円弱、このうち
広島
県は七百七十億円、
岡山
県は二百十億円をそれぞれ超えております。 以下、
派遣
の概要について申し上げます。 まず、
広島
県に赴き、
広島中央農業協同組合
が
三原
市大和町に所有する
農業用共同利用施設
の
被害状況
を視察しました。
被災
した
カントリーエレベーター
は、裏山の
土砂
崩れにより、建物及び
装置等
に大きな
被害
が生じておりました。米の
収穫
時期に間に合うよう再稼働するべく、
組合
において
全力
で
対応
された結果、仮
復旧
ではあるものの、九月一日からの荷受けを可能とし、
最盛期
にも
対応
し得るまでに至ったとのことでありました。 しかしながら、
施設
の脇に積み上がった大量の
土砂
の
撤去
が急がれるほか、雨天時の安全を
確保
するための
措置
が必要な
状況
でありました。 こうした
状況
を踏まえ、
組合
からは、早急な
土砂処分
に向けた
行政
間の
連携
、
災害復旧事業
における柔軟な
認定等
を
内容
とする
要望
が、また、
天満三原市長
からは、
災害復旧事業
の実施に向けた
人的支援
、
治山
、砂防、
農地災害復旧
の各
事業
が
連携
した総合的な
防災対策等
を
内容
とする
要望
があり、それぞれ
要望書
を受け取りました。 その後、近隣の
被災
した
水田
を視察しました。
組合
としては、
復旧工事
に合わせて
圃場整備
も行い、より効率的な
農業
を可能にするべく、
農家負担
のない
農地中間管理機構
の
事業
も
活用
していきたいとのことでありました。
派遣委員
との間では、
災害対策事業
の
現場
に即した運用、自治体に対する
人的支援
の在り方、
被災
した
農林漁業者
への
相談体制
の
充実等
について
意見
が交わされました。 次に、福山市草戸町に赴き、
豪雨
で
決壊
した
農業用ため池
を視察しました。 視察した堂ノ
奥池
は、
築造年代
が不明な古い
ため池
であり、近年は、
利用者
が離農したため
管理
が行き届かず、堤に生えた大木の根に起因する
パイピング現象
により
決壊
したと推察されております。
広島県内
には約二万か所の
ため池
がありますが、堂ノ
奥池
と同様に、適切な
管理
が行われていないことを
原因
とする
決壊
が多かったとのことです。 このため、同県では、
利用
を継続する
ため池
については、
改修工事
を行って
安全性
及び
管理
の
利便性
を高めるとともに、
利用
されない
ため池
については、
関係者
の
協議
を経て、適切に廃止していきたいとのことでありました。また、
ため池
の
存在
を知らない
周辺住民
が増えてきたことから、
避難行動
につながるよう、
ため池
の
存在
及び
決壊
の
危険性
を周知していきたいとのことでありました。
派遣委員
との間では、近代的な
ため池
への
早期
の
改修
、
ため池ハザードマップ
の
策定状況等
について
意見
が交わされました。 次に、
岡山
県に赴き、倉敷市
真備
町において
農業用排水機場
の
被害状況
を視察しました。
真備
町及び
周辺地域
では、
小田川
及びその支川の
決壊等
により、最大五メートルもの
浸水
に見舞われ、多くの尊い
人命
が失われるとともに、
家屋
や
水田等
が
被災
しました。
小田川沿岸
には、
県営事業
で造成された
農業用排水機場
が十五か所ありますが、視察した
服部排水機場
を含む十四か所が
被災
しました。天井川に囲まれたこの
地域
において、
排水機場
は、
農地
のみならず、
人命
、
家屋等
を守っており、その
早期復旧
が不可欠であります。このため、
岡山
県は、
管理者
である
関係市町
からの委託を受け、
県対応
にしたとのことであります。 九月の
台風シーズン
前に全ての
排水機場
の能力を
復旧
するべく、
応急工事
が急がれていました。
本格復旧
が完了するのは、
平成
三十二年三月末とのことであります。
派遣委員
との間では、
排水機場
の
浸水対策
、大
規模氾濫
の
減災
に向けて堤防の一部を低くした
越流堤
を設置する
必要性等
について
意見
が交わされました。 次に、
総社
市
福谷地区
に赴き、
樹園地
の
被害状況
を視察しました。
福谷地区
は、
県特産
のマスカット・オブ・アレキサンドリアや
贈答用
の桃の
産地
であります。
高梁川
の
氾濫
により、
収穫期
を迎えた果実を失ったほか、ハウスや
樹体
の損壊、圃場の表土の流出など
生産基盤
の
被害
に見舞われました。
岡山西農業協同組合
及び
生産農家
からは、
早期
の
営農再開
に向けた
支援
、
洪水対策
として
農地
の
復旧
に際し一・五メートル程度のかさ上げ、
洪水防止
に向けた
高梁川
の樹木の
撤去等
を
内容
とする
要望
がありました。 また、
片岡総社市長
からは、
農林水産省
が農機具などの
補助率
を早々に明示したことが
被災農家
の
営農意欲
を取り戻す契機となり感謝していること、
高梁川
の
洪水対策
を早急に講じる必要があること、
高梁川
の
洪水
を
原因
とする
アルミ工場爆発
という
複合災害
の
被災者
を
支援
するよう国に
要望
していること等の
発言
がありました。
派遣委員
との間では、
災害復旧事業
における
農地
かさ上げの方策、出荷できるまでの未
収益期間
における
収入対策等
について
意見
が交わされました。 次に、
岡山県庁
に赴き、
伊原木知事
と
意見交換
を行いました。
伊原木知事
からは、現時点での
被害額
は百九十六億円であるが、
被災現場
にたどり着けず
被害調査
ができていない場所もあることから今後増える見通しであること、複合的な
災害
も発生しており、
被害
形態ごとに必要な
支援
が
現場
の実態に即した形でなされる必要があること等の
発言
がありました。
派遣委員
との間では、
林業
関係
の
被害状況
、
現場
のニーズに合った
災害
対策の
内容
及び
課題
、
被災者
生活再建
支援
法に基づいた
複合災害
への
対応
策、永年作物の未
収益期間
における農家の複合
経営
等について
意見
が交わされました。 以上が
調査
の概要でありますが、
広島中央農業協同組合
及び
三原
市から提出されました
要望書
につきましては、本日の
会議
録の末尾に掲載していただきますよう、
委員長
のお取り計らいをお願い申し上げます。 今回の
派遣
を通じ、
被害
の大きさと
復旧
復興
の難しさ、そして、
農林漁業者
の
事業
の再開と継続に向けた意欲が損なわれないよう適時適切な
支援
を講じることの必要性を痛感しました。 自然
災害
が続く今、
食料
安定供給の責務を果たすため、
現場
からも
要望
がありましたように、
災害
復旧
に際しては、長期的な視点に立ち、より
災害
に強い
生産基盤
を
整備
するとともに、平時から気候変動等に
対応
した
生産
・物流体制を構築していくことの重要性を改めて強く認識する次第であります。 最後になりましたが、今回の
調査
に当たり御
協力
いただきました
皆様方
に厚く御礼を申し上げるとともに、
広島
、
岡山
の両県を始め、
全国
の
被災
地の一日も早い
復旧
復興
を心よりお祈り申し上げ、
派遣
報告
といたします。 以上でございます。
堂故茂
20
○
委員長
(堂故茂君) 以上で
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 なお、ただいまの
報告
の中で要請のございました現地からの
要望書
につきましては、本日の
会議
録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
堂故茂
21
○
委員長
(堂故茂君) 御
異議
ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十分散会