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松山政府参考人 お答え申し上げます。
洋上風力発電のような新しい発電技術の本格的な
導入を進めていくに当たりましては、まず、
日本の海上
風況における
発電設備の設置や運営に関しまして実証実験を行い、さまざまな実証データと知見を蓄え、これを生かしていくことが、その後の
導入の基盤を築く上で重要だと
認識してございます。
経済産業省では、これは着床式と浮体式、
先生からも御
指摘がございましたけれども、二種類あるわけでございますが、着床式につきましては、二〇〇九年度から二〇一六年度までの間、銚子沖と北九州沖におきまして、それぞれ一基ずつでございますけれども、
洋上風力発電の実証
事業を実施いたしまして、
風況と波浪の観測及び
評価、
洋上風力発電に必要な設計、施工技術の実証、必要な保守管理技術の実証を行ったところでございます。
まず、着床式についての実証実験、既に終了しているわけでございますが、ここで得られました、
日本の厳しい
自然環境に適応できる基礎の開発と検証は既に終えられたと
認識してございますし、商業運転に向けた
メンテナンス手法等も開発されてきているというふうに
考えてございます。
現在、全国各地で
港湾内等での着床式の
導入計画が進められておりますけれども、これまで進められてきました実証
事業の成果が生かされているものだと
認識してございます。
一方で、浮体式でございますけれども、こちらは、風車を海に浮かべまして、ワイヤで海底につなぐ。主に五十メートルから百、二百メートルぐらいの非常に深い水深の
地域に、要は
洋上風力を、
地域を拡張していくための新しい工法でございます。
これにつきましては、
日本のみならず世界でも、まだトライアル、実証実験を始めたところでございまして、先ほど御
指摘がございました、二〇一三年度から始めました福島沖での実証
事業というのは、まさに世界に先駆ける形で始まったものでございますが、現時点においては、ヨーロッパの一部の国と
日本で進められているというところでございます。
先ほど、七メガワットのトラブルについて御
指摘がございました。
浮体式の
洋上風力の実証
事業というものについても
うちょっと詳しく申し上げますと、浮体の構造物と、それに載せる風車がございます。浮体につきましても、さまざまな形のものがあるわけでございまして、いわゆるセミサブ式、フォーカラム型とVセミ、V形のもの、あと、スパー型というもの、浮きのような形で縦に長いものについても、アドバンストのもの、それぞれの浮体の形に応じまして、それぞれ実証実験をしてございます。
そのそれぞれの上に、二メガワット基、これは従来型でございますが、それだけではやはり
規模に耐えられない、もっともっと大きくしていかなきゃいけないということから
考えまして、五メガワットのダウンウインド、これは日立さんのものでございますが、これの実証を行うとともに、今回トラブルが発生しました三菱重工製の油圧式という、将来、沖合で
メンテナンスが非常に難しくなってくる場合に、ギア式でない新規の技術を進めていくことがむしろ
洋上風力の拡大には資するのではないかということで挑戦した技術開発のものでございます。
今、実証実験が継続中でございますけれども、まず浮体について申し上げますと、さまざまな成果が得られ始めてございます。気象データ、海象データの取得、分析のみならず、浮体式
洋上発電施設の設置に必要な施工、設計技術の実証、そして、それぞれが制動においてどういう挙動をとるか、どれぐらい稼働率に影響できるか、データがだんだんだんだんとれ始めてございます。これは後々の浮体式
洋上風力の
導入拡大には大きな
意味を持つ基盤となるものだと
考えてございます。
一方で、上に載っける風車のところでございますが、二メガワット基は順調に、これは従来技術でございますが、動いているわけですが、五メガワット基についていいますと、まだ
洋上において十分なデータがとれていません。稼働率も、今まだ上昇途上でございます。どうやればこれをフル稼働、いわゆる九〇%、九五%といった稼働状態に持っていけるか。この工夫を、引き続き実証実験を進めていきたいと
考えています。
一方で、七メガワット基の油圧式でございますが、これは構造上の問題で発電の稼働率がなかなか伸びていかないということを、改善を重ねてきたわけですが、世界でギア式が主流になってきている中で、更にこれを上回るほどの技術能力というのは蓄え切れないのではないかという第三者
委員会での結論を得まして、この風車技術の実証については、これ以上続けることではないというふうに判断したというのが現状でございます。