○大串(博)
委員 無所属の会の大串でございます。
早速
質問させていただきたいと思います。
漁業法の
改正でございます。
漁業者の皆様にとって
漁業権というのは、私は、まさに命よりも大切な、
自分たちの生業を可能とする基礎の問題だと思います。だからこれだけ大きな課題となっているわけでございまして、その点からいって、
漁業権というものは何なのかというところからまず議論をさせていただきたいと思います。
といいますのは、先般、七月の末に、私、何回か取り上げました諫早湾干拓の開門の問題に関しまして、裁判所が、福岡高裁ですけれども、
一つの判決を出しました。
どういう判決かというと、開門を求める原告の方々がいらっしゃって、開門判決は確定しております。これがなかなか行われないということで、ぜひこれをやってほしいということで、当然、確定判決があると、これを執行してもらう、強制執行という段に話がなります。間接強制ということで、間接強制金が国に対して、開門してないじゃないかということで間接強制金が課せられていた、こういう
状況にある。この間接強制のあり方に関して、間接強制をしろということが、原告の皆さん、できるのかという、いわゆる開門請求権自体も含めて問われた裁判だったんですけれども、そこでの判決は、開門してくれという原告の皆さんに対して、開門請求権は認められない、こういう判決だったんです。
その
理由が私は極めて問題だったと思っているんです。どういう
理由だったかというと、漁民の皆さんです、この漁民の皆さんの
漁業権、今回議論になっているように、当然期限がある。期限があるので、この原告の皆さんの
漁業権は、
平成二十五年八月三十一日という免許期間の経過によって消滅したんだ、
漁業権が消滅してしまったんだと。よって、この方々は、もう二十五年八月三十一日以降は開門してくれと言えない。被害は起こっていないから、もうこの人
たちは
漁業権を持っている人
たちじゃないから、開門してくれということは言えないということになったんです。
漁業権はこんなものなんでしょうか。期限が来たらなくなる、自動的に。その後は、その
漁業権に基づいて、
漁業をさせてくれ、逆に言うと、
漁業ができないのであったら、何で
漁業ができないんですかと。それに対して、何がしかの障害があって
漁業ができないんだったら、障害をはねのけてくれという権利は、ある期限が来たらなくなっちゃうんでしょうか。
そこで、政府にお尋ねします。
これまでも、
漁業ができなくなる
状況というのはありました。公共事業等々が行われて、公共用地の取得に伴って
漁業ができなくなる、よくあります。こういった場合に、どうやって国が損失
補償するかという
基準があります。公共用地の取得に伴う損失
補償基準要綱、これは、国土交通省が定めている、閣議決定されている
基準です。
この十七条には、
漁業権等の消滅に係る
補償、つまり、公共事業によって
漁業ができなくなる、
漁業権がなくなってしまう、
漁業ができなくなるわけですから、その場合に対する
補償としてどういうふうにするかということが書かれています。これは、当該権利を行使することによって得られる収益、将来得られるですよ、当該権利を行使することによって得られる収益を資本還元した額を
基準とする、当該権利に係る水産
資源の将来性等を考慮して算定した額、将来性、こういうことです。
国土交通省にお尋ねしますけれども、これは、例えば、ある方の
漁業権が二年後に切れちゃう、そういうときに
漁業ができなくなっちゃう公共工事を行っている、そういった場合に、今まで、この
補償の要綱に基づく対応においては、あなたの
漁業権は
あと二年で切れるから、二年分しか
補償しませんよということを国土交通省はやってきたんですか。